下級生(その1):一途に生きるには誘惑の多すぎる大河恋愛シミュレーション

私の家の近所では稲刈りも始まっているのですが、相変わらず暑いですね。
FC2カウンターが8/31にようやく動きだしたのですが、一日70人以上の方に閲覧していただいていることが判りました。何の宣伝もしていない上、何の役にも立たないのですが、本当にありがたいことです。
それでは本日の記事です。土曜日はギャルゲーの日ですが、まーしかし我ながらネタが尽きないものですね。

今日は満を持して「大物」を取り上げます。エルフが1996年に発売した恋愛シミュレーション「下級生」です。当然一回では終わらないので(その1)ということで。

以前、恋愛シミュレーションの先駆的作品である「同級生」(エルフ)を取り上げましたが、タイトルに共通性があることが一目瞭然だと思います。「同級生」とは主人公の性格、基本的なシナリオ、フィールド移動型アドベンチャーのシステムなどで共通性がある反面、「同級生」夏休みの半分、3週間程度の期間であるのに対し、「下級生」はゲーム内時間を高校3年生の1年間として、徐々に深め合う愛を描こうとしています。

なお、「同級生」シリーズとの最大の違いは、所持金次第で買えるアイテムをヒロインに贈ったり、胡散臭い顔をした「お願い地蔵」に「女の子にモテたいぞ!」とお願いして賽銭として一万円を投入すると、女の子の好感度がランダムに上がるようになっています。しかし、これらの方法を取ると、好感度や季節で限定されるイベントを見られなくなる可能性もあります。逆にアイテムやイベントで好感度を下げることも可能ですが、ヒロインによっては迂闊な一言が完全破局を招くこともあります。

「同級生」もそうですが、 タイトルこそ「下級生」となっているものの、登場するヒロインには下級生が少なく、主人公と同い年や年上のヒロインの方が多く登場します。「同級生」と似て非なるゲームという意味合いでの「下級生」というタイトルなのでしょう。

「下級生」はPC98版のほか、セガサターン版(97年)、Windows版(98年)、Macintosh版(00年)などが出ていますが、私がプレーしたのはセガサターン版でした。原型であるPC98版と比べ、声優によるCVの追加や、操作性の向上とゲーム進行の調整がされているそうです。

基本的には他のギャルゲー同様、女の子と知り合ってイベントなどで次第に仲良くなっていき、デートに誘えるようになったらデートで好感度を上げて親密になっていく訳ですが、「ときめきメモリアル」と違って主人公のスペックという概念はないので、女の子との接触回数と態度だけで仲良くなっていきます。またテストとか文化祭とか体育祭といった、学園生活のアクセントとなるようなイベントも一切ありません。

攻略期間の長さからすると、「ときメモ」と比較したくなりますが、3年間かけてどんなに仲良くなっても、せいぜい手を握るまでしかいかないというストイックな「ときメモ」に対し、「下級生」は本気で一人に一点集中すれば数ヶ月で最後の段階まで行くことが可能です。それで何人もヒロインを「食って」しまって、卒業式にはそのうち一人しか選択できないにも関わらず、刃傷沙汰にならないのはどういうことなのでしょうか。

「ときメモ」なら手を握った程度なので、選ばれなくてもそんなに怒らないような気がしますが、「下級生」だと傍から見れば「散々弄んだあげくにゴミくずのようにポイ捨て」という鬼畜な主人公が、罰せられることもなく選んだヒロインと幸せに暮らすという、「お前は『ゲルマニウムの夜』の朧か」とツッコミたくなる展開となっています。

まあそれもこれも主人公を操作するプレイヤー次第なので、主人公が鬼畜だとするとそれはプレイヤーが鬼畜だからということになります。ただ…一年は長いんですよね。ヒロインを一人落としても他にたくさん女の子が周囲をうろうろしているとつい。浮気に走ろうとすると、通常天使と悪魔が頭の両脇に出てきて論争しそうなものですが、「下級生」の場合、

悪魔「据え膳食わぬは女の恥というぜ…いっちまえよ」
天使「そうだな、ゲームだし」
悪魔「やれるだけやっちまえよ。修羅場が起きるわけでもなし」
天使「そうだな、現実に何の影響もないし」
と全然論争になりませんでした。実は一筋に生きないと攻略できないキャラがいるのですが、私は「下級生」をやる際は、一筋に生きることができた例がないので、そのキャラだけ未攻略です。え?誰かって?謎の留学生・ティナです。ぶっちゃけ「うる星やつら」のラ○ちゃんみたいな人です。

肝心の攻略対象ヒロインは13人もいて、学生でない人もいます。全員紹介しても仕方ないので、例によって私の好きなキャラを。本日は半分の3人です。
まずメインヒロイン格、結城瑞穂です。

