人類は衰退しました:勝手に認定「夏アニメの最高作」

相変わらず不安定な天候が続いていますが皆さんお元気でしょうか。秋よ、早いとこ夏に引導を渡して下さいな。
さて、昨日「人類は衰退しました」の最終回を見ましたので、早速今日の話題にしたいと思います。

いやー夏アニメを全て見たわけでもないのに勝手に断言しますが、夏作品のNo.1はこの「人類は衰退しました」でいいんじゃないでしょうかね。SFマインドに溢れた非常に面白い作品だったと思います。
興味深かったのは、回が進むほど過去の話になっていったところでしょうか。冒頭、いきなりベリーショートだったマイちゃん(主人公の「わたし」をこのブログではこう読んでます。CVの中原麻衣とMyを掛けて)の、その理由は5-6話で語られていますし、7-8話は「助手さん」がやってくる時のエピソードなのでさらに以前の話。9-10話はマイちゃんが学舎を出て国連の調停官としてクスノキの里に着任した当時の話なのでさらに以前の話。そして11-12話はマイちゃんの学舎時代の話なので一番初期の話という風に。
3-4話と9話はちょっと時期がわかりかねますね。1-2話の後か5-6話の前あたりだと思うのですが。2話でマイちゃんの長い髪が自律思考・自律行動するようになってますが、これが一時的現象ではなく恒久的なものだとすると、3-4話及び9話は5-6話より前の話である可能性が高いと思われますが(マイちゃんのピンチに髪が手を貸さないはずがないので)、原作を見ると1-2話は4巻、3-4話は6巻、9話は4巻ということなので、マイちゃんの自律する髪はあくまで仮初めで、1-2話より後の話なのかも知れません。

そうですね、細かいことはいいですね。毎回面白かったのですが、時間配分が良くないせいか、エンディングアニメがないこともしばしば。エンディング省略だけでは不公平だと思ったのか、オープニングアニメがない回もありました。これも…

直近にみたせいもあって印象的なのは11-12話でしょうか。マイちゃんの学生時代が語られています。マイちゃんはどのような境遇であったのか、両親は登場せず、他の子達よりだいぶ大きくなってから1年生をやらされています。この生誕から学舎に入るまでの間のエピソードも第二期でもやるなら描写されるのでしょうかね。

そんな訳でクラスメートのジャリどもと仲良くする気もないままに孤立していじめの対象となったマイちゃん、接近してくる「巻き毛」ちゃんも悪の黒幕にしか見えないという猜疑心の塊です。またYとかも態度悪いしね。そんな人嫌いなマイちゃんも実は孤独は死ぬほどいやで、でもどうすることもできないというジレンマに陥っています。

泣きながら走るマイちゃん。他の回では感情表現に乏しいのでとっても新鮮です。そして出会った妖精さんの助力によりコミュニケーション能力をほんの少し増したマイちゃんは、飛び級して年上の同級生のいじめの対象となった「巻き毛」ちゃんを助けてやったりして、押しかけルームメイトになられたりして、「のばら会」に入ることになります。


学舎の生徒達がなぜか一目置く「のばら会」に加入したことでいじめはぱたりと止み、他者とのコミュニケーション力をつけたマイちゃんは、意地悪なYの秘密を暴き、彼女を追い詰めることに成功します。しかし、その後腐女子のYの手引きにより、「のばら会」メンバーの真実の姿を見ることに。

温和な「花先輩」は「殺すリスト」を付けてました。実は人から受けた恨みや迷惑は絶対に忘れない「根に持つ」タイプで、日常の些細な恨み辛みをノートに克明に記録していたのです。「アマガミ」のメインヒロイン絢辻詞の黒革の手帳もきっと中身はこんなだったんだろうな…

「銀髪ちゃん」と書いてありますね…これはYのことでしょう。

この世界では異色の黒髪のお姉様「魔女先輩」は髪の毛フェチで、女の子の髪の毛を蒐集してアルバムに溜め込んでいます。もちろんマイちゃんの髪の毛も大事なコレクション。

女の子の顔とかプロフィールも付いています。創刊号は特別価格だったりして。

いつも一緒にいる「AB先輩」は、普段はお上品でおとなしいのに、実は誰も見ていないところでは、だらしない格好でスキットルで酒を回し飲みしながら、下品な言葉で低俗な会話をしています。

百合関係かと思ったら、そういうことはありませんでした。単に仲の良い二人。

そしてマイちゃんラブの「巻き毛」ちゃんはとてつもないヤンデレでした。マイちゃんのいない一人の部屋で、人形をマイちゃんに見立ててママゴトをしているのかと思ったら、人形に熱湯をかけたり、ナイフでめった刺しにしたりして、あげるにバラバラにしています。あの部屋に帰れないというマイちゃんの魂の叫びはよくわかります。「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないマイちゃん」なわけですからね。

そしてYは、自分は腐女子だけど心に闇を抱えていないので、マイちゃんに近いとして、二人で共闘していくことを持ちかけ、見事に成功します。Yは脱退していた「のばら会」にも復帰して、マイちゃんもYも良好な学舎生活を築くことに成功します。

しかし…ちょっと待って下さい。Yは本当にノーマルに近いのでしょうか?この人、「屋根裏の散歩者」状態で他人のプライバシーを暴きまくってきたんですよ。「花先輩」のデスノートは確かに恐いけど、他人に公開している訳でもなく、本当に復讐しているわけでもありません。ノートに書き記すことで精神の均衡が保ててれば別にいいじゃないですか。

魔女先輩も、まあいい趣味であるとは思いませんが、こちらも密かにやっていることだし、落ちた髪の毛を拾っているので犯罪性もありません。ちょっと百合な先輩という程度じゃないですか。むしろ図書館のBL系書籍を盗んでいるYの方が犯罪性が高いし、魔女先輩も腐女子で覗き趣味のYに文句を言われたくないでしょう。
AB先輩については、まあ女の子に幻想を抱かなければ、こんなもんなんじゃないかと。こちらも人目のないところでやっているだけだし、誰にも迷惑かけてないし。好きな女の子の真相を見てしまったというのなら「ガーン!」と幻滅するところですが、同性なんだしそんなに問題にするところでもないかと。

ただ…「巻き毛」ちゃんだけはさすがに恐ろしいですね。誰も見てないところでやっていた訳ですが、見てしまっては同室生活は辛いものが。いつナイフで刺されるかと思うとおちおち寝てられませんよ。しかし、そんな「巻き毛」ちゃんも卒業の頃には落ち着いていたみたいで、マイちゃんとの別れは泣いて悲しんでいましたが、ヤンデレ的なことはしませんでした。

そして物語の最後、初めて出会った妖精さんの手助けで学舎生活を乗り切れたことを知ったマイちゃんは……

なんだよ妖精さん、いい仕事するじゃんか。

マイちゃんを演じる中原麻衣とYを演じる沢城みゆきのやりとりは素晴らしいの一言。二人とも役者やのぉ~。3-4話のやりとりがもう一度聞きたいと思っていたのでとても良かったです。それから、この作品は中原麻衣の重労働の末にできあがっていますが、マイちゃんの気だるさとか気の抜け方とか、もう最高の演じっぷりでした。今年の最優秀主演女優賞でいいんじゃないでしょうか(まだ早いですか?)。
しかし、人類は絶賛衰退中ということですが、妖精さん達は人間が大好きみたいだから、本当に絶滅寸前になっってきたら人類復活計画とかやりそうですね。その時は、今より質のいい人類を作って下さいな。
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