2015年秋季アニメ終盤に向けての感想(その3):ハッカドール、ごちうさ

最高気温11度ど秋のような気温の札幌は一日雨模様。雪よ溶けろ溶けろ。でもまた明日からは気温が下がって雪模様なんですが。冬将軍よ、どうか下旬頃までは根雪は待ってくれんかね。

さて秋季アニメの感想最終回です。まずは「ハッカドール」。9話まで見ました。全く期待せずに見たせいもあって、その面白さにはびっくりぽんやわ!

原作はマンガでもゲームでもなく、なんとスマホ用のニュースアプリ。オタク向けのニュースを収集する、キュレーションアプリで、「君にシンクロするニュースアプリ」を標榜しています。名前の由来は「情報収集が『はかどる』」ことからで、捗る→ハカドル→ハッカドール。

アニメでは“2XXX年、過度な情報社会において情報に溺れる人間を必要な情報に導くために創造された、マテリアルボディを有した自立思考型ナビゲータープログラム”という設定になっています。主人公のハッカドール1号・2号・3号は、前期型・中期型が世界各地で貢献している中で登場した後期型ということになっています。通常は発展改良型になっていると期待されるのですが…

なんと後期型はコピーによる劣化の末にダメダメでポンコツになっているという設定になっています。アニメではオリジナルキャラとして、上司的な立場のハッカドール0号と、ハッカドールの集大成と期待されながら、その実ポンコツの集大成になってしまったハッカドール4号も登場しており、ハッカドールを利用する人々が毎回ゲストとして登場しています。

10分アニメで正味は8分もないのですが、まとまりは非常に良く、パロディギャグをこれでもかとぶち込んでいます。これだけアニメ作品が乱立する状況では、良作を作るには正直10分尺が限界なんではないかとさえ思えてきます。

第7話「KUROBAKO」は言わずと知れた「SHIROBAKO」のパロディですが、アニメ業界の内幕を生々しく描いた問題作でした。

アニメ好きなハッカドール1号は大好きな「モバミちゃん」の制作を手伝うことになって、喜び勇んで出かけます。

しかし、そこは1号が思っていたのとは全然違う世界でした。どこででも寝れる屈強(?)な男達はさながら「がっこうぐらし!」の“彼ら”みたいです。そういえば「がっこうぐらし!」でも「スタジオぐらし!」「会社ぐらし!」の濃いギャグがさりげなくぶち込まれていましたっけ。

1号の仕事は制作進行。やばい雰囲気の上司・浦上が言うには、「制作ってのは、原画、動画、撮影、編集などのアニメ制作現場全体を回すクソな仕事だ」そうです。

バリバリ働く1号。こんなに真面目な1号は初めて見るぞ(笑)。しかしいくら頑張ってもなかなか上手くいきません。


疲労とストレスによりたちまち1号はこんな顔に。実は4号も制作進行をしていましたが、ギスギスした職場の雰囲気に耐えかねて逃走。そのしわ寄せはさらに1号に。脳天気すぐる1号はあんまり好きではなかったのですが、今回は同情します。

アフレコに行くと聞いて元気になった1号。声優さんに会える!

…喜びも束の間、挨拶も出来ませんでした。「なんか、同じもの作ってる感じしなかったですね…」と呟く1号に「住んでる世界が違うんだよ」とクールな浦上。「それが声優!」では華やかに見えて実は過酷な声優業界が描かれていましたが、さらなる地獄がここにあった。

ボロボロになった1号。なおも仕事は続けているところは偉いですが…目が死んでます。


2号と3号が慰問にやってきました。慌てて消え去る1号ちゃん(もう可哀想で「ちゃん」ぐらい付けてやらんと見てられません)。給湯室で髪を洗ってきたそうです。1週間風呂にも入っていないそうです。仲間同士でもそういうところを気にするということは、極限状態でも「女の子」は捨ててなかったということか。しかし刑務所以下の環境ですな。

2号の優しい言葉に胸に飛び込んで泣く1号ちゃん。「なんか想像とちがいました……皆ギスギスしてるし、不条理だし……もう帰りたいです!!」そこで2号と3号も手伝うことになりましたが。


ここで突如「トップをねらえ!」最終話のパロディに。宇宙怪獣との死闘並みの戦いなんですね。皆顔変わっちゃったし。

ようやく完成。作画崩壊していたような気もしますが、監督は「ま、こんなもんだろ」と。しかしもう大阪の放送局に届けるのは無理な時間でした。コンクール3回目の総集編とか(笑)。まだ7話なのにやばすぎでしょうが。


しかし、奇跡は起きます!起こしてみせます!とタカヤノリコ化した1号ちゃん。まだ戦うというのかハッカドール!

