北海道名物!(その22):大観光地・洞爺湖とその周辺

3日ほど留守にしてしまいました。本日気象庁は「関東甲信越も梅雨明けしたとみられる」と発表しまして、大して雨は降りませんでしたが(特に水源地方)、平年より7日、去年よりも18日遅い梅雨明けのようです。今度は猛暑が襲ってくるわけですね。

実は北海道に行っておりました。札幌赴任から戻ったばかりだというのにまた北海道旅行。それだけ北海道というところは素晴らしい所なんですよ。そして2年程度の赴任では極め尽くせない広大な大地でもあります。ということで久しぶりに「北海道名物!」行きます。今回は洞爺湖です。

洞爺湖は支笏洞爺国立公園内にあり、洞爺湖有珠山ジオパークとして「日本ジオパーク」「世界ジオパーク」に登録されているほか、「日本百景」「新日本旅行地100選」「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選定されている堂々たる観光地です。なにしろ2008年にはサミット開催地にもなったほどです。

洞爺湖は面積は日本で9番目、北海道では4番目。カルデラ湖としては屈斜路湖、支笏湖に次いで日本で3番目の大きさです。日本3大カルデラ湖は全て北海道に集中しているという。カルデラ湖とは火口に水が溜まった出来た湖のことですが、洞爺湖は中央部に「中島」という典型的な中央火口丘を持っています。

同じ国立公園内にある支笏湖と比べると、戦後に道路整備が進むまで湖へのアクセスが困難だった支笏湖には未だ秘境めいた神秘性が感じられるのに対し、洞爺湖は湖をぐるりと道路が囲んでいて湖畔を伊周することが可能で、北海道有数の観光地となっています。なにしろ周辺には昭和新山とか有珠山といった火山があるほか、火山の恵ともいえる洞爺湖温泉も所在していますから。

北海道新幹線と特急スーパー北斗を乗り継いでとりあえず洞爺湖に到着したら、取るものも取りあえず遊覧船に乗りました。ここの大型遊覧船は旧型と新型の二隻があり、30分毎に交代で発着するのですが、私が乗ったのは残念ながら旧型の遊覧船でした。

新型の船はエスポワールという名前で、ご覧の通り浮かぶお城みたいな形状をしています。エスポワールというからには、きっと船内では「限定じゃんけん」のようなギャンブルが行われているに違いありませんね。乗らなくて良かった良かった(笑)。

遊覧船は当然のように中島に向かうわけですが、実は島は4つあって、圧倒的に大きな大島(これを中島とも呼ぶ)の他、観音島、弁天島、饅頭島があります。中島にはかつて定住者がいましたが、現在は無人となっています。代わりに持ち込まれたエゾジカが繁殖してたりします。


一番小さな饅頭型の饅頭島には蝮が沢山いるとかいう伝承があって「ヘビ島」とも呼ばれ、唯一上陸不可となっています。弁天島と観音島は砂州で繋がっており、江戸時代に観音島には観音像が安置され、弁天島には弁財天が祭られていたところからその名が付けられました。

最大の中島には遊覧船の発着場があり、観光客は誰でも気軽に行けます。定住者はいませんが、日中は森林博物館や売店が営業しています。博物館はごく小さなもので、エゾシカや昆虫などの標本、ジオラマ、森林の資料などを展示しています。料金も200円とお安くなっています。

お泊まりは洞爺湖温泉にある「ザ レイクビューTOYA 乃の風リゾート」。北海道や箱根で手広くホテル・旅館を経営する野口観光グループのホテルです。全室レイクビューでかぶりつきで洞爺湖を見ることができます。


驚いたのはカモメがやってくること。遊覧船に纏い付くように飛んで客から餌をねだる姿はいろんな観光地で見られ、洞爺湖も例外ではないのですが、カモメがホテルの窓辺にやってきて餌をねだるのは初めて見ました。それだけ湖に近いということなんでしょうが、カモメは良く見ると目付きが怖いですね。細長い焼き菓子をそのまま差し出したら、丸呑みにしたのには驚愕でした。カモメの口って結構横に広がるのね。しかもなお去らないのでじゃがびーとか色々やったら片っ端からかっ喰らっていました。どっちかというと雀とかの小鳥に餌をやりたかったのですが、カモメみたいな大型が来ては寄りつきもしませんでした。

