2017年秋季アニメ序盤の感想(その3):妹さえいればいい。/クジラの子らは砂上で歌う

台風23号、日本列島に沿って北上中。一日中雨ザーザーで、もう11月になるっていうのになんて日だ。せめて夜中のうちに抜けていって貰いたいものです。そしてもう今年は来るんじゃない。

それでは昨日疲れてしまって未完だった秋季アニメの感想を完結させましょう。まずは「妹さえいればいい。」。「俺妹」といい「エロマンガ先生」といい、ラノベ業界は本当に「妹」が好きですねえ。しかし本作では本物の妹は登場しません。妄想中のエア妹のみ……かと思われましたが……

妹モノの作品ばかりを書き続けている妹バカ一代の小説家・羽島伊月の周囲には、いつも個性的な人物が集まっています。残念系天才美少女作家・可児那由多、青春女子大生・白川京、才能不足に悩む優等生作家・不破春斗など、それぞれ悩みを抱えながらも、にぎやかな日常を繰り広げています。

伊月は高校生時代にラノベ作家デビューしており、当初はかなりの売れっ子でしたが、変態的とまで言えるほどの妹好きのせいで、全ての作品で妹がメインヒロインとなっているため、現在では話が完全にパターン化してしまっており、才能のわりにそこそこの売り上げになってしまっています。

そんな伊月には千尋という義理の弟(なぜ義理なのかはまだ詳細不明)がいて、家事万能料理上手の完璧超人で、甲斐甲斐しく一人暮らしの兄の世話を焼いています。これが妹なら…と誰もが思うところですが、CVが山本希望だし、本当は女の子なんじゃないかという疑惑が。

陰湿なイジメをうけて引きこもりの暗い学生時代を過ごしていた可児那由多は、伊月の作品で救われてファンになり、伊月に会いたいがために作家になり、いきなり告白して玉砕。しかしなおも度々部屋に押しかけています。全裸でないと執筆できないとかあらゆる点で変態的ですが、稀代の天才だそうで、その才能に伊月も嫉妬しています。

CV金元寿子ですが、那由多の変態かわいいぶりを遺憾なく表現しています。最近あまり視聴作品に出ていなかったので改めてひーちゃんはいいなと思いました。那由多は伊月と出会って嬉しさのあまり吐いてましたが、そういえば「琴浦さん」でも吐いてたな。もしや吐きキャラとの相性がいい?「アニメガタリズ」によれば、ゲロを吐く作品は名作なんだそうですが。

そしてナイスバディで常識人の女子大生白川京。作家でもないのになんで伊月達と付き合っているのかといえば、伊月が通っていた大学の同級生だったんですね。出会いはギャルゲーばりに最悪でしたが、そのせいで却って伊月が気になった模様。大学はあっさり中退してしまった伊月なのに、今も頻繁に遊びに行っています。これって誰がどう見ても恋なんですが、伊月は気が付いていないのか。伊月からはビッチ呼ばわりされていましたが、ファッションはいかにも今風の女子大生的なものの、真面目でもしかして(もしかしなくても)処女。いやだから何だという話ですが、これだけ美人なのに。

京のCVは最近大好きな加隈亜衣。くまちゃんと呼ぶべきか亜衣キャンと呼ぶべきか。それともカックマンだろうか。舌っ足らずな声が丹下桜を彷彿とさせます。ラジオなどでは結構ドSな発言や闇発言もするんですが、彼女の口調で言われると大抵許せてしまいます。加隈亜衣と本渡楓と上田麗奈が主演を務める作品、誰か作ってくれませんかね。いっそプリキュアシリーズとか。でもそれじゃ私が見られない(笑)。

京は常識人だけど結構流されやすいタイプらしく、那由多に引きずり回されて色んな事をするはめに。おっぱい揉まれたり沖縄とはいえ冬に海に入ったり。いいぞもっとやれ。

第一話冒頭で出オチ的にぶちかましてきた伊月の妄想が凄まじくて、編集者ならずともドン引きします。まさにクレイジーサイコパス設定。こんなんで作家が続けられるんなら私もラノベ作家になりたい。

言動の破天荒さが目に付く伊月ですが、未成年の那由多には絶対酒を飲ませないなど、結構真面目なところもあります。でも千尋が実は妹だと知ったら狂気の暴走を始めそうで怖いですね。お相手は京が無難そうなんですが、やはり那由多になっちゃうんでしょうか。一度は断ったようですが、あれだけ好き好きビームを受けたら普通ではいられないでしょう。

最後に「クジラの子らは砂上に歌う」。これは完全に異世界もので、水の代わりに砂が世界を覆い尽くす世界で、巨大な漂泊船「泥クジラ」が舞台となっています。ここに住む人々は9割が超能力(サイミア)を持つ代わりに30歳前後で死んでしまう「印」と、超能力を持たないが長命の「無印」に別れています。

超能力の有無という格差については「新世界より」では極端なものとして描かれ、遂には種としてかけ離れた存在にされてしまったほどでしたが、本作では「無印」は長命さを生かして統治する側になっており、特に激しい対立状況にはなっていません。「印」というのは、サイミア発動の際に身体に紋章のようなものが浮かび上がるところから付けられたようです。

主人公は記録係である「印」のチャクロですが、ある日突然漂着した廃墟船を調査する中で、謎の少女・リコスと出会いますが、それは、退屈ながらも平和だった泥クジラを大きく揺さぶる激しい嵐の前触れだったのです。

チャクロには幼なじみのサミという女の子がいて、CV金元寿子。しかしこちらはいいロリ(?)で、ちょっと甘えん坊ですが完全に清純派でした。那由多と対極のような子で、同時期に演技をきっちり分けるひーちゃん凄いと思ったのですが、残念ながら2話でチャクロを庇って死んでしまいました。

突如襲撃してきた“帝国”。理由も判らないままに虐殺される泥クジラの人々。なぜか沈黙する泥クジラの長老会。何か大きな秘密を抱えているらしい泥クジラ。なんとなく「風の谷のナウシカ」的な雰囲気もありますが、どうなっていくんでしょうか。

帝国の兵士は銃や大砲の他、槍や剣も使っていますが、サイミアも使用出来るようです。じゃあ泥クジラ側にはアドバンテージが何もないことになりますが、サイミアを持ちながらも武器を使用するということは、サイミアの出力とか使用法に差があったりするんでしょうか。「新世界より」では地球を真っ二つに出来るとさえ言われるほどの超能力者もいましたが。


今のところは謎が謎を呼ぶ展開ですが、退屈な泥クジラから脱出して外の世界を見たいと願っていたオウニ達からすれば、憧れの外の世界が帝国という殺戮者だったということで、三話のタイトル「こんな世界は、もうどうでもいい」という気持ちになるのもむべなるかな。

サミを失ったチャクロも茫然自失ですが、この人はきっとリコスに乗り換える(笑)。

スポンサーサイト