ヒトイチ 画像解析 警視庁人事一課監察係:“公安”色が強まったシリーズ第2弾

萌系の和服少女

 電車の中吊り広告をボケーっと見ていたら妙に萌系の広告が。何と名門百貨店高○屋の広告ではありませんか。こういう子がお歳暮を持ってきてくれたら手ぬぐい一本でも大喜びです。というよりこの子をお歳暮に下さい(爆)。思い返してみればお中元シーズンにも似たような広告を見た記憶が。

萌系の和服少女その2 

 そうそうこれこれ。やはり高○屋の広告でした。お中元の子とお歳暮の子は別人みたいですが、お中元の子はやはりお中元として贈られてしまったのでしょうか。

涎小豆 

 それはさておき、「美事」という当て字…これを見ると岩本虎眼先生の「涎小豆」の秘技が炸裂したのかと思ってしまいます。

お美事にございまする 

 本日は警察小説の流れを一変させてしまった元警視庁警視・濱嘉之の「ヒトイチ 画像解析 警視庁人事一課監察係」です。本年4月26日の記事(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-1292.html)で紹介した「ヒトイチ 警視庁人事一課監察係」の続編です。2015年11月13日に文庫版書き下ろしとして講談社文庫から刊行されました。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

ヒトイチ 画像解析 

 「蒲田署内で拳銃自殺だ」。遺体は強姦痴漢事件の犯人を追いつめていた腕利きの巡査部長。警視庁人事一課監察係、通称ヒトイチのエリート榎本博史が真相究明に乗り出すと、警察のデータサーバーには防犯カメラから転送された驚きの画像が――「警察が警察を追う」シリーズ、絶好調第二弾!

 「第一章 拳銃自殺」は内容紹介通り、警視庁捜査一課の腕利き巡査部長が署内で拳銃自殺をするという事件が発端になっています。拳銃自殺は犯罪者扱いとなり、懲戒免職扱いで退職金も出ないそうで、警察官のみなさんは自殺するはめになっても拳銃自殺だけはやめておいた方がいいですよ(当然知っているでしょうが)。

拳銃自殺のイメージ 

 しかし、拳銃にはもう一発撃った痕跡が。いつ、何に向けて撃ったのか。「警察の警察」である人事一課(ヒトイチ)監察係が動き出します。そして浮かび上がる悲惨な事件の背景。この巡査部長の行動については当然議論があるところですが、心情的には理解できますね。犯罪者には法の裁きをという建前がしっかり機能していれば、「仕掛け人」とか「ブラックエンジェルズ」なんて物語は生まれてこない訳で。

 なお本シリーズの主人公である榎本警部には菜々子という恋人がいて、そろそろ結婚を考えているというところですが、この榎本警部を「警視庁公安部・青山望」シリーズの主人公青山望と混同していたかも知れません。それにしても警部に昇進するには結婚しているか結婚を前提に交際している恋人の存在が必要だとは、警察も相当アナクロなことです。

 「第二章 痴漢警部補の沈黙」は、警察官が破廉恥にも痴漢を行って一般人に逮捕されるという話。当然重い不祥事ですが、警察官にも犯罪多発世代(言い換えれば不祥事多発世代)というのがあるそうです。30歳手前と定年前数年間ということで、前者は性犯罪やそれに伴う窃盗(要するに下着泥とか)が多く、後者は横領・詐欺など金銭関係の犯罪が多いそうです。

痴漢のイメージ 

 そして続けざまに痴漢犯罪発生。しかし今度の容疑者は組織犯罪対策部の警部補で、何故か完全黙秘を貫いています。この警部補をかつて暴力団の大物を情報源としていましたが、抗争によってその大物は死亡していました。榎本達が捜査を進めると、痴漢の被害者はどうやら警部補がかねて知っていたはずの大物の娘であることが判明。

 というところで、巷間よく言われる痴漢冤罪とかいう話になっていくのですが、それなら否認すればいいのになぜ警部補は黙秘なのか?榎本は監察ですが、警察部外へ捜査が及ぶとなると人出が足りず、警視庁公安部の山下警部に助力を依頼することになります。この山下警部が青山望のそっくりさん的な活躍を見せます。そして浮かび上がる極左団体の影。公安部の捜査活動は作者の十八番ですが、これがあんまり活躍するとヒトイチの影が薄くなってしまいますね。

 「第三章 マタハラの黒幕」も引き続き極左団体絡みの話です。妊娠・出産・育児休暇と数年間仕事を休業中の女性警官(本書では「女警」と呼ばれます)がいて、勤務成績も態度も不良で署内の問題児と化しています。当然上司の受けも最悪なんですが、その女警が流産したことで、上司をマタハラ(マタニティハラスメント)で訴えることになります。

マタハラ 

 そしてそれを支援する極左団体。榎本たちヒトイチは、マタハラの有無から女警と極左団体のつながりまで調べることになり、またも公安部の山下警部の手を借りることになります。というか、外部の団体、ましてや極左団体が介入しているとなると公安部が動かないわけもないのですが。

 女警の言い分は、マタハラに悩んでインターネットでたまたま接触したということでしたが、公安部の捜査により、かなり以前からずぶずぶな関係だったことが判明します。左翼系弁護士や市民団体(いわゆる「プロ市民」ですな)を伴って大々的に記者会見を行った女警側に対し、警察側も即座に記者会見を行い、「関係団体」への捜索差押を行ったことを発表します。

女性警察官達 

 今回は男女雇用機会均等法の理念と、男の警官とは同じようには使えない女性警察官という現場での現実とのジレンマや、出世を諦めてしまった警官の“再生”の困難さなど、かなりシビアな話が登場してきます。青山望シリーズでは優秀な警官が多く登場していますが、ヒトイチでは問題警官が多数登場してきて、従来の警察小説作家が取り上げてきたものに近い感じになっています。まあ問題警官がいなければヒトイチは開店休業ですからシリーズが続く限りは不祥事が発生しなければなりませんが。

 ただ、純粋な腐敗・悪徳警官というよりは、警察や自衛隊など権力機構の弱体化を狙っている極左団体などの介入という事例が多く、そのせいで公安部が登場してくるのでヒトイチが食われ気味になっています。このままでは青山望シリーズに近くなってしまいそうなので、もっと監察に焦点を当てた物語になるといいような気がしますが。
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