記憶に残る一言(その61):独眼鉄のセリフ(魁!!男塾)

最低気温1℃、最高気温13℃とポカポカ陽気の札幌。雪もだいぶ消えてまいりました。ところで最近、タケダの漢方薬「ルビーナめぐり」のCMに出てくる猫ちゃんがお気に入りです。
「ルビーにゃ」という名の3歳のスコティッシュ・フォールドだそうですが、折れ耳ではなく立ち耳。「タチ」だの「ネコ」だのと言っていると腐女子が出てきそうですが、そういう話じゃないですからお引き取り下さい。CMだけに演出はバリバリ効いているのでしょうが、優しくって可愛いのでぜひうちの子にしたいです。
本日は記憶に残る一言です。実は昨年も取り上げましたが(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-1032.html)、またも「魁!!男塾」から独眼鉄のセリフです。

「魁!!男塾」については上記記事で紹介しておりますので省略しますが、おそらく(かなり疑問はあるけど)高校相当で、創立300年以上の歴史を持つ全寮制の私塾で、全国の不良少年達(ゴンタクレ)を集めて鍛え上げ、次世代のリーダーを育てていく事を教育目標としています。

高校相当というのは、学年が3つあること(男塾では1年生を1号生、2年生を2号生、3年生を3号生と呼称)、途中で転入してきた「J」がそれまでアメリカの海軍兵学校に在籍しており、ここの入学可能年齢が17歳から23歳までであることなどからの推察です。顔ぶれもかなりオッサンずらが多いので、中学というわけには行きません。


むしろ「嗚呼!!花の応援団」的雰囲気があるので大学相当とも思っちゃったりしますが、自称「男塾一のインテリ」の田沢慎一郎の掛け算九九がこの様なので、Fランクにしても大学ではあってはいかんなと思います。周囲の連中も「いつ聞いてもさすがじゃのぅ、田沢の九九は」と感心しているし。

塾生の間には「奴隷の一号・鬼の二号・閻魔の三号」とまで言われる絶対的な上下関係があり、その厳しさは三号生、二号生が何かしらの理由で一号生を殺害しても問題視されないほどです。実際には滅多になかったという江戸時代の「切り捨て御免」以上ですな。そして三号生の偉さは異常で、その上に君臨していいはずの教官たちでも三号生に手を出すことはできません。恐らくそれは「男塾の帝王」と呼ばれる三号生筆頭・大豪院邪鬼が、「男塾死天王」を従えて10年以上君臨しているせいなんでしょうが。

その大豪院邪鬼が従えている三号生は、そもそも普通の教室にはおらず、「天動宮」という別荘のような拠点におり、「遠征」と称して日本各地で抗争を繰り広げています。男塾は赤字経営で常に運営資金に困っているようなのですが、三号生達がリッチに暮らしているのは、「遠征」が略奪も兼ねてるからだったりして。

そもそも普通なら三年間で卒業するところ、邪鬼や死天王らは三号生として10数年以上在籍しているのですが、他の三号生はちゃんと卒業しているのかしらん。毎年春になると新一号生が入学しているので、進級していかないとまずいとは思うのですが。

あ、邪鬼と死天王が卒業しないで在籍し続ける理由は、おそらく塾長である江田島平八がそれを認めているからでしょう。それは何のためかと言えば、日本の影の支配者で江田島の仇敵である藤堂兵衛を倒すためで、藤堂兵衛と接触する唯一の機会が、彼が主催する「天挑五輪大武會」に優勝して表彰される時だけだということで、「天挑五輪大武會」で優勝を狙えるメンバーをキープしていたということでしょう。

「天挑五輪大武會」は、4年に1度開催される武術大会で、世界各地から様々な武術家が集まる大会で、1チームを16人とする団体戦です。まあ16人揃わなくても参加は可能で、理論的には1人で参加しても敵チームを全員倒せばいいのですが(実際、男塾はそれまで一人で敵をことごとく倒してきたというチームとばかり当たっています)、予選トーナメントで4試合、決勝トーナメントで4試合の計8試合も戦わなければならないので、確実に優勝するためには16人の精鋭を集める必要があったのでしょう。


男塾で3年に一度開催される「大威𢸍八連制覇」で戦った一号生8人と三号生8人が「天挑五輪大武會」に参加する訳ですが、この16人、皆がみんな精鋭かといえばそういうわけでもありませんでした。三号生では邪鬼と死天王の5人、一号生では剣桃太郎、J、伊達臣人、三面拳の6人、この計11人は確かにどこに出しても恥ずかしくない精鋭なんですが、一号生の根性と悪運に能力値全振りな富樫源次とか、当初は実力者風だったけど富樫とコンビになってからは「男塾の万年実況中継アナウンサー」と化した虎丸竜次は、基本実況・驚き役になり下がっていました。面白いからいいんですが。

