2018年冬季アニメ序盤の感想(その4):グランクレスト戦記/BEATLESS/ダーリン・イン・ザ・フラン キス/Fate/EXTRA Last Encore

というわけで節分の翌日は例によって立春ということですね。春と言われても2月中は全然春の感じがしませんが、それでも日脚だけはだいぶ伸びてきたなあと感じます。昔は春を迎えることは大きな喜びだったんでしょうが、昨今では花粉症とかPM2.5とか、よろしからぬ春の使者もいるのでちょっと微妙になってきてますね。

さて引き続き2018年冬季アニメ序盤の感想です。いつもなら「その2」で終わるのですが、なにしろ今季は視聴本数が尋常でなく多いので「その4」まで来てしまいました。まずは「グランクレスト戦記」。5話まで視聴。「ロードス島戦記」で有名な水野良のライトノベルが原作です。

混沌が支配する大陸「アトラタン」で、混沌により生じる災害から人々を守るのが聖印を持つ者・君主(ロード)です。しかし君主たちは「人々の守護」という理念を捨て、互いの聖印と領土を奪い合う戦乱へと突入して久しい年月が過ぎています。そんな中、理念なき君主たちを軽蔑する孤高の魔法師・シルーカと、故郷を圧政から解放するべく修練の旅を続ける放浪の騎士・テオが出会い、主従の契約を交わした二人は、 混沌と戦乱の大陸に変革をもたらしていきます。

原作を読んだ人には周知の話なのかも知れませんが、第一話の展開が初見の人にはかなり判り難かったように感じます。その後もハイスピードだし。君主達の二大勢力である大工房同盟と幻想詩連合のそれぞれのリーダー(大公)の嫡子同士が結婚しようとして、それが成れば聖印の統合により皇帝聖印(グランクレスト)が生まれ、平和が実現すると思われていましたが、何者かの策略によりデーモンロードが出現して両大公は命を落としただけでなく、両者の所有していた莫大な聖印が失われたことで、従属していた多くの君主が独立し、戦国時代のような様相を帯びています。

天才魔法師シルーカは、惨劇を阻止しようとして果たせず、女たらしと噂されるアルトゥーク伯爵との契約を強いられる身となりましたが、その途中で自ら作った聖印を持つテオと出会ったことで勝手に契約してしまい、以後テオの軍師となって国盗りゲームに参戦していきます。途中までは順調でテオは男爵位まで獲得しましたが、「やりすぎる」という性格が災いして窮地に追い込まれ、アルトゥーク伯爵に救われたことでテオは聖印の大半を部下に譲って伯爵の従属君主となりました。

最初は伯爵から逃れるために衝動的にテオと契約したシルーカでしたが、次第にテオの君主としての素養に惹かれ、今では異性として意識している様子です。人間と魔族だけかと思いきや、吸血鬼や人狼、黒魔女なんてのも登場してきてファンタジーらしくなってきました。今後エルフとかドワーフとかも登場してくるんでしょうか?黒魔女ヤーナは日笠陽子が演じていましたが、本当にこの人はどんな役でもこなせて素晴らしい。


原作があるせいか、展開がいかにもマニュアルに則ってやってます的な感じがあるんですが、皇帝への道をひた走るのかと思いきや、他人に従属するようになったので、今後どのような展開を見せるのかに期待しましょう。シルーカ役の鬼頭明里は今後注目すべき若手声優の気がします。「艦これ」では風雲、沖波のほか、イタリア艦Libeccioを演じてますね。

「BEATLESS」。4話まで視聴。月刊「NewType」で連載された長谷敏司のSF小説が原作となっています。社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた22世紀の世界が舞台となっています。人間そっくりのhIEは「イブの時間」のアンドロイドのようですが、既に人類の知能の超えた超高度AIが出現しており、hIEも動作は全てクラウド上のコンピューターが制御しており、独自の頭脳は持っていません。


hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のhIEが逃亡します。レイシア級と呼ばれるhIEは、超高度AI「ヒギンズ」が開発したものですが、それ自体が今の人類には理解できない超高度技術で作られた人類未到産物(レッドボックス)で、主人公の遠藤アラトがそのうちの一体であるレイシアと遭遇、契約したことから物語が始まっています。

hIEはどんな容姿にでも出来るはずですが、レイシアは驚くほどの美貌で、ファッションモデルをこなすほど。レイシアは「私に心は無い」と言い切っており、人間のような一個の人格があるわけでもありませんが、穏和かつたおやかな佇まいで家事などてきぱきとこなす様を見ればオノコとして惹かれて行かざるを得ないのは当然。


同じレイシア級の「紅霞」は、なぜかhIE排斥団体「抗体ネットワーク」のリーダーを務めており、レイシアとも小競り合い程度の戦いを展開しましたが、レイシア級は「ヒギンズ」からそれぞれ独自の役割を与えられている模様で、人間社会に刺激を与えようとしているのか、それとも変革をもたらそうとしているのかわかりませんが、まさか人類滅亡を狙っている訳では(それならもっと上手くやる手段がある気がしますので)。

会う人がことごとく「美人さんだ」と驚くレイシアのCVは東山奈央。この役は東山奈央の新たな魅力開眼という気がします。これまでの印象はギャル系とか、綺麗というより可愛いキャラを得意とする声優というものでしたが、実は結構な美人声だったんですね。認識を改めなければ。

レイシアが特に高性能なのかも知れませんが、ネット接続により様々な知識を得て行動に生かす姿は、これまでのロボットとかアンドロイドとは一線を画したアンドロイドだと思います。攻性防壁とかも持ってそう。私も一台ぜひ欲しいですが…でも、お高いんでしょう?

