好きなアニメキャラ(その87):皆川茜(クズの本懐)

今年初めての夏日で思わず「アツゥイ!」と言いたくなりますね。それにしても、桜が散ると葉桜と共にあっという間に草木の若葉が萌えだしますな。初夏はもうすぐそこ。

本日は久々に好きなアニメキャラです。公約(?)どおり「クズの本懐」のラスボスというか真の主人公ではないかと思われる茜先生こと皆川茜を紹介しましょう。綺麗な先生は好きですか?たりめーよ、べらぼうめぇ!エロゲー・ギャルゲーで攻略可能な女教師を攻略しなかったことがないZE!「アマガミ」の高橋麻耶先生もぜひ攻略したかったんですが…攻略不能なんてひどいよ…そんなのってないよ…

皆川茜は主人公安楽岡花火と粟屋麦が通う高校に新任教師として着任してきた音楽教師です。大学生時代、中坊だった麦の家庭教師をやっていました。音楽教師というと単純に音大出身かと思ってしまいますが、勉強を教えていたということは、国立大学の教育学部あたりで音楽教育を専攻したんじゃなかろうかと。

ミルクティー色のロングヘアをハーフアップにまとめ、服装は清楚。まるで女子アナ風で、いつも笑顔でちょっとドジだったりと天然さもあるという。生徒からも人気も高いそうですが、そりゃあ男の女性に対する幻想を形にしたかのような人だからなあ。でもそれは、まさに男にモテんがために計算して作られた姿だったという。

同時期に着任した鐘井鳴海とあっという間に良い感じになっていき、昔から鳴海が好きだった花火は「(…迂闊だった!!まさか、あんなぽっと出の冴えない芋っぽい年増女にぃぃ…!!」と歯がみして悔しがりましたが、時すでに遅し。というか、鳴海から見て花火は“妹”以上の存在にはなりえなかったみたいですが。

しかし敵の評価というのは傾聴に値すると思われるので、花火の茜評をもう少し紹介しておきましょう。“長い髪…ダッサイベージュのカーディガン…わざとらしいくらいのシャンプーの香り…控えめのナチュラルメーク”そう、それは大方のオノコに受けるスタイルなのだYO!

外見通りの中身の先生だったらマジ天使な茜先生ですが、現実は厳しかった。3話で深夜のファミレスに男連れで登場。翌日は同じ服で出勤して、勘の鋭い花火にお泊まりを思い切りカミングアウトしてましたが、その時のこの表情で視聴者全員が「こいつビッチや!!」と気づきました。

実は茜先生、学生時代からビッチ道を突っ走っていた人でした。自己愛が強すぎて求められるのが快感。むしろ求められなきゃ意味がないと思っていたようです。実は自分大好きなので本気で男が好きになったことはないようですが、別の女性が好意を向けていることを知ると略奪せずにはいられなかったという困ったちゃんでもありました。

友達が片想いしていた男の子の心をあっさり鷲掴みにし、友達を泣かせましたが、その時茜先生の心に去来したものは罪悪感ではなく、“こんなふうに搾取される側には死んでも回りたくない”という思いでした。搾取する快感に目覚めたんだそうですが、これはバブル期のフジテレビの名番組「カノッサの屈辱」が「デート資本主義の構造」で説いた恋愛強者「フルジョワジー」そのもの。ちなみに恋愛弱者は「フラレタリアート」です。さすがホイチョイプロダクションの企画だぜ。

だから誰かが「いい」って言ってる人じゃなきゃ、良さが分からないのだそうです。つまり茜先生の脳内では、誰かの好意を得ている=魅力ある人であるという証明なので、略奪が完了して他の女の子が諦めたりすると、自分も冷めてしまうという。故に男は常に取っ替え引っ替え。

鳴海先生も全然好きじゃなかったそうですが、花火が熱愛しているのを知って思わず略奪してしまったようです。茜先生に言わせると、花火も自分と同類、つまり搾取する側の人間=フルジョワジーなんだそうです。同族嫌悪?自分の方が強いというところを思い知らせ、花火の傷つく顔が見たいという。「その美しい顔が歪むのを見るのはなんとも快感じゃて~」の独眼鉄先輩かよ。

