人類は衰退しました 2:アニメ化作品ですが、非アニメ化エピソードもありますよ

昨日の週刊現代に吉住はるな再び登場。不定期連載といいながら早いじゃないですか。今回はちゃんと月曜日の新聞広告をしっかり見たので先手を打って月曜日の朝に買いましたよ、今回は前回より踏み込みました(露出的な意味で)。直後に掲載の「Gカップの新星」より綺麗だと思うんですが、皆さんぜひご自身の目で確認して下さい。

かつて壇蜜さんからは、薄物を透かしてたり、横からならセーフという謎理論を聞いたことがありますが、そういうものなのですかね?いや、綺麗だからアウトだろうがファウルだろうが見せていいとは思うのですけど。これは昨年11月発売のDVDですが、やはりAmazonでアダルト商品扱いするかどうかは何が基準なんでしょうかね?緊縛画像があるとアウトという説がありましたが。

本日は田中ロミオの「人類は衰退しました 2」です。筑波嶺の図書館にどうやら全巻揃っているらしいので、片っ端から読んでいく所存です。アニメも好きだったのですが、基本マイちゃんのモノローグで進むこの作品、中原麻衣の声で脳内再現余裕なので読んでいて心地よいのです。

ピンク髪で腹黒い性格のキャラクターのことを「腹黒ピンク」というそうです。マイちゃんは文庫版では薄い茶色の髪なんですが(あ、旧版イラストはピンク髪だ)、アニメではピンクなのでこれに該当するんでしょうね。ただ、中原麻衣の声と演技により、その腹黒さは愛すべき要素のひとつとなっています。それでは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。…なんですが。高い知能を持つ妖精さんのまわりは不思議なことだらけ。理解不能なおかしな道具を創って、わたしの身体を小さくしたり。現場復帰する祖父の助手さんのお迎えに、何度も何度も行かせたり。…そんなこと、報告書には書けません!えっ?わたしが一因?ではないですよ!?お疲れの人類の脳に刺激と安らぎを…。

本作は「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」と「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」の2本立てです。まずは「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」から。実はこれはアニメ化されていないエピソードです。

マイちゃんの勤め先である調停官事務所に、クスノキの里で奇妙なグッズが多数出回っているという投書が来ました。奇妙なグッズといえば、それはまさしく妖精さんたちの作り出したものに違いありません。マイちゃんは回収してきたそれらの品々を、原理はともかくどういう働きをするか確認していきます。

その中にあったなぞのスプーン。偶然にもマイちゃんの頭に刺さったら、不思議。マイちゃんの頭から薄力粉を出現させたのでした。これはお菓子作りに便利だねと思ったのも束の間、マイちゃんはあっという間に妖精さんサイズに。そしてしゃべり方まで妖精さんスタイルになってしまったのでした。

なんとこのスプーン、知性を薄力粉に変えるというとんでもないシロモノで、人間は知性を失った分だけダウンサイジングしてしまうようなのです。322あったマイちゃんの知性はあっという間に十分の一の32になってしまい、身体のサイズも十分の一になっちゃったのでした。

ちなみにマイちゃんの祖父の知性は1275。マイちゃんの4倍近いという。マイちゃんも学舎最後の卒業生ということで、決してバカではないはずなんですが、さすがはもと大学者先生。知性を数値化するだけならスカウターもどきで終わったんですけどね。

祖父は小さくなったマイちゃんを妖精さんとしか見なさなかったため、冒険の旅に出るマイちゃん。苦労の末、知性のあるハムスターの一族に厄介になることになりました。このハムスター達、言うほど知性はなくて、イタチの一族に襲撃されて急速に数を減らしています。

登場するイタチのイメージはまさに「ガンバの冒険」のノロイそのものです。しかも難しいセリフも言うし。ちなみに妖精サイズになると虫や鳥のセリフも聞けますが、本能垂れ流しなセリフを呟くばかりなのでコミュニケーションは不能です。

その後危機一髪のところを妖精さんたちに助けられたマイちゃん。森の中の妖精さん達の住まいで楽しく過ごしますが、うっかり例のスプーンを使ってしまってさらに知性低下。勉強すれば知性の低下は止められますが、享楽に走るマイちゃんはサボりまくり、知性は限りなくゼロに近づいていきます。もはや「アルジャーノンに花束を」の後半状態。知性…たったの1か…ゴミめ…

妖精さんの出てこない前半はかなり命の危機に見舞われますが、妖精さんがたくさんいれば様々な事件に遭遇しまくることはあっても生命の危険はありません。そのあたりはアニメでも表現されていましたが、妖精さんの視点とかしゃべりようをマイちゃんが体感するところは面白かったですね。終盤のマイちゃんの知性奪還の様子が鬼気迫るのでアニメ化は見送られたのか。

ノロイのようなオコジョも、人間視点ではこんなに愛らしいのですけどね。ペットに良さそうです。でも可愛いネコだってネズミ視点だと恐るべき殺戮者なんでしょう。

続いて「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」。こちらはアニメ版の7話と8話になります。マイちゃん大量発生および助手君初登場の回です。アニメではとっくに登場していた助手君ですが、時系列的にはこれが初登場。

クラークの法則のごとく、魔法にしか見えない科学技術を駆使する(こともある)妖精さん達ですが、お菓子は作れないという致命的(?)欠点が。そもそも食事の必要はなさそうなので、純然たる嗜好品のようですが、それは痛いですなあ。そもそも妖精さん、楽しいことは大好きですが、オリジナリティは欠如しているようで、人間の文化・文明にインスパイアされることが多いみたいです。

お菓子作りの上手いマイちゃんは一人だけ。でもお菓子をもっと食べたい。クローンはマイちゃんから禁止されてしまったので、さてどうするかと妖精さんが考え出したのが、なんと閉鎖時空でした。バナナを使った恐怖の無限ループに囚われたマイちゃんの運命やいかに!?…って、命の危険は全くないんですけどね。

それから時間の狹間で13歳だった祖父と出会うマイちゃん。13歳にして女教師との繁殖行為(笑)が発覚し、卒業試験後半ば放校に近い形で学舎を卒業させられ、調停官になったそうですが、マイちゃんの胸を触ったり頬にキスしたりとセクハラし放題。そうかグランパ、若き日はマイちゃんがタイプだったのか。

バナナの皮に滑る度にタイムスリップするマイちゃん。その度にイヌが吠えると思ったら、タイムパラドックスのドックスと掛けているらしいです。本編でも突っ込まれていますが、英語表記だとdoxなのでdogsとは大違いなんですが、人類は衰退しているので細かいことを気にしてはいけないのでしょう。

色っぽい女医さん(略して艶女医。CVは桑谷夏子でした)とか、今回限りにしておくのはもったいないのですけどね。高原地域の少数民族の最後の1人として保護された助手君は、無個性でつかみ所のない存在でしたが、マイちゃん軍団によるお茶会での噂話により、マイちゃんの助手君への「こういう人であって欲しい」という願望や、未来のマイちゃんによる助手君の感想等を集めたことで個性を得たようです。風体にそぐわないアロハシャツはクソガキだったグランパ由来なんですね。

それにしてもグランパ、若いうちから繁殖活動にいそしんだという、とんだ好色一代男だったというのにの孫娘はたった一人。このあたりが人類の衰退ぶりなんでしょうかね。

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