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2015年秋季アニメの感想(その1):すべてがFになる/終物語

20151221イルミ

 こんばんは。12月も下旬だというのに雨、しかも結構な降りの札幌です。暖冬だ暖冬だとは聞いてましたけど、これほどとは。いっそ積雪を全部溶かしてくれるといいのですが、半端に残って再凍結されると恐怖のアイスバーンになるんですよね。雪が降っても愚痴、雨でも愚痴。晴れても寒けりゃ愚痴と愚痴ばっかです。クリスマスも雨が降ったらいいさ~!

すべてがFになる

 さて年の瀬も迫っている今日この頃ですが、いよいよ秋季アニメも最終回を迎えつつあります。そこで第一回目として「すべてがFになる」と「終物語」の感想をば綴ってみたいと思います。まず「すべてがFになる」です。

原作Fになる

 同タイトルの原作は1996年4月5日刊行ということで、およそ20年前の作品ということになります。作品世界は1994年の夏であり、ということはパソコンは普及しつつあったけどまだWindows95の登場前で、インターネットはまだまだ世間に認知されていない頃でした。こういうコンピュータやネットワークについての知識を持つものはまだ少数だったという「時代背景」を踏まえておかなければなりません。

Fになる登場人物

 以下結構ネタバレになりますので少し行間を開きます。見たくない方はここで引き返して下さい。















四季と犀川

 では感想ですが、最初の殺人事件は密室トリックなんですが、OS「レッドマジック」が起動と共にカウントを開始し、4桁までしか扱えないので最期の数字は16進法でFFFF、つまり16の4乗=65536ということになります(ゼロからカウントしているので実際は65535)。これがレッドマジックがカウント出来る一番大きな数字で、すべてがFになった時点でトリックが発動するように仕組まれていたのです。65535の単位は時間(hour)だったので、7年以上前から予定されていたということになります。

上書き保存

 しかも研究所の時計を故意に最初から1分遅らせていたので、OSがリセットされた時点で時刻は正確に戻り、監視カメラのデータが同じ名前(同じ時間)のファイルが2つでき、上書きされることで1分間の空白を作り出して、データ画像に残らない形で部屋から脱出することを可能にしたのです。

殺された所長

 では部屋の主である真賀田四季を殺害したのは誰かということですが、これは殺害したのが四季、殺害されたのは四季に見せかけた15歳の四季の娘でした。指紋から四季でないことが判明しないように両腕を切断し、それが不自然に見えないように両脚も切断しました。そして1分の空白を利用して部屋を出てヘリコプターで戻ってきた新藤所長を殺し、四季自身は所長が同行した四季の妹・未来になりすましたのです。

犀川

 ということで、所長が未来を連れてくるというのは虚言で、所長自身も四季とはグルで、自ら四季に殺されることを承知していたことになります。ミステリー原作らしくトリックは当時としては独創的で面白かったのですが、その動機がどうにもこうにも理解しがたくて。

西之園萌絵

 まず四季は14歳で叔父である新藤所長の子を妊娠しました。近親相姦かつロリですな。その過程は毎回のラストでちびちびと描かれていましたが、それににしても所長は鬼畜野郎ですね。四季は二人の間に出来た子供を産むことを反対されたことで両親を殺害しましたが、その理由が「誰もそれがいけないと教えてくれなかったから」。いくら14歳でもあまりにバカ過ぎませんか?

29歳の四季

 四季は神に最も近いと言われる天才プログラマーで、情報工学(特に仮想現実)、人工知能の領域で研究実績がある他、多様な分野の話題について有益な意見を出せるだけの知能を持っていることになっていますが、常識とか良識というものは学ぶ機会がなかったものか。しかし…じゃあ人間は「人を殺してはいけない」と教わらなければ人を殺すもんなんですかねえ。

拘束されているハンニバル・レクター

 ある部分だけ突出した能力を持っていても、他の分野ではそうとは限らないということもありますし、ハンニバル・レクター博士のように天才的知能を持ちながら猟奇殺人鬼という人もいますけど。まあ凡人には天才は理解できないのかも知れません。

四季と道流

 しかし凡人だった四季の娘もやはり四季の思想が理解できなかったようで、15歳になったら父母(つまり新藤所長と四季)を殺せという命令に従わず、そのために結局四季に殺されてしまいます。自分の娘が自分の思想を理解できるかどうかという点に四季は迷いがなかったんでしょうか。だとするとトリックのお膳立てはともかく、結構杜撰な計画だっという気がします。

密室で出産

 副題のPerfect Insiderとは、隔離された個室に最初からいた、つまり入室時に四季の胎内にいた娘を指していたわけですが、15歳になったら父母を殺せ、15歳で人生は終わるから15より上の数を憶える必要がないとか、非常に特異な教育が施されていたようですが、自分並みの天才かどうかは判別できなかったものか。

四季に出し抜かれる犀川

 ということで、トリックは見事なんですが、動機がどうにも納得のいかないものでした。あと犀川先生やヒロインの西之園萌絵にも全然好感が持てなくて。キャラデザインのせいもあるんでしょうが、どうしてタバコという体に悪いものを吸うのかと四季に尋ねられた犀川は、「あまり生に執着していないからでしょうか」と答えていますが、じゃあタバコ飲みは全員そうなの?アルコールだって摂取しない方がいいに違いないけど、大方の酒飲み(含む私)は「あまり生に執着していないから」飲んでいる訳ではないんですけどね。