テニス部所属で、身長158cm、スリーサイズはバスト82cm、ウエスト59cm、ヒップ87cm。身長158センチというのは、ヒロインの定番なんでしょうかね。「ときめきメモリアル」の藤崎詩織も「同級生」の桜木舞も身長158センチという設定です。そういえば壇蜜さんも身長158センチでした。

「同級生」の桜木舞がメインヒロインとしては人気が出なかったことへの反省と改良があったのか、結城瑞穂は強力なヒロインとなりました。カチューシャとか赤っぽい髪とかは、「ときめきメモリアル」の藤崎詩織の影響もあるかも知れません。


主人公のクラスメイトで、卯月学園入学以来の友人です。スポーツ万能かつ明るく優しい性格で、藤崎詩織ばりの才色兼備ぶりを発揮する学園のマドンナ的存在です。その一方で男女の関係には疎く、性的な知識もほとんどない奥手な娘でしたが、主人公と肉体関係を結ぶと、勉強熱心さが性的な知識にも向いていきます。

藤崎詩織との最大の違いは、攻略の敷居の高さです。「ラスボス」の異名を持つ高い壁のような藤崎詩織に対し、結城瑞穂は全ヒロイン中でも一番簡単に攻略できる部類に入ります。ただ、おぼこい娘なので、デート後の「手を握る」→「抱きしめる」→「キスする」→「胸を揉む」の流れは、「もういいかな?」と思ってもさらにワンタイミング遅くする位に慎重にした方がいいでしょう。

正直欠点らしい欠点がないので、この人の攻略が終わった時点でゲームは終了でもいいのではないかと思います。せめて「エンディングに進む」みたいな選択が途中でも出来ていたら、一途に生きることも可能だったかも知れません…(人のせいにするな)。

次は正真正銘の下級生、南里愛です。

身長153cm、スリーサイズはバスト80cm、ウエスト59cm、ヒップ85cm。かなり小柄ですが、トランジスターグラマーという印象ですね。内気で赤面症で男性恐怖症の気がありますが、自由奔放な主人公に片思いして、ストーカーのように見つめています。実は一目惚れキャラだったのですが、最初はどんなに努力しても攻略できませんでした。

愛ちゃんには飯島美雪という親友がいて、実は攻略するに当たっては途中まで美雪との同時攻略を行わなければならないのです。もちろんある程度イベントが進行すれば途中で美雪を切り捨てて愛ちゃん一筋で行くことが可能なのですが、同時攻略をそのまま勧めていくと、ドロドロの三角関係が出現するので、これはこれで見物です。

愛ちゃんは内気で奥手で性的な知識もほとんどありませんが、主人公を巡る美雪との三角関係が進行するにつれ、女性としての強さが現れてきます。

一方、当初は主人公を毛嫌いしてつれない態度を取っていた美雪は、主人公と親しくなるにつれ、主人公への恋心と「愛に悪い」という気持ちの狭間で心が揺れ動き、非常に弱い子になっていきます。

美雪に主人公を取られまいとする愛ちゃんは、恋愛の中で劇的に変貌していきます。ラストシーンの彼女は、まるで別人のようで、美雪の消息を聞く主人公に対し、「美雪ちゃんじゃなく、私たちの話をしましょう」と言い放つようになります。

え?じゃあ美雪はどうか、ですか?すいません、美雪は私の好きなキャラに入っていないので、ご自身で確かめていただければ(笑)。08年にはVista対応の復刻版も出ていますので。

次は学園外の年上の女、山下美夏です。

年齢は明示されていませんが、音楽大学の3年生らしいので、20~21歳程度でしょう。身長157cm、スリーサイズはバスト84cm、ウエスト59cm、ヒップ90cm。主人公の叔父が経営する喫茶店「土下座」で日曜だけウエイトレスのアルバイトしている。ちなみにこの「土下座」では主人公も無理矢理アルバイトさせられます。

元々は音大の高価な学費を得るため、キャバクラ嬢のアルバイトを始めたところ、人気を博してしまい、いつの間にか大学に行くよりもキャバクラのアルバイトの方がメインになってしまい、店の客からの執拗な誘いから逃れるため、日曜のみ土下座でアルバイトを始めたということです。

男関係では色々あったらしく、用心深く疑り深い性格をしています。主人公は当初ウエイトレスの彼女しか知りませんが、街を歩いていると次第に彼女の別の顔を知ることになります。

キャバクラ嬢としての美夏を真の姿と考えるか、仮初めの姿と考えるかで彼女との関係は大きく変わっていきます。攻略したいのならどうすればいいかは自ずと…

ちなみに彼女は年上のせいか、付き合うようになると非常に「世話焼きさん」になります。
その2はまた明日…
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