キン肉マン マッスルタッグマッチ:死ぬほど笑いながらプレイしました

こんばんは。冬将軍の奇襲攻撃で占領されてしまった豊平川河川敷ですが、このまま春まで奪われっぱなしでは情けないので、レジスタンスを試みて河川敷に強行突入してみました。その結果…まあ大変だったけどいつものコースを歩いてこれました。このまま大雪がこなれければいけるんじゃなかろうか。でももう12月になっちゃいますね……

さて本日は自分で買ったものではないのですが、そのわりに忘れられないゲームを紹介しましょう。「キン肉マン マッスルタッグマッチ」です。

1985年11月8日にバンダイから発売されたファミコン用アクションゲームで、バンダイが初めて発売したファミコン用ソフトでもあります。当時「キン消し」など関連商品がヒットを飛ばしていた「キン肉マン」を起用したキャラゲーです。それにしても「キン消し」ことキン肉マン消しゴムは消しゴムといいながら消しゴムとしての機能は最初からありませんでしたね。不当表示ではあるまいか。

キン肉マンといえば超人とはいえ戦いのベースはプロレスなんですが、ジャンルはアクションゲームです。ナムコの「タッグチームプロレスリング」が1986年4月2日発売(ジャンルはスポーツゲーム)、初めて「プロレスゲーム」というジャンルで出された任天堂の「プロレス」(ディクスシステム用ゲームソフト)が1986年10月21日なので、これをプロレスゲームだと認定すると、ファミコン初のプロレスゲームとなるのですが…内容的に苦しいですかね、やっぱ。


2頭身で表現された超人8人(キン肉マン、テリーマン、、ラーメンマン、ロビンマスク、バッファローマン、ウォーズマン、ブロッケンJr.、アシュラマン)がタッグを組み、パンチ、キック、バックドロップなどの技を使って闘います。試合途中でミート君が謎アイテム「命の玉」をリングに投入するのですが、これを取ると必殺技が使用できるようになります。3本勝負で2本先取でステージクリアとなりますが、基本的には2対戦をコンセプトとしています。対戦型格闘ゲームの概念すらない時代にこれは斬新なアイディアでした。

ジャンプするだけで体力を消費したり、相手に与えたダメージ分、自分の体力が回復するというエナジードレイン仕様など、特徴的なシステムがありました。ステージも、通常の「ノーマルリング」のほか、滑りやすい「氷リング」やロープに電流が流れていて触れるとダメージを受ける「電気リング」がありました。はッ!もしや大仁田厚はこのゲームを見て「電流爆破デスマッチ」を開発したのかッ!?

私が思い出すのは、友人宅にちょうど4人友達が集まった際に、このゲームが持ち出された日のことで、4人いるのでタッグが組めると言うことでタッチしたらプレイヤーも変えてやったのですが、とにかく大笑いしながらプレイしましたね。電気リングに押しつけ合ったり、せっかく「命の玉」を取っても必殺技が全然当たらなかったり。

各超人の必殺技ですが、まずキン肉マンはキン肉ドライバー。多分キン肉バスターだと阿修羅バスターと被るのでこっちにしたのではないかと。威力は全キャラクター中トップクラスですが、移動速度が遅いので対人プレイだと警戒されてまず決まりません。主人公キャラというのはバランスが良くて使いやすいというのがお約束みたいなものだったのですが、キン肉マンはとにかく使いづらく、全てのプレイヤーから見向きもされなくなるという、原作初期のキン肉マンそのもののような扱いを受けていました。

テリーマンはブルドッキングヘッドロック。プロレスに存在する技ですが、必殺か…?移動速度の遅さはキン肉マンとどっこいどっこいながら、必殺技の使い勝手が非常に良く、ハメまくることが可能でした。テリーマンのモデルは言わずと知れたテリー・ファンクですが必殺技も同じで、スピニング・トゥーホールドやテキサス・クローバー・ホールドを使いますが、何故それらを差し置いて本作発売時点でテリーマンが一度も使用してなかったブルドッキングヘッドロックが選ばれたのかは謎です。

ラーメンマンは空手殺法。中国拳法の使い手なのになぜか空手殺法。烈海王先生が激怒しそうです。「拳法殺法」とか「カンフー殺法」ではいかんかったのか。

キックの性能が優れており、必殺技も射程距離が長かったのはいいのですが、原作には「レッグ・ラリアート」とか「百戦百勝脚」といった良さげな必殺技があるのに、なぜに空手殺法なのか意味不明です。

