2015夏季アニメ中盤の感想(その1):「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」と「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」

お盆が過ぎて大通公園のビアガーデンも終了しました。「さっぽろ夏まつり」自体は20日まで続くのですが、19日には小学校は始業式だし、事実上夏終了の雰囲気です。空にはうろこ雲が浮かび、少し傾いてきた陽射しも秋を予感させます。

そんな中、なおも続く夏季アニメ。今回は6本と少なめ(当社春季比)なので、中盤の感想なんかもいっちゃおうかと思います。今日は「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」と「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」です。

まずは「GATE」。7話まで視聴しました。突如出現したゲートをくぐって攻撃を仕掛けてきた謎の勢力を駆逐し、逆にゲートを潜って行った先は…という、まさに「戦闘妖精・雪風」のような状況で始まった本作ですが、あちら側は惑星フェアリィではなくファンタジー世界でした。

ファンタジーといえば剣と魔法の世界。そして彼の地(特地)もまさにそうで、デミヒューマンやドラゴンが闊歩するまさにファンタジーそのものの世界なのですが、魔法やドラゴンはそんなにたくさんある訳ではなく、もっぱら剣が主軸の世界でした。

そこへ戦車、装甲車、戦闘ヘリをはじめとする重火器を装備した自衛隊が出現。「戦国自衛隊」のノリなら、それとは全く異なる圧倒的戦力と補給体制からまたたく間に天下統一ということになるのかも知れませんが、ほぼリアルと変わりない日本と直結しているというところが大きな違いです。人命第一、専守防衛の自衛隊ですから、侵略行為は行いません。特地側からすると、あれだけの戦力があってなぜ…?と不可解極まりないのが自衛隊です。

しかし6話ではほぼ中世ヨーロッパ的装備しかない盗賊団(もとは帝国の命により自衛隊基地を襲撃してきた連合諸王国軍の敗残兵なので、特地の水準からすると戦闘力は脅威でなにより数が多い)に対し、ヘリからのロケット砲、バルカン砲、その他搭乗兵の軽機関銃や自動小銃での掃射を容赦なく浴びせていました。丸腰ではないけれど、とても対等とはいえない武器しか持っていない敵に対し、本当の自衛隊がためらいなくやれるかどうかはやや疑問に思ったりして。「命令なら躊躇なくやる」のが兵士というものでしょうけど。


精霊種エルフ(ハイエルフ)のテュカ、魔法使いのレレイ、亜神のロゥリィとメインヒロインにはそれなりにファンタジー色がありましたが、7話に来て一層ファンタジー色が強まりました。それが亜人メイドです。


猫ミミメイド(キャットピープル)のペルシア、ヴォーリアバニー(首狩りウサギ)のマミーナは戦闘メイド。

そしてメデュサのアウレアは髪が蛇のようになっていて、相手の精気を吸うのだそうです。シャンブロウか!

あ、C・L・ムーアの「大宇宙の魔女」は傑作ですから機会があればぜひ。松本零士の表紙がまたいいのですが、青少年はレジに持って行きにくかったりしてね。

あとファンタジーとは直接関係ないけど縦ロールの女騎士を筆頭とした薔薇騎士団も登場。まあ縦ロールはアニメ世界ではそれほど珍しくないですけど、金髪、縦ロール、貴族と三拍子揃うのはなかなか。しかも身体で詫びろとか命じられるし。


女騎士なら「くっ殺せ!」がお約束ですが、なにしろ王女の命なので、エロい格好で夜這いというか夜伽に来ましたが、涙を拭いて意を決して入ってみたら自衛隊とメイドが和やかに「文化交流」していてガン無視されるという別な意味の屈辱が。

身体で「全てをなかったことにする」はずが、憤怒のあまにさらに打撃を加えてしまう女騎士。何しに来たんだアンタは。

責任者のピニャ王女大泣きです。イタリカと自衛隊の間に挟まれて気苦労ばかりしています。伊丹が国会に参考人招致されているという話が、レレイの神通訳で「元老院に報告を求められている」と伝えられ、焦りまくります。まあ国会に似た特地の組織といえばそういうことになるんでしょうね。衆議院とか参議院とか言っても意味不明だろうし。

そこで自ら謝罪に赴くという王女も伴ってアルヌスにある自衛隊基地に帰還する伊丹達。そもそもは帝国の一方的侵攻に端を発した事件なので、戦うにしても謝罪と補償を要求するにしても、相手は帝国なわけで、交渉役としては適当そうです。妾腹とはいえ帝国の王女ですから。帝国の皇帝の娘なら皇女というべきなのかな?でも側近からも王女と呼ばれているからいいか。

多分ピニャ王女は真相を何も知らされておらず、自衛隊が侵略者だと思い込んでいるので、真相をしったらいろいろショックを受けそうです。

アルヌスでは訓練中の戦闘ヘリや戦車を見て「鉄の天馬、鉄の象、まさしく異世界の怪物だ」とおののく王女。レレイ(どうでもいいが魔法使いのはずなのに完全に通訳)は「帝国はグリフォンの尾を踏んだ」と言いますが、言い得て妙ですね。練達の戦士なら虎の尾を踏んだくらいではビビらないでしょうが、グリフォンはやばい。

