2015年秋季アニメの感想(その3):終わりのセラフ/ハッカドール/ごちうさ

遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。当ブログは去年より1日早く3日から営業を再開しますが、いつもそうですが休み明けというのは憂鬱なものですね。年末年始もなく働く奇特な人達のおかげで休ませて貰っているのは承知していますけど。


なもんで、リアル明里パパンから送られてきたリアル明里ちゃんの画像でも見て心を癒やしましょう。明里ちゃんがパンダに喰われていますが、気にせずお菓子をむさぼるという。こ、これが食物連鎖なのか!(笑)

そうそう、パンダといえば年末に和歌山に旅行に行ったついでに白浜アドベンチャーワールドを訪ねたのですが、あそこはパンダが一杯いていいですね。生まれて1歳の桜浜(オウヒン)と桃浜(トウヒン)は元気一杯で愛嬌を振りまいているし、観客を意識しているかのようなパフォーマンス(木の枝に登って落ちそうになって戻ったり)もして、見応えがあります。他にもサファリゾーンとか水族館、遊園地まであって、なかなかに楽しい所です。入場料の高さが唯一の欠点ですが…まあ施設運営に金がかかってるんでしょうね。

さてそれでは昨年の残務を片づけましょうということで、2015年秋季アニメの感想のラストです。まずは「終わりのセラフ」。



いや~…2クール24話やってラストは「オレ達の戦いはこれからだ!」とはね。結局問題は何も解決せず、何の決着もつかずに人間と吸血鬼の対立抗争も継続中です。これは3期やるんですか?ストーリー的にはやらんといかんでしょうと思いますが、人気がついてきているかどうか。原作を追い越してしまったらしいので、やるにしても当分先なんでしょうね。

まあ状況自体には変化がありました。まず小説版では主人公の一ノ瀬グレンが実は二重人格的で、生きたまま鬼になる直前という「生成り」になっており、最終盤でとうとう鬼になった柊真昼に取り憑かれてしまったようです。日本帝鬼軍を事実上率いている柊暮人は知っていたけど、グレンの親友のはずの柊深夜は最後まで気づかなかったという迂闊さ。クールで頭良さそうだったのに…もしや海のリハクの役どころだったのか(笑)。

ま、シノア達も全然気づいていなかったようなので、仕方ないかも知れませんね。柊家直系で真昼の妹といってもシノアは何も知らず、名門三宮家出身でも三葉も暮人の副官的な役回りの姉の葵と違って何も知らなかったということで、情報統制が徹底していたというべきか、小娘達の目が節穴だったというべきか。

三宮葵は美人でクールで有能そうでいいですね。声は川澄綾子だし、そのうち「約束された勝利の剣」とか振るいそうです。もっとしゃべって活躍して欲しかったですが。


それから吸血鬼の女王として君臨していた第三位始祖のクルルがクローリート協力したフェリドのクーデターで打倒され、権力を失いました。吸血鬼にとっても禁忌である「終わりセラフ」に関与していたことが暴かれたのでしょうがないですが、フェリドも実は違う形で関与していたらしいので、それが暴露されたた自分も危なそう。

クルルと同じく第三位始祖のレスト・カーというのがクルルに代わって君臨するようですが、フェリドはこいつの派閥だったのかな?何となく隙あらばこいつも打倒して自分が頂点に立ちたいような雰囲気もありますが。

そして肝心な「終わりのセラフ」。これは召還されると人間を滅ぼそうとするようなので、「ヨハネの黙示録」に登場するラッパを吹く7人の天使のことらしいです。セラフ(複数形はセラフィム)ってのは熾天使のことで、天使九階級の最上位とされていますが、ラッパを吹く天使(御使)が熾天使だとは書かれてはいません。

ちなみに黙示録では、第一の御使がラッパを吹くと、血の混じった雹と火が降ってきて、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、すべての青草も焼けてしまいます。

第二の御使がラッパを吹くと、海の三分の一が血となり、海中の生物の三分の一が死に、船の三分の一が破壊されてしまいます。

第三の御使がラッパを吹くと「苦いよもぎ」という名の燃える大きな星が空から落ちてきて、水の三分の一が苦くなり、そのために多くの人が死にます。

第四の御使がラッパを吹くと、太陽と月と星の三分の一が打たれて、明るさが三分の一になってしまいます。

第五の御使がラッパを吹くと、一つの星が天から落ちて来て、大地に底知れぬ所の穴を開けます。穴からは煙が立ちのぼり、太陽も空気も暗くなり、煙の中からいなごが出現し、五ヶ月の間人間を苦しみ抜きます。その間は人が死を求めても与えられず、死にたいと願っても、死は逃げて行くのだそうです。いなご達はアバドンという名の王をいただいています。

第六の御使がラッパを吹くと、ユーフラテス川に繋がれていた四人の御使が解放され、火と煙と硫黄を吐いて人間の三分の一を殺します。

最後に第七の御使がラッパを吹くと、「この世の国は、われらの主とそのキリストとの国となった。主は世々限りなく支配なさるであろう」という声が天から響き、天の神の聖所が開いて契約の箱が見えます。その後はサタンと呼ばれる「赤い龍」と悪魔の軍勢がミカエル率いる天使の軍勢が天で激しく戦い、サタンは敗れて地に落ちることになります。

