2015年秋季アニメ終盤に向けての感想(その1):対魔導学園、櫻子さん、すべてがF、終物語

今年も押し詰まってきましていよいよ12月になりました。恒例の「新語・流行語大賞」、今年はプロ野球で打率3割、ホームラン30本、30盗塁を同時に記録する「トリプルスリー」と、外国人観光客などのお土産が大量購入の「爆買い」が年間大賞に選ばれました。「安心してください、穿いてますよ。」はトップテン入りしましたが、上半期にあれほど流行っていた「ラッスンゴレライ」とか「あったかいんだから」は跡形もなくなってしまいました。流行廃りは本当に早いですね。

ということで、通例1クールしか放映しないアニメ作品も流行廃りが激しいので、終盤に入り掛かった秋季アニメの感想など行ってみましょう。今回はなるべく手短に。
① 対魔導学園35試験小隊

6話まで視聴して打ち切りました。最大の原因は好きになれるキャラがいなかったことでしょうか。35試験小隊は隊長以外全員女の子という絵に描いたようなハーレム仕様だったんですが、肝心な女の子達に魅力を感じませんでした。

唯一人外の草薙ラピスには期待したのですが…彼女を好きになる前に、視聴するのが苦痛になってしまいました。イヤイヤ見る必要などどこにもありませんので、見るのが辛くなったら即、打ち切りです。なのでこの作品については感想もここまで。
② 櫻子さんの足下には死体が埋まっている

8話まで視聴。推理ものらしく前後編ものも入っています(4-5話と7-8話)。6話みたいに実際は何も起きていない話もありますが、それはそれで「彼女はなぜそうしたのか」という謎を解いているのでよしとしましょう。

基本的には「日常の謎」系の謎解き譚なのですが、「呪われた男」では実際に人が死にかけたし、事件を唆す謎の存在が出現していたので、今後櫻子さんに絡んでくるのか要注目でしょう。絡んでくるなら一気に「日常の謎」から離れてくる可能性がありますが、どうやらその気配が濃厚のような。

北海道の旭川市を舞台にしているということと、櫻子さんのCVが“私の嫁”声優伊藤静ということ、鴻上百合子がカワイイということで視聴を継続しております。が、問題点や疑問も目立つ作品です。
問題1:櫻子さんにはなぜ探偵の素養があるのか?

金持ちのお嬢様で食うに困らないので、収入がどれほどか不明な標本士(そもそも職業ではなく趣味にしている気配も)として、生活に追われるこちとらから見ればいかにも気楽そうに生きていそうな人ですが、骨や死体に関係する知識が豊富なのはまあ分かるとして、彼女の知識は明らかにその領域を超えているような気がします。人間嫌いな彼女が趣味の領域を超えて探偵としての素養を持っているのであれば、何らかの形で説明があるといいのですが。最近登場してきた「ベッドの人」に絡んでいるならそれで結構ですが。
問題2:館脇正太郎が相当ウザイ

奇人である櫻子の相方としては、平凡ながら対外的インターフェース(ホームズにとってのワトソン)の役割を果たして欲しいところですが、うまいこと機能していません。一介の高校生に期待する方が間違っているのかも知れませんが、彼がなすべきは櫻子さんの行動をとがめることではなく、彼女の行動の理由をうまく他の人に理解させることではないかと思うのですが……。多分彼自身が櫻子さんを全く理解できていないのでしょうが、序盤を除き、むしろいない方がいいのではないかと思うくらい鬱陶しいです。

櫻子さんがあんまり使えない正太郎を構っているのは昔亡くした幼い弟の面影を持っているからのようですが、その件もやはりいろいろと現在に絡んでくるのではないでしょうかね。「遠い過去の犯罪は長い影を引く」といいますし。
問題3:只者ではない?磯崎先生

正太郎や鴻上さんのクラスの担任で、生物教師の磯崎先生。イケメンながら、少々残念な性格として描かれていますが、第6話「アサヒ・ブリッジ・イレギュラーズ」では人の生死に関して独特の見解を持っていて鴻上さんと結構激しくぶつかっていました。それ自体は構わないのですが、鴻上さんには最近起きた祖母の死に絡んで、どうしても人を助けたいという気持ちがあるのは理解できるのですが、磯崎先生にも何やら過去にいわくがあるのではないでしょうか。CVが石田彰ということで期待しすぎているのかも知れませんが、今後思いも描けない黒幕的存在だったりするといいな。

