ガールズ&パンツァーOVA:「これが本当のアンツィオ戦です!」

今日は首都圏でも雪が降り、電車のダイヤなど交通が大幅に乱れたそうで、皆様お疲れ様でした。その苦労、お察しいたします。道産子達は「あの程度の雪で?」と「奴は四天王の中でも最弱」的にせせら笑っていますが、毎年必ずどっさり雪が降る地域と、たまにしか雪が降らない地域では準備・対応に差があるのは当然というものです。

さて私事で恐縮ですが、時々利用するAmazonにはプライム会員というのがあります。お急ぎ便が使い放題、お届け日指定便が無料、特別取扱商品の取扱手数料が無料といった特典があり、CMで言っているように無料体験が可能です。もちろん期間は限定されているのですが、タダなら使ってみない手はないとついつい手を出したのです。

無料体験期間中に脱退しておけば無料のままで、実際一回は利用後すぐ脱退したので無料のままだったのですが、今回はうっかり脱退を忘れてしまって、自動的に会員登録が更新され、有料会員となってしまいました。年会費3900円也。いや、これは私のうっかりミスなのでクレーマーになる気はさらさらないのですが、じゃあ次回更新まで脱退しないでおこうというセコイ考えでいたところ、プライム・ビデオという、映画やTV番組が追加料金なしで見放題になるというサービスもあることが判明しました(実はCMでも言っていますね)。

でもどうせロクな番組ないんでしょう?とTV通販のサクラ的なことを考えつつ、一応覗いてみたら…結構アニメ作品が入っているんですね。まあラインナップについては人によりいろんな評価があるでしょうが、私の好きな「ガールズ&パンツァー」も入っていました。その時私の脳裏に「もしや?」という想いがよぎりました。

ガルパンのテレビ放映版(全12話+総集編2話)は既に見ているのですが、2014年7月25日に発売されたOVA版「これが本当のアンツィオ戦です!」は未見でした。それもあるかな~と思ったら…あったんですよこれが!レビューも軒並み「Amazonプライムで見られるとは!」と驚きと喜びの混ざったものになってましたが、ワシもじゃ、ワシもじゃみんな!

ということで、テレビ1話分(24分)の1.5倍の37分ある「これが本当のアンツィオ戦です!」を見させて貰いましたので、今日はこの話を。


実はアンツィオ高校、TV版の第7話「次はアンツィオです!」で登場はしていたんですね、一応。このタイトルだと普通に試合をやると思うじゃないですか。しかし……実際はサンダース大付属高校との戦いの後のエピソードが主となっていて、あんこうチームのみんなで冷泉麻子(操縦担当)のお婆ちゃんの見舞いに行ったり、主人公西住みほの過去のエピソード(川に転落した戦車に乗った仲間を救出している間に、自身が搭乗していたフラッグ車を撃破されて敗北し、ママンに叱責されて転校)が明らかになったりと、アンツィオ戦前の戦車道部の様子でほとんどの時間を使っていました。


他に、戦力強化のための新戦車探索(学園艦の色んな所に古い戦車が廃棄されている)でルノーB1bisとポルシェティーガーを発見し、4号戦車の長砲身(物干し竿代わりになっていた)を手に入れたりしていました。


肝心の試合についてですが、テレビ版では大洗女子高校の生徒会は「ノリと勢いがあり、調子に乗られると手強い」と分析していましたが、登場シーンはたった数秒。いきなり敗北して敵将アンチョビががっかりするというだけで、大洗の秒殺という扱いでした。しかし、実際はそんなに楽勝ではなかった試合の様子がOVAで描かれていました。

イタリア風味のアンツィオ高校の学園艦(画像の左端)は、スペイン階段やコロッセオなどローマの観光スポット多数模した建物が多く、観光客が多く訪れますが、財政は常に逼迫しており、観光客相手に露店を開いて学校一丸となって運営費を稼いでいる状況にあり、その収益も学園艦の維持運営費が優先され、なかなか部活の運営費にまで行き亘らないようです。

なぜか各国戦車の混成部隊である大洗女子学園以外は一国のみの戦車を使用する各校ですが、アンツィオはイタリア戦車オンリー。イタリア戦車の評価はそもそも低いのですが、性能差をカバーしようと難易度の高い戦術を選択しがちになっています。資金難や保有戦車の性能不足に泣かされて敗北が多かったため、アンツィオの戦車道部は大洗女子同様衰退していましたが、この窮状を救うべくスカウトされたのが隊長の部長のアンチョビでした。


本名は安斎千代美。いかにもアンチョビと略されそうな名前ですが、この人アンチョビと呼ばれるのはいいのに、本名で呼ばれるのは嫌がるという変な人です。アンツィオでは西住みほのような役割を担い、衰退していた戦車部を立て直すために尽力し、3年生になった今回は一回戦でフランス系のマジノ女学院を下すまでになりました。フランスは結構戦車がいいのですが、良く勝利しましたね。