なお画像がないと寂しいので「まんがヨハネ黙示録入門」から使いましたが、かなり解釈がスゴイみたいですね、これ。

それはともかく、「終わりのセラフ」の研究は破滅前の世界で百夜教が百夜孤児院の子供を使い研究・実験していた最大禁忌の研究のことで、百夜教はすでに壊滅しているのですが、孤児院の子供達を使って人体実験をしており、その被検体の生き残りが主人公である百夜優一郎、百夜ミカエラ、君月士方、君月未来、早乙女与一、早乙女巴でした。


このうち与一の姉の巴は早々に与一を庇って吸血鬼に殺害されており、君月の妹の未来は未知のウイルスに感染したとして隔離病棟で治療中とされていましたが、実際には日本帝鬼軍が(というか柊暮人が)「終わりのセラフ」の実験体としており、最終回で顕現しました。

「終わりのセラフ」はそのままにしておくと人間を滅ぼそうとするらしいのでコントロールが課題でしたが、暮人は何とか未来のコントロールに成功したようです。未来は、第五ラッパの持ち主で、制御後は天使からアバドンという名の悪魔に姿を変えます。

上記の黙示録抄のとおり、アバドンは第五の御使のラッパによって出現する奈落の王です。ヘブライ語で「破壊の場」「滅ぼす者」「奈落の底」を意味しているということで、召喚された経緯からすると天使サイドなんじゃないかと思うのですが、キリスト教などでは堕天使の一人とされ、ルシファーと同一視されることもあるとか。堕天使とか悪魔の話は非常に興味深いのですが、それを始めると終わらなくなりそうなので今回はこの辺で。

第一期終盤で図らずも中途半端に「終わりのセラフ」化した優一郎は、死ぬと自分の相棒である鬼の阿朱羅丸と会えるということで自害し、精神世界?でラッパを吹きます。

セラフ化した優一郎は、葵によれば第二ラッパの「塩の王」なんだそうです。黙示録では第二の御使いのラッパによって海の三分の一が血となり、海中の生物の三分の一が死に、船の三分の一が破壊されるそうなんで、海つながりということなんでしょうか?

全然話としては出てきませんが、被検体の6人はそれぞれラッパを持っているのかも知れません。第七の御使いのラッパは「神の国宣言」なので第一~第六のどれかにあてはまるのでしょう。死んでしまった巴お姉ちゃんはどのラッパだったんでしょうか?それとも意外な形で実は生きてたり?

優一郎はアバドンを倒し、暮人も圧倒しますが、阿朱羅丸によって角を生やされて制御されます。この場合の制御は気を失うことみたいですが。

混乱の中、帝鬼軍離脱を宣言したシノア隊とミカエラは脱出し、いきなり4か月後。帝鬼軍や吸血鬼も主立ったところは全員健在です。

そんな中「君月の妹を取り戻して、ついでにグレンの馬鹿も取り戻す!」とひたすら前向きな優一郎と愉快な仲間達。まさに「オレ達の戦いはこれからだ!」エンドですな。

と思いきや、「雨が降ってきたよ」と言って不意に一人で海に入っていく優一郎。なんとここで終了。こんな不思議な終わり方って…

第三期をやらないと非常に消化不良なんですが、やればやったで冗長に続いた上に結論が出ない…そんな嫌な予感がするのは私だけ?ま、第三期が制作されたらやはり見ますけどね。黙示録系の作品だと捨て置けません。

やけに長くなったのでこれからはあっさりと。続いて「ハッカドール THE あにめ〜しょん」。10分ものだし、正直まったく期待していなかったのですが、洒落で見たら異常に面白いアニメでした。

パロディ満載で、若い人はついて行けないギャグも多いような気がしましたが、だがそれがいい。特に紹介した第7話「KUROBAKO」は秀逸でした。その後も毎回楽しく見られましたが、7話ほどのインパクトはなかったかな。

最終回の第13話では第1話に登場してハッカドールに迷惑かけられっぱなしだったオタクのアヤメちゃんが登場。友達のユリちゃんと楽しくオタクライフを満喫してきたましたが…

ユリちゃんは結婚が決まり、オタクからあっさり足を洗った模様。それだけでなく、アヤメちゃんに「いい加減、卒業しなよ。もうそんな若くないんだからさ、やらなきゃいけない事いっぱいあるでしょ?」とお説教。「『いちご白書』をもう一度」の“就職が決まって 髪をきってきた時 もう若くないさと 君にいいわけしたね”というフレーズをちょっと思い出しました。

あんなに一緒だったのに、いつの間にか変わってしまったユリちゃんの言葉が胸に刺さったアヤメちゃん、オタクを卒業する決心を固めますが…またもやハッカドール(特に1号)が無駄にポジティブに立ちふさがります。「現実逃避とか言って、自分の気持ちから逃げちゃダメです!好きな物は好きで良いんです!」名言だなあ。