夜は洞爺湖名物「ロングラン花火大会」が開催されます。今年で35回目で、4月28日から10月31日まで荒天時以外は毎夜8:45~9:05の20分間程実施されます。打ち上げ花火担当の船と水中花火担当の船の二隻が移動しながらやるので、温泉街のどこからでも楽しめますが、湖畔の遊歩道にも多数の観光客が出ていました。

そして希望の船エスポワールは夜になると花火鑑賞船に変わり、ギンギンに輝きながら打ち上げ船の移動とともに移動して最初から最後まで花火を見ることができます。もっとも温泉街中央にある「乃の風」だったせいで、ほぼ全ての花火が見られたので乗りませんでした。

翌日は有珠山・昭和新山のある壮瞥町へ。まずは昭和新山熊牧場。すすきのでは♪ノ・ボ・リ・ベ・ツといえばク・マ・ボ・ク・ジ・ョ・ウ!(熊牧場!)♪というラップ調のCMを散々聞かされたせいで、熊牧場といえば「のぼりべつクマ牧場」が思い浮かぶのですが、昭和新山にもあるのです。


クマの数はほぼ互角ですが、「のぼりべつクマ牧場」はロープウェーで山を上がっていき、広大な山上に熊牧場のほかヒグマ博物館とかアイヌ生活資料館、クッタラ湖展望台、リス村等施設が多くあるのに対し、昭和新山熊牧場は、ほぼヒグマに特化しています(アライグマもいたけど)。小熊が3頭いて元気にじゃれあっていたのは可愛かったですが、餌用クッキーを投げ終わると早々に出ることになるので、滞在時間は短いと思います(その分料金も安いけど)。

そして有珠山ロープウェーで有珠山に。有珠山は20世紀の100年間で4度も噴火活動が観測された、世界的に見ても活発な活火山で、近年も1977~78年と2000年に噴火しています。そんな危険な火山にホイホイ登っていいのかとも思いますが、15分間隔で運行され、所要時間6分で山頂まで運んでくれるのでとっても便利です。途中で見られる昭和新山とか洞爺湖もまた見事で。

有珠山山頂駅には洞爺湖展望台、有珠火口原展望台、外輪山展望台がありますが、すぐ近くの洞爺湖展望台以外は高低差もあるので脚が悪い人には厳しいかも知れません。山麓駅周辺には昭和新山火山村、昭和新山ガラス館などもあります。

そして昭和新山。戦争中の昭和18(1943)年に麦畑だった平地に突如形成された有珠山の側火山です。山肌が赤色に見えるのは、かつての土壌が溶岩の熱で焼かれて煉瓦のように固まった(溶岩ドーム)からだとか。今も水蒸気が吹き上がっています。川に運んで平地の地下に埋まるなどしていた石が溶岩によって持ち上げられたため、昭和新山の中腹には河原にあるような丸い石が場違いな感じで転がっているそうです。

当時は戦争まっただ中ということもあり、世間の動揺を抑えるために噴火の事実は伏せられ、公的な観測を行うことができませんでしたが、地元の郵便局長であった三松正夫は詳細な観察記録を作成し、貴重な資料として評価されています。また、世界的に貴重な火山の保護と家や農場を失った住民の生活の支援のために、山になってしまった土地を買い取るということもしており、そのため昭和新山は三松家の私有地となっています。私有地でありながら国の特別天然記念物に指定されています。標高398mですが、温度低下や浸食などによって少しずつ縮んでいる模様。

火山はおっかないですし、実際噴火で死傷者も出ているのですが、洞爺湖温泉は明治43(1910)年のやはり有珠山の側火山である明治新山の噴火によって誕生したものと考えられています。火山と共存せざるを得ないのが日本ということでしょうかね。


洞爺湖湖畔に58基の野外彫刻が展示されている「とうや湖ぐるっと彫刻公園」があります。全部見るのは大変ですが、洞爺湖温泉周辺の作品は気軽に鑑賞できます。また大型遊覧船のほか、モーターボートやスワンボートなどでの湖上遊覧も可能です。初めてモーターボート遊覧をしてみたのですが、なかなか爽快でいいものですね。

ということで、北海道有数の観光地である洞爺湖、一度行ってみてはいかがでしょうか。楽しく快適な観光ができますよ。

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