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2016年春季アニメ序盤の感想(その3):ビッグオーダー/はいふり/ふらいんぐうぃっち

桐の花

 本日は言わずと知れた子供の日ですが、立夏でもあるんですね。蛙始鳴(かえる はじめて なく)の頃ですが、確かに水が引かれて田植えの始まった田んぼでは夜になるとうるさいほどに蛙が鳴いています。

ビッグオーダー 

 それでは春季アニメ序盤の感想の最終回です。まずは中二病枠「ビッグオーダー」。幼い頃、人の「願い」を元に能力を与え「能力者(オーダー)」とする不思議な存在「DAISY」から「世界を支配する力」を授かった星宮エイジは、能力を暴走させた結果、世界を滅亡させかけてしまいました。以来日本は国としての機能を失い、国連暫定統治機構の支配下に置かれていますが、暫定統治機構の九州支部「太宰府政庁」のトップ十人衆は、「オーダーのための新世界を作る」ために世界支配を目論み、エイジをリーダーに担ぎ上げます。

瀬奈 

 余命半年の妹・瀬奈を事実上人質に取られ、「妹の病を治すことのできるオーダーを探す」という目的のため、エイジは彼らの王となる道を選択し、国連暫定統治機構日本本部のある東京に向けて侵攻を開始します。

謎のDAISY 

 ということで、十年前の星宮エイジの「願い」の暴走が原因で起こった「大破壊」により世界は滅びかけ、「大破壊」と同時期に“オーダー”と呼ばれる能力者たちが世界各地に現れました。オーダーは自らの「願い」を元に“DAISY” から異能力を与えられた人間で、現在も増加中のようです。日本は国としての機能を失い、国連暫定統治機構の支配下にありますが、各地方は暫定統治機構のオーダーにより治められています。 

我妻由乃20160505 

 設定だけみると「こりゃまた失礼しました~」と植木等ばりに逃げ出しそうになりますが、原作者えすのサカエはかの名作「未来日記」の作者でもあり、また我妻由乃のような凶悪ヤンデレが出てきやしないかと期待していたら…案の定出てきましたよ、由乃のそっくりさん。

紅鈴 

 その名も紅鈴。中国人みたいな名前ですが日本人らしいです。「大破壊」で両親を失い、自身も瀕死の大火傷を負いますが、死の間際にDAISYに「再生」を願い、不死能力を手に入れました。

容赦ない鈴その1 容赦ない鈴その2

 両親の仇であるエイジ殺害に燃えていますが、瀬名を刺したことでエイジの逆鱗に触れ、逆にエイジの能力によって支配され、「伴侶」にされてしまいます。

紅鈴と日本刀 
由乃と日本刀 

 この人、見てくれからして我妻由乃そっくり。得物は日本刀で、由乃も使いこなしていましたっけ。もっとも由乃は銃でも斧でも武器になりそうなものならなんでも使いこなしていましたが。

拘束される鈴 

 由乃は恋のヤンデレでしたが、鈴は殺意のヤンデレ(デレがないやんけ)。エイジを殺したくて仕方ないのですが「囚われの身」となってしまいます。それでもエイジの能力の裏をかいて何度もエイジを殺そうとしていますが、やや頭が悪い(笑)せいで毎回失敗しています。

再生の炎 

 鈴の能力は「再生の炎(リバースファイア)」で、致命傷となる傷を負った際に自動的に治癒します。要するに「亜人」状態な訳ですが、更に自身の再生速度を早めたり、他者や無機物を再生させたりすることも可能な便利さを持っています。ただし、古い傷や病気などは治すことはできません。

拘束する支配者 

 後になってしまいましたが主人公星宮エイジの能力は「拘束する支配者(バインドドミネーター)」で、自身が歩いた場所を「領土」とし、領土上に入ったものは無機物・有機物に関わらず完全に物理的に支配します。支配した対象は物理法則を無視して命令、操作できますが、生物の心までは支配できないので、紅鈴の殺意は残ったままです。

結婚を承諾する鈴 

 能力発動中には命令形になる言葉全てが命令として認識されてしまうため、エイジの不用意な「命令」によって、鈴は結婚させられてしまうのでした。デレ抜きのヤンじゃないかと思われた鈴が、「傍にいたらいつか殺せるかも」ということで結婚を承諾したことで、デレが付加された感じです。これにて我妻由乃型ヤンデレ2号誕生。