ロビンマスクはタワーブリッジ。原作でも終盤は超人強度1億パワーのキン肉マンマリポーサを破るなど非常に強力な超人ですが、ゲームでも全体的にバランスがとれており使いやすいキャラとなっています。ただし必殺技は決めにくい上に、たとえ決まってもその後で遠くに放り投げてしまうため、相手との距離が開いてしまうので連続使用が困難でした。このゲームでは固め技はとにかく使いにくいです。

バッファローマンはハリケーンミキサー。まあこれは順当でしょうね。超人強度1000万パワーを誇る重量級キャラですが、ゲームではスピードがそこそこあります。必殺技は突進技であり、威力もキン肉ドライバーと同等なので、キン肉マンよりずっと使いやすいですが、技の出始めと出終わりに攻撃判定がないので、距離を間違えると当たらないことに。

ウォーズマンはベアークロー。ウォーズマンといったらパロスペシャルだろうという気がしますが、このゲームでは固め技をかけるのは至難の業なのでむしろ良かったかも知れません。原作では実力者のはずなのに不遇な扱いが多かった可哀想なキャラでしたが、ゲームでは全キャラ中最速の移動速度を誇るとともに、必殺技の攻撃範囲が広く設定されています。

ブロッケンJr.は唯一の飛び道具であるナチスガス殺法。原作で毒ガス攻撃をしたのはパパンであるブロッケンマンであって、ブロッケンJr.は原作中では一度も使用していないのになぜなんだ(「キン肉マンⅡ世」では使っているそうですが、もしや逆輸入?)。

致命的な足の遅さを始め、能力が極めて低いのは原作チック?しかーし、必殺技は射程無限・効果範囲も広めの飛び道具という、ゲームシステム上反則と言っていいほどの超性能で、命の玉さえ取れればほぼ勝てるという凶悪キャラでした。ジャンケンでキャラを決める際、必ず真っ先に取られるのはこいつでした。

海外ではナチスに対する規制が厳しいため、日本国外版ではジェロニモに差し替えられているそうです。「リングにかけろ!」といい「キン肉マン」といい、ジャンプの漫画はやたらに「ドイツ=ナチス」なのでマイッチングですな。ナチス色払拭に躍起になっているドイツがぶち切れそうです。ジェロニモにしてもアニメではネイティブアメリカンへの差別表現だと叩かれていたりしましたが…(笑)。

アシュラマンは阿修羅バスター。原作でも強力なキャラだけに、スピードに優れる上、他の性能もバランスよく高いのですが、彼のスピードをもってしても必殺技はキン肉マン同様決めにくいという致命的な欠点が。でもキン肉マンを選ぶくらいならアシュラマンの方がずっとましです。

キャラクター選出は原作における人気・出番から考えればおおむね妥当で、「何故この超人を出さずにあの超人が出てるんだ?」という批判とはほぼ無縁でしょう。ちなみに上画像は第一回人気投票の結果で、1位はラーメンマンでした。また当時は対戦ゲームといえば「2人協力プレイ」の変則プレイが主流だった時代でしたが、はっきりと対戦格闘の概念を打ち出し、キャラゲーの元祖となったのは特筆すべき点でしょう。実際四人で遊んだら死ぬほど盛り上がりましたし。

ですが、キャラのバランスの悪さは否めず、特にブロッケンJr.の必殺技が強すぎ、一度発動すると、ゲームシステム上ほぼハメの状態にすることも容易だったため、ちびっ子の間では「ブロッケンJr.禁止」ルールが作られたりしていたそうです。私たちは大笑いしながらプレイしていたのでそれはなかったけど、やはりドラフト1位は常にブロッケンJr.でした。ブロッケンJr.は基本性能が致命的に低いので、必殺技を使わせない=命の玉を取らせない戦い方をすればいいのでしょうが、下手クソ同士の爆笑しながらのプレイではそういうクレバーなプレイなど考えることもできませんでした。

純粋にゲームとして見た場合、当時の基準から判断しても、ゲームシステム・グラフィック共に低レベル(同時期のスーパーマリオブラザースと比較したら目も当てられません)ですが、原作のネームバリューの高さ、そして平易な操作方法でとっつきやすい為、100万本を超える大ヒットを記録しています。また初の「キン肉マン」の名を冠したゲームという事で知名度も高く、キン肉マンのゲームと言えば本作を真っ先に上げる人も多い人気作品となっています。というか私は数あるキン肉マンゲームでこれしかやったことありませんけどね。

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