記憶に残る一言(その45):デューク東郷のセリフ(ゴルゴ13)

実は今日から3日間の夏休みです。もう秋じゃないかというツッコミは当然ですが、諸事情で夏になかなか休めなかったもので。ま、今は休みと言っても豊平川に歩きに行くという極めてエコノミーな過ごし方に専念しておりますが。秋晴れっていいですね。陽射しはまだまだ強いですが、湿度がないのが清々しくて。
そうそう、昨日9月15日に40万アクセスを突破しました。35万アクセス突破が6月20日でした。例によって誰得?俺得な備忘録を掲載しましょう。
2012年
0 ( 8/31)→ 1万(11/ 3) 64日間(平均156アクセス)
1万(11/ 3) → 2万(12/15) 43日間(平均233アクセス)
2013年
2万(12/15)→ 3万( 1/13) 30日間(平均333アクセス)
3万( 1/13) → 4万( 2/19) 37日間(平均270アクセス)
4万( 2/19) → 5万( 4/10) 50日間(平均200アクセス)
5万( 4/10) → 6万( 5/26) 46日間(平均217アクセス)
6万( 5/26) → 7万( 7/ 1) 36日間(平均278アクセス)
7万( 7/ 1) → 8万( 8/ 5) 36日間(平均278アクセス)
8万( 8/ 5) → 9万( 9/ 3) 30日間(平均333アクセス)
9万( 9/ 3) →10万(10/ 8) 36日間(平均278アクセス)
10万(10/ 8)→11万(11/14) 38日間(平均263アクセス)
11万(11/14) →12万(12/23) 40日間(平均250アクセス)
2014年
12万(12/23) →13万( 1/22) 31日間(平均323アクセス)
13万( 1/22) →14万( 2/20) 30日間(平均333アクセス)
14万( 2/20) →15万( 3/22) 31日間(平均323アクセス)
15万( 3/22) →20万( 7/12)113日間(平均442アクセス)
20万( 7/12) →25万(10/19)100日間(平均500アクセス)
2015年
25万(10/19) →30万( 2/23)128日間(平均400アクセス)
30万( 2/23) →35万( 6/20)118日間(平均424アクセス)
35万( 6/20) →40万( 9/15) 88日間(平均568アクセス)
平均568アクセスというのは過去最高の数字です。自称列強にもなろうというものですね。前回予想どおり9月中に40万アクセスとなりましたが、中旬とは予想以上でした。45万アクセスも今年中を目指したいです。
本日は記憶に残る一言です。世界をまたに掛けて40年以上活躍する超一流スナイパーに登場していただきましょう。
「ゴルゴ13」は、さいとう・たかをの劇画で、1968年11月に小学館の「ビッグコミック」で連載が開始され、現在も連載中です。単行本は2015年4月現在で177巻を数える長寿作品です。
「ゴルゴ13」は依頼者や敵対することになった側など、他者から呼ばれるコードネームのようなもので、本人が自ら「ゴルゴ13」と名乗ることはありません。ある意味禁忌の呼称とも考えられ、本人を前に「ゴルゴ13」と呼ぶことを怖れる或いはためらう依頼者も多いようです。自称としてはおそらく偽名の「デューク東郷」を多用しており、「ゴ…い、いやデューク東郷」みたいな言い直しもよく見られます。もっとも「ゴルゴ13」と呼ばれて彼が激おこプンプン丸になったという話は記憶にありませんが。
「ゴルゴ13」というのは恐怖の代名詞なのかも知れません。なので本人に対してでなくてもその名を呼ぶのをためらって「G」と呼んだりもします。個人的には「ゴキブリ」をもろにその名で呼びたくないので「G」と呼んでいますが、それに近いかも。ゴキブリと一緒にしちゃあ狙撃されちゃうかも知れませんが。
男性ということ以外、生年月日・年齢・国籍・経歴いずれも不明で、素性についての仮説が一本のお話になることもあります。職業は自称「スナイパー」ないし「狙撃屋」。これに異を唱える人は世界の要人にはいない模様です。他者からは「国際的テロリスト」「超一流のプロフェッショナル」「超A級のスナイパー」などと呼ばれ、他にも神、モンスター、死神、黄色い魔神、白い巨人様などの異名もあります。
そして劇画を読んだ人はご承知のことですが、性格は極めてビジネスライクで喜怒哀楽の表情をほとんど見せず、常に冷静沈着というのがテンプレになっているかと思います。キャラが確立してからは確かにそうなのですが、連載初期の頃は笑ったり、ドヤ顔で相手をディスったりしゃべりまくったり(「僕はキメ顔でそう言った」とも言えますな)と人間臭い行動をしていました。まだゴルゴ自身が若くて駆け出しだったせいかも知れません。
