ろんぐらいだぁす!:GWに一気見したアニメその2

当ブログは2012年5月11日に開始したのですが、まる5年が経過していました。我ながらこんなに続くとは思いませんでしたが、あっという間でしたね。昨日気が付けば良かったのですが、例によってうっかりしてまして。6年目に突入するにあたっての抱負というほどのものは特にないんですが、肩の力を抜いてゆるーくやっていきたいと思います。

本日は先日紹介した「新世界より」と共にGWに一気見したアニメ「ろんぐらいだぁす!」を紹介しましょう。実はこっちの方を先に見たのですが、「新世界より」はとにかくインパクトが大きかったもので後回しになってしまいました。

「ろんぐらいだぁす!」は2016年秋季アニメでした。そして最終盤の11話と12話は本年2月に放映していたということです。どうしてそんなことになったのかと言えば、放送延期を2回も繰り返した結果、2016年内に放送できなくなったからです。

「SHIROBAKO」第一クールでは、舞台となった武蔵野アニメーションの制作進行の面々はとにかく放送延期になることを防ごうとしており、にっちもさっちも行かなくなるとデスクの本田豊が「万策尽きた-!」と叫ぶのがお約束でした。アニメ制作会社にとって、放送延期は避けたいもののようですが、小説やマンガでいえば原稿が締め切りに間に合わなかったのと同じですから当然といえば当然。それなのに平然と2回も落とすとは(本当に平然としていたかどうかは判りませんが)。実は放送延期という記事で本作の名前は知ったくらいです。

アニメーション制作はアクタス。この会社、実は制作上のトラブルを度々起こしている“前科者”なのです。私が知っているところでは、名作「ガールズ&パンツァー」でも2回放送延期になっていましたね。どうやらこの会社、クオリティを落として放映するよりは、クオリティ維持のためには放映を延期することを選択する傾向があるようです。

2016年夏季アニメの「クオリディア・コード」は逆に放映スケジュールを死守するためにクオリティ維持を放棄したかのような作品でした。ストーリーは面白かっただけに非常に残念でした。放映中に視聴しているのならば、もちろん毎週放映してくれるのがありがたいですが、後日一気見するならクオリティ維持の方がいいなあと思ったりもしますが、業界で札付きになったりしないのかと余計な心配をしてしまいます。

「ろんぐらいだぁす!」は、ビギナーの女子大生がサイクリングを始め、仲間と出会ってロングライド(長距離走行)を行う中で、楽しさや厳しさを味わいつつ、世界を広げていく物語です。

主人公の倉田亜美(CV東山奈央)は、特にこれといった取り柄もない大学1年生ですが、ある日女子学生が乗った折り畳み自転車を見掛けたことで自転車に興味を持ち、安めの折り畳み自転車を購入して幼馴染みの新垣葵とサイクリングに出かけます。

この時にトラブルに遭遇し、困っていたところを助けてくれた2人組の女性サイクリストは、実は同じ大学の上級生であることがわかり、これをきっかけに親しくなった4人は、一緒にツーリングするようになります。

新垣葵は亜美の幼馴染みで、自転車経験者でしたが、ずっと一緒にいたにも関わらず亜美は自転車に興味を示すことはなく、ある日見掛けた知らない人の自転車で目覚めるというのもどういうことだと小一時間問い詰めたくなりますが、葵が自分の趣味を押しつけたりしなかったということなんでしょう。

上級生の雛子と弥生、さらに後日合流する紗希と5人でチーム・フォルトゥーナを結成し、おそろいのジャージを作りますが、実は大学の運動部でも同好会でもなく、単に自転車好きが集まっただけのグループです。なのでスポ根的な要素はなく、他者との勝負もありません。強いて言えば坂道との戦い、或いは自分との戦いといったところでしょうか。

ちなみにフォルトゥーナとはローマ神話の運命の女神で、運命の車輪を司り、人々の運命を決めます。「運命の車輪」から自転車の車輪を連想し、全員女性だからということでこの名前にしましたが、フォルトゥーナ
(Fortuna)は英語の「Fortune」の語源とされています。

ドジッ娘要素の強い亜美は、初心者が遭遇しそうなありとあらゆるトラブルに見舞われ、その度に旅に弱音を吐きまくって涙目になりますが、葵を始め皆の助けを得て、自転車に乗り続けていくうちにどんどん好きになっていき、やがては試練やトラブルでさえも自身の成長のためには必要なことだと前向きに捉えるポジティブな思考を持つようになっていきます。

最初は折りたたみ式自転車で頑張っていた亜美ですが、長野県渋峠の国道最高地点を自転車で登ってきた紗希の姿に衝撃を受け、思い切って二台目のロードバイクを購入します。ロードバイクは他の自転車と全然違うそうで、その走りに亜美は羽が生えたかのような印象を受けます。私は子供の頃はスポーツ車というものに乗りましたが、変速機がついているくらいでママチャリと大差なかった印象なんですが、ロードバイクはそんなに違うものなのか…

折りたたみ式自転車「ポンタ君」では超えられなかったヤビツ峠をロードバイクで越えてリベンジを果たした亜美は、長野の「あづみのオータムライド」で100マイル(160キロ)を走破し、その後伊豆の伊東までの100キロ超のナイトライド、瀬戸内のしまなみ海道での長距離ツーリングを行っていきます。

自転車により世界を広げ、自信を持つことで積極的になっていく亜美に触発され、大学の知り合いだった美弥や妹の恵美も自転車に興味を持っていきます。最終話で原作者の三宅大志が描いたエンドカードでは、二人ともチーム・フォルトゥーナのジャージを着ているので、後日加入するようです。

基本亜美は根性がある方ではなく、サイクリング後のアイスクリームとか、海鮮丼とか、「あづみのオータムライド」では各所で無料配付されるエイドを目当てに走っているようなところもありますが、運動部じゃないし勝負事でもないし、雛子、弥生、紗希といったベテランも同じような楽しみ方をしているのがいいですね。もちろん食べ物だけではなく、ナイトライド後の日の出の光景とか、走り終わった後の温泉といった楽しみも描かれています。そういったものも込みで自転車の楽しみというのを純粋に描いていたのは良かったですね。


どんな趣味もそうかも知れませんが、自転車も車体自体はもとより、各種装備品には結構なお金がかかります。弥生はお金持ちの家なのでともかく、雛子は実家の中華料理店で働き、亜美もファミレスでアルバイトをしていましたが、それでもお金が足りずにメイド喫茶でメイドもやったりしました。ドジッ娘が属性として認められて評価されるなんて最高のバイト先じゃないかと思いますが。


雛子は実家なのにチャイナドレスでの接客をさせられ(時給が倍になるので渋々やっていた)、終いにはバニーガールになっていました。娘にコスプレを強いるママンは鬼畜ですな。葵や、年がら年中自転車に乗っていてバイトする暇さえなさそうな紗希がどうしていたのかが結構謎。二人ともお嬢様だったんでしょうか。


自転車の描写はもちろんいいのですが、キャラ作画はあんまり良くなかった気が。スポーツものだから萌えはいらないのかも知れませんが、メイド喫茶で働いてアイドル的人気を得るくらいなので、もっと可愛く描いても良かったかも知れません。最も伝えたかった「自転車の楽しさ」は充分伝わってきましたが、ガルパンくらいの可愛いキャラならなお良かったのにと思います。

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