2017年春季アニメの感想(その1):つぐもも/クロックワーク・プラネット/ひなこのーと

気温はそれほどでもないですが、やたら湿度が高くてムシアツゥイ!ですね。こういう時に楚々とした風情のあるガクアジサイを見ると気分が少し晴れます。普通のアジサイの原種がガクアジサイだそうですが、日本原産ってスゴイですね。日本から中国、そしてヨーロッパに伝わっていったという。

春季アニメが続々と最終回を迎えているので、本日はその感想をば。まずは「つぐもも」。土地神・くくりから怪異を調伏する「すそはらい」の任を命じられた加賀見一也と、一也をやたら振り回すやたら強気な帯の付喪神・桐葉の物語ですが、一見少年漫画的な絵面なので、なぜに深夜になるのかとも思いましたが…

本作、やたら下ネタが多いです。やはり深夜にやるしかないか。これまでに2回アニメ化の話があったものの、いずれも流れていたということですが、そのせいじゃないでしょうか。いや、下ネタ自体はもっとスゴイ作品もあるんですが、少年漫画そのものなキャラデザインとの間に大きな落差が。一也を始め悪友達や生徒会長まで女性声優を起用しているというのにイマイチ萌えないのは、キャラがあんまり可愛くないから。


付喪神って、名前に「神」が付いていますが、実際には長い年月を経た道具に魂が宿ったものなので、妖怪ですよね。それにしちゃあ傍若無人の限りで、力を失っているとはいえ土地神のくくり(菊理媛神)への態度が酷すぎる。キクリヒメといえばメガテンシリーズにも登場するメジャーなお方だぞ(もっともメガテンシリーズはマイナーな神や悪魔を好んで取り上げる傾向がある気もしますが)。

個人的お気に入りキャラは男だけど小山内治。非常に沈着冷静で、怪異にもほとんど動じず、一也たちの中でもブレーンとしての役割を果たすほか、なにげに実家がお金持ち。ぜひお友達になりたいですな。


物語的には序盤部分をやったというところで終了しているので、ストーリーを本格的に展開させるには二期以降が必要なんですが、幼馴染みを始め主要女性キャラがあんまり魅力的じゃなかったので円盤が売れるかどうか。脇役の奈中井ななことか終盤登場の皇すなお辺りは可愛いかったので、彼女らをもっと登場させられていたら…

続いて「クロックワーク・プラネット」。惑星一個がまるまる時計仕掛けになっているというもの凄い設定で、電波すら聞くという異常聴覚を持つ見浦ナオトと彼が直した自動人形(オートマタ)リューズ、そして天才時計技師マリーの活躍を描く物語…なんですが。

風や気温、重力などあらゆるものが全て歯車によって制御されているという虎将仰天な設定といい、修理不能な故障が発生した場合に、都道府県ごとに分けられている区画(グリッド)を意図的に崩落させて他への波及を防ごうとするパージを、わりと簡単に行おうとする軍とか政府の凄まじい人命軽視ぶりに唖然とします。ナオト達の行動を正当化するために悪役を押しつけられているとはいえ、無能っぷりが目にあまります。

じゃあナオト達が好感が持てるかといえば、こいつらもほとんど性格破綻者なのでついていけません。特にナオトはしっちゃかめっちゃか過ぎて共感性ゼロでした。正直よく最後まで見てたなと思います。

加隈亜衣演じるツンデレというよりヤンデレチックなリューズの毒舌を聞くのだけが楽しみだったような。敵勢力もそれなりに魅力的に描かないといかんなあと改めて思いました。ラスボスがナオトとマリーを、地球上全ての機能を歯車で再現した時計技師Yとみなしていましたが、それは何か根拠があったんですかねえ。

個人的お気に入りキャラは当然リューズ。時計技師Yが1000年前に製造したというInitial-Yシリーズの壱番機で「付き従うもの」。ナオトやマリーに対する毒舌は当然すぎて爽快になる位でしたが、もしや「毒づくもの」の間違いじゃないの?

最後に「ひなこのーと」。「ごちうさ(ご注文はうさぎですか?)」難民の避難先かと思われた作品でしたが、「ごちうさ」とはまた傾向が異なっていました。

ど田舎出身で、口下手であがり症の桜木ひな子が、かつて劇を見て感動した東京の藤宮女子高校の演劇部に入部しようと上京し、喫茶店と古本屋を併設するアパート「ひととせ荘」で過ごす一年間を12話で描いていました。

このひな子、極端な人見知りで、緊張するとかかしのように棒立ちになってしまうのですが、最終回近くになってもなおかかし状態になっていて結構うざかったです。早とちりしがちで、悪気なく酷いことを言うクセがあったりして。ただルックスとプロポーションが非常に良く、「大家さん」こと萩野千秋とともにお色気要員になっていました。CVはM・A・Oで、「学校ぐらし!」のりーさんのようなお姉さんキャラがハマリ役かと思っていたら、こういう役もこなすんですね。

「ひととせ荘」の住人にして「劇団ひととせ」のメンバーでもある4人は、桜木ひなこ(春)、夏川くいな(夏)、萩野千秋(秋)、柊真雪(冬)春夏秋冬の季語が含まれていますが、5人目のメンバー中島ゆあのみ、アパートに住んでおらず季語も入らない、おまけに事ある事にハブられがちという不遇っぷりで全米が泣きました。OP・ED共に一緒にいるのにひどい。

もうかかしはいいので、演劇やら日々の生活やらをまったりと描いてぜひ二期もお願いしたいと思います。水着回もコスプレ回もありましたが、ひな子や千秋の肉感的ボディは「ごちうさ」にはない味なので、それはそれでいいのではないでしょうか。

個人的お気に入りキャラは柊真雪。実は主要登場人物ながら、恥ずかしがり屋で舞台には立たずに裏方ばかりやっていました。子供に間違われるほど小柄ですが、しっかりした性格で料理上手で家事全般を得意として、器用でダンスも上手いので、演劇部顧問の黒柳ルリ子(小学生なのに)からも勧誘されていました。アパートに併設された喫茶店で働いているせいかメイド服を着ていることが多いのですが、それが平気なら舞台ぐらい何でもないんじゃ。

そういえば中の人(小倉唯)もメイド服を着ていましたね。天使声優がCVをやっているということになれば、やはり「好きなアニメキャラ」で取り上げざるを得まい。

あ、山田エルフ大先生がすっかりお気に入りだった「エロマンガ先生」も終了していますが、これについては次回の楽しみに。
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