太宰府政庁十人衆 

 太宰府政庁十人衆は全員が強力な能力者で、エイジを半ば脅迫する形でリーダーに仕立て上げ、九州の国家としての独立を宣言して全世界に宣戦布告ました。絶対不死の紅鈴や任意の物体の時間を止めるフラン中尉が十人衆に入っていないということは、彼らより強いと言うことなんでしょうが、取りあえず山口侵攻作戦はリーダーなのにパシリのエイジに先頭を切らせているので、今後の能力発揮に期待しましょう。

現実はちょっとちがうビッグオーダーイメージ画像 

 「未来日記」同様、単純な“国盗り合戦”だけでは終わらないと思われますが、1クールのアニメでどこまで描かれるのか不明です。

ハイスクール・フリート 

 続いて「ハイスクール・フリート」。1話終了までは「はいふり」という名称でしたが、これは言うなれば略称だった訳ですね。マンガ版も連載されていますが、これはアニメの前日譚であり、原作という訳ではありません。オリジナルアニメですね。今後も略称は「はいふり」でいいかな

水没タワー 

 100年ほど前、プレートの歪みやメタンハイドレートの採掘などが原因で日本の国土の大半は海中に沈み、代わって建設された海上都市と、それらを結ぶ海上交通の増大によって海運大国になりました。軍艦は民間用に転用され、戦争に使用しない象徴として艦長以下乗組員は女性が務めることとなりました。今では「ブルーマーメイド」と呼ばれ、女子学生の憧れの職業となっています。

海運国家日本 

 主人公の岬明乃は幼い頃に幼馴染の知名もえかと共にブルーマーメイドになる誓いを立て、9年後に横須賀市にあるブルーマーメイド養成校「横須賀女子海洋学校」に入学し、もえかと再会します。直後に新入生は各教育艦に配属され、明乃は晴風(陽炎型駆逐艦)の艦長に、もえかは武蔵(大和型戦艦)の艦長に任命され、慌ただしく出航して海洋実習に参加します。しかし、いきなり反乱の汚名を着せられ、各艦に追撃される逃避行となってしまいました。

教育艦の群 

 恐らくなんですが、「ガールズ&パンツァー」を意識しているのではないかと思われます。言うなれば海のガルパン。小型とはいえ軍艦(航洋艦と言っていますが)なので人数は30人と多いですが、ガルパンだって各車両に分乗していたけどチーム全員の数は最終的に30人になっていたのでどっこいどっこいです。車両の代わりに艦橋要員、砲雷科、航海科、機関科などに別れています。

岬明乃 西住みほ

 主人公岬明乃もガルパンの西住みほに似た雰囲気があります。乗員にあだ名を付けて呼んだり(みほは各チーム名)、戦闘中は迅速な判断を下すことができる反面、戦闘時以外の決断では迷いやためらいがあるなど、初期のみほそっくりです。

明乃ともえか 

 ガルパンの場合は華道茶道などとともに「女子のたしたみ」として戦車道があるという不思議な設定がありましたが、これによって家元の娘である西住みほに指揮能力の高さがある理由が明確になっていました。空母型の学園艦など無理筋な設定もありましたが、「そういう世界」なんだという設定はなかなか良くできていたと思います。

晴風逃走中 

 一方はいふりはまだ序盤なのであんまり突っ込んでもいかんのでしょうが、軍艦を転用して治安維持用の航洋艦にしているのはまあいいとして、なんで第二次世界大戦中の船ばかりなのか。戦車道の方はそういうルールということでゴリ推しが効きましたが、こっちはなあ。

晴風ブリッジ要員 

 あとブルーマーメイド養成学校が航海実習を行うのはいいのですが、入学したばかりの新入生だけでいきなり実習とは?普通は学校でいろいろ学んで、総仕上げとして行うものではないのですかね?入試の成績でいきなり艦長とか役職を決めていますが、旧帝国海軍においても海軍兵学校の卒業席次などで俗称「ハンモックナンバー」というのが決定され、上級士官への昇進の際に差が出てきたそうですが、入学試験の成績でいきなり艦長になったり飯炊き(主計兵というべきか)になったりするというのはあまりに極端凄すぎるのでは。せめて学校で学んだ後の卒業前の航海実習ということなら判らないではないのですが。

夕暮れの海を行く晴風 

 それに、もう戦争に使用しないという話なのに、武装が以前のままというのはいかがなものか。まあ実際に海上保安任務についている艦船はまだしもなんですが、晴風は教育艦なのに実弾や魚雷を積んでました。そんなことをしておいて「反乱」騒ぎとかって、組織の態をなしていなんじゃ…