では麦は茜先生の真の姿を知らないノーテンキ野郎なのかといえばさにあらず。全部判っててそれでも好きだというビッチ好きという凄い性癖の持ち主なのでした。家庭教師をしてもらっていた中坊時代に大学教授らしきおっさんとホテルにインする姿を目撃しており、一晩泣き濡れたそうです。「裏切ったな!僕の気持ちを裏切ったな!」のシンジ君状態か。

でも翌日、同じ服で家庭教師にやってきた茜先生を見て、「この人、男がいないと生きていけないんだろうなぁ…」と感じてしまい、弱くて可愛そうな女の人に思えたそうな。そして判った上で茜先生のあざとい仕草の数々の虜になってしまったという。でもなんだかんだ中坊には手を出さなかったんですよね茜先生。商売物(生徒)には手を出さないという教師のモラル故かと思ったら…

高校生になった麦は喰っちまう茜先生(笑)。据え膳喰わぬは…という主義なのか。アタックしてきた人は無碍にしない性格なのか。これは一度だけでもお願いしたいという男子高校生は山ほどいますよ。美人教師は憧れですからね……滅多にいないから。

“女の子なら憧れちゃうような、どんなに羨んでも手に入らないものを、いっぱいいーっぱい敷き詰めて、並べて、飾って、うっとり眺めて、もてあそんで、踏みにじって、気まぐれに扱いたい”のがポリシー。ちなみに本人のモノローグによると、初体験は高校生の時で、2つ年上の皆の憧れの先輩とだそうです。自己評価では理想的だったそうな。

ルックスに恵まれた女性ならではの生き方ですが、そんなのいつまでも続かないじゃん、いずれ搾取される側に堕ちるじゃんと思うのですが、そこで茜先生は運命に遭遇するのです。その運命とは鳴海先生。花火から搾取すらためだけに鳴海先生と寝た訳ですが、それ以後、お付き合いを重ねても身体を求めてこない鳴海に苛立っていく茜先生。「私と一度寝ておいて、再度求めて来ないなんておかしい」わーい!君は床上手なフレンズなんだね!すごーい!たーのしー!(性的な意味で)

デート中に元カレと遭遇し、ビッチぶりを暴露された茜先生。「こいつマジで男好きのクソ女だから、気を付けた方がいいよ!」という元カレの発言を、「本当です。私、クソビッチなんで」と全面的に認める茜先生。潔いなあ。

まあそれは別れを予期していたからでもあります。「わりとかなりハードル低く誰とでもやりますし、全然清廉潔白でも何でもないですし、鐘井先生のご期待には一切 応えられないと思います。たぶん生き物として男好きなんだと思います。男性にちやほやされるとひたすらに気分が良いですし、同時に同性から向けられる嫉妬心を扇情するのは正直もっと好きです。正直、やめられないと思います。じゃ。さようなら」と淡々と語る茜先生。それに対して…

「や…やめなくていいです!やめなくていいですから!!」という予想の斜め上を行く鳴海。“寝取られ属性”か?といぶかる茜先生。アンタいろいろ知ってるな。もしや「幼女戦記」のターニャみたいにサラリーマンのおっさんが存在Xに転生させられた姿なのか?

その後、熱海に一泊旅行に行く二人ですが、あくまで草食系を貫く鳴海。「本気だから…どうか笑わず聞いてほしい。花も星も、この世の美しいもの全て、あなたを例えるためにある」とこっちが恥ずかしくなるような恋のポエムを炸裂させます。さ、流石は国語教師。続けて男漁りについても「好きでやってるんでしょう?やめなくていいですよ」と。宇宙の如く広い心の持ち主だすな。自分を嫌う相手を好きで居続けられるという稀有な才能(性癖)を持つ鳴海に「どうしてそんなに…私なんかのこと…好きなの?」と問う茜先生。