「ダーリン・イン・ザ・フランキス」。さあ遂に来たぞ、今季一番の問題作(笑)。遠い未来、荒廃した地上で人類は移動要塞都市を建造してその中で暮らしていますが、「叫竜」と呼ばれる謎の巨大生物の襲撃に脅かされています。「叫竜」と戦うために「フランクス」という複座の人型巨大兵器が開発され、そのパイロットとして子供達が育成されています。


子供達には番号だけで名前が付けられず、外部と隔絶されて暮らし、戦うことだけを使命としているわりに大人達から「パラサイト」と呼ばれているあたりが実に不穏なんですが、「パパ」達と呼ばれる大人の方もまるでゼーレみたいな雰囲気なので、全体的にまだ謎だらけといった感じです。


主人公ヒロは、子供達の番号から名前を命名した名付け親的存在ですが、神童と呼ばれたのは今は昔、現在ではまともにフランクスを扱う能力を失っており、パイロットとして存在価値を見出せない日々を送っていました。そんな時に突如現れた角を持った少女ゼロツーと出会います。「パートナー殺し」の異名を持つ彼女に「ダーリン」と呼ばれて気に入られ、ゼロツーのフランクス「ストレリチア」に乗ったところ、大活躍を見せました。

ゼロツーとしか組めない代わりに組めば真価を発揮できるということで、もはやヒロとゼロツーはコンビを組むしかないと思われますが…。驚きなのは、フランクスの操縦法。バイクレーサーのような姿勢の女性パイロットの後ろで、臀部から伸びた操縦桿を握る男性パイロット。これって、この姿勢は…こ、こうは…(自主規制)

どうやら女性パイロットがフランクスと直接同調し、それを男性パイロットが操縦するようなのですが、ヱヴァンゲリオンでいえばコアが女性パイロットということになるのか。それにしてもこのユニークな操縦方法により、パイロット達の会話のほとんどが(性的な意味で)と末尾につけたくなるような意味深なものに聞こえてしまうという。

「あの時、俺はちゃんと乗れていたのかどうか…」(ヒロ)
「ちゃんと乗れてた。素敵だったよ…ダーリン」(ゼロツー)
「コネクトする時の感覚…早く慣れると良いなあ。」(ココロ)
「内側からグチャグチャにかき混ぜられるようなあの感じ」(ミク)
「あたしは安心感みたいなものを感じたな。誰かと一緒に居るような」(イチゴ)

「俺…下手じゃなかった?」(フトシ)
「ううん、良い感じだよ」(ココロ)
「ゴメン…」(ヒロ)
「謝んな…下手くそ」(イチゴ)

セリフは2話からですが、ちょっと拾っただけでもこんなにセリフがいちいち意味深。それもこれもあの操縦システムが。そんな訳で相棒を取り替えるだけでスワッピングというかNTRというか、なんかやましい雰囲気が生じてきます。


この世界にはまだまだ謎が多いです。様々な種類がいる叫竜とは何なのかとか、パイロット以外の子供はいるのかとか、どうして大人は一部を除いて顔を隠しているのかとか。1クールの中で答えが出てくるのか、それとも第二期を待て!になるのか。


お気に入りキャラはココロ。CVはやみんというのもあるけどおっとりしていて可愛いんですよね。あとはヒロの幼なじみのイチゴ。パートナーじゃないのにいつもヒロを気に掛けていて、キスまでしてやったのにヒロときたら(笑)。色んな意味で青春キャラしてていいですね。

最後に「Fate/EXTRA Last Encore」。2話まで視聴。またまた始まるフェイトシリーズで、始まるのが遅かったのでまだ感想を語れるレベルではないのですが、今回のセイバーは赤セイバーことネロ・クラウディウス。FGOにも登場しており、私もキャスターの水着ネロを持っています。ネロは当然ローマ帝国5代皇帝なんですが、女体化はFateシリーズではもはや日常茶飯事なのでいちいち驚きません。CVは丹下桜です。「CCさくら クリアカード編」といい、丹下桜の時代が再び始まるのでしょうか。

主人公の岸波白野は新顔ですが、おなじみ(?)の遠坂凛、間桐桜、言峰綺礼も登場。間桐慎二も間桐シンジとして登場し、主人公の親友とか言うので改心したのかと思いきや、やはりクズ野郎でした。2030年代という近未来ですが、月面に作られた霊子虚構世界という仮想現実空間が舞台となっているので我々の世界とは歴史そのものが違うようです。


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