チームは自分以外は全て後輩で、強いカリスマ性の持ち主であり、皆からは「統帥(ドゥーチェ)」「姉さん」と呼ばれ親しまれています。見かけは高飛車そうで、実際高飛車な言動もあることはあるのですが、実際には明るくてノリがよく、さばけた性格をしています。


副隊長のカルパッチョ。幼いころから戦車道を始めており、カバさんチームのカエサルの長馴染みで、「ひなちゃん」と呼ばれています(本名不明)。女の子らしい女の子で、おしとやかで冷静なことから、暴走気味の後輩たちを制止する役割を担っています。


もう一人の副隊長ペパロニはザ・イタリアン気質で、陽気でノリと勢いはいいのですが、大雑把な性格です。アンチョビに心酔していて、普段は部費捻出のため屋台でパスタ作りにも励んでいます。得意料理は鉄板ナポリタン。

アンツィオ高校の主力はカルロ・ベローチェ6両にセモベンテ3両。カルロベローチェは快速戦車…と言えば聞こえはいいですが、乗員二名で武装は8㎜機銃×2で砲塔もないという豆戦車です。大洗女子学園で最も弱い八九式中戦車がまるで重戦車のように見えました。その紙のような八九式の装甲すら抜けず、撃たれると吹っ飛んでいましたが、軽いだけにすぐ車体を立て直して戦線復帰し、無限に出現するように見せていました。

セモベンテはドイツの3号突撃砲に倣って作られた突撃砲で、こちらは75㎜砲を積んでいるので破壊力があります。第二次大戦時のイタリア軍戦車では最も成功したと評価されていますが、それはイタリアでは、という条件付きのもので、3号突撃砲と比較すると性能はかなり低いものでした。


そしてアンチョビの秘密兵器はP40重戦車。イタリア唯一の重戦車で、代々の戦車道部が少しづつ貯金をし、長い年月をかけてアンチョビの代でようやく購入に至ったという涙ぐましいエピソードがありますが、秘密兵器なのにコロッセオで生徒達に見せびらかしていたアンチョビ(笑)。これも75㎜砲を搭載しているので、大洗女子の貧弱戦車群ならどれも撃破可能でしょう。


アンチョビが採用したのは「マカロニ作戦」。これは快速を利して試合場の要衝に自軍戦車の偽装看板を配置して戦車に見せかけ、、大洗女子の注意を引きつけつつ、三方向から包囲して殲滅を狙ったもので、結構高度な作戦でした。

実際大洗女子はこれに引っかかって一時は進撃を停止したのですが……偽装看板設置を担当したペパロニの大雑把さがここで炸裂。予備もあるから数には気をつけろというアンチョビの事前の注意を全く聞き流しており、偽装看板の配置数を多く間違えてしまいます。これに気付いたみほが作戦を見抜いたことで「マカロニ作戦」あっけなく破綻してしまし、各隊が集合する前に分断されたまま各個撃破されてしまいました。


八九式中戦車は「見ろ!人がゴミのようだ!」と言わんばかりにカルロ・ベローチェを撃ちまくりますが、何度でも復活してくるのに吃驚仰天。八九式の豆鉄砲のような主砲の至近弾でも吹っ飛んでましたからね。きちんと弱点を狙うように西住みほに指示され、性格に照準したらあっさり撃破しまくれました。



そんな中、カルパッチョはセモベンテで幼馴染みのカエサルの乗る3号突撃砲と一騎打ち。お互い突撃砲で砲塔がないということで、車体ごと旋回しての騎士の戦いのような壮絶な戦闘を展開しました。そして性能差をものともせずに相打ちに持ち込みました。これは勝利と言ってもいい善戦でした。

そしてアンチョビも大洗のフラッグ車である4号戦車を屠るチャンスはあったのです。しかしアンチョビのピンチに慌てて駆けつけたあまりに大破した仲間の戦車を案じてP40を盾にしたため、あっけなく撃破されることになってしまいました。仲間への思いやりが深過ぎて非情に徹することができなかったのですが、それはかつての西住みほのようですね。


しかし試合終了後は大洗女子のメンバーと夕食を共にするなど非常に友好的で、ぱっと見と中身が全然違うキャラでした。アンツィオはイタリアンらしく食にはこだわりがあるということで、料理も実においしそうですね。


いやあ、ガルパンは本当に面白いですねえ。ジャイアント馬場が社長だった頃の全日本プロレスは「明るく、楽しく、激しいプロレス」をキャッチコピーにしていましたが、ガルパンもまさに明るく楽しく激しいアニメです。あの頃猪木信者だった私は馬場さんの良さがわかりませんでしたが、今ならわかります。それにしてもAmazonプライム…アニメのラインナップが良かったら継続しようかしらん。


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