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記憶に残る一言(その52):ねずみ男のセリフ(ゲゲゲの鬼太郎)

いよいよ12月に
 11月ももう終わりですね。大好きな月が終わってしまいます。12月も華やかで嫌いではないのですが、静かで落ち着いた11月が好きでした。しかし過ぎたものは仕方ありません。これからは派手なイルミネーションで攻めましょう。

水木しげる

 そうそう、水木しげるが亡くなってしまいました。93歳ということで大往生ということになるかと思いますが、紙芝居作家を経て貸本漫画家としてデビューしたのは36歳の時ということで、漫画家としては非常に遅咲きの人でした。その代わりその後50年以上漫画家として過ごし、文化功労者となり、結婚後の生活について描かれた2010年上半期のNHKの朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」も大きな反響を呼びました。

ゲゲゲの女房

 左腕を失うなど、戦争では文字通り地獄を見てきた人ですが、そのせいか実にシニカルというか言動に「吹っ切れている」感がありましたね。自殺者の増加についてコメントを求められて、「彼らは死ぬのが幸せなのだから(好きで死ぬのだから)死なせてやればいい。どうして止めるんですか。彼ら(軍人達)は生きたくても生きられなかったんです。」と言ったりしています。

ねずみ男

 水木しげる本人にも名言はいろいろあるのですが、二次元を主として取り扱う当ブログなので、ここは水木作品のキャラの名言を取り上げたいと思います。ということで、水木しげるが「最も好きなキャラクターは」等の質問で即答していた「ねずみ男」の名言(迷言)を紹介したいと思います。

ねずみ男と鬼太郎

 ねずみ男は水木しげる本人のほか、窮乏生活を送っていた貸本漫画家時代の先輩漫画家がモデルになっているとされており、窮乏を切り抜けようと策を練る先輩漫画家の逞しさと、ひょうきんで憎めない人柄を反映したのだそうです。「ゲゲゲの女房」では、幼なじみで儲け話に目ざといが、憎めない人柄の「浦木克夫」(杉浦太陽)が「ねずみ男」のモデルであるという独自の設定になっていました。

ねずみ男フィギュア

 水木しげるは睡眠と食に執着心が強く、大家となってからも長く辛い貧乏生活のせいで儲けにことさら敏感でしたが、そういう面はねずみ男にも反映されているような気がします。

ビビビビンタ
 
 ねずみ男はゲゲゲの鬼太郎の原作である「墓場鬼太郎」から登場していますが、お気に入りキャラであることもあって、鬼太郎以外の作品にもスターシステムのような形でよく登場しています。たいていは悪役なのですが、神様、フランスから来た腰巻きデザイナーの「カルダン」、フランス兵、上忍、俳諧師、バーテンダー、悪徳議員など、多彩な役柄もこなしています。赤塚不二夫キャラでのニャロメに近いかもしれません。

ウソ家系図

 ねずみ男の出自については、妖怪と人間のハーフ(半妖怪)かと思っていましたが、ネズミだけが棲息する島になぜか一人だけ産まれた人だとか、この世とあの世の境に住「ねずみ男の世界」(海と陸の間にあるバイストン・ウェルみたいですな)が存在し、そこからこの世に迷い込んだのだという設定もあるので一定していません。上の画像(死神×人間の女性)みたいにウソ家系図で騙されたりもしています。

ビビビビンタその2

 自称は「ビビビのねずみ男」。「ゲゲゲの鬼太郎」の向こうを張っているということもあるでしょうが、、「ビビビ!」という効果音を伴う強力なビンタが由来ではないかと。強力だけど鬼太郎とか人間相手に放つことが多く、悪妖怪には滅多に出さないところがねずみ男クオリティ(笑)。

鬼太郎にもビンタ

 自称怪奇愛好家、怪奇研究家で、自身も300年以上も生き続けています。それは半妖怪というより妖怪そのものでいいような気がしますが。特徴的なローブを纏ったその姿はインド乞食と呼ばれることもあります。

グレーローブ版ねずみ男

 一応鬼太郎の仲間ではあるのですが、仲間意識があるとは言いがたく、常に強い方や儲かる方の味方につく習性があります。鬼太郎のことを親友だと言いうながら、自分の命や金儲けのためとなると平然と裏切るほか、むしろ自分の目的のためならば積極的に鬼太郎を殺しにかかったりします。

お金大好きねずみ男

 その他、詳細に書くと当ブログの品位(あったのか、そんなもん?)を落としかねない不潔さも特徴で、一言で言えば救いようのないキャラクター性を持っているのですが、こうなったのは半妖怪として人からも妖怪からも蔑まれてきたという悲しい過去が背景にあるようです。アニメ第1期第2期でねずみ男を演じた大塚周夫は、「人間でも妖怪でもお化けでも何でもない存在だから行く場所がなく孤独化して、寂しいからどんどん性格が悪くなっていく」という趣旨のキャラクター分析を行っています。

一緒にしていもいい?

 そのせいか、鬼太郎は時に激怒したり、制裁をくわえたり、絶交宣言をすることはあるものの、ねずみ男の悪事を大抵は許して元の関係に納まっています。ルパンにとっての峰不二子的存在なんでしょうか?でもねずみ男と一緒にしたら不二子ちゃんがカワイソすぐる。

鬼太郎と仲間達

 もともと水木しげるは勧善懲悪的なヒーロー物語を好んでいなかったのに、鬼太郎が編集サイドの要望により第に超能力で妖怪と戦うヒーローと化していったことから、水木しげるのスタンスに近いねずみ男の活躍が増えていったのではないかという見方もあります。水木しげる自身、「鬼太郎は馬鹿でしょう。正義の味方だから、スーパーマンみたいなもんだから。(中略)…金とか幸せについて考えないのです。だからねずみ男を出さないと物語が安定しないのです」と語っています。

ねずみ男と猫娘

 そんなねずみ男に水木しげるが語らせた名言集がこちら。まずは「けんかはよせ 腹がへるぞ」

けんかはよせ 腹がへるぞ

 鬼太郎と入った食堂で、ケンカを始めたとなりのテーブルのチンピラに放ったセリフです。実にクールですな。ねずみ男のセリフとしては非常に有名で、同名のタイトルの著作にもなっています。

けんかはよせ腹がへるぞ 本

 続いて目玉のおやじとのやりとり。敵に加勢していたものの、一反木綿に諭されて鬼太郎側に戻ってきたねずみ男。目玉おやじに「おいねずみ男 おまえ敵なのか味方なのか」と問われて「いまは味方だ」

悪そうなねずみ男

 目玉おやじが「そんなふまじめな妖怪ってあるかね」と呆れかえる厚顔無恥ぶり。ねずみ男に寛容な鬼太郎に対し、目玉おやじはねずみ男が大嫌いなようです。まあねずみ男の性懲りのない言動に接すれば普通はこうなるでしょうが。目玉おやじは病死したのに鬼太郎の身を案じてあんな姿で甦ったという経緯があるので、心配性なのは当然といえば当然。

これは価値だと声を大にして叫ぶに値することがあるかね

 「この世の中にこれは価値だと声を大にして叫ぶに値することがあるかね すべてまやかしじゃないか」このセリフはねずみ男に仮託しての水木しげる自身の意見ではないかとも思われますが。ねずみ男の表情がいつになくシリアスです。

ねずみ男色紙
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