ウィザーズハーモニー:思い出した限りなくギャルゲーに近い育成ゲー

ドカ雪の後はそれほど雪が降らないので、本日は小雪の中、豊平川河川敷を奪還し、走破ならぬ歩破してきました。やはり河川敷はいいです。脇を走る車の排気ガスや泥はねを気にすることもないし、信号もないし。でも油断したら危うく転びかけました。危ない危ない。前回の冬は12月に2回、1月に1回転びましたが、今年はゼロで行きたいんですよ。

転ぶ時って、転ぶまいとすることもあって体に力が入っているので転倒時に余計ダメージがあるような。ぐにゃぐにゃに力を抜いていればあんまり痛くないのかも知れませんが、あえて試してみたくはありません。あと、倒れるなら前じゃなく後ろに。膝とか胸とか打つとダメージ半端ないです。後ろなら頭さえ守れればお尻が引き受けてくれるのでだいたい打ち身程度で済みます。

本日は、昔のゲーソンを思い出して探していたら発掘してしまった未紹介ゲーム「ウィザーズハーモニー」を紹介したいと思います。ついでに主題歌も紹介します。

「ウィザーズハーモニー」はアークシステムワークスが1995年12月29日にプレステ及びセガサターン版を同時発売した、剣と魔法のファンタジー世界を舞台とする、アドベンチャーゲーム+育成シミュレーションゲームです。自称「そだベンチャー」と言っていましたが、プレイしてみると基本普通に育成シミュレーションでした。

冒険者養成学校「スキル・アンド・ウィズタム」(だいたい高校相当)の3年生である主人公ルーファス(マイキャラ)は、天才ながら大問題児のデイル先輩のせいで廃部寸前になった名門魔法クラブ「ウィザーズアカデミー」を立て直さなければならなくなります。1週間以内に5人以上の部員を集め、年3回の魔法検定試験に一定以上の成績で合格しなければ廃部という厳しい条件を課されているので、学年や男女を問わずとにかく新部員を集め、鍛え上げてテストに合格させて廃部を回避することが目的となります。

なぜギャルゲーとして取り上げなかったかと言うとですね……

ゲーム期間は4月から年明けの3月までの1年間で、最初に育成するキャラクターを5人勧誘し、平日には主人公自身と部員を育成し、週末は自由行動となります。合間合間に部室で噂を聞くと発生する「自発イベント」や、該当キャラが所属していて特定の日付を迎えると発生する「突発イベント」が発生したりします。

各学期ごとに期末テストがあり、合格しないとゲームオーバーになってしまいます。 4教科×部員6人(自分含む)の計24のうち、12が合格すればクリアとなるので、それほど厳しくはない…かな? 各キャラクターに一週間ずつスケジュールを割り振り、魔法技能や親密度を育成・上昇させていくのですが、キャラとの親密度と学習効率を両立させるようにスケジュールを組まなければなりません。部長というよりはジャーマネですね。

キャラ毎に相関する相性が設定されているので、相性のいいキャラ同士で同じ教科を勉強させると育成効率が上がりますが、相性の悪いキャラ同士だと効率が下がります。主人公も加わって同じスケジュールを組むと、相性の悪いキャラ同士であも育成効率の悪化を防ぐとことができ、交友関係の改善も図れますが、体は一つしか無いですから。

仲良くなった部員、もしくは特定の条件を満たした相手とエンディングを迎えることになりますが、当然のことながら男性部員とのエンディングもあったりします。ウホッと思ったあなた、安心して下さい、ホモりませんよ。

操作性は良く、1回のクリアまでは4~5時間程度で、慣れてくるとクリアまで2時間弱で手軽に楽しめます。またよくイベントが発生し、同じイベントでもキャラクターが変わると展開が根本的に変わるなど、飽きがこないように工夫されています。

じゃあ評価が高い良ゲーなのかと思うでしょう?ところがどっこい、本作は思いっきりクソゲー扱いされてしまっています。なぜかと言えば、ギャルゲーではないけど限りなくギャルゲーに近い本作において、ギャルゲーとして大切な二大要素に致命的な欠陥を抱えていたからです。

