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好きなアニメキャラ(その89):渡辺早季(新世界より)

シンクで寝る猫さん

 東京では30度超えで今年最初の真夏日になりました。筑波嶺を始め、全国的に気温が高くまさに夏到来。思わずエアコンの試運転をしてしまってもいいですよね。夜には涼しくなるのが救いですが、いずれ必ずやって来ますね…恐怖の熱帯夜が。

26歳の早季と覚 

 本日は好きなアニメキャラです。GWに一気見した「新世界より」から主人公にしてヒロインの渡辺早季を紹介しましょう。

7歳の時の早季 

 「新世界より」は、呪力と呼ばれるようになったサイコキネシス(PK)を全ての人が持っている1000年後の神栖66町を舞台とした作品です。茨城を舞台とするからには「ガールズ&パンツァー」と共に筑波嶺住民としては見ないわけにはいかないアニメなのですが、放映から5年経過してようやく見ることができました。というか存在を知らなかったという不覚。

真理亜と早季 

 早季のパパンは町長、ママンは図書館の司書ですが、特に立派な家に住んでいる訳でもなく衣食住はごく質素です。これはこの時代の特殊性(貨幣が存在せず、相互扶助と無償奉仕を基盤とした社会)によるものと思われ、町の人口は3千人程度で、日本には同様の町が9つしかありません。日本全体の人口も5~6万人程度とみられ、科学文明が衰退したため、町同士の交流もほとんどありません。ましてや海外との交流など途絶状態です。

真理亜と早季その2 

 早季は好奇心旺盛で物怖じしない性格ですが、女の子らしい繊細な一面も持っています。この時代は、子供達は10~12歳頃に呪力の覚醒、「祝霊」と呼ばれるポルターガイスト現象を経験しますが、早季には祝霊の訪れがとても遅く、本人も不安を覚えていました。結局同学年では一番遅く祝霊が訪れましたが、かなり危ない状態で滑り込みセーフ状態だったことは、早季がネコダマシを見ていたことから窺われます。両親も陰でかなりやきもきしていました。

富子さんと不浄猫たち 

 ネコダマシは子供達に伝わる、小学校を卒業できない子供を連れ去ると言われる猫の化け物で、子供のたわいない怪談ないし噂とされていますが、実際に品種改良された「不浄猫」が存在し、呪力が目覚めなかった子供達はこれに始末されているのでした。早季には姉がいたのですが、どうやら祝霊が訪れず始末されてしまった模様です。また、早季は学年で一番遅く祝霊が来たといいましたが、実は小学校にはまだ祝霊の来ていない子供達が数人残っていたようです。その子達もおそらくは…
 
守の最後の絵 

 呪力の存在が科学的に証明された後、能力者と非能力者の際限のない抗争は、それまでの社会体制を崩壊させ、現代文明を終わらせてしまいました。世界の人口は最盛期の2%以下に激減し、「暗黒時代」と呼ばれる約500年間に渡る争乱期を経て、これを収拾するためにそれまで歴史の傍観者に徹してきた科学者たちが戦乱期を終わらせ、現在の社会体制が生み出しました。

全人学校一班 

 減りすぎた人口で過酷な世界を生き延びるために、もはや呪力は手放せないものになっていましたが、これは言わばマシンガンやバズーカを全ての人間が持っている状態で、これを人間に向けることになれば人類滅亡にも繋がりかねません。そのため社会構造そのものを変えた他、人間自身にも、人を攻撃できなくする仕組みを遺伝子レベルで組み込まれたのでした。

真理亜と早季その3

 また霊長類のボノボのコミュニティでは争いがほとんど存在せず、緊張が高まると、雌雄の別なく性的接触を取ることでコミュニティの緊張状態を緩和し、争いを未然に防いでいるということが注目され、これに倣って性別を問わず性的接触することが親密さの表れと攻撃抑制になっています。

ボノボる二人 

 このため12歳当時の早季は、呪力を封じられたまま外来種(つまり人間に服従していない)のバケネズミに襲撃された際、一緒にいた覚とペッティングを行っていました。そのせいかこの場面が描かれた5話はやけに大人びた絵柄になってしまい、作画崩壊との批判を受けていますが、ここは思春期前の子供でさえ性的接触をするという、我々の社会との異質性をはっきり打ち出すためにも子供らしい姿の方が良かったと思います。それとも児童ポルノに引っかかりかねなかったのでしょうか?

