記憶に残る一言(その97):田畑絹江のセリフ(美味しんぼ)

18日の大阪北部地震にはびっくりしました。発生は8時前でしたが、仕事の都合で既に出勤しておりまして、職場に着くやいなや地震に遭遇という感じでした。縦揺れは大きかったのですが、比較的すぐ収まったし、横揺れがなかたので大したことはないかと思いましたが、最大震度6弱で、大阪北部を中心に各地で死傷者が出て、様々な被害が発生しました。何よりも一日鉄道がマヒ状態で、これにやられた人も多かったのではないでしょうか。

実は私の住んでいるアパートも震度6弱とされた場所にあり、ちょっと心配だったので昼休みに帰ってみた(歩いて行ける距離です)のですが、小物がいくつか落ちていただけで特に被害はありませんでした。エレベーターが一日止まっていたのが最大の被害だったりして。いやたかが6階だから問題なく行けるたんですが、札幌時代みたいに13階だったらきっと死んでますね。

人の命に軽重はありませんが、高槻市の小学生女児の死は特に痛ましかったですね。違法建築の塀が最大の問題だったのは確かですが、朝の当番に当たってさえなければ助かったのに。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被害を受けた方々の一日も早い日常への帰還を祈念いたします。

さて本日は「記憶に残る一言」です。今回はこのカテゴリの本来の趣旨に沿った脇役中の脇役のセリフです。本ブログでもこれまでいろいろ突っ込んできた“笑撃の問題作”「美味しんぼ」から、田畑絹江のセリフを紹介しましょう。

田畑絹江は主人公山岡士郎やヒロイン栗田ゆう子が所属する東西新聞文化部の記者です。山岡と栗田の先輩で、当初はオールドミスという設定で、容姿のみならず、性格も地味でした。同じ文化部の栗田と花村典子とはよく行動をともにし、文化部の黒い三連星花の3人組と呼ばれていました。栗田はヒロインだし、花村典子は単独で「文化部の花」と呼ばれた逸材ですが、田畑はどうみても三人セットにするために無理矢理「花」に格上げされた感がありますね。キャンディーズでいえばミキちゃんというか、たのきんトリオでいえばヨッちゃんというか。

後に写真家と結婚して荒川姓になり、文化部副部長に昇進しています。実は少女時代にはスケバンで、普段は落ち着いていますが、いざという時には過去の地が出て荒っぽい脅し文句を吐き、山岡が栗田に対して無神経な言動をとったりするしめあげます。過去の影響か格闘技好きで、姪がずっと後代のスケバンをやっています。田畑が初代、姪は17代目だとか。

単行本11巻「真夏の氷」。海水浴に来た文化部一行。喉がカラカラということでかき氷を注文することに。花の三人組がイチゴだメロンだと注文する中、一人「スイ」と注文する山岡。

かき氷のスイは砂糖水をかけた物です。シンプルで味がごまかせないので制作側は氷や砂糖に気を使うとか。上の写真がスイのかき氷です。化学合成したシロップはまずいからと山岡はのたまいますが、まあこいつは味覚の中二病なんでほっておきましょう。

すると珍しく山岡に同意する文化部副部長にしてトラブルムードメーカーの富井富雄。彼によればスイが氷の味を一番よく味わえるんだそうです。このセリフに反応して花村が「氷の味?」と言ったのに続いて田畑が行ったのが今回の記憶に残る一言。

持ち上げられてるんだかバカにされてるんだかよくわからない賛辞ですね。とりあえず宴会などで食に関する蘊蓄を語る奴が出たらこれを言ってみましょう。

ただし、今回はかき氷の話がメインなのではなく、「氷の味」というものをテーマにした前振りです。調子に乗った富井がかき氷を食べ過ぎてダウンし、落ち込んだ富井を元気づけるために山岡がおすすめのバーに連れて行き、山岡が蘊蓄を垂れる訳ですが、なんとこのバー、店用に毎日汲んでいた井戸水に電機工場で機械を洗う有機溶媒が検出されたから今夜で店を閉めるという話で、店主の計らいで南極の10万年前の氷を使った水割りを飲みます。

なおアニメでは40話。「美味しんぼ」では非常に珍しい水着回で、栗田や花村がハイレグ水着を着るなど、バブル時代の雰囲気を醸し出しています。そして再放送・配信されない欠番扱いの話数なのです。アニメ版の美味しんぼには政治的ないし差別的表現、社会倫理などにより再放送されなくなり、欠番となった話が結構あり、136話中15話もあるそうです。まあ原作者がアレだからねえ…

40話が欠番になった理由としては、ミネラルウォーターがミネラルを添加したモノという表現(国産のミネラルウォーターの多くは軟水、すなわちミネラル分が少ないんですが)や、水道水がまずいと言い切る発言(東京都水道局は水道水は決してまずくないと言っています。まずいとすれば水道水そのものではなく、貯水槽などに問題があるらしいです)あたりが問題なのか。

他の話では、反捕鯨派の外人を騙して鯨肉を食べさせた回など、「そりゃダメだろう」と言わざるを得ない話数なども欠番に。捕鯨も鯨肉食も日本の文化だ!はもっともですし、私も反対はしないのですが、おまえ自身鯨肉は好きかと問われればあんまり好きではありません。子供の頃の給食には「鯨のかりんとう」というメニューがよく出ていました。今思えば竜田揚げみたいなものだった気がしますが、私はあれがあんまり好きではなかった。正直、牛とか豚とかのがいいと思っていましたので、いろんなチョイスがある中で、あえて鯨肉を食べる気にはなれません。もちろん食の嗜好は人それぞれなので、お好きな方はもちろんどうぞ。

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