ドラゴンクエストⅢ(その3):“闇堕ち”アレフガルド解放戦。そして伝説へ

今日も天気はいいけどやはり真冬日。明日は気温が上がって久々に0℃以上になるみたいですが、明後日の暴風雪予報が気になります。

DQⅢの話題も今回が最後。不死鳥ラーミアを復活させてバラモス城に乗り込んで、世界を支配せんとする魔王バラモスを見事倒した主人公一行でしたが、なんとバラモスは先遣隊の司令官に過ぎず、黒幕である「大魔王ゾーマ」がいることが判りました。

バラモス城の東にあるギアガの大穴に飛び込んだ先には、闇に覆われた大地が。しかし大方のプレイヤーにとっては未知の世界ではありません。そう、おなじみのアレフガルドなのです。「ロトシリーズ」3部作の舞台、アレフガルドに遂に到着。オレ達の冒険はこれからだ!ま、大魔王ゾーマのせいで「闇堕ち」しちゃって真っ暗になってますけどNE!

アレフガルドは精霊ルビスが創造した世界とされ、アリアハンほか世界地図に似た世界の下にあることになっています。上図がDQⅢのアレフガルド。DQⅢはDQⅠより過去が舞台となっていますが、アレフガルドの地形もやや異なっています。

これDQⅠのアレフガルド。良く似ているといえば似ています(まあ同じ世界だし当然ですが)が、はっきり異なるのは、マイラの村の西方です。DQⅠでは森林地帯になっていますが、DQⅢでは島が点在する海となっています。一番北の島には「ルビスの塔」があって、創造主である精霊ルビスがゾーマによって石に変えられています。


この塔はDQⅠの時代には既になく、老賢者が住む「雨のほこら」となっています。小説版DQ3によると、「雨のほこら」はDQ3の時代から存在していましたが、ゾーマ侵攻の際に魔物達がその場所に「ルビスの塔」を建てたのだとか。もちろんルビスのためではなく、ルビスを封じて救出者を妨げるための要塞のようなものだったので、ルビスが解放されると共に塔も崩壊し、元のほこらの姿に戻ったのだそうです。

その他、ラダトームの北の洞窟(DQⅠの「ロトの洞窟」)の北にも島があります。「ロトの洞窟」は魔物が出ない洞窟でしたが、DQⅢでは大魔王ゾーマが出現した場所とされ、「魔王の爪痕」なんて物騒な名前が付いています。むしろ危険箇所として念入りにルビスが封印を行ったので魔物が出ない洞窟になったのかも。その他、メルキド東方の「聖なるほこら」は、名称こそ変わりませんが、DQⅠでは陸続きですがDQⅢ時代は島となっています。




後は時代の流れによる変化でしょうが、DQⅠの「ガライの町」はまだ「ガライの家」に過ぎず、温泉のある「マイラの村」は橋がかかっていないので船を使わないと行けません。湖に囲まれた「リムルダールの町」はローラ姫が囚われていた地下トンネルが未開通のため「マイラの村」方面からは行けませんが、代わりに「メルキドの町」北部の砂漠の山岳地帯と陸続きになっています。そしてDQⅠでは既に廃墟になっていた「ドムドーラの町」はまだ健在です。城塞都市「メルキドの町」はまだ土嚢で囲まれてた程度で、ゾーマへの対抗策として「ゴーレム」を研究している学者がいます。これが狂って迷惑な存在になってしまうのですが。

ラダトームの住民達から話を聞くと、アレフガルドの住民の祖先達はギアガの大穴を通ってここに移り住んだそうです。DQⅠやDQⅢではアレフガルドのみですが、勇者ロトによってゾーマが倒された後、ローレシアやデルコンダルなどの新たな大陸も作られたのだそうです。てっきりDQⅠとDQⅡの間に、ロトの子孫とローラ姫のために新大陸が出来たのかと思っていましたが、実はDQⅠの時代には既にあったのですね。大陸はできていたけど、人間にとってはまだ未踏の大地だったのかも知れません。

DQⅢやDQⅠではこの世界の全てであり、ラダトーム王家が支配するアレフガルドですが、DQⅡの時代には辺境の一地方に成り下がった感があり、ラダトーム以外の町村はなくなってしまっています。DQシリーズのディレクターである中村光一によれば、「海岸線が波に浸食されてアレフガルドの地形が変わり、人々は新しい土地を求めて旅立って行った」とのことですが、ロトの勇者とローラ姫の新大陸開拓の結果、多くの人々が新大陸に移住し、結果人口減でアレフガルドは衰退したのかも知れません。

