2018年冬季アニメの感想(その1):ラーメン大好き小泉さん/からかい上手の高木さん/宇宙よりも遠い場所

いつもと違う日にこんばんは。実は4月からまた転勤で、週末は忙しいので本日の筑波嶺での最後の記事にしたいと思います。今度の転勤先は大阪。大都会で、以前も一度赴任したことがあります。そういう意味では土地勘が少しはあるのですが、10年以上前だからもう何もかも変わっています。変わらないのは我がおんぼろ社屋だけのような。

それではやたらと本数を見ていた冬季アニメも次々と最終回を迎えているのでその感想を。まずは「ラーメン大好き小泉さん」。藤子不二雄の「オバケのQ太郎」にインスタントラーメンが大好きな小池さんというキャラが登場しており、シャ乱Qも「ラーメン大好き小池さんの唄」というのを歌っていましたが、あの人実は小池さんの家に居候していた鈴木さん(モデルはトキワ荘仲間だったアニメーターの鈴木伸一)なんだそうです。それはさておき、小池さんに負けず劣らずラーメンが大好きな美人女子高生小泉さんのラーメン遍歴の物語でした。


といっても小泉さんだけが登場するわけではなく、小泉さんと仲良くなることに異常な執着心を見せる百合ストーカー大澤悠や、その友人の中村美沙、高橋潤といったJK仲間も登場します。悠以外はそれほど小泉さんに興味があるわけではないのですが、とにかくしつこくてうざい悠が小泉さんい冷たくあしらわれまくる反面、そっけない他の二人とはわりと一緒にラーメンを食べていたりしているので、しつこくべたべたしすぎてペットの犬猫に嫌われてしまう子供と、あまり構わないせいでむしろ気づくと向こうからやってくる大人のような関係をちょっと彷彿とさせます。小泉さんはきっと猫だ。

実在のラーメン店が多数登場しましたが、小泉さんはグルメという訳でもなく、コンビニのカップ麺でも喜んで食べる懐の深いタイプです。反面ご当地ラーメンを食べるために各地に旅行するなどアクティブな面もあり、JKのままラーメン評論家でやっていけるような感じでもあります。ラーメン以外は興味のあるものがなさそうながら成績は基本優秀。全く登場しない家族構成がいったいどうなっているのかは永遠の謎のようです。


ラーメンを完食してスープを飲み干すと必ずイキ顔をさらす小泉さんとJKの仲間達の顔を愛でる作品ということもできます。社交性・協調性が著しく欠けている反面、食事のマナーはちゃんとしている小泉さんは、ラーメン好きながら一緒にライスやチャーハンなど定番付け合わせやギョーザなども食しており、基本ラーメンがあればサイドメニューはなんでもいけるタイプのようです。一日に何杯もラーメンを平らげておきながらスリムな体型を維持している何とも羨ましい体質の持ち主ですが、きっと20歳超えたら変わるに違いない。いや、変わらでおくものか。

つづいて「からかい上手の高木さん」。こちらは中学1年生生で、同級生同士である西片と高木さんのやりとりを描くラブコメです。高木さんが西片をからかい、西片が高木さんになんとか仕返しをしようとするものの、いつも上手く躱された上にさらにからかわれてしまうという展開でした。

傍から見たらこの二人、もう完全につきあっているとしか思えないのですが、西片はとにかくまだまだ子供で、考えていることがすぐに顔に出たり、赤くなったりするので、大人びた高木さんからはいいカモにされていますが、高木さんはどう考えても西片に好意を持っているのにそれに気づかない鈍感ぶりには高木さんも手を焼いているかもしれません。

10年後には二人は結婚しているんだそうで、だとすると中学生時代にどんだけからかわれても、それはそれで甘酸っぱいいい思い出なので、せいぜいからかわれてくれいと思ってしまいますね。田舎の方の中学校という感じで、自転車通学も可のようですが、私の中学生時代と違うなあと思うのは、下校途中でしばしば買い食いしている点。自販機利用なんか日常茶飯事みたいでうが、私の頃は校則で下校途中の飲食は禁止でした。んなもん律儀に守るなよと言われそうですが、そもそもお金だって持って歩きませんでしたしね。高校に入って自販機で飲み物買った時、ああちょっと大人になったなあと思ったものですよ。