謎のネズミ状生物その1 謎のネズミ状生物その2

 なぜ出会った艦船からいきなり砲雷撃を喰らうのか、その秘密の一端は、4話で登場したネズミのような妙な生き物と関係があるようです。こいつが人を狂わせて好戦的にさせてしまうようなのですが、晴風に乗り込んだこいつ一匹のせいで、無口な砲術長立石志摩(通称タマちゃん)が凶暴になってしまいました。

砲撃タマちゃん 

 ドイツ艦アドミラル・シュペーの副長だったヴィルヘルミーナ(通称ミーちゃん)も、突如乗員が命令無視をするという異常事態に陥ったと言っていたので、もしやこの動物の大量発生などが原因なのか。某国の生物兵器とかだったりして。

ミーちゃん 

 明乃の幼馴染みのもえかが艦長を務めている武蔵でもSOSが発せられていましたが、明乃の晴風は追撃を受けている途中で助けにいけませんでした。もしや武蔵でも謎の動物が…?

大型航洋艦武蔵 

 早速自衛隊の地方協力本部がコラボしています。ブルーマーメイドは軍隊じゃないんじゃないの?

はいふり自衛官募集 

 なお男子の海洋学校もあり、潜水艦は全て男性のみで運用しているそうです。理由は狭くて暑くて臭くて女子が嫌がるから…。男だって嫌だわい!戦車もそれに近い環境だから、せめて可愛くて良い匂いのしそうな女の子の載せてみようというのがガルパンのコンセプトだとすると、潜水艦こそ女の子を乗せた方がいいのでは。

ふらいんぐうぃっち20160505 

 今回最後は「ふらいんぐうぃっち」。「別冊少年マガジン」連載中の石塚千尋のマンガが原作です。「魔女の宅急便」では13歳で旅立って魔女のいない町を見つけて定住し、魔女の修行を積まなければなりませんでしたが、こちらのしきたりでは15才になったら独り立ちをして家を出るのだそうです。

木幡真琴 

 そのしきたりに従って、横浜から(列車で!)青森県弘前市にやって来たのは木幡真琴。またいとこの倉本圭・千夏兄妹の家に居候を始めますが、これって独り立ちと言えるの?

女の子乗りする真琴 

 今の時代魔女は不安定だからという両親の勧めで高校に通うことになり、圭と同じ高校に通います。箒で空を飛ぶ以外の魔術は未熟で、しかも方向音痴でかなりの天然系。引っ越してきた当日から魔女であるという素性をバラしていました。

青森の大自然 

 魔女は自然豊かな地方を好むということで、弘前に限らず東北地方には魔女が多いらしいです。真琴の使い魔は黒猫のチトさん。魔女には黒猫というのはやはり「魔女の宅急便」からの伝統なんでしょうか。CVに茅野愛衣を充てるというやたら贅沢な仕様です。

相乗り箒 

 圭もかなりの天然なので、一族の特徴的な性格なのかも知れません。妹の千夏は年のわりに結構しっかり していて、真琴を得体の知れない人物として怪しんだりしていましたが、一緒に箒に乗って空を飛んでからは姉のように慕うようになりました。「チカ」と読みたいところですが、「チナツ」なんです。残念。

春の運び屋 

 日常系に属する作品で大きな事件は起きませんが、毎回怪しいゲストが登場して千夏を驚かせるというのがお約束みたいな。2話では冬を送り、春を運んでくるという「春の運び屋」が登場。これは確かにヤバイ。千夏ならずともびびりまくりますよ。絶対職質されるレベルです。

木幡茜登場 
素顔の茜 

 3話では真琴の姉の茜が登場。この人のルックスは特に怪しくないのですが、砂漠から瞬間移動してきたらしく、格好がヤバかった。「幽☆遊☆白書」の幻海か。魔女として極めて優秀ですが自由奔放で、高校を中退して以来世界中を旅して回っており、携帯電話も持たないので家族の誰も居場所を把握していないという。強力な魔女だと好き勝手生きられて楽しそうです。

犬養初登場 
怖い犬養 

 4話では茜の友人の魔女犬養が登場。酔った勢いで茜が作成した動物変化の魔法薬を食べてしまい、昼間は犬系獣人の姿になってしまいました。夜間大学に通いながら占い業をしていますが、早く元の姿に戻りたくて妹の真琴を訪ねてきます。