国会で証言をして貰うためにテュカとレレイを日本に連れて行くということになりました。しかしそれを盗み聞きしたロゥリィとレレイの師匠のカトーも行きたいと言い出します。でもヒロイン限定なのでした。


そして文化が違いすぎて目的がわからないということで、日本と自衛隊を理解するべくピニャ王女も来日ケテーイ。しかしこれ1クールじゃどうみても終わりませんな。2クールやるのか、待て続編なのか。なにしろ特地に興味関心を持っているのは諸外国も同じなので。

続いて「下ネタという概念の存在しない退屈な世界」。こちらも7話まで視聴しました。

下ネタテロ組織「SOX」の首魁「雪原の青」の正体である時岡学園生徒会副会長華城綾女の下ネタ中毒っぷりから、この人が本作最高の下ネタ野郎(いや女郎というべきか)なのかと思っていたら、とんでもない間違いでした。

この人、下ネタは言いまくりですが、実は耳年増のようなところがあって、“逸物”の現物を見たこともなかったというウブさでした。下ネタは口先だけかい。

綾女をして「頭がおかしい」と言われた科学部部長の不破氷菓は、性の知識に関して異様な好奇心を持つマッドサイエンティストで、妊娠に関する知識探求のために日夜さまざまな物事を観察しています。一年生なのに部長って凄いなオイ。この人、いつの間にか卑猥な事件に際しては一般生徒を扇動、指揮する立場になっています。多分氷菓のほうが綾女よりリアルな下ネタには食い付いていけるでしょう。

が、最狂最大の痴女はなんと生徒会長のアンナ・錦ノ宮。容姿端麗・頭脳明晰・品行方正の三拍子そろった淑女のCVがなぜに松来未祐なのかと疑問に思ったのですが、謎は解けた!!

アンナは途中から完全にヤンデレ化し、愛液を垂れ流す恐るべき痴女になってしまいました。あ、愛液というのは「○○的な意味で」とかではなく、ガチです。それを混ぜたクッキーを食べさせるという話は普通にドン引きだよ!

しかもアンナさん、性的な知識が一切ないので、自分の状況が全く判っておらず自分自身では相も変わらず品行方正なつもりでいるという。全く自覚のないヤンデレというのは初めて見るような。もっとも自分がヤンデレ化した場合、今自分はヤンデレだとか自覚する余裕はないのでしょうが。

SOXの数々のテロ活動、ことに5話でのエロ本大量入手により、他の下ネタテロ組織の活動を活発化させているようです。例えば下ネタテロ組織「群れた布地」の頭目「頂の白」。SOXから「最上位の変態(ハイクラス)」と認定されるとはどんだけだ。他にもおそらく腐女子・貴腐人の集団らしい「ベーコンレタス母の会」というのもあるそうです。

かつて「げんしけん」で「ホモが嫌いな女子なんかいません!!!!」という名言がありました。あ、これそのうち「記憶に残る一言」でやろっと。いや、世間は腐女子より非腐女子の方が圧倒的多数だと思うのですが、やはりノンケの女性でも二次元ないし三次元での美少年同士の絡みなどに「萌え」を感じるものなのでしょうか。男の百合好きみたいなもんですかね?それなら判らんでも…

しかしSOX新メンバー早乙女乙女によるこんなホモ本がいつの間にか作られ、密かに女子に大人気になっていたとは。狸吉×轟力という恐ろしいホモ本。しかも狸吉が攻め、轟力先輩が受けですなこれは。

今回、鬼頭鼓修理(おにがしら こすり)という新キャラが登場しましたが、そもそも名前がヤバイ。鬼頭は音読みしちゃいますよね、普通。活躍はこれからとして、CVが堀江由衣。ほっちゃん…なんて作品に!

イメージと違うぜという意味ではアンナのママン、ソフィアのCVは大原さやか。さあや、作品選ぼうよ!39歳の大原さやかと37歳の松来未祐が母子役というのも凄いけど、すっかり芸人声優と化した松来さんはどんな役をやってももはや驚かないけど、大原さやかが下ネタとか叫びだしたらなんかヤダな。あの素敵な声で闇堕ちとかヤンデレはいいけれど、エロ堕ちはしないで欲しいなあ。キャラ的にそれはないだろうとは思うのですが。でも「それが声優!」見ていると、作品のえり好みなんでできないんですかね…

それにしても7話のアンナは凄かった。狸吉にキン肉バスターからキン肉ドライバーのフルコースをお見舞いしていました。一人マッスルドッキングかよ。狸吉は“ぶっかけ”喰らってましたがいいのかこれ?松来さんの声優としての限界を見極めんとでもしているのかのようなアンナの暴走ぶりは必見の価値があります。慶応卒の才女にどんだけ羞恥プレイをかましているんだよこの作品。

でも松来さんなら大丈夫かな…なんて根拠のない妙な安心をしていましたが、本人のブログ「松来未祐日記」の7月14日の記事で“このたび、病気の治療のためにお休みさせていただくことになりました”との悲報が。もしや病状悪化はこの作品のせいでは…。快復を心より祈念します。松来さんあっての「下ネタ」だから(褒めているように聞こえないですが)。

すっかり人間の範疇を逸脱してしまったアンナに比べて、華城綾女がだんだん可愛く見えてきました。この人の下ネタは過激だけど、所詮は口先だけのいわば“チキン派”なんですよね。

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