アクティブ・ハート:アイドル真っ盛りだった酒井法子が歌う「トップをねらえ!」OP

年末ジャンボ買いましたか?私は今日買いました。どうせ当たらないだろうけど、買わなきゃもっと当たらない。抽選までの間の夢というか妄想を買っているような気もしますが、いいですよね妄想。お金も掛からないし。

「赤毛のアン」のヒロインのアン・シャーリーは辛い幼少期を「想像の翼」を広げることで耐えてきましたが、私の想像はメガテンの分類に沿えばCHAOS-DARKに違いないので「妄想の翼」とでも言っておきましょう。アンの翼は天使の羽みたいなのだとしたら、私のは蝙蝠のような漆黒の翼で。

さて本日は「なつアニソン」です。90年代に入る前になるべく80年代で攻めたいと思っていたところ、HALさんご指摘の「トップをねらえ!」はギリギリ80年代作品だったのでこれのOPEDを行ってみましょう。まずはOPの「アクティブ・ハート」から。

「トップをねらえ!」はガイナックスの製作で、かの庵野秀明の初監督作品です。もともとガイナックスは「王立宇宙軍〜オネアミスの翼」(1987年)だけを制作して解散するはずの企業でしたが、総制作費8億のところ配給収入は3億5千万弱という(興行的には)大失敗作となってしまいました。見ましたけど…まあ確かに“地味”の一言に尽きる印象でしたね。王国軍と共和国軍の戦闘機同士の空中戦はちょっと良かったけど。

そして多額の負債を抱えたガイナックスが、借金返済のために作ったのが「トップをねらえ!」です。地味な作風でアニメファンへの受けが悪かった「オネアミスの翼」の反省を踏まえ、本作では「作りたいもの」ではなく「売れるもの」を作ろうとした(そうせざるを得なかった)と言えるでしょう。キャラクター原案に「超時空要塞マクロス」などの美少女キャラで人気があった美樹本晴彦を起用し、タイトルから分かるとおり「エースをねらえ!」や「トップガン」などの往年の名作のパロディ的な構成とし、1980年代のオタク文化の集大成的作品とも言われます。当初は明るくとっつきやすい作風ですが、次第にシリアス色を強めていきます。

主人公がタカヤ・ノリコ、CVが日高のり子、主題歌を歌うのが酒井法子と“トリプルノリコ”が売りになっていました。ジェットストリーム・アタックでもかけてきそうですな。当初は当時バリバリのアイドルだった酒井法子を主役に起用することを検討していたそうです。

確かに某M崎作品みたいに女優とか俳優を起用すれば話題作りにはなるので、もし実現していたら当初の話題性は上がったことでしょう。が、しかし。子役の経歴もなく、86年にデビューしたアイドルにまともな演技が出来たとは思えません。多分大方のアニメファンからは激しいブーイングを浴びることになっていたでしょう。

日高のり子もアイドルから声優に転進した人ですが、アイドルとしては全くと言っていいほど売れず、「タッチ」の浅倉南でブレイクするまでは辛酸を舐めており、笑福亭鶴光からは、坂上とし恵・浜田朱里と共に「崖っぷちトリオ」と呼ばれた人でした。声優もダメなら芸能界引退しかないという状況だった彼女の「トップをねらえ!」での鬼気迫るような演技(特に終盤)を聴いたら、のりピーにしなくて良かったとつくづく思います。

まあ作品の話題はまた後日ということで本日は「アクティブ・ハート」に専念しましょう。情報を仕入れようとWikipediaを見たらですね、「アクティブ・ハート」は1988年9月21日リリースの7thシングル「HAPPY AGAIN」のカップリング曲だと記述されているのですが……ジャケ絵をよくみていただきたい。

(中村義洋の声で)おわかりいただけただろうか……。拡大したら「B/W・きらいよ……」となっていました。これは白いクスリの呪いとでも言うのだろうか…?なおB/Wはキングやビクターなどが使っていた表記でbacked with の略です。意味はC/Wとほぼ同じですが、レコードは裏表があったのでそういう表記もあったんでしょうね。

ということで「アクティブ・ハート」はシングルカットされていないということになりそうです。アルバムには、1988年8月21日リリースの4thアルバム「LOVELY TIMES / NORIKO PartⅢ」に収録されています。4枚目なのにPartⅢなのは、2ndアルバムの「夢冒険」(同名シングルもありますが)が「NORIKO SPECIAL」だからです(どうでもいい蘊蓄ですなあ)。

しかし楽曲的にはシングルカットしても全然おかしくない出来だと思います。先ほど出た4thシングル「夢冒険」はNHKアニメ「アニメ三銃士」の主題歌になっており、前例がないということもないのですが。ただ、この時期ののりピーのシングルラインナップは穴がないからなあ……あ、「のりピー音頭」(1988年7月6日リリース)に差し替えるというのはどうでしょうか?

「アクティブ・ハート」は作詞:森浩美、作曲:西木栄二、編曲:船山基紀です。森浩美は名前からして女性かと思ったら男性でした。SMAPの楽曲を多数作詞しているほか、のりピーの初期楽曲にも携わっています。作家・脚本家としても盛んに活動していますね。

西木栄二は70年代にフォーク・グループ「猫」に短期間在籍後、小室等&ザ・ファクトリーや、シティ・ポップ・バンド カーニバルのメンバーとして活動歴のあるギタリストで、80年代は作・編曲家として本田美奈子や酒井法子、伊藤さやかなどに楽曲提供をしていました。

あなたの後ろから 坂道駆けて行く
焦げるような日差しを 追い抜いて
大きく弾んでる 背中に追いつくと
あなたの体温が伝わるわ

風を切るたび気持ちよくって
胸が膨らむ 望みは高く
High High High High
包まれたい のびやかにね
二人のまま 距離はZEROになってく
I love you

アクティブな心で 話はできるから
掌つかんだら 感じてね
星がきっと降る頃 流星のようにね
二つの心から光り出す

願い事なら声にするから
強くいつでも 二人のために
Say Say Say Say
止まらないで きらめく夢
自由なまま 未来も抱きしめるの
I need you

風を切るたび気持ちよくって
胸が膨らむ 望みは高く
High High High High
包まれたい のびやかにね
二人のまま 距離はZEROになってく
I love you

それでは聴いてみて下さい。まずはこれがなくっちゃ始まらないというOVAオープニング版。映像は1~2話の頃の雰囲気ですが、シリアスさを増していった4話以降は使用されなくなりました。そもそもOPに主役メカのガンバスターが登場していないという。女性キャラの衣服の露出の高さは、やはり狙っているんでしょうね、思いっきり。
こちらはフルバージョン。これを聴くと放映版がイントロもはしょっていることがわかります。イラスト一杯でいいですね。
酒井法子の生歌です。ダンサーを多数従えて元気に踊っています。どうしてああなった(涙)。
少し年がいってからのものと見受けられますが、やはり元気いっぱいなライブ版。1440pのHDです。だからどうして(ry
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