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ARIA(その1):究極の「癒やし」をあなたに

ARIA
 
 三連休もあっという間に終わってしまいましたね。秋分の日はなんと土曜日なので三連休にならないという孔明の罠。3週間後の体育の日まで待ちましょう。

 今日は漫画喫茶に行ってきましてセキレイだのクレイモアだの範馬刃牙だのの新刊を読んできたのですが、前々から気になっていたもののこれまで手を出してこなかった「ARIA」(本当は一文字ごとに「・」が入るのですが、面倒なので省略させて下さい)を読んでみたのですが……どうして今まで読んでこなかったんだ!と己の不明を恥じて地団駄を踏みまくりましたよ。それなので、全12巻中5巻までしか読んでいないのですが、思わず取り上げてしまいます。なので今回は「(その1)」ということで。「(その2)」をいつやるかはわかりませんが、全部読んだら絶対やります。

 「ARIA」(アリア)は、天野こずえが2002年から2008年にかけて連載した、1話完結型の漫画です。アニメも2005年から2008年にかけて3期に亘って放映されたそうです。こちらも未チェックなのでいずれ見なければと思っています。

一巻表紙

 物語の舞台となるのは、テラフォーミングされ地表の90%が水没して水の惑星となった未来の火星(「アクア」と呼ばれています)。観光都市ネオ・ヴェネツィアで、一人前の観光水先案内人(ウンディーネ)を目指す少女、水無灯里(みずなし あかり)とその周囲の人々の過ごす四季折々の日常を描いています]。ネオ・ヴェネツィアは地球のヴェネツィア(既に水没)から建築物や風習を移転したという設定になっていて、実在の観光資源が作中に登場しています。ヴェネツィアは10数年前に一度訪れたことがあるのですが、「ARIA」を読むとまたヴェネツィアに行ってみたくなります。そういえば、行って良かった観光スポットのベスト50にヴェネツィアが入っていませんでしたね。なぜ?

 実は「AQUA」というタイトルで二巻出版した後、諸般の事情で「ARIA」に改題して掲載誌を変えて連載したそうです。そうえいば本棚にあったよ、「AQUA」…。こっちから読むべきだったのか。次回必ず読みます。

二巻表紙

 時代は24世紀、西暦2300年代ということで宇宙戦艦ヤマトよりも100年くらい未来が舞台となっています。ネオ・ヴェネツィアは地球のヴェネツィアの風習や街並みを再現した観光都市ですが、日本人の入植地が近接していたことにより、日本文化の影響もみられ、近所には千本鳥居のある神社があったりします。

 このネオ・ヴェネツィアでは、ゴンドラ漕ぎによる観光案内は全員女性が担っており、水の精霊であるウンディーネと呼ばれ、観光産業で重要な役割を持っています。主人公の灯里は地球生まれですが、ウンディーネに憧れてAQUAにやって来ました。この灯里の視点からネオ・ヴェネツィアの四季(公転周期が2年なので一年は24ヶ月もあり、その分四季の移り変わりはゆっくり)や楽しい諸行事が描かれます。

三巻表紙
 
 この作品を一言で表すならば「癒やし」、この一言に尽きるのではないでしょうか。とにかくネオ・ヴェネツィアの四季は美しいです。危険なことはないですが、狐の嫁入りや猫の避暑地、カーニバルのカサノヴァなど、怪異とも言うべき奇妙な出来事が起きたりもします。一巻で一つの季節が描かれており、四巻で一年分(火星だから実際には二年分ですが)が描かれることになります。

 この作品を読んで連想したのは、「カードキャプターさくら」です。悪人が一切出てこない善人ばかりの世界であるところなんかはそっくりです。ただ、「CCさくら」の世界は悪人はいなくても誤解などからトラブルや仲違いが起きたり、カードが様々な事件を巻き起こしたりしてましたが、「ARIA」の世界はひたすら美しく楽しく夢と希望に満ちています。名曲「プラチナ」でいえば、「CCさくら」の世界は夢と恋と不安でできているそうですが、「ARIA」には不安は皆無です。 

水無灯里

 「あかり」という名前は「秒速5センチメートル」の明里を連想させられるので、心がピクッと反応してしまうのですが、漢字が違っています。しかし、こちらの灯里も実にいい娘です。灯里は夢見がちで素直な女の子で、感激した時などには思わず恥ずかしくなるような台詞を連発してしまいます。また好奇心旺盛な性格で素敵な物事を見つけて楽しむことの達人です。

