2016年冬季アニメの感想(その3):GATE/暦物語

Yahoo!の乗り換え案内は便利でよく使わせて貰っているのですが、たいていの場合は的確ながら、今回の長距離通勤においては「おや?」というルートが表示されました。階段を昇って降りてホームを変えなければならないのに、時間はたったの2分。ホームの向かい側だというのなら別にいいのですが、朝のラッシュ時にそれは無理でしょう。実際階段を昇って通路に出たところで発車していきましたよ。やはり、自分で体験してみないとわからないことって多いですね。でも自助努力でなんとか修正できたのでまあよしとしましょう。

さて暗殺教室(第二期)と亜人は2クール目に突入らしいので置いておいて、最後の2016年冬季アニメの感想です。それにしても開始している春季アニメを見る時間がないというのはどうしたもんでしょうかね(T-T)。まずは「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 炎龍編」です。「亜人」では佐藤さんに戦闘経験のない軍隊などwwwと思いっきりディスられていましたが、それはどうなんでしょうかねぇ。

「炎龍編」とは言っていますが、3か月のインターバルを置いての第2クールですね。しかも後半は「動乱編」に突入してしまっています。というか第1クールも終盤は「炎龍編」でした。

74式戦車、F4ファントムなど、最新鋭とは言い難い兵器(要するに放棄してきても差し支えないと判断されている兵器)を持たされて「特地」という名の異世界に向かわされた自衛隊派遣部隊ですが、なにしろ相手の科学技術は中世レベルなので、戦力的には隔絶しています。

魔法とか特異な能力を持った亜人とか、炎龍のような強力な怪物も生息しているのですが、敵というか交渉相手である帝国には体型的にそれらを使うノウハウが確立されていないらしく、せいぜい翼龍が空軍として使役されている程度でした。翼龍はあまり強くないし、飛び道具もないので戦闘ヘリで十分対処可能です。

主人公伊丹二尉と彼の率いる第3偵察隊、そしてヒロイン格の特地3人娘の物語…のはずが、動乱編に入ると完全に国のお話になり、主人公達そっちのけで陰謀やら権謀術数やらがはびこるようになりました。それはそれで面白いのですが、帝国貴族令嬢シェリー(ただし12歳)と日本の外交官「菅原様」(伊丹役の諏訪部順一曰く“女児と女児好き”)のラブストーリーなどが展開され、伊丹達が全然出てこない回もあったりして。

ストーリー的には主戦派の皇帝第一皇子ゾルザル(自分のことを馬鹿を装っているだけだと思い込んでいる本物の馬鹿)の暴走しまくりにあきれ果てた第三皇女ピニャと病床の皇帝を自衛隊が「救出」して帝都から連れ出し、改めてピニャの立太子式を執り行い、帝国は主戦派と講話派に別れて内乱状態に、というところで終わっています。カモン第3クール。


余談ですが、ファントムのパイロットに神子田と久里浜というのが登場していましたが、これが「ファントム無頼」(原作:史村翔=武論尊、作画:新谷かおる)の主人公である神田・栗原のパロディだということを若い人達は認識しているでしょうか。そんな30年以上も前の作品なんか知らん?まあそうでしょうねえ。二人の乗るファントムの機番は680番で、僚機が320番となっているあたり、完全にやらかしている(いい意味で)ですが。

番宣ラジオを聞いてたら、「本当の主人公はピニャ」という投稿がありましたが、実際そうなんじゃないかという気もします。伊丹はセーラームーンでいえばタキシード仮面、ガッチャマンでいえばレッドインパルスのような役回りだったんでは。

あと特地3人娘はもっと活躍させてほしかったですね。最初から不老不死でやたら強いロゥリィや、炎龍編で魔法の力を遺憾なく発揮し始めたレレイはともかく、金髪エルフという本作を代表するようなキャラであるテュカが活躍しないことこのうえなくて。炎龍に放った雷の魔法(BASTAD!!でいうところの「轟雷(テスラ)」か)がほぼ唯一の見せ場だったような。

最後に「暦物語」。<物語>シリーズが長大化したところで、一度物語を振り返ろうとの意図から書かれた同名の作品が原作です。

12話の短編で阿良々木暦の高校三年生の一年間を振り返る体裁なので、一話で一ヶ月進んでいきます。総集編ではなく、今までに語られなかったエピソードが語られていますが、面白いかどうかというと…かなり微妙。

基本「現代の怪異」を描いている<物語>シリーズですが、本作は余談というか、怪異ですらないエピソードが多くなっています。まあ最終回は大学入試当日の朝に怪異殺しの妖刀・心渡でずたずたに斬られて死ぬという超意外な展開になっていましたが、おそらく死んだ後というか死後の世界での活躍が今後あるんでしょう。

そんなに面白くはない、と言いつつ全話見てしまったのは、やはり<物語>シリーズのよくわからない魅力のせいなんでしょうか。それにしても主人公の阿良々木暦、たった数年前のはずの中学生時代の記憶が非常に曖昧だったり(幼稚園児とか小学生低学年時代の記憶ならわかるけど)、そもそも高校に入ってから自分で作った祠のころを完全に失念しているなど、ちょっとやばいんじゃないかというレベルの状態なんですが、それもこれもたった一年の間に押し寄せまくった怪異のせいなんでしょうか?

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