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万能鑑定士Qの事件簿Ⅴ:凜田莉子、おフランスでも活躍す

希望の党ですってよ奥様

 ほとんど政治的な案件には触れないノンポリ野郎である当ブログですが、昨今の「希望の党」とやらをめぐる一連の騒動の展開ぶりには驚きますね。ジリ貧極まれりの民進党ですが、まさか解党して合流とは。20数年前の「日本新党」の騒ぎを思い出します。実現したら、それって名前が変わっただけで事実上ほぼ民進党なんじゃないかなんて思ってしまいますが、自分の議席を守るためには綺麗事は言ってられないということでしょうか。しかし、そうはいっても綺麗に見せないと…あんまり露骨なのはどうなんでしょうか。

万能鑑定士Qの事件簿Ⅴ 

 それはさておき、本日は松岡圭祐の「万能鑑定士Qの事件簿Ⅴ」を紹介しましょう。凜田莉子がヒロインを務める「Qシリーズ」は全12巻なんですが、なんと筑波嶺の図書館には本巻までしかない模様。何回書棚を見てもⅥ以降が見当たりません。なので好きなシリーズなんですが今回で紹介は終わりなのかも知れません。まずは例によって文庫版裏表紙の内容紹介をどうぞ。

パリですがな 

 お盆休みにパリ旅行を計画した凜田莉子を波照間島の両親が突然訪ねてきた。天然キャラで劣等生だった教え子を心配した高校時代の恩師・喜屋武先生が旅に同行するというのだ! さらにフランスで2人を出迎えたのは、かつて莉子がデートした同級生の楚辺だった。一流レストランに勤める彼は2人を招待するが、そこでは不可解な事件が起きていた。莉子は友のためにパリを駆け、真相を追う! 書き下ろし「Qシリーズ」第5弾!

花畑よしこ 

 「アルジャーノンに花束を」で言えば手術後のチャーリー状態(しかも元に戻ることなし)の莉子ですが、波照間島に住んで石垣島の高校に通っていた時代は「アホガール」の花畑よしこに匹敵するお馬鹿な女子校生でした。いや、まあさすがによしこよりはましだったとは思いますが、体育・音楽・美術以外はオール1の万年最下位学生だったので…ってそれでよく卒業できたなオイ。

 あれから5年。上京してスーパーインテリとなった莉子はもはやフランス語をある程度話すほどになっていますが、両親からすればまだまだ子供。自分達の元を去った後の成長はなかなか実感が掴めないのはわからないでもありません。ましてや散々手を焼かされた担任教師においてはなおさら。

 ということで、莉子がパリ一人旅なんてとんでもない!と無理矢理同行することになった高校の恩師喜屋武先生。まだ卒業を認めていないとかなんとか牽強付会な理屈をこねてますが、そんなもん傍から見たら美女につきまとうストーカーだぜよ。

 莉子もややうんざり気味なんですが、そこは万能鑑定士。喜屋武の強引さの裏に潜む何かに感づいたようで、無理矢理振り切ったりはしません。感受性がとても豊かで美貌と比例するくらいに心が綺麗なのは今も昔も変わらない莉子なので、先生の立場を忖度するわけです(何か今では良くない言葉にされているきらいがありますが、本来は悪い意味ではありません)。

 しかしまあ喜屋武先生からすれば、体育・音楽・美術以外オール1の莉子を卒業させるにあたっては、校長先生に「自分が責任をとる」と申し出てなんとかしたといういきさつがあるので、既に成人したとはいっても莉子のことを他の卒業生以上に気に掛けるのは仕方ないかなとも思えます。

 先生が強引に決めた寄宿先は、やはり教え子で、パリで料理人の修行をしている楚辺のアパートでした。この人は莉子の同級生で、かつては清いデートをしたこともあるという仲。いわば莉子の淡い恋の相手です。別に「桜花抄」のようなことはなかったので、あれから5年、もう淡い恋心は思い出に変わっているようですが。

 楚辺は自分が勤める一流レストランに2人を招待しますが、そこで巻き起こる不可解な食中毒事件。店は営業停止となり、“犯人”と思われるフォアグラの製造業者まで徹底的に調べられることになります。失業の危機に直面した楚辺を救うべく、莉子はパリを、いなフランスを駆けて真相を追うことになります。 

フォアグラ 

 例によって意外な人物が意外な動機で犯行を行っていたということになるのですが、そこはまあお読みいただくとして、折々登場するいけすかないフォアグラ業者の社長が、「これを売れば大金が入る」と豪語するアンティークを、繰り返し一目で偽者と見破ってその根拠もきっぱりと述べる莉子が素敵すぎます。ここは笑いを取る場面なのですが、「なんでも鑑定団」は莉子一人で鑑定させれば人件費が浮くんじゃないかと思ったり。

強制給餌 

 ところでフォアグラ。世界三大珍味の一角として有名ですが、ガチョウやアヒルなどに沢山の餌を与えることにより、肝臓を肥大させて作ります。その給餌のやり方は強制というか無理矢理で、動物虐待じゃないかという声もあり、EUでは生産・販売を禁止する動きもありますが、生産地を抱えるフランスは生産者保護に動いています。確かに酷いなあとは思うのですが、食べればやっぱりうまいからなあ(笑)。もちろん普段はお目にかかりませんが、たまに食べるとやはり旨いと言わざるを得ません。

キャビア 

 トリュフとキャビアは稀少ではあってもフォアグラのような無理矢理感はないので特に文句はつけられないようですが、基本が魚卵は苦手な私が美味しく食べられるのがキャビアで、基本キノコ類が得意でない私がその香りを楽しめるのがトリュフです。そしてレバー系もなるべき敬遠したい私がお喜んで食べるのがフォアグラ。……みんな旨いのがいけんのじゃ。フォアグラ味のレバーを作ってくれたらいくらでも食べるんですけどね。

トリュフ各種 

 ところで万能鑑定士Qの経営なんですが、依頼客で賑わっているのは結構なんですが、大抵鑑定でお金を取らないのはいかがなものか。莉子的には一目で偽者とわかった場合はお金を取りづらいらしいのですが、事務所の家賃だって払わなければならない訳だし、一目見るだけであっても一鑑定千円とか決めておけばいいのになあと思ったりして。まあ欲のなさが莉子のいいところではあるんですが。

モナリザの瞳 

 ちなみに2014年公開の映画版「万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-」は本作が原作ではありませんが、やはりパリに飛んでいます。

映画版の莉子と小笠原 

 キャストは莉子が綾瀬はるかで相方的存在の「週刊角川」の小笠原が松坂桃李。それはまあいいのですが、喜屋武先生はなんとアンジャッシュの大島一哉(児島だよッ!!)。どうなんでしょうその配役は。本作では莉子がすごすぎるせいでポンコツ気味に描かれていますが、本来は莉子の探偵的技能の最初の師匠ともいえる人なんですよね。中島さんじゃ(児島だよッ!!)ポンコツ過ぎやしないでしょうかね。

児島だよッ 

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