問題は三号生の残りの三人です。こいつらは「天動宮」に向かう通路である「鎮守直廊」の番人で「鎮守直廊三人衆」と呼ばれる、独眼鉄、蝙翔鬼、男爵ディーノの3人組です。一応拳法とかの使い手なのですが、弱いんだこいつらが。こいつらについても延々語りたいところなんですが、それはまた別の機会ということで、どれだけ弱いかといえば、「魁!!男塾」では基本戦闘で死んだように見えても、実は生きていることが多いのですが、「天挑五輪大武會」でことごとく散った「鎮守直廊三人衆」は復活することはなかった、つまり本当に死んでいたということで、作者から完全に使い捨ての「捨て駒」扱いを受けていたことからも窺えるでしょう。まあ以後の続編では普通に生き返っていましたが。

そんな中でも当初は結構存在感があったのが独眼鉄です。天動宮に呼び出しを受けた一号生達がまず受けるのが「鎮守直廊」の試練ですが、独眼鉄は「万針房」という部屋で待ち受けています。「万針房」は床一面が剣山のような針の山で、独眼鉄はその上に座っています。

そこで彼が放ったセリフが今回の一言です。これは口で答えろというのではなく、針の山を渡ってきて「男」(どっちかというと「漢」か)を示せということです。

これを受けたのが富樫源次。一号生選抜メンバーでは最弱ですが、根性だけは人一倍です。倒立で針の山を渡りきり、独眼鉄に渾身の蹴りを見舞います。


これに対して全く動じない独眼鉄。「正解としておいてやるか」と次の房へ続く道を開きます。吉本新喜劇の池乃めだかの「今日はこれぐらいにしといたるわ」をちょっと連想しますが、この時の独眼的は余裕と風格がありました。就職の面接とかで使ってみたいですが、こんなことを言う面接官がいる会社は絶対ブラック企業だ(笑)。

独眼鉄は仁王流という拳法の使い手で、鋼のごとく鍛え上げられたごつい肉体と体操選手並みの身軽さを併せ持っています。「大威𢸍八連制覇」では三面拳の飛燕と戦い、「錠枷殺大車輪」で彼を追い詰めるなどかなりの強豪振りを見せていましたが、飛燕へのいたぶりが妙にサディスティックで、当初見せた風格は一気に暴落してしまいました。ま、「大威𢸍八連制覇」での態度は、一号生を本気にさせるためにあえて演技していたとも言えますが。

問題なのは「天挑五輪大武會」。予選トーナメント2回戦で狼髏館と激突した男塾、敵のナンバーワンである館主の宗嶺厳と戦うという栄誉を得た独眼鉄ですが、手も足も出ずに秒殺され、男塾最初の戦死者となってしまいます。

さらにその直前には片目を潰され、「これで独眼鉄が無眼鉄になっちまったな」と笑われる始末。これも言われた側ですが記憶に残る迷言ですね。


なお「鎮守直廊三人衆」は皆揃ってヘボいことはヘボいのですが、蝙翔鬼は「天挑五輪大武會」になるとそれまでの卑怯な戦法からガラリと変わって正攻法で戦い、蝙蝠を使って空を飛んだりして敵の副将に結構なプレッシャーをかけていました。結果的にはかすり傷一つ付けられずに惨敗しましたが。



さらに男爵ディーノは調教師みたいだったスタイル自体を一新して魔術師風になって、「地獄の魔術(ヘルズ・マジック)」の使い手に変身します。敵の卑怯な戦法によって致命傷を負いますが、相打ちにとなって死ぬことで、「鎮守直廊三人衆」の中で唯一、対戦相手を倒すという栄光を勝ち取りました。

なお色物プロレスラーに男色ディーノという人がいますが、当然その名前は男爵ディーノに由来しています。ま、男爵ディーノがホモだという描写は本編では一切ありませんが。

それに比べて独眼鉄は、何ら新技も新コスも見せることもなく、無芸のまま突っ込んで瞬殺と良いところなく散ってしまいました。登場当初がなかなかに風格があっただけにそのハイパーインフレなみの「男の価値」の大暴落には目を覆いたくなるものがあります。最後に桃と伊達が独眼鉄には絶対に言わない一言で締めたいと思います。

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