早季とすばる 

 早季は1話冒頭で描かれた7歳時点から、幼馴染の青沼瞬に好意を抱いており、瞬も早季のことが好きだったようです。同じく幼馴染の朝比奈覚とは喧嘩友達のような関係で、赤髪の美少女・秋月真理亜とは親友関係でした。その他小学校は違った伊東守、天野麗子と計6人で同じ班(一班)となりましたが、成人後に残ったのは早季と覚の二人だけでした。

業魔化した瞬 

 天野麗子は早季が班に加わって早々、姿を消してしまいます。彼女は呪力が弱く、使い方も下手だったため、不適格と判断されて始末された模様です。そして呪力の才能が高く将来を嘱望されていた青沼瞬は、14歳の時に何と業魔となってしまうのでした。

悪鬼となった少年K 

 この時代、人類にとって最も恐ろしい脅威は悪鬼と業魔とされています。悪鬼は、人間に向けて呪力を行使しないように組み込まれた様々な仕組みが機能せず、残虐な性向を持ち、人間への攻撃欲求がある者です。200年以上前に神栖66町に出現し、千人もの人々が彼に殺されたということです。

若い頃の富子さん 

 この事件により、神栖66町は倫理規定を改正し、人権の発生を生後17歳まで後倒しにし、その間子供達を注意深く監視し、悪鬼となる可能性の持つ者を完全に取り除くようにしています。なにしろ悪鬼でない普通の人間は呪力を悪鬼に向けられないので、一方的に殺されてしまいますから。なので悪鬼は「鶏小屋の狐(フォックス・イン・ザ・ヘンハウス) 」とも呼ばれます。悪鬼になるのはほとんどのケースで男子らしく、これまでの歴史で全世界で30近い症例が報告されています。

業魔化した少女 

 一方業魔は、呪力の漏出がコントロールできなくなった者を指します。呪力の漏出は全ての人間に僅かながら起きており、これが外部世界の急速すぎる生物の進化や新生物の出現に影響しているとの仮説もありますが、業魔の場合は蛇口が壊れた水道に例えられ、無意識のうちに呪力を振るい、周囲の環境は生物、そして自分自身を異形化させてしまいます。こちらは神栖66町にもごく最近といえる20年前に出現しており、瞬は20年ぶりの業魔ということになります。業魔は悪鬼と違って出現に男女差はないようですが、素直で心優しい子ほど業魔化する確率は高い傾向があるようです。
 
14歳の瞬 

 14歳の早季は瞬を救おうと必死になりますが、それは叶わず、それどころか瞬は存在自体はおろか、早季や他の一班のメンバーの記憶からも消去されてしまうのでした。ただ、想いまでは消せなかったらしく、その後の早季は夢に「顔のない少年」として瞬を見ることになります。

顔のない少年

 さらにその後、伊東守が不適格の烙印を押されて教育委員会に始末されそうになって逃亡。守に同情した秋月真理亜と共に神栖66町から姿を消すことになります。この結果は、10数年後に恐るべき災厄を神栖66町にもたらすことになるのでした。

最後の百合シーン 

 早季の属した一班は、12歳の時に野外学習で「国立国会図書館つくば館」の端末である「ミノシロモドキ」と接触し、呪力がもたらした文明崩壊の歴史や現在の社会が作られた経緯といった、「禁断の知識」に触れてしまい、14歳の時には業魔を出現させ、さらには2名の逃亡者を出すことになってしまいました。どれこもこれも神栖66町のタブーに触れるもので(業魔は仕方有りませんが)、班員全員の処分に繋がってもおかしくないものでした。実際守と真理亜の逃亡時に早季は教育委員会から査問を受け、処分寸前のところまで追い込まれていました。