獣人犬養 
イヌそのものになった犬養 

 珍しく真琴が魔女らしく魔術を使おうとしますが、逆にイヌそのものになったりして。むしろ昼間も怪しまれずに行動できる…という言い訳はきかんでしょうな。

素顔の犬養 

 結局は茜に陥れられたわけでもなんでもなく、酔っ払って勝手に食べた犬養自身のせいだったことが判明しましたが、茜をもってしても「すぐには無理。でもいつかは効果切れる」ということなので、時間が解決するのを待つしか無いという。元の姿はかなりの美人で、「たんげ(すごく)タイプ」と圭のハートを撃ち抜きました。

雉を追っかける真琴 
マンドラゴラとったどー 

 畑を作ったり雉を追いかけたりと、日常にしてものんびりしすぎる傾向もあったりしますが、日曜日にまったり見ているにはこれくらいがいいんじゃないかとも思います。マンドラゴラを引っこ抜くのはちょっと非日常ですが。青森じゃ普通に生えてるの?マンドラゴラ(笑)。謎の魔女に倉本家を惨殺され、復讐に燃えて修羅と化す真琴…みたいな展開はいいですから。

ふらいんぐうぃっちラッピング電車 ふらいんぐうぃっちラッピングバス

 弘前ではご当地アニメということで、「弘前さくらまつり」のポスターや弘南鉄道のラッピング電車、弘南バスのラッピングバスや停留所でコラボ企画も実施されています。聖地巡礼でアニメファンが押し寄せてくれるといいですね。

いかにも日常系なシーン 

 個人的にはOPの「シャンランラン feat.96猫」は今季イチオシのOP曲です。

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ご無沙汰しています

いやー、お久しぶりです。今期は、かなりの本数を見ておられるようですね。私は、環境の変化の影響で、今期の視聴アニメは少なくなっています。

その中でも面白いと思っているのは、「鋼鉄のカバネリ」です。なかなか気合の入ったアニメだと思って見ています。近年珍しい気合の入り方だと思います。シナリオと作画、双方とも。

ネトゲ~も見ていますが、どんどんハーレム化しており、安定のラノベ枠。実は、、、私もユースフさんと同じで、食傷気味と言いながら、毎期2~3本は見ています。。。そう簡単には止められない常習性がありますな。昔、「オタクの用心棒」という漫画があって、その中で、「お嬢ちゃん。この世界は一回入ったら、なかなかやめられねえんだ」というセリフが頭をよぎります。

PAの作品と迷い家は、見よう見ようと思っていましたが、まだ視聴できていません。これから挽回する予定です。

Re: ご無沙汰しています

 元根以蔵さんこんにちは、いらっしゃい。いつもありがとうございます。

> いやー、お久しぶりです。今期は、かなりの本数を見ておられるようですね。私は、環境の変化の影響で、今期の視聴アニメは少なくなっています。

 アニメなんて人生の暇つぶしみたいなものなんで、忙しいのに無理に見ることはないですよ。当ブログも同じです。お時間があったらいらして下さい。


> その中でも面白いと思っているのは、「鋼鉄のカバネリ」です。なかなか気合の入ったアニメだと思って見ています。近年珍しい気合の入り方だと思います。シナリオと作画、双方とも。

 ノイタミナ枠の「甲鉄城のカバネリ」ですな。ノイタミナは元来あんまり好きではないところ、ここんところ「すべてがFになる」「僕だけがいない街」と連続で見たのでしばらくいいかな、なんて。キャラデザインが趣味にそぐわないもので。でもカバネリは美樹本晴彦なんですね。それはいいかも知れません。

> ネトゲ~も見ていますが、どんどんハーレム化しており、安定のラノベ枠。実は、、、私もユースフさんと同じで、食傷気味と言いながら、毎期2~3本は見ています。。。そう簡単には止められない常習性がありますな。昔、「オタクの用心棒」という漫画があって、その中で、「お嬢ちゃん。この世界は一回入ったら、なかなかやめられねえんだ」というセリフが頭をよぎります。

 ハーレム化は「またか」とは思いますが「もういい」とは思いません。野郎ばっかでてくるラノベアニメというのも「ウホッ」系の人でない限りはちょっと…。なんだかんだいって可愛い女の子が見たいという気持ちは隠せません。昔は少年少女向きの小説にジュブナイルというジャンルがあったんですが、ラノベとの違いはハーレムかの有無と大人の介在の大小なんじゃないか、なんて。

> PAの作品と迷い家は、見よう見ようと思っていましたが、まだ視聴できていません。これから挽回する予定です。

 クロムクロは正統派ロボットアニメで、迷家は「ひぐらしのなく頃に」的な訳のわからなさがウリでしょうかね。出来の良いオリジナルアニメはいいですね。
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