記憶に残る一言(その49):スレッガー中尉のセリフ(機動戦士ガンダム)

一日中氷雨の札幌でした。ついに職場でも暖房が入りましたが、自宅ではとっくに石油ストーブ稼働です。冷たいし濡れるけど、雨はいいです。こいつがじき雪になると思うと…

本日は久しぶりに記憶に残る一言です。今日は機動戦士ガンダムからスレッガー中尉のセリフを紹介したいと思います。昨日もやりましたが、鉄は熱いうちに打てというからというべきか、早くやっとかないと忘れてしまうからというべきか。

スレッガー中尉は本名スレッガー・ロウ(CV玄田哲章!)。地球連邦軍の航空航宙機パイロットですが、野戦派の職業軍人らしく、本人は「大砲でも戦闘機でもいいぜ」と行っていました。第31話「ザンジバル、追撃!」から第36話「恐怖!機動ビグ・ザム」まで登場しました。登場話数はたった6話と短いのですが、マチルダ中尉同様、印象に残るキャラです。


どうでもいい話ですが、ガンダムでは結構中尉が登場しますね。スレッガーやマチルダは有名どころですが、ブライトもジャブローで少尉から中尉に昇進しています。初期に登場したリード中尉も使えないキャラで結構有名ですね。



ジオンの方ではシャアの後半の副官である頼りない感じのマリガンが中尉。マ・クベ大佐の副官のウラガンも中尉でした。ランバ・ラル隊の副隊長のクランプも中尉でした。それにブラウ・ブロのテストを行っていたシムスも中尉。この人は女性で一旦は生還したのにシャリア・ブルと一緒に出撃して結局死んじゃいました。二度交戦して生還できるほど白い悪魔は甘くないということか。その他、ハモンの復讐劇をサポートしたタチ中尉、ガルマの仇を伐とうとするイセリナと共に出撃したダロタ中尉などなど。

スレッガーは陽気なラテン系の伊達男で、ホワイトベースが囮としてティアンム艦隊に先行してジャブローを発ち、宇宙に向かう際に配属されました。そしてこの囮作戦にあっさり引っかかったシャア(笑)。


スレッガーは登場早々ミライやセイラへ言い寄るなどし、お調子者で軟派な印象を与えましたが、それとは裏腹にザンジバルとのヘッドオンでの交戦の際は唯一主砲を直撃させ、「どうだい。俺の乗っている艦に特攻なんか掛けるからよ」とドヤっていました。まあ破壊箇所はあまり重要ではない部位でしたが。

その後、第32話「強行突破作戦」からはGファイター(劇場版ではコアブースター)を操縦しています。ブライトやミライからはあまり良い第一印象を得られなかったスレッガーですが、子供達(カツ・レツ・キッカ)からは「リュウさんみたいだ」と最初から好感を持たれていました。

そして最初は反発気味だったミライも、スレッガーに恋心を抱くようになります。最初はツンで後にデレではギャルゲーヒロインの王道みたいですね。きっかけは第33話「コンスコン強襲」でサイド6に入港した際です。ミライの実家であるヤシマ家は名門らしく、親同士が決めた婚約者がいるのですが、そのカムランはサイド6で検察官として働いていました。職務でホワイトベースを訪れたカムランは図らずもミライと再会し、ホワイトベースを降りてサイド6に来るよう主張します。

それが初対面のミライを口説いているように思ったスレッガーは一発「修正」を加えます(小突く程度ですが)。カムランは優男だから反撃など思いも寄らないでしょうが、「ご婦人の口説きようがまずいという訳さ。なあ中尉」と返すあたりは中々たいしたタマだと思います。

その後、第34話「宿命の出会い」でコンスコン艦隊が待ち構える中サイド6を出航するホワイトベースに対し、カムランは自前の宇宙船を出し、盾となることを提案します。それを自分に対する「ええ格好しい」だと反発するミライに対し、今度はスレッガーがビンタ一発。「この人は本気なんだよ。わかる?そうでもなきゃこんな無茶が言えるか。いくらここが中立のサイドだからといったところでミサイル一発飛んでくりゃ命はないんだ、わかる?」と一喝します。

多分ミライはこういうやや強引な(でも主張は間違っていない)年上の男に引かれるタイプだったのでしょうね。そういう意味ではブライトも頼りなかったということでしょう。アムロは殴ってたけど、それだけじゃあな。

