アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子Ⅲ:「八神瑛子」シリーズ完結編

先週の「早見沙織のふり~すたいる♪」を聞いていたら、はやみんが最近ビタミンBを摂っているので喉の粘膜の調子がいいと言っていました。それを聞いて奇遇だなあと思ったのは、私も最近ビタミンBの摂取を始めてたから。私は声優ではないので喉ではなく、口角炎対策でした。


春先から口角炎ができまして、オロナインを塗って対抗していたんですが、なかなか治りませんでした。そもそもオロナインが効くのかという抜本的問題もありますが、外傷にはオロナインと子供の頃からマインドコントロールされているもんで。プラシーボ効果かも知れませんが一応治ったんですが、最近再発しまして。

またオロナインで泥沼というのも馬鹿馬鹿しいので、そもそもどうして口角炎になるのかを調べたら(ネットは偉大ですね)、ビタミンB2とB6が欠乏すると口角炎が起きやすくなるという情報が。食事から摂取するのが王道だろうとは思うのですが、普段の食事で足らないというのなら、この際サプリに頼っても良かろうと手に取ったのが。アサヒのDear-NaturaのビタミンB群。ビタミンBには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸の八種類があるのでビタミンB群と呼ばれていますが、お互い助け合いながら働くのでビタミンB群は全部一緒に摂るのが望ましいらしいです。おかげで飲み始めたらあっという間に口角炎が治りましたが、30日分あるので全部摂るぞ。

本日は深町秋生の「アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子Ⅲ」を紹介しましょう。八神瑛子シリーズは、当ブログでは第1弾「アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子」を2013年6月17日(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-404.html)、第2弾「アウトクラッシュ 組織犯罪対策課 八神瑛子Ⅱ」を2016年4月20日(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-1287.html)に紹介しており、4年掛けて堂々完結です。作品の方は2011~2013年の2年間で完結していますが、紹介記事が倍かかってしまっているという謎仕様。
本作は2013年6月30日に幻冬舎文庫から書き下ろしで刊行されています。刊行後ほぼ4年かかってようやく読めるとは。図書館頼みだとこんなもんでしょうかね。みんなビンボがいけないんじゃ。ぼやきはさており、例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

自殺とされた夫の死の真相に迫る警視庁上野署の八神。警察による証拠改ざんの疑いが増す中、執念で摑んだ手がかりは、新宿署の五條の存在だった。権威と暴力で闇社会を支配する五條に、八神は命を賭した闘いを仕掛ける。硝煙の彼方に追い求めた真実は見えるのか? 美しくも危険すぎる女刑事が疾走する警察小説シリーズ、壮絶なクライマックスへ。
警視庁上野署組織犯罪対策課に勤務する警部補八神瑛子は、過去に雑誌記者だった夫を亡くし、そのショックで娘を流産しています。その原因が、夫が追っていた暴力団印旛会系高杉組会長芦尾の死と関係があると睨む八神ですが、捜査一課は自殺との判断を変えませんでした。そのため、警察組織にありながら警察組織を恨む八神は、敏腕マル暴刑事という評価の裏で、警官達に低利で金を貸して協力者に仕立て、外部でも情報提供者を多数抱えています。その全ては夫の死亡事件を殺人と断定し、その犯人や黒幕を暴くことにあり、合法非合法を問わず、あらゆる手段を駆使していきます。

上司である上野署長の富永は、八神を腐敗警官とみなして危険視し、こちらも八神の部下や元刑事を使って八神の動向を監視しています。第1作では強くて美しい八神のスーパーウーマンぶりが目立ちましたが、2作3作と続くうちに敵も強力になって、やられるシーンが多くなっていきます。今回は特に拉致や死の危険にさらされることに。
八神瑛子は未亡人ですが、もの凄い美人という設定で、2014年8月9日にフジテレビ系で放映された「アウトバーン マル暴の女刑事・八神瑛子」(第1作が原作)では米倉涼子が演じていました。個人的イメージでは、中谷美紀とか木村佳乃あたりの方が合っている気もするのですが。

八神の危険を伴う探索行の傍ら、署長の富永と八神の対立という構図もあるのですが、本作では最後の最後に遂に共闘という形になります。富永も警察の腐敗を憎む心が強く、それが故に不良警官として八神を危険視して忌み嫌っていたのですが、八神が追っている敵がどうやら警察内部に存在するということを知って助けることになるのですが、やっぱり八神の美貌あってのことのような気がするのは私だけでしょうか。
それだけ美貌なら拉致→レイプという危険もありそうなもので、実際ちょっと危険な状況になったりもするのですが、最後まで操(?)は守られました。どんなに強い女でも平然と性奴隷に堕とす西村寿行だったら大変な目に遭っているところで、それはそれで好物なんですが、まあ仮にやっちまうと、西村寿行のエピゴーネンだと言われるでしょうしね。西村版八神瑛子は妄想するだけに留めましょう。「男根様」とか「男様」とか口走っちゃう八神や、ワンパンで倒せるようなチンピラに陵辱されまくる八神…うーむ、ハードロマン。

内容紹介にあるとおり、実行犯は新宿署の五條。そのバックには元警視庁警備部長で現在は警察共済組合理事の殿山がいました。彼らが高杉組を使って財テク&マネーロンダリングを行っていたのを逆手に取って脅そうとした高杉組長は、五條に返り討ちにされて自殺に見せかけて殺され、事件を追っていた八神の夫もやはり同じく自殺を装って殺されていたのでした。

第二作目のメキシコ人の殺し屋“グラニソ”も強力な敵でしたが、五條も強い。身体的能力も極めて高い上に躊躇無く殺人を実行し、防弾ベストなどで防御もバッチリです。五條に言わせれば、理由はどうあれ警察内外に多くの手下を作っている八神は自分と同類なんだそうで、ショットガンを向けながら「組まないか」と持ちかけたりします。道下君なら「ウホッ!いい刑事」とホイホイ付いていってしまったことでしょうが…残念!八神は女だった(笑)。

一応大団円ということになるのでしょうが、五條は自殺、殿山も自殺してしまい、もっといたはずのグループの全容はできていません。なおも捜査にあたって実はさらにビッグな黒幕がいたという話にもなりそうですが、物語はここで終わっています。いがみ合っていた富永署長と八神が和解できたということで、今後は共闘もスムーズに進みそうですが、実は富永署長、ツンデレなだけで実は最初から八神が好きだったんじゃないかという疑惑も。男女を問わずモテモテでいいなあ八神。仮に警察を追われても中国マフィアの劉英麗がクラブのホステスとして(ゆくゆくはパートナーとして)すぐに雇ってくれるという。

破天荒刑事を描くにしても、本作は矢月秀作の「もぐら」シリーズよりはよほどリアリティがありますが、それでも同僚刑事の拳銃を不発に細工するなど、そんなこと簡単にできないだろうというシーンはあります。そもそも「警察官等けん銃使用及び取扱い規範」なんかを見ると、刑事は拳銃なんてそんなにいつも持ち歩いていないようですし、管理は徹底されているので他人の拳銃に細工するなんてとてもとても。公務じゃないから拳銃を持たず、それでやられてしまうという方がリアルなのかも知れません。ま、嘘は嘘でも上手に嘘をついている分こちらの方がいいですな。

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