精霊とか精霊神とか言われるルビスが何故にアレフガルドを創造したのかは、実はよくわかっていません。アリアハンとかがある上の世界に何か不満があったのか、それとも神々のなかで孤立して、信者達を率いて新世界に向かったのか。久美沙織の「精霊ルビス伝説」ではルビスの半生が描かれていますが、ルビスとロトが駆け落ちしたり、色んなことが起きた結果、地上に邪悪の元となるものがばら撒かれてしまったのだとか。

ルビスは地上の神となり、ロトは転生を繰り返して、彼女らが発生の原因の一端を負う邪悪な存在達との戦いに身を投じ、いつの日か全ての邪悪が滅せられたその時、2人はただの女と男に戻り、改めて結ばれるのだとか。DQⅠではロトの勇者はローラ姫と結ばれていますが……いいのか?DQⅠにはルビスは登場しませんが、実はローラ姫の正体がルビスだったりして。であれば、彼女のお願いが拒否不能なのも当然ですね。



さて魔王バラモスのと戦いの中で命を落としたと思われていた勇者オルテガは、アレフガルドに落ちて自分の名前以外の記憶を失ってしまいましたが、勇者の血のせいか、それでもなお大魔王ゾーマに戦いを挑もうとしていました。ゾーマ配下でゾーマの城を守るキングヒドラとの戦闘で命を失うことになりますが、気づかなかったとはいえ、我が子に看取られて亡くなったのはせめてもの幸いでした。

そしてラスボスである大魔王ゾーマ。「全てを滅ぼす者」を自称し、人々の死や苦しみを無上の喜びとし糧としています。アレフガルドの光を奪い、永遠に朝が来ない闇の世界に堕として完全征服し、その後地上世界侵攻の尖兵としてバラモス以下の配下を送り込んでいました。

勇者一行がバラモスを倒したことをアリアハン王に報告している最中、突然幻影体として現れ、兵士たちを撃滅した後に本格的な地上侵攻を宣言しました。幹部にはキングヒドラのほか、バラモスの兄弟らしいバラモスブロスと、バラモスの死体を甦らせたバラモスゾンビがいます。ということは、バラモスはゾーマの右腕に相当するような大幹部だったのですね。私のバラモス=ドメル将軍説がいよいよ信憑性を発揮します(笑)。


ゾーマは最初に「闇の衣」をまとっていて恐ろしく強く、竜の女王から授かった「ひかりのたま」で闇の衣を排除しないとまず倒せません。「闇の衣」を剥がした後はベホマで大ダメージを与えられますが、これはバグではなく仕様だそうです。ゾーマはマイナスの存在なので良い効果がダメージになるのだとか。でもDQⅢではゾンビ系モンスターにホイミ系呪文をかけると回復するんですよね。つまりゾーマはいわゆるアンデッドではなく、外部のいわば「負の世界」から来た侵略者なのかも知れません。



全ての補助呪文の効果を消し去る「いてつくはどう(凍てつく波動)」を初めて使ったのはゾーマで、以後のラスボス達はことごとくこれを使ってきます。しまいには主人公側も使用スキルとして覚えちゃったりして。プレイヤーにとってはとても嫌らしい特技ですが、プログラム上では戦闘に関係するフラグや一部のパラメータを初期化するだけでいいので処理が簡単なため、制作側としては「コスパの高い」特技ともいえそうです。

ゾーマは「こごえるふぶき」やマヒャドといった氷属性一色の使い手で、「凍てつく」波動というネーミングもそうした氷攻撃のイメージから付けられたものと思われます。ゾーマの放つ「いてつくはどう」は後の作品とは異なり、相手にかかった補助呪文だけでなく、ルカニなど自分にかかった不利な補助呪文の効果をも打ち消し、防御までキャンセルしてしまいます。もっともHP自体にはダメージはなく、回復呪文や「けんじゃのいし」は使用可能なので、場合によっては一息つけるということも。なおその他の登場作品では色々な属性魔法も使うようです。

ゾーマを倒すとエンディングですが、彼は最期に気になる台詞を吐いて消えます。“闇から現れる何者か”はもちろんDQⅠのラスボス・竜王のことでしょう。そして確かに今回の勇者は生きていませんが、その血統は残り、再びロトの勇者として旅立つことになるのです。そして伝説へ…

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