2016年春季アニメの感想(その4):ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?/ふらいんぐうぃっち

ここ数日梅雨明けもまだだというのに暑くてマイッチングでしたが、今日の午後は雷雨となってだいぶ涼しくなりました。冷房なしで寝られそうです。札幌帰りのせいか、暑さにはめっきり弱くなってて。

さて10本も視聴した2016年春季アニメの視聴も今回が最後です。「クロムクロ」については2クール目突入なので夏季アニメの感想で述べるとして、本日は個人的に今季一番面白かった二作品について紹介しましょう。美味しいものは最後に取っておくタイプなんですよ。

ではまず「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」。このタイトルの長さ、いかにもラノベですね。サブタイトルも「○○は××と思った?」で統一されていますが、最終回だけ「ネトゲの嫁は女の子なんですよ!」に変わっていました。

既刊11巻で継続中のところ、アニメでは4巻までした使われていないので、是非近いうちに第二期を制作して欲しいと思います。円盤の売れ行き次第なんでしょうかね…

学園ラブコメものとされていますが、主人公達が通う前ヶ﨑高校とともに、ファンタジー系MMORPG「レジェンダリー・エイジ」というゲームの世界がもう一つの舞台となっています。といっても皆ゲームと現実はしっかり区別しているので、中二病系作品という訳ではありません。只一人を除いては…

主人公西村英騎は「リアルとゲームは別物」だと区別しながら、「アレイキャッツ」という小さいギルドに所属して、ルシアンというキャラで「レジェンダリー・エイジ」をゲームを楽しんでいました。メンバーは野郎3人、女の子1人(ただしネットでのキャラ)でしたが、その唯一の女の子「アコ」から告白をされ、ゲーム内で結婚することになりました。これが「ネトゲの嫁」ということですね。ゲームのキャラは女の子なんですが、プレイヤーが女の子とは限らない訳で、現にかつて英騎は「猫姫さん」という女性キャラに告白したものの、実は「ネカマ」だと教えられてショックを受けた経験があるのです。

しかし、ギルドマスターのアプリコットから「オフ会」の開催を告げられ、現実世界で会合したところ、英騎以外の3人は同じ高校の女生徒であることが判明しました。アプリコットは上級生の生徒会長・御聖院杏、シュヴァインは英騎のクラスメイトでオタクを毛嫌いしていた瀬川茜、そしてアコはコミュ障で引きこもり気味の玉置亜子でした。

ネトゲの嫁は本当に女の子で、しかも結構可愛いことに喜んだ英騎でしたが、亜子=アコ(本名のままやんけ)は現実とゲームの区別が付かない「残念美人」だったのでした。メンバーは相談の末、亜子の更生という目的のため、学校内に「現代通信電子遊戯部(ネトゲ部)」を新たに設立し、放課後に部室でネトゲを出来るようにし、ゲームを餌に亜子を学校に来させることにします。

1話ではアプリコットやシュバインは野郎キャラだったのですが、「中の人」の正体が判明して以降はアコ同様現実の杏と茜がコスプレしたような女性キャラに変化してしまいました。そりゃあ見てるこっちはその方が有り難いのだけど、MMORPGってやったことないのでよく分からないのですが、実際のゲームでキャラを大幅に変更することができるんでしょうかね?

その後かつて英騎が告った「猫姫さん」がネカマではなく、クラス担任の若き女教師・斉藤結衣であることが判明します。ほぼ脅してネトゲ部の顧問にしたりして。

英騎はゲーム内のキャラであるルシアンとしてはともかく、現実世界では自己評価が非常に低く、「自分と噂が立ったら相手の女子がかわいそう」「リアルの自分も亜子に好かれている保証なんてない」なんて言い張っていました。

一方ゲームと現実の区別がつかない亜子にとっては、英騎(=ルシアン)は名実ともに「夫」であり、普通の高校生らしい恋愛関係である「恋人」はむしろワンランク格下げになるため、恋人になることは断固拒否しています。その姿勢を誤解して英騎はがっくりしたりして。さすがの亜子も現実の自分は英騎と結婚しているわけではないということは認識していますが、最終的には結婚にこぎ着ける気マンマンです。ルックス的にはいいんですが、深刻なコミュ障を何とかしないと現実社会への適応は困難でしょうな。専業主婦希望らしいですが、専業主婦がコミュ障でいいという話はありません。

茜はオタク嫌いを標榜しつつ、実は女子同士の裏表のある付き合いに少しうんざりしており、いわゆる男同士の裏表のない友情に憧れて「レジェンダリー・エイジ」を始めたのでした。

一方杏は大金持ちの家の子で、生徒会長にして高校の理事長の娘という、いかにもラノベに出てきそうなキャラですが、常時自信満々で破天荒な言動をしているために友達はいなかったりします。そのせいか亜子と同レベルでリア充が嫌いですが、見かけはこの人こそリア充そのものなんですが。