ミライのスレッガーに対する恋心が明確に現れたのは第36話「恐怖!機動ビグ・ザム」でです。でもこれが死亡フラグになってしまったような…。冒頭、左翼に被弾したスレッガーのGファイターはホワイトベースに戻り修理を受けます。スレッガー帰還にそわそわするミライ。それを見てブライト、「君の気持ちはわかっている。が、僕はいつまでも待っているよ」とミライを発艦デッキに向かわせます。NTR悔しいのうwwwと言いたいところですが、このやせ我慢かもしれない潔さがブライトを最終的にはミライと結ばせたのかも。


そして束の間の逢瀬。スレッガーとしては女性に言い寄るのはイタリア男の挨拶程度のノリだったようですが、ミライが本気にしているのにむしろ引き気味になり、「俺は少尉の好意を受けられるような男じゃない」「俺にとっちゃあ、…少尉はまぶしすぎるんだ。世界が違うんだな」と言いますが、それでもママンの形見だという指環を渡して別れのキス。これくらいの淡い想い出の方が記憶に残ったりするんじゃなかろうか。

そして再出撃するスレッガー。そこへソロモン陥落寸前の最後の反攻として、ドズルが後に「対要塞用モビルアーマー」と言われるビグ・ザムで出撃してきます。ビグ・ザムは強力な火力と遠距離からのビーム兵器を無効にする防御力を持っていました。後のIフィールドを搭載していたわけですが、本放送当時はまだそういう概念は生まれておらず、スレッガーは「磁界を張っている」と言っていました。

ティアンム艦隊旗艦を含む多数の戦艦・巡洋艦を血祭りに上げるビグ・ザムに対し、スレッガーはGファイターとガンダムとドッキングさせてGアーマーとして突っ込むことを提案。接近してGアーマーのビーム砲、次いでガンダムのビームライフル、さらにビームサーベルの三段構えで倒すと言います。それだとガンダムの装甲となるGアーマーがヤバイ訳ですが、ためらうアムロに「私情は禁物よ。奴の為にこれ以上の損害は出させねえ。」と言うスレッガー。続けて今回の名セリフが出ます。

「悲しいけど、これ戦争なのよね」言い方はオネエっぽいですが、ガンダムの勝利ために自ら捨て石になることを覚悟した「漢」のセリフです。このあたり、劇場版だとガンダムとコアブースターはドッキングできないので、スレッガーのコアブースターは単独でビグ・ザムに突入するだけになってしまい、スレッガーの真意がわからなくなってしまっています。Gファイターはおもちゃっぽ過ぎるということで登場させたコアブースターですが、ここで意外な弊害が。


そしてビグ・ザムに突っ込んだGアーマーですが、ビグ・ザムのかぎ爪に捉えられ、あわれスレッガーは宇宙の藻屑となってしまったのでした。その後ガンダムがビームライフルとビームサーベルを叩き付けることでようやくビグ・ザムは沈んだのでした。


ソロモンが陥落して作戦終了後、アムロはミライに辛い報告をしなければなりませんでした。「…嘘って、嘘だって言えないのね?アムロ…」と涙するミライ。戦場の恋は束の間でした。ガルマとイセリナはもうちょっと長いロマンスがありましたが、まさに交戦現場では。

ちなみにギレンからの援軍がビグ・サム一機だけだと知ったドズルは、「ええい、兄上は何を考えているのだ?今あるリック・ドムでは数が足りんのだ。新鋭モビルスーツ(実際はモビルアーマーですが)の一機をよこすくらいならドムの十機もまわさんのか?」と不満たらたらでしたが、劇中の活躍ぶりはリックドム十機では到底きかないほどのものがありました。結果的にはギレンの判断の方が正しかったということでしょうか。

その威力を知ったドズルも「ビグ・ザムが量産の暁は連邦なぞあっという間に叩いてみせるわ」と吠えますが、こんなものを量産できるほどの力はこの時点のジオンにはもはや残っていなかったことでしょう。

ドズルも見かけはゴリラというかフランケンというかという怪物じみた風貌ですが、妻子には非常に優しく、部下にも敬愛されており、現場第一主義の武人らしい指揮官だっと言えます。ただ…それだけに情に流される面があり、私情によるガルマの仇討ちとして出撃させたランバ・ラル隊を失ったり、シャアを牽制するためだけに出撃させたコンスコン艦隊を失ったりしています。彼らは結果的にアムロをニュータイプとして覚醒させる働きもしているので、ランバ・ラルとコンスコンがソロモンに健在なままで攻略戦を迎えていたとしたら、エースとしてのランバ・ラルの腕とコンスコン隊の12機のリック・ドムの働きにより、戦況は変わっていたかも知れませんね。

そもそもランバ・ラルに鍛えられていないアムロの腕だと、黒い三連星のジェットストリーム・アタックでやられてそうな気もします。

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