殺されなかった山根

 トリックは斬新で画期的ですが、作品的にはどうもなあというのが正直な感想です。ただしアニメと原作は一部違っていて、アニメでは第三の殺人が行われませんでした。良かったな、山根さん。

自由になった四季

 最期は警察に連行されたかに思われた四季ですが、実はあっさり逃げおおせていました。さすが天才。でも娘に殺されることを望んでいた彼女が、これ以上生きることに何の意味があるんでしょう。

四季の奇怪な独り言

 あ、そういえば四季は多重人格者で、オリジナル以外の人格は死者の人格なんですよね。そうすると、新藤所長や娘(道流?)の人格も四季の中に生じることになるんでしょうか?ラストシーンの訳の分からない独り言はなのか!でもそうすると四季が殺したパパンやママンの人格も四季の中に居てもおかしくない気もしますが……そこは選択可能なのかな。

終物語

 続いて「終物語」。〈物語〉シリーズのファイナルシリーズ6巻のうちの3巻を占める「終物語」ですが、そのうち放映されたのは上巻と中巻のみ。新キャラ老倉育が登場した上巻の「そだちリドル」「そだちロスト」はすでに紹介済みなので、中巻の「しのぶメイル」について語りましょう。

ロリ少女忍
  
 忍野忍はいまでこそ金髪ロリ少女の姿ですが、かつてキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという強力な吸血鬼で、阿良々木暦を吸血鬼の眷属に変えた張本人でした。そんな彼女が持つ、怪異のみを切る大太刀「心渡(こころわたり)」は、彼女の最初の眷属である“初代怪異殺し”こと死屍累 生死郎(ししるい せいしろう)が所有していたものでした。

キスショット

 彼についてはその死を惜しんだキスショットが吸血鬼の眷属として甦らせた際、女神とあがめていたキスショットが実は「怪異の王」吸血鬼であったことを知って彼女を憎悪し、太陽の下に飛び出し自殺したという話は既にセカンドシーズンの「しのぶタイム」で語られていました。

鎧武者

 その死んだはずの生死郎が400年を経て灰から甦り、忍と復縁を望んで暦と勝負するというのが今回の話でした。眷属ってのは一人だけでなくてもいいのではないかと思いますが、忍は頑なに生死郎を拒絶し、二人は眷属の座をかけて勝負することになります。

エピソード

 ここで血湧き肉躍るワンパンマンのようなもの凄いバトルが…だったら面白いのですが、〈物語〉シリーズはそういうバトルがあると思わせて全然戦いらしい戦いをしませんから。今回もそうで、吸血鬼ハンター・エピソードもいるというのに御札一枚でけりがついてしまいました。

御札で勝利

 それにしても灰から良くも復活するなあと思いますが、そもそも北白蛇神社という負のパワースポットにキスショットだった忍が来たことで「よくないもの」の吹き溜まりになっており、そこへキスショットを慕ってやってきた生死郎の灰が「よくないもの」から力を得て復活に成功したらしいのですが、そうなるとそもそも忍がこの地に来たこと自体が偶然ではないのかも知れません。「カードキャプターさくら」で言うところの「この世に偶然なんてない、あるのは必然だけ」なのか。

スタッフが美味しくいただきました

 とすると、直江津高校のあるこの田舎町(とはいえない施設がたくさんある気がしますが)にひっきりなしに怪異が出現するのも偶然ではないということに。「怪異の王」忍が引き寄せているということもあるでしょうが、それ以前に忍はどうしてこの地に引き寄せられたのか。

こよみんアップ

 私見ですが、かつて普通の高校生だったと自称する阿良々木暦こそが最大の怪異だということはないでしょうかね。外見は普通の人間ですが、それを言ったら妹の月火なんか自覚はないけど「しでの鳥」という怪異そのものだし。暦は吸血鬼の眷属となったことで次々に怪異に遭遇しているように見えますが、実際には彼こそがあらゆる怪異を引き寄せるブラックホール的存在だったりして。人間縮退炉…

余接

 しかし「終物語」は終了してしまいましたが、まだ下巻が残ってますよ。下巻の内容は今回の話に直結するとはいえ、時間軸的にはだいぶ後(中巻が二学期開始直後、下巻が翌年3月中旬)なので、また次回ということになったんでしょうか。制作についてはまだ未定みたいですが。

扇に語って聞かせる

 西尾維新ワールドらしい、相変わらずの言葉遊びが多いですね。最初は新鮮だったんですが、流石に回を重ねてくると鼻についてくる気がします。それが原因で袂を分かった人もいるみたいです。私も飽きてきたといえば飽きてきたのですが、せっかくここまで来たのだから全部見る勢いはまだあります。でも映画でやるらしい「傷物語」はロードショーでは見ないかも。まあそのうちテレビでも放映するでしょう。

わしに食われてわしとなれ

 なお生死郎は吸血鬼の眷属だからこれでも死なないかも知れませんが、その後忍に食われたので今度こそ成仏したでしょう。というか忍と一体になれたことは至上の喜びかも知れませんね。

生死郎
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