2016年春季アニメの感想(その1):ビッグオーダー/迷家-マヨイガ-

飛鷹型軽空母飛鷹と扶桑型超弩級戦艦扶桑の二隻のネームシップが我が艦隊に仲間入りしました。これで空母は赤城、瑞鶴、飛鷹、隼鷹とミッドウエー海戦時の南雲機動部隊の陣容に迫るラインナップです。扶桑は……金剛型より新しいし、英国の手を借りない日本独自の設計による初の超弩級戦艦というところが画期的なんですが…火力を偏重しすぎたせいで速力や防御力がかなり犠牲になっていてバランスが悪いのですよね。速度の方は本人が気にしているように、戦艦としては決して遅い方ではないのですが。扶桑より金剛型が欲しかったな…。

とかなんとか、艦これにうつつを抜かしているうちに、そろそろ2016年春季アニメも終わりつつあります。本日は既に終了した2作について感想を綴りたいと思います。まずは「ビッグオーダー」。「未来日記」のえすのサカエ原作ということで期待したのですが…。

なぜに10話で終了?普通12話か13話くらいやるんじゃないの?原作はまだ連載中なので、おそらく第一部(単行本1~6巻)までを描き、結末はオリジナルになっているのだと思いますが、登場人物は多いわりにあまりに駆け足だったので、太宰府政庁十人衆も満足に活躍できなかったようです。若本規夫が演じた草木国土なんか能力すら見せなかったし。

「未来日記」もそうですが、えすの作品の女の子キャラは可愛い容姿に似合わず腹黒だったり黒幕だったりするのですが、本作でも主人公エイジの妹である可愛い可愛い瀬奈がそういう存在でした。でも可愛いから許す。

エイジの行動は瀬奈第一主義で、余命半年の妹(血は繋がっていないけど)のために全ての汚名をひっかぶっていましたが、最期の最後のオチは、あれほど拒否していたパパンの願いと何ら変わらなかった気がするのは気のせいでしょうか?自分で願いたいだけだったのかな?

妹ラブなアニメ作品は星の数ほどあれど、ここまで率直に妹ラブをカミングアウトしまくる主人公はなかなかいないと思いますが…もう鈴や壱与はそっちのけで、どう見てもヒロインは瀬奈。ヤンデレ化してお兄ちゃんを刺したりもしますが、我々の業界ではご褒美です的な。シスコンは異世界の神すら倒すという新たな真理を示してくれました(笑)。

10話で物語を終わらせた結果本来もっとキャラが立っていたはずのキャラが顔見せ程度で終わってしまったのは残念ですが、原作はアニメとは異なる展開らしいので、そっちを楽しむよろしですね。瀬奈は腹黒可愛いのでいずれ好きなアニメキャラで取り上げましょう。今季の中二病枠だった本作ですが、OPとEDはなかなかによろしかったので、そちらも取り上げます。

続いて「迷家 -マヨイガ-」。名作「ガールズ&パンツァー」を世に知らしめた水島努監督のオリジナルアニメということで期待度大だったんですが…やってくれたなオイ。

数々の都市伝説として噂される、地図にも載っていない謎の村・納鳴(ななき)村。僅かに残る文献などの情報では、突如村人が存在しなくなり廃村になったと記録されているその村へ、「人生やり直しツアー」と銘打ってやって来た30人のツアー客。ということでミステリー&群像劇かと期待したのですが。

とりあえず、登場人物は30人もいらんかったね。半分でも余裕でストーリーは展開できたような。納鳴村に出現する化け物はナナキと呼ばれ、その姿形・発する音は見る者のトラウマを呼び起こすものとなって現れます。その正体は自分の心の一部が肉体から抜けだしたものだそうで、「本人のトラウマ」が反映されるものなのでその姿は千差万別で、他人には同じものを見ることができないということだったのですが。

終盤、全員が一致して認識できる、人間そのものの姿でコミュニケーションが可能なナナキが出現してきたところで「おや?」と思ってしまいました。そもそもそいつらはトラウマと違うじゃないか。

例えば運転手のナナキは死んだ娘の姿でしたが、運転手はむしろ逢うことを切望していたし、真咲のナナキはレイジというイマジナリーフレンドで、それはそもそもトラウマでもなんでもないじゃないか。

納鳴村では、なぜかナナキが分離し、そのまま村を出ようとすると追いかけてくるのですが、トラウマと向き合い、受け入れることによって自らの肉体へとナナキを戻せば、もとの世界に戻ることが可能なようです。ナナキを自らの肉体に取り戻さない場合、次第に無気力となり、やがて人でいられなくなるとか。またナナキを肉体に取り戻さないまま納鳴村を出てしまった場合は、肉体が急激に衰えていくらしいです。

であれば、ナナキを置いてきてしまったゲロイン真咲はなぜ老化が進まないのか。というよりこの人、何かを知っている態で描かれており、ツアーメンバーから拷問されそうになったりしているのですが、その際に問い詰められた数々の矛盾点を全く説明することもなく、謎が解決されないままにめでたしめでたし的な
流れになっていましたが、それでいいのか?というか、真咲は自分のナナキを見ていないということで疑われましたが、そんな人ツアーの一行にいくらでもいたような。単にキャラが多すぎて描けなかっただけかも知れませんが、名探偵ナンコとか主宰者ダーハラもナナキを全く見ていませんでしたね。

黒幕は、一部キャラにも疑われていたとおり、期待をうらぎらずこはるんでしたが、この人の黒幕っぷりも実は全然大したことがなかったですね。もっともっと腹黒いキャラであって欲しかったのに。

結末があまりに尻切れとんぼだったせいで、納鳴村がつい最近まで人が住んでいたいような形跡があったり、昭和レベルの建築だったりする理由とか、真面目に考察しても仕方がないという感じになってしまいました。だいたいサブタイトルがなあ。「よっつんの川流れ」とか「ユウナ3人いると紛らわしい」とか、ふざけてんのかと思うようなのが並んでいました。最後まで見たので「Rail Wars」ほど酷い出来ではないと言えましょうが、「グラスリップ」クラスの怪作といっていいのではないかと思います。

どうでもいいですが、処刑マニア拷問マニアのらぶぽんは帰宅組に入っていましたが、大丈夫なのかこの人を現世に戻して?この人のナナキはかなりとんでもないので、まだ中学生のらぶぽんには受け入れるなど到底出来そうにありませんが、じゃあ老化が始まっちゃうね。

「蠅の王」みたいに集団心理の恐ろしさとか、モラルを失った集団の自壊とか、そっち方面かと期待したのですが、全然違いました。でも最後までなんだかんだと見入っていたのも事実。でもガルパンにはなれなかった…

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