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トップをねらえ!(その2):第二話「不敵!天才少女の挑戦!!」

20151220イルミ 


 本日、2015年12月20日はタカヤノリコのパパン、タカヤ提督のルクシオン艦隊が宇宙怪獣に攻撃されて全滅した日、つまり命日です。正確には19日だったそうですが。現実世界でも「はやぶさ2」が地球スイングバイを成功させたりと検討していますが、超光速宇宙船なんて夢のまた夢です。まあ超光速飛行をしない限りは宇宙怪獣に遭遇したりしないからいいという話もありますけどね。

トップをねらえ!2話 

 ということで「トップをねらえ!」の第二話「不敵!天才少女の挑戦!!」を行ってみましょう。

攻撃を受けるルクシオン 

 まずはアバン。6年前のルクシオン艦隊全滅の時の状況です。宇宙怪獣の攻撃により次々と沈んでいく艦隊。ルクシオンも満身創痍ですが、脱出艇はなんとか出せそうです。

タカヤ提督に助けられたオオタコーチ 

 あと一人乗れるということで、タカヤ提督は後のコーチであるオオタ・コウイチロウを行かせます。「お前はまだ若い!生き延びてやらねばならん事があるはずだ!」と叱咤して行かせます。

ノリコのビデオレターを見る提督 

 一人残ったブリッジでノリコのビデオレターを見る提督。無邪気に「「パパ、八歳の誕生日には、帰ってきてね!」と繰り返すノリコに「ノリコ……すまん」と呟きます。

建設中のヱクセリヲン 

 沖女、そして地球を離れて第一宇宙ステーション、シルバースターに向かうノリコ一行。途中で建設中の新造戦艦ヱクセリヲンを見掛けます。「エ」じゃなくて「ヱ」、「オ」じゃなくて「ヲ」なんですが、ガイナックスはこういう文字使いが好きですよね。欠伸しつつ「思ったより小さいんだ」と言うノリコを叱責するオオタコーチ。

ヱクセリヲン 

 それもそのはず、ヱクセリヲンは全長7km超の大型戦艦です。これはガンダムやヤマトに登場する大半の艦船より遥かに大きく、マクロスでもゼントラーディー軍の戦闘艦群と比較すると、もはや宇宙要塞といえるフレブス・バレンス(1400㎞)やゴル・ボドルザー(600㎞)を除けば大半の戦闘艦よりも巨大です。

超巨大戦艦 

 強いて類似サイズを探すと、白色彗星帝国の超巨大戦艦(全長12.2kmとも、8kmとも)やマクロス7(シティ7+バトル7で全長約8キロ。ただしシティ7は円形なので容積は圧倒的に大きい)あたりになるでしょうか。

 マクロス7 

 艦型的に似ているといえばスター・ウォーズに登場するスター・デストロイヤーですが、帝国軍の主力戦艦であるインペリアル級スター・デストロイヤーが1.6㎞、帝国宇宙艦隊旗艦エグゼキューター級スター・デストロイヤー(スーパー・スター・デストロイヤー)が19㎞となっています。その中間あたりのサイズがヱクセリヲンと言えましょうか。

エグゼキューターとインペリアル級スター・デストロイヤー 

 ちなみにルクシオンは第三世代航宙艦、ヱクセリヲンは第四世代航宙艦となります。第三世代は超光速航行が可能な涙滴型宇宙船。第四世代は宇宙空間でのエーテル(「トップをねらえ!」世界では、宇宙は真空ではなく、昔のSFのようにエーテルで満たされています)の抵抗を考慮した、エーテル流体力学を応用したリフティングボディを持つ超光速宇宙船で、船体や縮退炉などが第三世代のものより大規模になっています。

るくしおん 

 それにしてもルクシオンは全長320mだから、ヱクセリヲンは一気に20倍以上もの大きさになる訳です。ルクシオンは宇宙怪獣と戦うことを想定しておらず(そもそも存在そのものを知らなかった)、全く歯が立たなかったのに対し、ヱクセリヲンは最初から対宇宙怪獣用戦艦として設計されているのです。

JALのシャトルとヱクセリヲンの一部 

 なお、「トップをねらえ!」直後にガイナックが制作したアニメ「ふしぎの海のナディア」に登場するニューノーチラス号は正式名称が「第四世代型超光速恒星間航行用超弩級万能宇宙戦艦ヱクセリヲン」となっていて同名なんですが、大きさは333mとずいぶん小型です。