 ゴンドラの操船練習の最中にすぐに他の事に目移りしてしまうという、集中力の散漫ぶりも見受けられますが、天真爛漫な笑顔で初対面の相手とも親しげに話すことができるなど社交性が高く、人の心を開かせる不思議な魅力も持っています。そのせいか、何度か「人ならざるもの」と一緒に別の世界に迷い込みそうになるという経験をしています。

アリシアさん
 
 灯里の所属する「ARIAカンパニー」はウンディーネが2人しかいませんが、先輩のアリシアは「水の3大妖精」と称えられているプリマ・ウンディーネです。口癖は「あらあら」「うふふ」。慈愛と母性にあふれ、いつも笑顔で落ち着いているエレガントな女性で、灯里から母親のように慕われており、藍華を始め憧れる人も多数います。多分読者の多くが「俺の嫁」と思ったのではないかと。ええ、私も思いましたとも。

藍華

 灯里の初めての同世代の友達の藍華は、業界最大手の老舗、姫屋の跡取り娘です。幼少期、落ち込んでいた時にアリシアに元気付けられたことをきっかけにウンディーネを目指すようになり、現在もアリシアに強い憧れを抱いています。灯里とはアリシアに会う口実を増やすために友達となったが、現在ではそれを抜きにして仲が良く、会社が違うにもかかわらず一緒に行動することが多くなっており、合同練習も灯里やアリスを彼女が纏めるという形で行っています。負けず嫌いで勝気な性格であるが、反面涙脆かったりもします。

晃

 姫屋に所属する「水の3大妖精」の1人が晃です。アリシアの幼馴染ですが、性格は対照的で男勝りで口は悪く、少々強引な面が見られますが、面倒見が良く根は優しい先輩です。藍華は姫屋の跡取りであるため誰もが遠慮しますが、晃のみは遠慮なく厳しく指導しています。

アリス

 灯里の年下の友人、アリスは最近急成長して姫屋を超える最大手となったオレンジプラネットに所属する中学生です。学校に通いながらウンディーネ修行をしていますが、その実力は灯里や藍華をしのぐほどです。操船では素晴らしい腕を見せますが、社交的な灯里とは正反対で、無口で無愛想で人付き合いは非常に苦手としています。そのため、営業スマイルがうまくできなかったりガイドの声や曲がり角で掛ける声が小さい等、接客面で欠点を持っていますが、灯里や藍華と知り合って合同練習をする中でその性格は次第に変わっていきます。

アテナ

 オレンジ・プラネットの「水の3大妖精」の一角で、アリスと同室なのがアテナです。孤立しがちなアリスを気に掛けており、気配りの達人ですが、かなりのおっちょこちょいでアリスも呆れられるほどのドジっ子ぶりを見せます。しかしウンディーネとしての力量は確かで、特にカンツォーネ(舟謳)はCDを出すほど上手く、「天上の謳声(セイレーン)」の通り名を持つほどです。

三大妖精揃い踏み

 物語は、灯里がこれらのウンディーネや、同じく精霊の名を持つ他の職業の人々(天候制御者がサラマンダー、重力制御者がノーム、空中配達者がシルフ)達との交流したり、年中行事やイベントを楽しんだりしていく姿が季節の風景とともに描かれていくのですが、灯里がなにしろ「素晴らしさ」を感じることの達人なので、その瑞々しい感性を通して見るネオ・ヴェネツィアのなんと美しく素敵なことでしょうか。

五巻表紙

 確かに可愛い女の子がたくさん出てくるのですが、「萌え系」とはまた違う世界が構築されていると思います。灯里のネオ・ヴェネツィアでの日々はひたすら屈託無く楽しそうで、彼女をソウルハッキングして代わって住みたい位なのですが、おそらくネオ・ヴェネツィアとて天国ではなく、暑かったり寒かったり辛い日々もあるはずなのです。それが彼女の視点ではまるでパラダイスのように見えるのは、やはり灯里の心の持ちようによるのだろうなと思います。なにしろ重労働であるはずのゴンドラ漕ぎでさえ、ずっとずっと漕ぎ続けていたいと感じたり、ゴンドラ船底の貝やら海藻やらの掃除でさえ楽しんで延々と続ける位ですから。

 天国はどこかにあるのではなく、心の持ちようでそこここにあるのだ。そういうことを教えてくれるような作品です。現実に戻れば「そんな馬鹿な」という感じもしますが、世知辛い人生、たまにはこういう心洗われる漫画を読んで感性をリフレッシュさせることも必要なのではないでしょうか。

 それにしてもアリシアさん「は「俺の嫁」ですよね-。

四巻表紙
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