英騎が詐欺にひっかかってアカウントハックされ、装備品やアイテムを全て売り飛ばされたり、アコNTRの危機(まあそこまでの機能はありませんが)になったり、文化祭の出し物をゲームのイベントの「攻城戦」クリアにしたりと、ストーリーの中心はゲームなんですが、それでも亜子のコミュ障克服計画は徐々に進展していて、文化祭ではメイド喫茶のメイド長をやるまでになっていました。

亜子のCVは日高里菜。この人のキンキン声は私と相性が良くなく、視聴したけどクソアニメといっていいんじゃないかと思われる「銃皇無尽のファフニール」のヒロインのイリス・フレイアなんかは勘弁してくれという声と演技だったのですが、亜子はハマリ役だっと思います。

先生も含めて英騎の周囲は可愛い子ばかりで実にハーレム展開な訳ですが、ギリギリ中二病展開には至っていないという、そのギリギリ感がいいんじゃないかと思います。あとアニメで表現されているようにゲームができているのなら、是非プレイしてみたいのですが、たまに出てくるディスプレイ上の実際のやりとりを見ていると、やはりヴァーチャルリアリティへの道はまだまだ遠いみたいですね。

OPの女性アイドルグループ「Luce Twinkle Wink☆」が歌う「1st Love Story」は私の今季ナンバーワンアニソンです。やっぱアイドルソング好きなんですよ。三つ子の魂百まで。近いうちに紹介します。

続いて日曜日の癒しだった「ふらいんぐうぃっち」。こちらは漫画が原作ですが、実にのんびりまったりしていて良かったですね。

魔女の木幡真琴は、15歳になったら独立して家を出るというしきたり(「魔女の宅急便」みたい)に従い故郷の横浜から親戚の住む青森県弘前市にやって来ます。真琴と同学年の倉本圭やその妹の千夏は、はとこに当たるので遠縁といったところでしょうか。4親等(いとこ)かと思ったら6親等でした。親同士がいとこということですね。

家を出ても親戚の家に厄介になるだけだし、高校には通っているし、そのあたりは「魔女の宅急便」よりかなり緩い感じですが、魔女は自然の豊かな場所を好むということで、弘前はぴったりらしいです。

その弘前において、遅い春から夏を感じつつ、同級生の那央や先輩魔女の犬養と出会い、春の運び屋とか夜の帳といった一件不気味(実は人畜無害)な存在、魔女が経営する幽霊の働く喫茶店など、様々な不思議と交流しつつ、穏やかな時間を過ごしていきます。

真琴の姉の茜は魔女界でも名の通った優秀な魔女で、自由奔放な性格で高校を中退して以来世界中を旅して回っていましたが、姉らしく真琴を心配して倉本家に顔を出してからは、居心地がいいとか段々と居付くようになり、終盤はほぼ姉妹で厄介になっていました。倉本家はやけにおおらかな家だからいいけど、食費くらい払えよ茜(笑)。

魔女というのはもちろん魔法を使うのですが、それは職業という訳ではなく、占い師とか喫茶店経営とか、別の仕事をちゃんと持っている模様です。資質とか才能が必要なのかと思いきや、千夏が茜に弟子入りを申し込んで魔女見習いになったりしているので、修行すれば誰でもなれるのでしょうか。千夏は一応血筋的は親戚ですし、やはり資質は必要な気がしますが、真琴だって箒に乗って空を飛ぶくらいしかしていなかったので、本当に資質があるのかどうか。大事なのは修行という名の努力なんでしょうか。

終盤は空飛ぶクジラを見に行ったりして、この作品にしては派手なイベントが起きましたが、それでも日常が変わることはなく、平和な時間が過ぎていました。

真琴と茜という魔女達が居着くだけあって、倉本家はおおらかで寛容でいい家庭ですね。9歳の千夏だけは当初真琴を警戒して「あの人いつまでいるの?」なんて逝っていましたが、一度箒に乗せて空を飛んだらあっさり堕ちて(笑)「まこ姉」と呼んで懐つきまくっていました。序盤は毎回やってくる奇妙なキャラに脅かされるというのがお約束みたいになっていましたが、そのうち平然と「怪異」を受け入れるようになっていきました。こういう子が家に一人いたら明るくなっていいでしょうね。

野性のマンドレイクは生えているなど、弘前は結構な不思議ワールドでしたが、非常に暖かくて穏やかでいいところという雰囲気に満ち満ちていました。この作品を見ると青森に住みたくなりますが、「ほぼほぼ人いない」とかぼそっと圭がシニカルなことを言ってたり。

真琴役の篠田みなみは新人声優で初主演になりますが、周囲をベテランが固めていて安定感がありました。茅野愛衣や佐倉綾音が使い魔の猫をやっているという。

OPのmiwaの「シャンランラン feat.96猫」は当初の今季ナンバーワンアニソンでした。僅差で二位になりましたが、いい歌だと思います。二位じゃダメなんですか?これも近日紹介予定です。

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