ナディアのヱクセリヲン 

 閑話休題、見ているうちにヱクセリヲンの巨大さが実感できたノリコに「いいか、真空の宇宙では距離感と大きさに対する感覚が狂う。以後、注意しろ。」と言うコーチ。

シルバースターもでかい 

 そしてシルバースターに向かうシャトル(中央やや上)。こちらも大きいですね。ガンダムのシリンダー型スペースコロニーが人口に膾炙するようになって、こういうドーナツ型の宇宙ステーションは懐かしく感じてしまいます。「2001年宇宙の旅」の「宇宙ステーション5」と形が良く似ています。

2001年宇宙の旅の宇宙ステーション 

 そしてヱクセリヲン艦長タシロ・タツミとの会見を前に、月面基地から来たユング登場。ユング・フロイトという高名な二人の心理学者の名前を繋げたのはどういう訳か。ソ連出身の天才パイロットだそうです。

ユング・フロイト 

 CVは永野センセの奥さん(当時はまだ交際中)の川村万梨阿。永野センセの「重戦機エルガイム」でガウ・ハ・レッシィという赤毛の強気キャラを演じていたことからユング役に抜擢されたそうです。

ガウ・ハ・レッシィ 

 ガンを飛ばし合うユングとカズミにおろおろするノリコ。ユングは「エースをねらえ!」で言えば「加賀のお蘭」こと緑川蘭子といったところでしょうか。ユングはコーチと異母兄弟だったりはしませんけどね。以後どんどん「エースをねらえ!」色は無くなっていきます。

ガンを飛ばしあう二人
緑川蘭子 

 ヱクセリヲン進宙まで訓練を積むということで、マシーン兵器で月まで一周することになりますが、ペアを組むノリコとカズミの前にユングのマシーン兵器が突如登場。偽装工作の上、カズミに勝負を挑みます。

挑戦するユング機 

 ちなみにマシーン兵器はカズミもノリコも沖女で使用していたものをそのまま使っていますが、ノリコ機が「ナウシカ」、カズミ機が「ジゼル」、ユング機が「ミーシャ」という愛称だそうです。ナウシカは完全に沖女仕様で無個性なんですが。

ジャコビニ流星アタック 

 ヱクセリヲン建設現場付近で戦うカズミとユング。ユングの「ジャコビニ流星アタック」を軽々と凌ぐカズミ。これはアストロ球団の「ジャコビニ流星打法」を捩ったものなんでしょうが、迫力に欠けるなあ。せめて某聖闘士の流星拳なみに高速で打撃を繰り出して欲しいものです。

イナズマキックを受ける 

 勝負は白熱してとうとう建設現場内で戦い出す二人。イナズマ反転キックを繰り出すカズミですが、それを受け止めるユング。お互いの技量を褒め合っていますが、戦いはますます伯仲。おろおろと二人の行方を捜すだけのノリコ。

宇宙怪獣の標本を発見 

 とうとう勢いでヱクセリヲンの一部区画を破壊してしまう二人。そこで見たものは…宇宙怪獣の標本でした。すごいや、どうやって入手したんだろう。オオタコーチらが乗っていたルクシオンの脱出艇が持ってきたんでしょうかね。

泣くノリコ 

 「パパは…パパは、こいつに殺されたの?こんな奴に殺されちゃったの?パパぁーーーー!」と泣き叫ぶノリコ。ノリコは毎回泣きますが、今回も一回目来ました。これで勝負は終了。というか入ってはいけない場所に入ったということで、センサーで発見されてしまいました。

怒るコーチ 

 当然コーチはお冠です。「訓練中の離脱。軍施設への不法侵入。未だに機密になっている敵標本の露見。どれ一つとっても、重営倉行きは免れんものばかりだ!」とのことですが、それではシゴくことができないので、書類はタシロ艦長で止めてもらったそうです。ノリコとカズミにはバスターマシーンを預けるつもりなので、遊ばせておくわけにはいかないという裏事情もあるんでしょうが、当然二人はまだ知りません。

お風呂Timeその1 

 さあ来たぞサービスタイム。シルバースターのお風呂でパパンの思い出を語るノリコ。宇宙ステーションだけどリングが回転することによる遠心力で疑似重力を生み出している訳ですね。

お風呂Timeその2 

 そこへユングもやって来ます。彼女も別のところで絞られたでしょうが、やはり営倉入りは逃れた模様。こいつが一番悪いんですけど…さすが天才。

お風呂Timeその3 

 そしてさっきまでの勝負とは裏腹にやけにフレンドリーなユング。「人見知り」だからあんなことになったんだそうです。その後はユングの話術ですっかりペースを握られっぱなしの二人でした。ユングはコーチに好意を持ったようですが、カズミにライバル出現か。