こんな初期状態のゴルゴのままだったら彼は長いスナイパー人生を全う出来なかったに違いありません。が、50年近く経過した現在においてなお、彼は超A級スナイパーとして世界の裏社会にその名を轟かせているのです。そんな彼の処世訓ではないかと思われるセリフが今日の「記憶に残る一言」です。
まずはこれ。比較的初期のエピソードである単行本28巻収録の「ザ・スーパースター」です。1970年代、米ニクソン政権およびフォード政権で要職を歴任したヘンリー・キッシンジャーの暗殺をめぐり、酒場で依頼人を待っていたゴルゴですが、依頼人は事前に暗殺されており、やって来ることはありませんでした。
本作の主役である臆病な少年ジムはラビット(直訳すればウサギですが、臆病者の意味があります)と仇名されれおり、非行少年グループの仲間に入れてもらおうと、酒場でみかけたゴルゴを殺害すると宣言、ゴルゴの後を追います。ホテルでゴルゴに銃口を向けたジムですが、全く動じないゴルゴ。
しかし翌日、ジムがゴルゴを尾行した際、建物の影に何者かが居ることを察知したゴルゴは驚いて身を翻していたのです。「ゆうべ…拳銃の前で顔色ひとつ変えなかったあなたが…ぼくがあとを追った足音でどうして飛び上がったんです? 」と当然の疑問をぶつけるジムへの回答がこれです。
さらに続けて哲学を語るゴルゴ。珍しく小僧相手にやけに親切な気がします。あ、ゴルゴが親切というのは、ゴルゴに敵対するのと同じくらい「死亡フラグ」が立つイベントだと思われます。実際、この直後にジムはテロリストに撃たれて死ぬことになりますから。しかしジムは死の間際にありあわせの現金と宝物の金メダルでキッシンジャー暗殺阻止を依頼します。莫大な金と引き替えに狙撃依頼を受けるイメージが強いゴルゴですが、場合によってはわずかな金でも引き受けることがあります。このあたりブラックジャックとちょっと似ていますね。
そして依頼に応えてキッシンジャー暗殺テロを失敗に終わらせるゴルゴ。そもそもはキッシンジャー暗殺の依頼を受けるところだったのが、全く逆の立場になってしまいました。キッシンジャー側では「彼を雇ったのは何者だろう?……」「いずれにしろ……こんな短期間で、彼との接触を果たし依頼できるほどの人物だ……」「よほどの大物が動いたに違いない……」と驚愕しますが、臆病者の小僧だったとは夢にも思わなかったことでしょう。
続いて超一流のプロフェッショナルであるゴルゴが考える、プロとしての条件です。単行本66巻収録の「ロックフォードの野望(謀略の死角)」からです。ロックフォードというのは米の大富豪ロックフェラーのことでしょう。なんとロックフォードはゴルゴを専属スナイパーとすることを目論見、力ずくで従わせようとしたのですが、当主はゴルゴの銃弾に倒れることに(第63巻収録「ロックフォードの野望」)。
それで諦めればよかったのですが、後継者が引き続きゴルゴ抱き込みを画策します。そして金と権力にあかせて「ゴルゴへの仕事の依頼者は例外なく抹殺する」作戦を実行。一種の兵糧攻めですなこれは。ゴルゴは前回世話になったローゼン・ザメックに接触します。この人物、ゴルゴのことを友人と呼ぶ稀有な人物であり、ゴルゴは握手こそしないものの、無造作に渡された缶ビールをそのまま飲んだりと異例の行動をしています。ゴルゴに協力をしたためにロックフォード財閥によって破産させられたユダヤ人事業主で、ゴルゴにロックフォードの恐ろしさと、そのロックフォードをもってしても自由にならない勢力のことを教えた人物でもあります。
このザメックが、「ゴルゴにプロの条件とは?」と尋ねた際のゴルゴのセリフがこれです。一番大事な条件が運という意外な回答。そうか、ゴルゴが強運の持ち主だったんだな。でもですね、運任せかよ言いたくなるところではありますが、才能(10%)+努力(20%)+臆病さ(30%)で60%の過半数を占めており、これらなしでは成り立たないという意味に解した方がいいのかも知れません。さらに言えば努力(20%)+臆病さ(30%)でも50%となって運(40%)を凌いでいます。先ほどのセリフでもわかるとおり、ゴルゴは自称臆病者であり、運というは自力でアップさせることが出来ないので、彼のスナイパー人生は努力と臆病さ、そして才能で成功に導かれたと言って良いのかもしれません。運気向上のため、やたらに風水とか星占いとかに凝り出すゴルゴなんてちょっと嫌ですね。
さてこのザメックですが、ゴルゴに仕事の依頼をする前に、前述の作戦に則ってロックフォード家の差し向けた狙撃手の凶弾に倒れてしまいます。数少ない友だちなのになあ。しかしその後、ゴルゴはザメックの依頼内容を探るという異例の行動をしており、通常依頼には厳密なルールを課しているゴルゴとは思えない態度を取っています。やはり友だちは別格なのか。そして判明したザメックの依頼は、ロックフォード家の新当主の殺害でした。自分の利害とも合致するこの依頼を受けたゴルゴは新当主を殺害し、再びロックフォード家の野望を打ち砕いたのでした。