欠陥その1:声優さん
声優がまともだったらクソゲー扱いされていなかった可能性が高いとさえ言われるほどの大欠点。もうね、そこら辺の一般人を連れてきてアフレコしたのか言いたくなるほどの酷さです。聴いてもらえば一目瞭然だと思いますのでこれを。
本作のオープニングと各キャラの勧誘状況をまとめています。まあスゴイでしょう?一番最後に登場するアリシアだけはまともな演技をしているのですが、神声優かと思ってしまうほどにそれまでの声優さん(?)が凄すぎます。開発費の問題などがあって有名声優を使えないといった事情はあったんでしょうけど…。かの傑作ギャルゲー「ときめきメモリアル」も低予算ゆえに有名声優を起用できず、結果「素人を起用して成功を収めた」なんて言われたりしていましたが、演技の質はこれほど低くはありませんでした。本作ではこんなんでお金取っていいのかと小一時間問い詰めたくなるレベルです。

メーカー側もこの問題を自覚していた節があり、なんとスタートボタン一つで音声のON/OFF切り替えが可能という仕様になっていました。システムメニューから変更可能というのはよくありますが、これほどのお手軽切り替えは現在ですら珍しいほどです。

欠陥その2:グラフィック
キャラクターデザインを担当したのはmoo(当時は村瀬将人)ですが、この時期はまだ未熟で、褒められるクオリティにはなっていませんでした。後に人気デザイナーとなることから分かるように、基本センスは決して悪くないのですが、オープニングムービーや立ち絵から受け印象は残念ながら「下手」でした。

おそらく下絵の画力が低かったというよりは、CGに起こす上での「塗り」の技術が不足していたせいではないかと思われますが、何しろ声の演技が凄まじいこともあって、相乗効果で一層「下手くそ」という心証になったのではないかと思われます。

さらにゲーム開始直後の部員勧誘イベントが不親切極まりなく、思い通りに部員を集めることはほぼ不可能で、運任せになってしまいます。人数が揃わなかった場合でも、救済処置として教官が足りない分のメンバーをランダムに集めてくるのでいきなりゲームオーバーにはなりませんが、やっぱり「この子を育ててみたい」とかあるじゃないですか。それが思うように行かないというのはストレスでした。

ということで、最大の問題点が声と絵という、ぱっと見すぐに分かってしまう部分だったということと、プレイ冒頭の不親切設定が相まって、出オチならぬ出クソゲーとして、早い段階から評価が定まってしまいました。私は一応そこをくぐり抜けて何度かプレイしたのですが…やはりイマイチ(否、イマニイマサン)感が払拭できないまま売り払ってしまいました。

私はプレイしていませんが、続編として「2」と「R」があり、ちゃんとした声優を起用したことでクソゲーと呼ばれることはなくなったそうで、概ね好意的に評価されているようです。

主題歌の「きっとかなえられる未来」。歌・作詞: 井上佳子、作曲・編曲:成富聡一です。井上佳子という人はゲーム本編ではシンシアという主人公の幼馴染みの猫娘を演じていますが、なぜこの人を起用したのか、さらにはなぜ歌まで歌わせたしと思います。今はどうしているんでしょうね。同名の個性派女優さんがいるのですが……経歴には出てないから多分違うのでしょう(黒歴史として抹消したかも知れないけど)。

空に浮かんだ
月は今夜ミステリー
夢か幻 魔法にかかっているの
さがしてるもの
何か見つけるため
七色の海に 私 今降りたの
時間もノイズも
みんな消えてゆくわ
すべてのメモリを
ゼロにしたいの
大人になりたいの
子供にもどりたいの
わからないわ
欲しかったものはどこ
捨ててきたものはどこ
未来 目覚めさせて
震えていないで 難しくないわ
飾りをぬぎすて 自分をみつめて
ハードルを乗り越えて
今 手に入れたもの
ダイアモンド
嘘じゃない 夢じゃない
信じて みがくのよ
きっと
大人になりたいの
子供にもどりたいの
わからないわ
欲しかったものはどこ
捨ててきたものはどこ
未来 目覚めさせて

それでは聴いてみて下さい。OP映像も見られるお得版です。このOPだけて本作の問題点が余すところなく表されているような気がします。
すっかりディスってしまった形になりましたが、本作を愛するファンは結構いて、声と絵以外は優れた要素も多いゲームだったので、本作を起点に「2」「R」「復刻版」など「ウィザーズハーモニー」シリーズと、「エターナルメロディ」「悠久幻想曲」という人気シリーズを作る原動力になりました。私も名前だけは聞いたことのある有名作品です。でもプレイしなかったのは、キャラ絵が似ている本作で懲りてしまったから…

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