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ファミコンウォーズ:米海兵隊のCMが印象的なウォー・シミュレーションゲーム

冬の藻岩山

今日は寒の戻りで最低気温1℃、最高気温3℃。なんだ氷点下じゃないじゃんとお思いでしょうが、一度春のような陽気を味わってしまうとこれがなかなか厳しいものです。明日はもっと寒そうです…

ファミコンウォーズ

 さてレトロゲーの日曜日、本日は印象的なCMが今でも記憶に残っている「ファミコンウォーズ」です。ファミコンでは初の現代兵器を使用したウォー・シミュレーションゲームとなります。

ファミコンウォーズチラシ

 「ファミコンウォーズ」は1988年8月12日に発売されました。ウォーSLGといえば「大戦略」シリーズが有名で、当時もPCでは人気を博していましたが、ユニットのデータが細かすぎるなどの理由でシミュレーションゲームの経験のないゲーマーには敬遠されがちでした。ファミコンユーザーはPC未経験者や年少者も多いためになおさら取っつきにくいという印象のジャンルでした。

大戦略

 そこで、既存のウォーSLGの複雑な要素を出来るかぎり簡略化し、初心者でも遊べるようにしたものが「ファミコンウォーズ」です。限界まで簡略化を行った結果、リアリティの方はなくなってしまいましたが、遊びやすさとゲーム性は随一と評価されています。

ファミコンウォーズトップ画面

 陣営はレッドスター、ブルームーンの二つで、使用するユニットに色以外は性能の差はありませんが、レッドスターは常に先手となり、ブルームーンは後手の代わりに若干地の利に恵まれるという特徴があります。

ファイアーエムブレム

 「ファミコンウォーズ」で得た技術を元に、同じスタッフにより「ファイアーエムブレム」シリーズが製作され、シミュレーションRPGというジャンルの礎が築かれることになりますが、「ファイアーエムブレム」が個性のあるキャラクターを成長させながら、そして誰一人失わずに進ませるのを目標にするのに対し、「ファミコンウォーズ」ではユニットは無個性で成長性もなく量産可能で使い捨てで、例えば歩兵の山で敵戦車を倒すとった人命を考えたらとても無理な作戦も行い得るという、別の意味でシビアなゲームになっています。

海を隔ててにらみ合う両軍

 兵士ユニットは歩兵と戦闘工兵の二種。都市、空港、港を占領できるのは兵士ユニットのみです。戦闘工兵はロケット砲を装備しており車両ユニットに対してある程度戦える反面、弾切れを起こしやすくなっています。コストの安い兵士ユニットの大量生産で戦線を維持する“人民解放軍方式”は有効ですが、重戦車にライフル一丁で立ち向かわされる歩兵の姿には涙を禁じ得ません。でも状況によってそうせざるを得ないんです。将棋の「歩」だと思って割り切ることが肝心です。「戦いは非情さ。それぐらいのことは考えてある。」(byシャア・アズナブル)

戦いは非情さ

 地上兵器は一番種類が多いのですが、まず装甲輸送車は兵士ユニットを載せて戦場タクシーの役も担いますが、機銃を装備しているので、敵兵士に対しては恐怖のキラーに早変わりです。戦車は重戦車(戦車A)と軽戦車(戦車B)の二種。戦車Bは装甲輸送車キラーで、戦車Aは地上の覇者として地上戦の主力となります。

自走砲対戦車

 間接兵器は自走砲。自走砲Aは重砲で長射程。自走砲Bは軽砲で短射程です。離れた敵を一方的に攻撃することが可能ですが、自身が移動した場合は攻撃ができず、敵に隣接された場合は反撃もできないので、他のユニットで守ってやる必要があります。

迫るブルームーン部隊

 対空兵器は自走砲と対空ミサイル。自走砲は飛行兵器を隣接で攻撃し、対空ミサイルは間接攻撃を行います。飛行兵器に対しては絶大な威力を持ちますが、地上兵器に対しては無力です。

自走砲対戦闘工兵

 補給車は隣接するユニットに弾薬や燃料を補給します。補給車の効果的運用は勝利に必須ですが、攻撃手段がないため戦闘では一方的に攻撃されてしまいます。

レッドスター軍大攻勢

 飛行兵器は、まず兵士ユニットの空輸を担う輸送ヘリ。機銃を装備しており、コストパフォーマンスが良いので戦闘にも多用しがちです。いわば空の兵士ユニット…

戦艦対戦車

 戦闘機は重戦闘機の戦闘機Aと計戦闘機の戦闘機B。移動力が高く対地対空の両方をこなしますが、コストはあまり変わらないので、できるだけ戦闘機Aを生産したいところです。なまじ対地攻撃力があるため、弾切れを狙って、あえて敵戦闘機を兵士ユニットで迎撃する「竹槍でB29撃墜」に近い戦法が可能です。