同時に同じ作者の「あしたは土曜日」(すばらしいタイトルだ)の主人公である女の子3人組(ミナ、ユカリ、サナエ)を中心とした話も織り込まれていますが、こっちはいかにも中学生になったばかりの女子という感じで男っ気一切なしの笑える話が展開されていました。美人声優M・A・Oに天使声優小倉唯まで投入しながらなんだこの色気のなさは(笑)。

OP「言わないけどね。」がかわいらしくて良かったですね。今季一番好きなOPかも。EDは高木さんが西片とカラオケに行ったかのようにいろんな曲をとっかえひっかえ歌っていましたが、きっと二人きりでカラオケをしても西片は高木さんの好意に気づかないのでは。もっとも「もしや高木さんは俺のことを好きなのか?」と思うとすぐに顔や態度に出てしまうので、そうなると高木さんはからかうしかなくなってしまうという。

それにしても高木さん役の高橋李依、現在売れまくっていますね。「それが声優!」で初めて見たときからこの人は売れるだろうとは思っていましたが、予想以上のブレイクぶりにびっくりです。

最後に「宇宙よりも遠い場所」。前二作と異なりオリジナルアニメ作品でしたが、これは良作。様々な悩みを抱えて閉塞感に満ちていた女子高生4人組(中退したせいで元女子高生もいるけど)が、南極行きという非日常に挑戦することで変わっていく物語でした。

主演4人組はみんな達者な声優ばかりで、その周辺も能登麻美子や日笠陽子など達者なベテラン声優で固めているのでそのあたりはもう鉄板。4人組の中ではなざーさん演じる小淵沢報瀬(しらせ)だけ、ママンが南極観測隊員で、しかも子供の頃に南極で行方不明(それすなわち死亡確認状態)になったということで、なんとしても南極に行きたいという動機を明確に持っていたのですが、残り三人はそれに乗ったという形でした。

じゃあ報瀬が一番しっかりしているのかといえば…見た目美人で大人びているんですが、一番ポンコツだったような。これが残念美人という奴か。そのポンコツぶりを演技してみせるはなざーさんがまた上手い。さすがシリアスからコメディまで芸域が広いですな。

一番しっかりしてたのは元女子高生三宅日向(CV井口裕香)でしたが、彼女にしても高校を中退した原因にトラウマを抱えており、南極挑戦で有名になったことで元同級生達がコンタクトしてきたことにキレまくっていました。報瀬と対極にいる人かと思ったけど、結局報瀬と一番親しくなったような。

南極行きを現実のものにさせた功労者はJKタレントの白石結月(CVはやみん)でしたが、一人で行かされるのが嫌で四人じゃなきゃヤダとごねたせいだったり、幼い頃から仕事をしていたため仕事ぶりは達者で言動も大人びている反面、同年代の友達が一人もいなかったため、友達というものへ執着がやばめでした。猜疑心も強いし、はやみんが演じているだけにこのままヤンデレもいいなと思いましたが、別にそういうことはなかったぜ。

4人組の中でも主人公格は玉木マリ(CV水瀬いのり)でしたが、平凡な暮らしに飽き飽きしていたものの、人では殻を破ることができなかったというよくいるタイプでありながら、その本性はかなり尋常ではなかったという変わった子でした。周辺にいるといろいろと面白いけど、とりあえず同室になるのはイヤというタイプ。

南極に行くまでの課程や、南極探検隊の活動とか日常を丁寧に描いていたのも面白かったですね。「吠える40度、狂う50度、絶叫する60度」なんて呼ばれる南極への困難な道のりは、乗り物に弱い人だとそれだけで無理かも。飛行機でダイレクトに行けるといいんでしょうが、それだと機材物資を十分に運べないんでしょうね。南極で空を見上げてここからジャムが地球に飛来してきたのねとか言って欲しかったけど、JKが知る由もないか(笑)。


南極でママンの遺体と遭遇とかすごい事態に遭遇するかと思ったら、それほどのことはありませんでしたが、皆それぞれ成長したようでなにより。一年休学した甲斐があったというものです。玉木マリの親友で、実は密かにマリが変わってしまうことに嫉妬を感じていた高橋めぐみ(CV金元寿子)が、南極出発前にあらいざらいぶちまけた後、彼女自体も変わらんとしていたことが最終回で判明したのは実に良かった。私はてっきり風間真にとっての神崎悟になるのかと思っていたのですが、さすがにそういうハードな展開はありませんでした(当然か)。

「SHIROBAKO」にしても「サクラクエスト」にしても、精神的に徐々に成長していく女の子達の話というのは見ていて気持ちがいいので私は好きですね。

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