好きな声優さん第5期(その13):石川由依~舞台女優と二足の草鞋を履く声優

東京はかつて「江戸の八百八町」、京都は「八百八寺」と呼ばれました。対して大阪は「浪華の八百八橋」。大阪には河川・運河に囲まれた地形と橋が多数あることを指しており、大阪は水の都とも呼ばれていますね。実際の数は江戸の約350橋に対して、大阪には約200橋ほどだったということで、橋の数で江戸を圧倒していた訳ではないのですが、江戸の橋がほとんどが幕府による架橋(公儀橋)だったのに対し、大阪の橋は大半が町人達が自腹を切って架けた「町橋」だったそうで、町人たちのこの勢いが「浪華の八百八橋」と呼ばれる所以なんだそうです。

昨日、今回の自宅となった社宅から淀川河川敷まで歩いたのですが、札幌でも豊平川の河川敷を歩いていたこともあり、川沿いを歩くことはとっても気分が良くていいですね。川の様子はだいぶ違いますし、人の数も相当違いますが、川はいい。淀川は広々していていいですが、川のすぐそばを歩ける大川(旧淀川)もいいぞ!

本日は久しぶりに「好きな声優さん」です。そしてついに第5期も定数である13人が埋まりました。紹介声優は実に65人。次回からは第6期となりますが、一体いつ始まるのやら。第5期最後の声優は石川由依です。

石川由依は1989年5月30日生まれで兵庫県出身。6歳の時に大阪の劇団ひまわりに入団し、毎年劇団の公演に出演していました。小学生時代は劇団主催のパフォーマンスライブ「ドリーム・ クエスト」に2人組のユニットでエントリーして歌やダンスを披露し、中学生時代からは劇団の名作ミュージカル・シリーズで主演を多く務めました。東京に来てからはミュージカルクラスの公演や本公演に出演しています。

アニメ声優としては2007年に「ヒロイック・エイジ」のディアネイラ役でデビューしていますが、2002年に畠中恵の「しゃばけ」を原作としたラジオドラマで鳴家役を務めており、これが声優としての実質デビューとなると思います。


2013年に「進撃の巨人」でのミカサ・アッカーマン役で注目を浴びるようになり、海外イベントを含め様々なイベントに呼ばれるようになり、2014年に第8回声優アワード助演女優賞を受賞しています。

身長161センチ、血液型はAB型、特技は歌唱・ジャズダンス・クラシックバレエということです。2017年7月5日に、「ヒロイック・エイジ」で共演した矢崎広(エイジ役)が結婚を発表した際、アニメ監督の鈴木利正が「エイジがディアネイラと結婚したということで…おめでとうございます」という表現で祝福したことで、相手は石川由依なのかと騒ぎになりました。

しかし石川由依も所属事務所も完全否定し、鈴木利正も「誤解するような書き方になってしまい、ファンの皆さん、関係者にはご迷惑をおかけしました」と謝罪したことで収束しました。28歳にもなれば結婚の話が出ても全然不思議ではないですけどね。

それでは私が見た石川由依の演じたキャラを紹介しましょう。まず「終わりのセラフ」(やはり続編は制作されないのか…)の雪見時雨。物語のキーパーソンである一瀬グレンの従者で日本帝鬼軍の少尉です。グレン直属のグレン隊(愚連隊ではない)に所属していますが、隊長のグレンが中佐なのに部下に大佐が二人もいる一見不思議な部隊です。これはグレンが日本帝鬼軍を牛耳る柊家の分家筋で、軍上層部の会議に参加する権利を持つ反面、柊本家から嫌われて階級を低く抑えられているためのようです。

時雨は戦闘技術に長け、暗器等の武器を器用に使う。クナイの形をした鬼呪装備「黒ナギ」を使います。

「クオリディア・コード」の宇多良カナリア。突如襲来したアンノウンによって、崩壊まで追いやられた世界において構築された、東京、神奈川、千葉の各防衛都市にあって、カナリアは東京都市次席で、ランキングは第10位。

「困ったときは笑顔」が口癖で、歌唱による能力活性化を得意とします。主要キャラなのに4話でアンノウンの攻撃を受けて死亡し、その後敵であるアンノウンとして出現するようになりましたが、その真相は…

作画崩壊が話題になった本作ですが、カナリアは可愛かった。それだけに序盤の死亡は「マミか?」と思わせましたが、終盤復活して良かった。また石川由依の歌唱力を認識することになった作品でもありました。