朝比奈富子 

 この時代の教育委員会は現代のものとは全く異なり、17歳まで人権がない(そのことを子供達は知らされない)少年少女を監視し、この時代に生きるのに不適格な子供や悪鬼・業魔化する恐れのある子供を見つけ出して処分することが主要な仕事となっています。

守と真理亜の子 

 その教育委員会に睨まれてしまった早季ですが、無事に済んだのは、町のあらゆる方針を取りまとめる最高意思決定機関である倫理委員会が守ったからでした。町長より強い権威を持ち、町の真の指導者とされる委員長は朝比奈富子、覚の祖母でした。

富子と対話する早季 

 しかし早季を庇った理由は、覚の幼馴染だからとかいった私情ではなく、早季が将来の町の指導者と目されていたからでした。早季は「人格指数」が突出していたようです。「人格指数」とは、どれだけその人物が安定した人格を保てるかを数値化したもので、想定外の出来事が起きることで精神的危機を迎えても、自分を見失ったり、動揺から異常な行動を取ったりせず、一貫して自分を保つことが出来るかを示します。神栖66町では昔から、指導者に一番大切な素養として、この数値が重視されてきましたが、早季はそのスコアが全人学級始まって以来の高水準だったようです。要するにSAN値がピンチにならないということですね。

防寒着の早季 

 早季はよく泣くし怯えるし悲しむしで、感情表現はむしろ他の子よりも豊かなほどなのですが、決して取り乱すことはありませんでした。柳の枝のように、強い風で大きく揺すぶられても決して折れずに元に戻るのです。早季は愛する瞬の業魔化など、本作中で何度も辛い経験に直面しますが、そこから必ず立ち直る強さを持っており、心に揺れ動いても極めて短期間で安定状態に戻すことができました。朝比奈富子以外にも真理亜もそれに気づいていたようで、当然ながら両親も早くから気づいていたようです。

野外活動メンバー 

 早季の属した一班の班員を、危険の可能性を残すにも関わらず処分しなかったのは「従順な子羊だけでは町を守れない」からだそうです。ただし瞬の業魔化や、真理亜と守の出奔は流石に想定外だったようですが。で、朝比奈富子さん、覚の祖母と名乗っていますが実はなんと9代前の先祖なので覚もその存在を知りませんでした。これは富子にテロメアを回復させ続けられるという特殊な呪力があるためで、早季が14歳の時点で267歳でしたが、70歳前くらいにしか見えませんでした。悪鬼出現を間近に見た最後の生き残りであり、200年以上村の指導者として君臨してきた富子が後継者と見込んだ早季なので、流石の教育委員会も手が出せなかったのでした。

旅行着の早季 

 「町の人全員の命運を担っている最高責任者には、清濁併せ呑む度量、すべてを知っても動じない胆力が必要。あなたにはそれがある」と富子は言っています。実際、4話で国立国会図書館つくば館の端末であるミノシロモドキから血塗られた過去を聞いた際も、他の4人はかなりの長期間精神的にガタガタだったにも関わらず、早季は短時間で回復したそうです。

幼少期の夕暮れ 

 スクィーラ(野狐丸)によるバケネズミ大反乱事件の終結後、早季はさらなる衝撃的事実を知ります。バケネズミとは、ハダカデバネズミから進化して人間に等しい知性を持つに至った生物とされてきましたが、実は違ったのです。呪力を持ちながらなんとか社会の安定を図ろうした人間は、呪力による対人攻撃を不可能にするために「攻撃抑制」と「愧死機構」を遺伝子に組み込みましたが、呪力を持たない(大多数の)人間の扱いが問題となりました。すなわち支配者層である呪力を持つ人間は対人攻撃を行えなくなった反面、呪力のない人間は自由に人を殺せるのです。呪力を持たない人間にも「攻撃抑制」と「愧死機構」を組み込んだらという話になりますが、愧死機構のメカニズムはいわば呪力による強制自殺のため、呪力がなければ機能しません。そのため、呪力を持たない人間にはハダカデバネズミの遺伝子を組み込み、人間とは異なる種としてバケネズミに変えたらしいのです。今の倫理観だと到底許されないことですが…