③ すべてがFになる-THE PERFECT INSIDER-

こちらも8話まで視聴。既に事件は発生しているのですが、まだ殺しは起きるのか。今後はトリックの解明が主となるのではないかと思いますが。推理ものなので結構見入ってしまうのではありますが、この作品にも問題が。

問題1:キャラデザイン

好き好きと言ってしまえばそれまでですし、萌えキャラを作るだけが能ではないこともわかります。わかりますが…好意を持てないキャラばかりにする必然性はあるんでしょうかね?もしかすると好意を持てないキャラデザインにしたことに何らかの意味があるのかも知れませんが。
問題2:過去の事件との関連

毎回物語の終盤に15年前に起きた事件の一部始終が語られますが、当然今回の事件と大きな関わりがあるのでしょうが、描き方がわかりにくいのですよね。「わかり難さ」が仕様なのでしょうか、それともカギなのでしょうか。「-THE PERFECT INSIDER-」というサブタイトルが気になります。“完全なる内部の人”って…?

問題3:やはり好きになれない主人公達

主人公を犀川創平にするべきか、西之園萌絵にするべきか、はたまた真賀田四季(多分一連の事件の犯人で現在妹に化けていると思いますが、だとすると「四季の死体」とされているのが誰なのか)にするべきなのか。いずれにしても一つだけ分かっているのは、どいつもこいつも好きになれないということ(笑)。「対魔導学園35小隊」と同じですが、それでも視聴が続けられるのはやはり物語性の差でしょうか。脇役でもいいから一人くらいカワイイキャラを作って欲しかったです。

④ 終物語

9話まで視聴。6話で老倉育編が終了して7話からは忍野忍編に入っている模様です。それはいいのだけど、6話までは10月下旬の話だったのに、7話からは8月下旬に時間が巻き戻されています。それは別にいいのですが、「〈物語〉シリーズ」自体が、基本的に阿良々木暦と愉快な仲間達のおよそ1年間(概ね阿良々木暦の高校三年生の間)に起きた出来事(エピソードによっては過去に遡及したり別の時間軸に入ったりもしていますが)なのですが、シリーズが長くなったことで、各エピソードと発生日時がかなり入り乱れてまぜこぜになってしまっています。

西尾維新のことだから、決定的な破綻がないようにしているんでしょうけど、ウィキペディの「〈物語〉シリーズ」の“主な出来事”(タイムライン)の8月下旬頃はえらいことになっています。

杞憂かもしれませんが、阿良々木暦(と愉快な仲間達)は時間軸に沿って生きている訳で、エピソードの語られ方が時間を遡ったりするのはいいとしても、彼らまでが未来の出来事に関する知識・経験を持っていてはいけないのですが…どうも見ているこちらがいろいろと知りすぎてしまっているせいか、阿良々木暦のメンタリティーがすっかり変わってしまっているかのような気分になってしまいます。

そして演じている声優さんもそうなってやしないだろうかと…まあ杞憂なんでしょうけどね。でもタイムライン順にシリーズを順次見てみたいと思ってしまいます。そうしたら、大して日が離れていないエピソードのはずなのに、キャラの雰囲気がずいぶん変わっているなあということになってやしないでしょうかね。

もうここまで見たらシリーズの最後まで見届けさせて貰う所存ですが、何というか…独特の表現方法がやや鼻についてきたなあというのが偽らざる感想ですね。一発激しいバトルでも入れてくれると個人的にはすかっとするのですが、期待させておいてなかなかにそういう描写をしてくれないのが「〈物語〉シリーズ」のクオリティだからなあ。

あと、老倉編はミステリー風だったけど、謎解きはかなりしょぼかったのでがっかりでした。死体が腐敗しつくしたとしても、骨は消えないんじゃないですか?消えたら櫻子さんの商売は上がったりだし。いくら汚部屋とはいえ、故意でなければ隠しおおせないような気がしますけど。

さあ残りはあと5作です。楽しみは後に取っておくタイプですが、5本もあってはやはりあと2回は必要でしょうね。

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