「ガーリッシュナンバー」の片倉京(こと)。メイン三人娘の一角で唯一の常識人。まあ26歳と新人というにはとうがたっていますが。生粋のアニメ好で作品や声優に関する知識が広いのですが、あまり売れてないのでバイトの掛け持ちをしており、30代に近づいたことに危機感を抱いています。このあたり身につまされる声優さんも多かったりして…

作中アニメの「九龍覇王と千年皇女」ではサブヒロインに抜擢された上、同じくヒロインを演じる烏丸千歳・久我山八重とのユニットでエンディングテーマも歌うこととなりました。これがブレイクのきっかけになればと意気込んだ京でしたが、実際にはとんでもないクソアニメとなっており、一話を見てがっかりしていました。

実はメインヒロイン千歳の兄である悟浄と同期デビューで、それだけに留まらない関係もあったかのような微妙さも表現されていたような気もします。悟浄が声優を辞めて事務所のマネージャーになったことは残念に思っていますが、仕事に恵まれず苦しんでいた胸中や声優業界の厳しい現状も理解しているため、彼の決断については受け入れています。

「エロマンガ先生」の高砂智恵。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」で知られる伏見つかさのラノベが原作で、智恵は主人公和泉正宗の同級生にして「たかさご書店」の看板娘です。「俺妹」でいえば地味子こと田村麻奈実のポジションに近いかと。

実家が本屋だけに本好きでラノベの愛好家です。贔屓の作家は千寿ムラマサ。正宗がラノベ作家であることは当然知っていますし、書店の常連客でもありますが、商品の陳列で彼の作品をひいきすることはありません。

正宗に好意を抱いており、「ムネくんの作品が大ヒットして大儲けしたら、お嫁さんになってもいい」と発言したことがありますが、正宗からは「金目当て」と一蹴されています。正宗が最も大事に思っているエロマンガ先生こと紗霧が血のつながらない義理の妹であるほか、ラノベ作家の山田エルフや千寿ムラマサも正宗に強い好意を抱いていることから、その狭間を縫って智恵が正宗と結ばれるのはかなり困難なような。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のヴァイオレット・エヴァーガーデン。金髪に青い瞳の可憐な美少女ですが、謎の戦闘種族。大戦中は敵を圧倒する恐るべき生体兵器でしたが、両腕を失った直後に大戦は終結。以後は義手を装着して自動手記人形として代筆業をしています。

孤児で言葉も親も知らなかったため、ヴァイオレットという名前は主人であったギルベルト少佐に名づけられ、エヴァーガーデンという姓は戦後に後見人となった一家のものを貰いっています。たぶんヴァイオレット本人もなぜ自分が異常な戦闘力を持っているのか知らない様子ですが、ギルベルトの兄のディートフリートに発見され、ギルベルトに贈られました。

今際の際のギルベルトの残した「愛している」の意味を理解できなかったヴァイオレットは、自動手記人形の仕事を通じて人と触れ合いながら、言葉の意味を探していきます。余談ですが、ヴァイオレットの義手が作れる位のテクノロジーがありながら、なぜルクリアの兄は負傷した足をひきずったままなのか。義手はできて義足はできないとか(笑)。それはともかく、ヴァイオレットの演技により石川由依は「好きな声優さん」になりました。

「Fate/EXTRA Last Encore」の岸波白野。原作であるゲーム「Fate/EXTRA」では男女ともデフォルトネームはこれで、性別を選択できますが、アニメでは主人公である岸浪ハクノのサーヴァントであるセバー(ネロ・クラウディウス、通称赤セイバー)の前のマスターという設定でした。

アニメでは岸浪ハクノの正体は、生きながら死に囚われた者(デッドフェイス)であり、死人として活動し死をばら撒く呪いであり、岸波白野という昔のマスターの要素を持った生者への憎しみだけで構成された殺人鬼であると提示されました。

岸波白野は1000年前のキャラで、彼女自身、過去に存在した人間の再現データのNPCでした。対峙した敵からは「記憶も無い、願いも無い、そんなマスターがよくもここまで勝ち残った」とディスられましたが、その際セイバーは「そんなマスターなのに我が奏者はここまで勝ち上がってみせたのだと言い直すがよい!」とフォローしています。

敗北により自分自身の存在意義を疑い出した岸浪ハクノに対して、「あなたはあなたを信じてくれる人を大切にしなさい」と言って姿を消す白野。そしてセイバーの魂の激励を受けて復活するのでした。

石川由依は舞台女優も続けているのでアニメの登場作品はブレイク後もあまり増えていませんが、主演級をこなしていくものと思われます。歌が上手いのでアーティストデビューもすればいいのにと思いますが、忙しくなりすぎちゃいますかね。
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