36歳時の渡辺早季 

 ハダカデバネズミが選ばれた背景には、攻撃抑制や愧死機構の対象外にするために、人間とは「異類」であることが一目瞭然で、殺すことに同情を感じないほど醜い生き物にする必要があったからのようです。実際早季や覚は作中でたくさんのバケネズミを殺していますが、愧死機構は全く働きませんでした。またバケネズミもかつては人間であったという事実を知って愕然とする早季に、覚はやはり彼らは人間ではないと言い切ります。同胞として見れるか?と。まさに同胞と見れなくすることが目的だったのですが。

私たちは人間だ 

 裁判で「私たちは人間だ!」叫んだスクィーラはおそらく何らかの形で国会図書館の端末を入手して真実を知ったのでしょう。にも関わらず、最後まで動物として扱われ、人間に対する叛逆の罪で死刑よりも恐ろしい「無間地獄」の刑に処されました。これは全身の神経細胞から脳に極限の苦痛の情報を送りつつ、呪力によって損傷を常に修復させ、死ぬという逃げ道を許さない究極の刑罰で、今は亡き富子が叛逆の首謀者に対して誓ったものでもありました。

早季と覚の結婚式

 両親を始め多数の村人を殺されたにも関わらず、早季が肉片状態になってなおも苦しみ続けるスクィーラをひと思いに殺してやったのは、せめてもの情けだったんでしょうかね。またバケネズミ全滅という決定を覆して、大雀蜂コロニー他人間に従順なコロニーを存続させるために奔走したようです。大雀蜂コロニーの存続は、自ら命を投げ出して神栖66町の壊滅を防いだ救世主とも言える奇狼丸との約束なので、守るのは当然なのですが、スクィーラはいつか自分の意思を継ぐ者をが必ず現れると言っていました。とりあえず国会図書館の端末はバケネズミに渡らないよう全て押さえておく必要があると思うのですが…

不浄子猫 

 その後早季は覚と結婚しました。それから10年後、36歳にして第一子妊娠中です。10年前の悲劇の直後に生まれた子供たちがもうすぐ呪力を持つようになりますが、もし一人でも悪鬼・業魔が生まれてくれば、復興の途上にある神栖66町は今度こそ滅亡の危機となります。そのため早季が議長となっている倫理委員会は10年ぶりに不浄猫を製作しています。子猫の頃は可愛いのですが。

ラブラブ夫婦 

 また、日本に点在する9つの町は、従来最小限の連絡を取り合うくらいでしたが、早季は交流の推進を提案しています。早季の妊娠はずいぶん遅いように思えますが、男の子なら瞬、女の子なら真理亜という名前にすると決めているそうです。守ェ…まあ14歳当時、覚は瞬と、早季は真理亜と疑似恋人関係だったのでこうなるのも仕方がないか。なおこの時代夫婦は別姓で、早季は結婚しても渡辺姓のままのようです。子供は母の名字を継ぐらしいです。或いは娘は母の姓、息子は父の姓という形かも知れません。

早季のコスプレをする種ちゃん 

 CVは種田梨沙。まだ駆け出しだった彼女は本作で初めて主役を務め、早季の7歳・12歳・14歳・26歳を演じ分けると共に、キャラクター名義ながらED曲「割れたリンゴ」を歌いました。以後、かわいい女の子役からボーイッシュな役まで様々な声色を使いこなし、目覚ましい活躍を見せていました。

真理亜役の花澤香菜と 

 ご存知のとおり2016年9月から病気療養のため活動を休止しており、現在まで復帰の目処が立っていません。そもそも病気に関する詳しい病状も明かされていませんが、本人曰く命に関わる病気ではないようです。それにしてはもう9か月経つんですが…

インタビューを受ける種田梨沙 

 持ち役は次々と他の声優に引き継がれています。それは仕方がないことなんですが、とても寂しく悲しいことでもあります。インタビューで早季のような強さは持てないかも知れないと言いつつ、今後のベースとなる分身のようなキャラクターだと語っていました。ぜひ早季の強さで病に打ち勝って欲しいです。

涙の早季 
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