その後「北斗の拳」的ヒャッハー展開するコミケや0号対1号の唐突なドラゴンボール的バトル(実は夢オチ)もありましたが…


「パーソナルエンタメAIハッカドールに、コミケもお任せです!!」で締め。

これはもう第二期確定でオナシャス。10分アニメでいいので、憂き世を忘れさせるはっちゃけた展開を続々とやっちゃって欲しいですね。……でも「KUROBAKO」を見ちゃうと、その裏で繰り広げられる(はずの)スタッフのデスマーチが哀しいですが。

特にハッカドール2号は色っぽくてお気に入りなので、いずれ「好きなアニメキャラ」で紹介します。

さあ最後に…「ご注文はうさぎですか??」です。ああ、これから何を頼りに生きて行けばいいのかと、「ごちうさロス」或いは「ごちうさ難民」を数多生み出したことでしょう。ええ、私も「ごちうさロス」ですとも。

「ごちうさ」のようないわゆる「日常系アニメ」は、ニコニコ大百科によると「劇的なストーリー展開を極力排除した、登場人物達が送るゆったりとした日常を淡々と描写するもの」で、重厚なストーリー展開とか壮大なバトルシーンとか派手なギャグとか思いがけない鬱展開といったものは無く、オチすら特にない場合もあります。そのせいでしばしば「中身が無い」と揶揄されたりもするのですが、仕事や生活に疲れた私のようなおっさんが肩の力を抜いてリラックスしながら見るには最適なんですよね。

特に「ごちうさ」は可愛い女の子が可愛いことをやってるだけの癒やしと萌えに特化した作品でした。もちろんそれで良いのですが、「ごちうさ」を見ている時の顔を他人が見たらドン引くんでしょうねえ…

それはともかく、明確な終わりなどない「日常」を描いているはずの「日常系アニメ」にも非日常がやってきます。それが最終回。日常が終わる?それってどういうこと?ハルマゲドンか地球最後の日か?と言いたくなるのですが、我々の日常とシンクロしてしまう「日常系アニメ」それが終了するということは、愛好者に耐え難い喪失感を生み出してしまいます。

「がっこうぐらし!」は、いかにも「日常系アニメ」ですよという雰囲気を醸しながら、実は全く違ったという衝撃を与えました。もちろんいろんな趣向のアニメがあっていいんですが、「ごちうさ」でも第11羽で…

キャンプに来た一行をゾンビが襲う!…という夢を見たチノ。メグとヤマが脅かすので皆の所に行ってみたら…(それはさておき寝袋に入ったチノがイモムシみたいで可愛いですね)

一人だけ背を向けていたココアが振り向くと、なんとゾンビになっていました!悲鳴を上げてチノ気絶。


もちろんこれは皆の悪ふざけでしたが、「がっこうぐらし!」のせいでもしや「ごちうさ」も非日常に侵蝕されるのかといったいらん不安が生じてしまいますね。「ごちうさ」に限ってはニトロプラス退散!

もちろん最終回も特に最後らしからぬお話でした。ココアの姉モカに「ココアが送ってくる写真はおもしろ系ばかりなので、日常の一コマの写真を撮って欲しい」と頼まれたチノが頑張る…という話でした。


キャンプで撮った奇跡の一枚。ココア本人ですら「誰?」とか言う。当然写真を貰ったモカも「誰?」と言う。

さすがにママンはすぐにわかったようです。さすが母は強し。それにしてもママンの声…なんと皆口裕子ではないですか。母が皆口裕子で姉が茅野愛衣って、どんだけ癒し系の家族だ!ここんちの子供になりたいです。

そう言えばメグのママンも井上喜久子だった。いや、実にあざとい!(褒めてます)もう癒しと萌えの総決起集会的アニメですね。

第二期は第一期に比べてチマメ隊の描写が増えたほか、リゼ×シャロとか千夜×チノといった新たなカップリングなど幅が広がった感じがします。ココアの姉モカの乱入とか、青山ブルーマウンテンの過去に迫る話もあったし。

しかし…日常系とはいえ、「サザエさん」とは異なり、「ごちうさ」時空は少しずつ、しかし確実かつ不可逆的に進んでいるのです。ココア・千夜・シャロは高校二年生になり、チマメ隊は中学三年生になって進路なんかが話題になっています。リゼなんか高校三年生ですよ。バイトしている場合か?

いずれはこの幸福な時間も彼女達の中で過去になっていく…そんな時が来るんでしょう。諸行無常というやつですね。実際そこまで描くかどうかは別としても。リゼなんかは大学生になってもバイト続けそうな気がしますが、ココアは高校を卒業したらどうするんでしょう。

ラストは眠るチノに囁くココア。これは第一期と逆パターンになっているんですね。芸が細かいなあ。

ということでとうとう終わってしまった「ごちうさ」。無論第三期熱望ですが、そんなにすぐではないでしょうね。誰か、代わりになる癒しの「日常系アニメ」を教えて下さい。

スポンサーサイト