それにしても、ザメックが殺害された際、彼はゴルゴと一緒に居たのですが、ゴルゴ自身は狙撃に十分に注意を払っていたにも関わらず、ザメックが狙撃に絶好のポイントに立っていたのを黙って見過していました。これって、やはり事情があったとは言え嘘をついたことへの間接的な報復だったんでしょうかね。
最後にゴルゴ版「認めなくないものだな…自分自身の…若さ故の過ちというものを」です。第147巻収録の「三人の狙撃手」からです。緒方貞子をモデルとしたと思われる国連人権委員会の女性からコンゴ大統領の暗殺を防いで欲しいと依頼を受けたゴルゴは、ウガンダ軍の協力を受け、軍の狙撃手オノと共に車で悪路を移動します。2時間近く走った後、ゴルゴは振動で照準が狂ったので銃とスコープの調整を行いますが、相棒のオノはそれを怠って現場に先行した結果、敵方のスナイパーの餌食となってしまいます。
後から到着したゴルゴは、爆破装置の点火コードを狙撃により断ち切るとともに、敵方スナイパーの行動を読み切ることで抹殺に成功します。その後、瀕死のオノに対して言ったのがこのセリフです。これはある意味、若く未熟な面のあった若き日の自分に対しても言っているような感じがしますね。ゴルゴ自身は「未熟」を乗り越えた例外的な存在であり、その原因は自分ではどうしようもな「運」のお陰だった…だから運の比率を高く見ているのかも知れません。自分のライフルをオノの墓標として捧げるゴルゴの思いやいかに。
番外編としてゴルゴのタブーを破りまくった男を紹介しましょう。ゴルゴのタブーを破った連中は結構沢山おり、ほとんど例外なく死の制裁を喰らうことになるのですが、この人はなぜか違います。
第90巻に収録された「ワシントン秘密工作 大統領はお元気?」に登場したCIAのDDO部長のウィリアムズです。部下のハリー・ローゼンバーグがアメリカの国家機密を盗み出した責任をとらされ、CIAをクビなったということで、ウィリアムズは“けじめをつける”べくにゴルゴに接触し、ローゼンバーグの狙撃を依頼します。
ウィリアムズはかつてゴルゴと接点があったようで、依頼の際にもくだけた口調で「俺たちは友達だろ?」と語りかけ、缶ビールを投げて渡しています。用心深いはずのゴルゴがその缶ビールをあっさり飲むのも意外です。
さらには任務完了後のゴルゴの元に現れ、シガーにタバコをくっつけて火を貰っているウィリアムズ。これって間接キス(?)。全然嫌がっていないゴルゴ。どうしちゃったんだデューク?
しかもウィリアムズ、CIAをクビになったのはウソだと告白します。ゴルゴは依頼人に二度会うのは好みませんし、ましてや嘘をつかれることはタブー中のタブーなのですが、どうやらゴルゴは彼の嘘に気付いていながら、騙された振りをしていたようです。これはゴルゴとしては極めて稀な対応です。
さらに驚くべきは、ウィリアムズが「たまには笑えよ、デューク!」と軽口を叩いています。これは発表された作品には登場していないながら、ゴルゴとウィリアムズにはかつてかなり強力な接点があったとしか思えません。ゴルゴにここまで馴れ馴れしく接することのできるウィリアムズは一体何者なんでしょうか?
最後にサービス(?)でゴルゴパロディです。
戦隊ヒーローモノのはしりであるゴレンジャー。ゴルゴのツッコミが冴えまくります。その後戦隊ヒーローものの女性枠は確実に1あるのが暗黙の了解になっています。2の場合もあったりします。「私たちはギニュー特戦隊だったんだよ」ならゴルゴのツッコミもなかったかも知れませんが。
次。各国の女性とねんごろになってきたゴルゴも結婚を考え出した模様。しかし松嶋菜々子似でDカップというリクエストに結婚相談所が難色を示しています。殺しをやめて就職し、ボイラー技士の資格も取ったゴルゴが愉快ですね。しかし、結婚相談所が「お金を積まれてもねえ…」とは言わないでしょう。金に物を言わせれば松嶋菜々子似でDカップの女性は見つけられるのではないでしょうか。性格は知らないけど。
最後。「世界一腕の立つ殺し屋」と狙撃対決するゴルゴ。この人は以前紹介しましたが、新條まゆ大先生の傑作「覇王♥愛人」に登場するキャラで、「おいっ、殺し屋を雇え!!金はいくら遣っても構わん!!世界一腕の立つ奴だ!!」とのリクエストに応えて登場しました。キメセリフは「ちょろいもんだぜ」。
武器の選択・射撃姿勢・台詞回しの何から何まで妙な人物で、しかも世界最高の殺し屋とは思えないあっさり惨殺されてしまうのですが、どうしようもないキャラの濃さがネット上で大人気を博しています。ゴルゴもちょっとは笑いを取ってやれと思うところですが、ガチで対決した結果がこれ。これが“シリアスな笑い”という奴か…
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