中坊の如く額にキスして「好きの理由を説明するのは難しいですけど…俺は、好きな人にはただ元気で生きてて欲しいんです。求めると…きりがなくなります。欲望は止まらなくなります。それが大切な相手をいつか傷つけるんじゃないかって…」

「それは違うわ。欲しがって欲しがって目いっぱい傷ついても、それがきっと特別な傷なら、強くなれるから…」遂に茜先生は本当の恋に巡り合ったのでした。

翌日、プロポーズしてきた鳴海に、「…いいけど…めちゃくちゃ浮気しますよ?」という茜先生。しかし大喜びする鳴海。浮気はいいんかい。やはりNTR属性…。「我々の業界ではご褒美です」的なアレなんかい。

でも実際のところ茜先生はもう浮気しないんじゃないかな。これまで男性遍歴は散々重ねてきた訳だし。

無麦曰く「この人は、何かに自分を当てはめてないと不安なんだ…。先生…女…年上…役割を課したがるのは、退屈なその場所で本当は誰よりも切実に自由を願ってるんじゃないのか?」と分析されていましたが、鳴海によって本物の愛を得ることできた茜先生は満たされた顔をしています。

学校では生徒達が結婚を祝福してくれました。こういうことしてくれる生徒達っていいですね。私は実際に見たことないけど。

いやあ、傍目にもお似合いのカップルですな。もうすっかり鳴海の愛に浄化された茜先生にはビッチの面影がなくなっているような…

と思ったら、花火にブーケの薔薇を一本差し出して「次はとられちゃ駄目よ」。やっぱ残ってたか毒気。それにしても茜先生、金持ちの出自であって、その美貌と富ゆえに快楽に溺れ、後にイエスに出会い悔悛したというマグダラのマリアが下敷きになっている気がしてなりません。じゃあ鳴海はイエスということになってしまうので、信者の方の賛同は得られないかも知れませんが、「ダ・ヴィンチ・コード」ではイエスとマグダラのマリアが結婚して子供をもうけたという話になってましたね。

CVは豊崎愛生。2009年4月放送のアニメ「けいおん!」の主人公平沢唯役でブレイクした彼女ももう30歳ですか。「放課後ティータイム」のメンバーは他に日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子。おおっと凄いメンバーだ。

可愛い声には定評がありましたが、ルックスもなかなか。より声優ユニット「スフィア」のメンバーとしても活躍中ですが、6月からスタートするツアーの終了をもってユニットとしての音楽活動を休止するそうです。活動休止や解散ではないということですが。

余談ですが小倉唯と石原夏織のユニット「ゆいかおり」も6月で活動休止しますね。こっちは雑誌の休刊的な意味での休止みたいなので事実上の解散ではないかとネットで騒がれていますが…まあアイドルは長くは続かないですからねぇ…

なお「クズの本懐」、アニメと同時期に実写ドラマも放映されていました。当然私は見ていませんが、注目の茜先生役は逢沢りなが演じていました。女優やグラドルとして活動していましたが、2013年頃から女性ファッション誌のモデルとしていの活動に傾注していました。

「クズの本懐」で濡れ場など、過激なシーンに挑戦し、それまでの清純派路線から脱却し新たな路線を打ち出したとされ、再びグラドルとしての活動に回帰しているようです。現在25歳ですが、グラドルの寿命も長くなってきていますから、まだまだいけるでしょう。ドラマではウィッグを被って演じた模様です。

私は本来ビッチは嫌いなんですが、茜先生くらい突き抜けていると、一周回って大好きになってしまいました。何事も中途半端はいけないということか。現在放映中の「エロマンガ先生」に対抗して「クソビッチ先生」なんてどうでしょうか。

「クズの本懐」は、茜先生の物語として見ると、迷える子羊が本物の愛に巡り合うこの上ないハッピーエンドなんですが、原作者が女性のせいか、茜先生とか花火とかの感情を生々しく描いている反面、鳴海をいい人にし過ぎているきらいがありますね。やはり花火ママンと爛れた愛欲生活を送っていたとかいうエピソードが欲しかった。そして二人とも相互に救われるといった形ならなお良かったかな、なーんて。

スポンサーサイト