オニギリジマ

 爆撃機は対地攻撃のスペシャリストで、海上兵器も攻撃できます。最強の地上・海上攻撃ユニットですが、戦闘機には一方的に攻撃されてしまいます。なお飛行兵器は動かさなくても毎ターン燃料が消費し、燃料がゼロになると墜落してしまいます。

戦闘工兵

 最後に海上兵器。こちらも毎ターン燃料を消費し、燃料0になると沈没となるのですが…動けなくなるにしても沈みはしないだろうとツッコミを入れたくなるところです。ま、地上兵器の補給車に該当する補給船がなく、港に帰還するしか捕球手段がないので、無力化を沈没で表現しているのかも知れません。

キメンハントウ

 兵士ユニットや地上兵器を輸送する揚陸艦と、対地対空攻撃が可能で最強の攻撃力と防御力を誇る戦艦の二種のみです。戦艦は強いですがコストも高く、隣接されると反撃できないという弱点があり、揚陸艦は対空能力もあり、戦艦ともある程度戦えます。これらのユニットの説明はあくまでファミコン用の第一作「ファミコンウォーズ」のものであり、後発の「スーパーファミコンウォーズ」や「ゲームボーイウォーズ」ではまたユニットの種類や特徴が異なっています。

ソラマメジマ

 いわゆる「三すくみ」のように、歩兵は装甲輸送車に弱く、装甲輸送車は戦車に弱く、戦車は爆撃機に弱く、爆撃機は戦闘機に弱く、戦闘機は対空ミサイルに弱く…といった具合に、どんな部隊にも相性に優劣があり、万能な部隊はありません。そのため、味方部隊をどう連携して敵を撃破していくかが重要になります。また乱数要素が極力排除されているため、戦闘の結果は容易に予測でき、誤差は+-1の範囲です。命中率が撤廃されているため、シミュレーションRPGでよくある「回避率90%以上なのに被弾!」といった不確定要素がなく、運にも左右されず、戦略だけがものを言うストイックなゲームとなっています。 

歩兵対装甲輸送車

 マップ数は15面と少なめで、全てクリアすると最終マップがレッドスターとブルームーンでそれぞれ一つ出現します。レッドスターの最終面「デビラートウ」は大きな二つの島と、小さな二つの島の4つで繰り広げられるますが、最初からブルームーンの部隊が配置されているという超絶ハンデが課されています。そのため、最初は歩兵・戦闘工兵を量産し、彼らの屍を乗り越えながら敵部隊を駆逐していかなければなりません。島から追い出そう!

デビラー島
ラストドリーム
 
 ブルームーンの最終面「ラストドリーム」は大きな二つの島と、真ん中を流れる海から構成され、今度は圧倒的にレッドスター軍が有利な状況でスタートします。爆撃機や戦艦までが迫る中、戦局を逆転させて勝利を収めるにはこれまでに培った戦術を全て活用しなければならないでしょう。

横井軍平プロデュース
 
 プロデューサーが任天堂を世界的大企業へと押し上げる原動力となった横井軍平ということもあり、一作目からかなり完成されたシステムを持っていた本作ですが、欠点もあります。戦闘アニメーションはカット不可能で、CPUの思考時間が長すぎて、混戦になってくると一部隊を動かすのにも平気で数秒の思考が入るため、最終マップではその時間の半分以上はプレイヤーは眺めていることしかできない敵ターンとなってしまいます。「SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ」の「カンガエテマース!」をちょっと思い出してしまいます(あれほどじゃないですが)。

マガタマジマ

 セーブデータは一つしか作れず、さらに初期のカセットではセーブデータが消えやすいという致命的欠点がありました。しかもクリアマップが増えてセーブデータのデータ量が大きくなるほど消えやすくなり、リセットボタンを押しただけで消えるという事態まで。

アラランサンミャク

 最後に有名なCMについて。有名な戦争映画「フルメタル・ジャケット」のワンシーンのパロディで、「かあちゃん達には内緒だぞ」は当時の流行語となりました。ゲーム画面を一切出さず、本物の米海兵隊員が訓練しながら「ファミコンウォーズが出るぞ~」と歌うスタイルは、当時今までに無かったCMで話題となりました。



 ハートマン軍曹をイメージさせる鬼教官と、彼にしごかれる太めの隊員だけは、撮影のために呼ばれた俳優だそうです。隊員は実際に歌いながら訓練していますが、CMは日本人の吹き替えとなっています。隊員にはローマ字表記の歌詞カードを渡して、日本語のような発音をさせたそうですが、セリフの意味の説明をしたところ、「かあちゃんたちには内緒だぞ」の箇所で爆笑が起きたそうです。なお発売後は「ファミコンウォーズが出るぞ」が「出たぞ」に変わっています。



 こちらは歴代シリーズのCM。ゲームウォーズ版は女性兵士となっています。wii版の戦闘画面はリアルだけど、胸が痛まないでしょうかね?デフォルメされたちょっとファンシーなテイストは、戦争の持つ「重さ」を軽減する役目があった気がしますが。

タマタマジマ
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