女風呂を覗くマシーン兵器 

 そこを通りかかり、女風呂を覗きながら通過していくマシーン兵器の集団。気持ちはわかる(笑)。当然男性パイロットなんでしょうが、なぜ男女別に別れて訓練しているのかちょっと謎。マシーン兵器だと男女の能力差はなさそうですが。主に人員管理面?皆高校生くらいだから仕方ないのでしょうかね。

謎の物体接近 

 そしてシルバースターの司令室に警報が。謎の物体が光速の99.8%という速度で太陽系に接近中だそうです。海王星付近をかすめる程度ですが、質量の大きさが気になるというタシロ艦長。マラソン訓練に出ているマシーン兵器の練習艦の外部エンジンでマシーン兵器を2機、亜光速まで加速できるということで、オオタコーチはカズミとノリコを行かせることにします。ここで「ガンバスターの候補」というセリフが出てきまして、まだ見ぬガンバスターに期待が高まる訳ですが、まだまだ登場しませんよ。

ロケットエンジンにまたがる二人 

 これを機会に光の速度を体験させておきたいということで、コーチもシルバースターから回収艇で出ます。全作戦時間は10分ですが、亜光速で1分経過すると地球では3か月が過ぎてしまうという「ウラシマ効果」がここで登場。これは以後「トップをねらえ!」の根幹に関わるテーマになります。

ウラシマ効果 

 相対性理論では、運動している状態によって時間の進み方が異なることが示されており、ある速度で動いている観測者の時計の進み方は、それより遅い速度か静止している観測者の時計よりも進み方が遅くなることが実験的に確認されています。高速で移動するほど時間の流れは遅くなるので、光速に近い宇宙船で宇宙を駆けめぐり、何年か後に出発地点に戻ってきたような場合、出発地点にいた人は年を取り、宇宙船にいた人は年を取らないという現象が生じ、宇宙船は未来への一方通行のタイムマシンの役目を果たすことになります。これがSFで言うところの「ウラシマ効果」です。

「ほしのこえ」のミカコ 

 「ウラシマ効果」は、亀の背中に乗って竜宮城で楽しい日々を過ごした浦島太郎が故郷に帰ってみたら、数百年も経過していたという浦島太郎のおとぎ話に由来していますが、実際浦島太郎が亀ならぬ光速宇宙船で、海でなく宇宙に連れて行かれたのだとすると、この年月の経過も説明がつくというものです。新海誠の「ほしのこえ」もやはりウラシマ効果を扱っていて、超光速航行する宇宙船で宇宙に出たミカコは中学生のままなのに対し、地球に残ったノボルは大学を卒業して大人になっています。

移動物体は… 

 亜光速で追いついた物体は…なんとルクシオンでした。それがわかった瞬間、ノリコはルクシオンに飛び移って行きます。地球では6年前に沈んだとされるルクシオンですが、船内時間はわずか2日しか経過していません。生きているかも知れないとパパンを探し求めるノリコ。

正気を失ったノリコ 

 コーチもマシーン兵器でルクシオンに入ります。第一艦橋の表示を見て無理矢理ドアをこじ開けるノリコ。

ドアの向こうには 

 しかしドアの向こうには…何もありませんでした。ブリッジのある船首は破壊されて消滅していたのです。

ノリコを回収 

 泣き叫ぶノリコを発見したコーチが強制回収。

減速! 

 壁を突き破ってルクシオンを脱出した二人は、カズミが乗る回収艇になんとか収容され、減速します。遅れは12秒。たった12秒ですが、1分で3か月ということは単純計算で18日間の経過…。ただし、それは許容範囲だったようで、「そうか…」というコーチの声に安堵の響きがあります。

ヱクセリヲン完成 

 その間に完成していたヱクセリヲン。回収艇は横付けして3人は戻ります。来週いよいよ出発だということで、かろうじて間に合いました。 

ノリコを慰めるユング 

 進宙式の祝典の最中に帰って来た3人は暖かく歓迎され、ユングは優しい言葉をかけますが、なにしろ皆には6か月前のことでもノリコにはつい今しがたのこと。

 感情を抑えられずに駆け去るノリコ 

  泣き叫びながら駆け去っていくノリコ。そしてウラシマ効果を身を以て経験したノリコは、周囲の人間から取り残される疎外感を初めて感じたのでした。これは年に一回ノリコの誕生日に戻ってきていたパパンも感じていたものなんでしょうが…

ひとりぼっちの誕生日 

 ということで第2話はおしまいです。それでもまだコミカル感が残る第3話のレビューは23日に予定しています。

ユング登場
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