人類は衰退しました 平常運転:新作&未収録作品の短編集

雨の土曜日、いかがお過ごしでしょうか。でも言うほど降らなかったですね。今年の夏は渇水の危機ですね。内山田洋とクールファイブの歌じゃないけど「東京砂漠」が現実化したりして。

今週は怒濤の「人類は衰退しました」ウィークでしたが、本日掉尾を飾るのは「人類は衰退しました 平常運転」です。まずは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。わたしが所長になってからのクスノキの里のその後、知られざる妖精さんたちの裏の活動(あるばいと)、『世界人里ブックガイド』執筆をもくろむ旅、さらにはラブコメ風・わたしのデートの一日…?などなど、書き下ろしを大量に含む文庫本未収録エピソードを詰めた「おまけ」が楽しい食玩的短編集。

ということで、“アニメのBD&DVD初回特典や店舗特典のために書き下ろされた文庫本未収録短編&イラスト、さらに初出書き下ろしも大量収録したファンマストアイテムの短編集”なんだそうです。円盤を買った人からは、特典短編の再収録は文句たらたらかも知れませんが、円盤を買わない私からすると全て初見なんで無問題です。だけどそうか、だから戸部淑のイラストが大量なんですね。

9巻で完結した「人退」本編ですが、後日談の短編集です。相変わらず妖精さんはしょうもない発明を続けていたり、マイちゃんは(マーゴちゃんと名前が判明してもなお、君がッ 泣くまで マイちゃんと呼ぶのをやめないッ!)お祖父ちゃんの遺言を実行すべく助手さんと秘密のデートをしたりと、平常運転の世界で色々やっています。

助手さん、Y、Kさん(7巻からレギュラー入り)に、生徒ABC、さらに懐かしのツギハギさんなど色んな人達が登場します。アニメでの衝撃のヤンデレシーンで一世を風靡した巻き毛ちゃんも登場。8巻で逆子を取り上げるためにあちこちに救いを求めたところ、お姉さんのピンチに仕事を退職して駆けつけた巻き毛ちゃんは、月世界への救援メンバーにも入っていましたが、特に役に立つこともありませんでした。

それはそうとして、マイちゃんの巻き毛ちゃんの扱いはちょっと酷い。ほぼガン無視状態じゃないですか。そりゃあ巻き毛ちゃんはとんでもないヤンデレだし、自分の事しかしゃべらないし、特に役にたたないし子ではあるんですが、Yみたいに積極的に問題を起こしたりする訳ではないのに。

というか巻き毛ちゃん、ヤンデレ気質は成長とともに影をひそめたんじゃなかったけ?むしろ再発しているような気がしますが。そんな巻き毛ちゃんをないがしろにして大丈夫?だってさあ…改めて学舎時代の巻き毛ちゃんをご覧下さい。CV金元寿子の演技が実に素晴らしい。
なんだかんだ言って巻き毛ちゃん好きです。多分そばにいないからでしょうけど。そばにいたら…やっぱりマイちゃんのように「面倒臭い人」と思ってしまうんだろうなあ。ルックスはとっても可愛いんですけどね。

後半はマイちゃんの一人旅(ただし妖精さん付き)で、円盤特典の短編らしいです。休暇を利用して、「世界人里ブックガイド」の執筆を目論んで周辺の集落を訪ねるマイちゃん。某Amazonの宅配サービスやレビューを皮肉った三つの村の話、“外界と未接触の部族”を装った集落のばれてはいけない不都合な真実の話、テーマパークの遺跡を復活させて村おこしに成功した集落の話、美味しくていい匂いのドリアン開発を目指して品種改良にいそしむ話、北と南に分断された村(どうみてもあの半島)のお菓子戦争の話、そして妖精さんがあの「学舎」を模倣した学校の話が収録されています。こっちは口絵もあり、本編中もイラストが豊富でサービス満点です。

あとがきによるとまた短編集を出すかも知れないということなので、そこはかとなく期待しながら待つとしましょう。

スポンサーサイト