「ハッカドールなら行けます!3人で行きます!!」なんと力を合わせてワープでお届け。さすがはAI!オレ達にできないことを(ry。


納品してきました!!と「我がドイツの医学薬学は世界一ィィィ!」なシュトロハイムばりの敬礼を見せるハッカドール。本作初の任務完了ではなかろうか。

しかし「次の話数もよろしくな」と軽く言われて精神崩壊。ヤバイ笑い方で走り去っていきます。

やっぱりアニメは、家で見るのが1番ですね~!!と満面の笑顔の1号ちゃん。なんかアニメ業界の闇を垣間見たような気がします。神回ではなかろうか。

中の人のコメント。まずは今回の主役・1号ちゃん役の高木美佑。

続いて私のお気に入りの2号役の奥野香耶。

そして今回一言しかセリフがなかった3号役の山下七海。

最後に敵前逃亡した4号役の上田麗奈。

10分アニメなので一気見も楽ですから、もし興味が出たらこれからでもぜひ見てみて下さい。

さあ大トリは「ご注文はうさぎですか??」。「ハッカドール」は今季最高のアニメと認定しておりますが、「ごちうさ」は別格です。私の心の癒やしなので、他と比較にはなりません。「ごちうさ」があるから生きていけます。8話まで視聴。もうすぐ終わってしまうかと思うとそれだけで鬱になりそう。

今回は第2期で第1期「ご注文はうさぎですか?」直後から続いている話なのでもはや内容に解説は要りません。皆仲良くなっているので青山ブルーマウンテンも最初から登場。

内容はないよう!いや、内容なんて何でも良いという訳ではなく、もはやあるがままをそのまま受け入れるだけという心境にある訳ですが…可愛い女の子を見ているだけでこんなにも心が癒やされるものなのか。

今回は6~7話でココアの姉・モカが登場。CV茅野愛衣というのは最初から世界に溶け込むのが「約束された勝利の剣」なキャスティングですな。きっと「がっこうぐらし!」で悲惨な最期を遂げためぐねえが転生した姿なんだよ。この世界では思う存分楽しく暮らしてね。

そして判明したことは、何かとおねえさんぶるココアは、実は圧倒的姉オーラを持つモカの真似をしていたのに過ぎないという事実。パン作りのテクや、国際弁護士へに憧れなど、ココアのアイディンティティの多くはモカ由来だったんですね。

その他、メグのママンとかリゼのパパンも登場してきました。今回は「家族が増えるよ!やったねチノちゃん!」的展開というべきか(おいやめろ)。娘の苦境を救うためにも一番登場してくるべきシャロの両親が登場しないのはなぜか。出せぬ理由(ワケ)でもあるんでしょうかね?

第1期OP「Daydream café」はアニメ史上に残る傑作だと思いますが、さすがは「ごちうさ」、第2期OP「ノーポイッ!」も負けず劣らずの傑作です。作詞作曲歌唱が全て同一とはいえ、2連続で新曲を紡ぎ出してくるとは。いずれ別途しっかり紹介します。

さらに今期はED「ときめきポポロン♪」も実にあざといほどに凶悪に可愛くて。私はロリコンではありませんが、ノンケをもロリコンにしてしまう破壊力がこの歌と動画にはあります。「チマメ隊」に開眼しちゃいそうです。

ところで、悪人がおらず幸せに満ち満ちた「ごちうさ」世界ではありますが、時間だけはちゃんと流れているらしく、ココア・千夜・シャロは高校二年生に、リゼは高校三年生に、チマメ隊は中学三年生に進級しました。ということは、どんなに楽しくてもいつかは終わる時が来るということで…リゼ卒業(学校もラビットハウスも)とかチマメ隊解散なんかもいずれもは来るんですね。諸行無常とはいえ悲しいことです。せめて「ごちうさ」世界だけは涅槃のように永遠の幸福に満ちた世界であって欲しかったのですが。

とはいえ、「サザエさん」的世界になっても中の人は年を取っていくわけだし…時を止めず、いずれ終わる世界というのはむしろ救いなのでしょうか。

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