太田裕美の歌で妄想する「秒速5センチメートル」(その4):花苗の夏の終わり・恋の終わり

今週末は寒気が入り、西日本を中心に雪が降るそうですね。沖縄でさえ雪の可能性があるとか。北海道は通常運転なので高みの見物ですが、今日もそうですがここんところ結構雪が降ってまして、ほぼ前年並みになっているんではなかろうかと思います。

本日は久々に、というか今年最初の妄想秒速です。本日は久々に太田裕美の楽曲で妄想してみたいと思います。前回紹介の隠れた名曲「ピッツァ・ハウス22時」が2014年10月6日の記事だったので、1年3か月以上ぶりの登場です。ヒロミストというほどではないのですが、昔好きだった太田裕美。その後松田聖子をはじめとするアイドル勢にすっかり脳をやられてしまった訳ですが、ここに来て私の中でまた復活してきたような気がします。年のせい?

今日紹介するのは3rdシングル「夕焼け」です。「夕焼け」は1975年8月1日リリースで、作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:萩田光雄という、初期太田裕美を支えてゴールデン・トライアングルです。オリコン最高位は37位ですが、次作「木綿のハンカチーフ」が大ヒットすることになりますので、ブレイク前夜といえましょう。

1975年12月5日にリリースされた3rdアルバム「心が風邪をひいた日」にも収録されており、このアルバムは4thシングル「木綿のハンカチーフ」も収録しているのですが、アルバムが先にリリースされており、シングル版「木綿のハンカチーフ」はアルバム版とアレンジが異なっています。

「夕焼け」はいわゆる“一夏の恋”で、秋と共にお別れという刹那の恋を歌っていますが、そのわりに「彼」のことを忘れかねている女の子の歌です。その一途さ、いじらしさが花苗を彷彿とするなあと思います。また、「秒速5センチメートル」第二話「コスモナウト」では朝も昼も夜も描かれていた訳ですが、花苗と貴樹の二人の場面というと、どうしても夕暮れのシーンが印象に残ります。そしてロケット発射。そんな訳で、「夕焼け」は花苗の心情に合うんじゃないかと思います。

あなたに逢えた まぶしい夏が
目に浮かぶ 夕焼け
陽に灼けた やさしい顔が
「元気だせ」って叱ってくれる

泣いてはいけませんか 一人で
あなたがとっても好きだから
青い波 はしゃいだ手に
もう一度ふれたいの

真夏が過ぎた 海辺の駅で
別れたの あなたと
結んでた 指も離れて
汽車は秋へと走り出したの

泣き虫 そうよ私 あれから
逢いたい逢えないあなたなの
街角で よく似た人
逢えば心さわぐの

泣き虫 そうよ私 あれから
素肌の夏さえうすれても
この胸に 消えないのよ
あなたの愛の炎

「日焼けの跡」を「素肌の夏」と表現しているところがさすが松本隆だなと唸らせます。それでは聴いてみて下さい。まずはテレビ番組で歌う太田裕美の生歌。両親、妹、ピアノの先生に囲まれてます。
フルバージョンです。セカンドライフの動画を使っていますが、ちょっと意味不明です。歌だけ楽しんでいただければ。
以前YAMAHAのMySoundでよく聞いたTakimariさんの歌唱。非常にお上手です。MySound、昔は良く訪問してたんですが、なぜか妙にアクセスしにくくなっていつしか行かなくなってしまいました。
恋の喜び、恋の苦しみ、そして恋の悲しみ。それらを全て思い出に変えてしまう時の魔法。いやがおうにも止まることのない時の流れが私達を押し流して行きます。その行き先には何があるんでしょうか。

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