記憶に残る一言(その42):ヘリコプター機関銃手のセリフ(フルメタル・ジャケット)

今日は内地も比較的涼しかったようで、何よりです。札幌は最高気温23度で秋の到来を予感する日々です。

昨日Windows10にアップグレードしたという話をしましたが…昨日中にWindows7に戻しました。まさに「ついカッとなってやった。今は反省している」状態です。いや~色々と不都合が出ましてね。なにより、ブログ掲載用画像の編集に使っていた画像処理ソフト(Corel PaintShop Photo Pro X3)が動作不良になってしまって。

しかもWindows7に戻しても直らないというおまけ付き。どうすんだオイ。貴重なプリインストールソフトが…とりあえずフリーの画像編集ソフトをインストールして見ましたが…

実は一台のPCでOSを入れ替えるというのはWindows95→98以来で、あの時は購入するや否やCD-ROMでインストールしたので、今回と大分状況が違うのですが、かなり使い込んだPCのOSを変更するのってリスキーですね。新品PCにWindows10が入っているのなら平気なのかも知れませんが。ということで、現PCはWindows7で行き、行けなくなったらPC毎新しくするという方針で行きたいと思います。

さて本日は記憶に残る一言です。今回は当ブログとしては非常に珍しく洋画から紹介したいと思います。「フルメタル・ジャケット」からヘリコプターの機関銃手のセリフです。

「フルメタル・ジャケット」は1987(昭和62)年公開のアメリカ映画で、日本では翌88(昭和63)年でした。監督は「2001年宇宙の旅」や「機械仕掛けのオレンジ」などで有名なスタンリー・キューブリックです。

原作はグスタフ・ハスフォードの小説「ショート・タイマーズ(「短期現役兵」の意)」。私、昔「フルメタル・ジャケット」を全金属製の上着→防弾着だと思っていたという黒歴史がありますが、本当の意味は「完全被甲弾」です。

これは弾丸の弾体を真鍮などで覆った弾丸のことで、貫通性が高い通常の弾丸です。フルメタルジャケット弾は弾頭を完全に真鍮で覆った弾丸で、陸戦についての規定を定めたハーグ陸戦条約第23条で禁止された「不必要な苦痛を与える兵器、投射物、その他の物質を使用すること」への抵触を避けるという人道上の理由から、軍用弾にはフルメタルジャケット弾が用いられています。「人道」かあ…

「フルメタル・ジャケット」は二部構成で、前半は海兵隊訓練所で新兵が受ける過酷な訓練、後半は彼らのベトナムでの戦闘などが描かれています。前半で有名なのがハートマン軍曹で、彼の徹底的な叱責と罵倒、殴る蹴るの体罰は精神的にも肉体的にも過酷を極めるものでした。ハートマン軍曹は精神に変調をきたした落ちこぼれ訓練生に射殺されてしまいますが、ベテラン軍曹らしからぬヘマですね。「愛と青春の旅立ち」のフォーリー軍曹やハインラインのSF小説「宇宙の戦士」のズイム軍曹のようには行かなかったわけですね。

そして後半、厳しい訓練を耐え抜き一人前の海兵隊員となった彼らは、ベトナムへ送られます。報道部員となった主人公のジョーカーは、前線での取材を命じられますが、米軍ヘリに乗った際、機関銃手がハイテンションで叫んだのが本日の記憶に残る一言です。字幕もあるのでYouTubeの動画を載せましょう。
結局全部ベトコンで、皆殺しかい!と突っ込みたくなるところですが、なにしろ戦争は地獄だから仕方がないのでしょう。ちなみにベトコンとは「南ベトナム解放民族戦線」の通称で、ベトナムコンサン(Viet Nam Cong San、越南共産)を略したものです。元来米軍は南ベトナム(ベトナム共和国)軍側からの蔑称だったのですが、日本では広く一般化しました。

米軍など圧倒的かつ近代的な戦力を有する敵に対してゲリラ戦で臨み、農村を根拠地とすることで、物資の調達(略奪も含む)や現地徴兵により長期戦を戦い抜きましたが、その一方で捕虜となった米兵や南ベトナム兵を過酷に虐待し、大量処刑・虐殺や無差別テロも行ったと言われます。ベトナム統一後はベトコンの軍事部門は北ベトナム軍に吸収されましたが、ベトコン兵士は指導部から疎んじられ、反発する元兵士も出たそうです。なんか明治維新後の不平士族みたいですね。

ちなみにオリジナルのセリフは"Anyone who runs is a V.C.! Anyone who stands still is a well-disciplined V.C.!"です。米兵達はV.C.(ヴィー・シー)と呼んだのですね。

「フルメタル・ジャケット」は映画ファンの評価が高く、いわゆる「おたく」には軍事マニアも多いことから、このセリフも、しばしば戦場に例えられる過酷なコミケの一般入場などに当てはめたり、格闘ゲームやシューティングで火花を散らすゲームセンターなどで使われるようになりました。

ネットスラングで「訓練された○○」「よく訓練された○○」という言い回しが使われていますが、元ネタはこのセリフに由来しています。イベントなどでの一糸乱れぬ客のリアクションとかオタ芸とかで言われたりしていますね。

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