記憶に残る一言(その34):ルカ・ブライトのセリフ(幻想水滸伝Ⅱ)

土砂降りが降ったらどすんと気温が低下しました。明日の札幌は最高気温15度の予想ですが、6月の気温とは思えませんね。

リアル明里ちゃんシリーズ三連弾の最後です。当ブログではリアル花苗、リアル理紗も募集しておりますが、原作との兼ね合いもありますので、アラサーくらいまででオナシャス!リアル貴樹、リアル祐一さんもいいぞ!(笑)

本日は記憶に残る一言ですが、前回に続いてゲームから。コナミのPS用RPGの名作「幻想水滸伝Ⅱ」からハイランドの狂皇子ルカ・ブライトのセリフを紹介しましょう。

幻想水滸伝シリーズ(略称「幻水」)はコナミが発売するRPGのシリーズで、ナンバリングタイトルはⅠ~Ⅴまで出ています。最近は新シリーズが始まってしまったようで、果たして「Ⅵ」が出るのかどうかⅠとⅡは名作として知られますが、超大作と期待されたⅢが期待の大きさ故か「?」との評価を受け、Ⅳは薄っぺらな内容で多くのファンを失望させました。汚名返上が期待されたⅤですが、賛否が分かれる評価となっており、万雷の拍手とはいかなかったようです。

シリーズ一番の名作との呼び声も高い「Ⅱ」ですが、1998年12月17日に発売され、2006年2月23日には「Ⅰ&Ⅱ」でPSP版が発売され、2009年3月27日にはドラマCDが発売されています。キャッチコピーは「その強さがあれば、全てを守れると思った」。本当は「誰をも傷つけることのない優しい世界が手に入ると思った」というセリフが続きます。

幻水シリーズは「水滸伝」の冠することからおわかりのように、108の宿星を持つ仲間を集めていきます。全員集まらなくてもゲームは進行できますが、108人いるとわかっていれば全員集めたくなるのが人情。それにトゥルーエンドを見られるかどうかと言う切実な問題にも関わってきたりしますし。そういうことをあまり気にしなければ、自然と集まる仲間だけでもクリアは可能です。

108人もいたらパーティー組むのも大変だと思うでしょう?でも戦闘メンバーだけではなく、宿屋とか道具屋とかいった各種商店・施設を営む本拠地スタッフや、内政を専門に担当するスタッフもいます。BGMを変える音職人とか、ウィンドウのデザインを変える窓職人とか、ミニゲーム担当とか、あんまり本筋には関係ない人たちもいて、全部ひっくるめて108星です。

幻水Ⅰ~Ⅴは同一世界の出来事ですが、時系列的にはⅣ(群島解放戦争)→Ⅴ(ファレナ女王国内乱)→Ⅰ(門の紋章戦争)→Ⅱ(デュナン統一戦争)→Ⅲ(英雄戦争)となっています。この間に170年程度の時間が流れていますが、Ⅴ、Ⅰ、Ⅱは時間的にあまり差がないので、共通のキャラが登場したりもします。全作に登場するビッキーとかジーンもいます。「時をかける少女」であるビッキーはともかく、ジーンは一体何歳なんだ。

主人公と親友ジョウイは、ハイランド王国の少年兵部隊に所属していましたが、正体不明の敵の襲撃をうけて部隊は壊滅します。二人は、逃避行の最中、運命の悪戯からか主人公は輝く盾の紋章、ジョウイは黒き刃の紋章を宿すことになります。運命の紋章を手にした2人の道は、少しずつ、しかし確実に袂を分かっていきます。

主人公はハイランド王国に不信感を抱いて対ハイランド王国同盟軍のリーダーとなり、一方ジョウイはハイランド皇子ルカ・ブライトら王家の人間を利用して最終的にハイランド国王にまでのぼりつめます。手段は違えども、互いの立場からハイランド王国に平和をもたらそうとした二人ですが、残酷な運命は、皮肉にもこの親友2人を対決させることになります。

で、最終盤でジョウイが言い、キャッチコピーにもなった「その強さがあれば、全てを守れると思った」の「その強さ」とは何かといえば、ハイランドの狂皇子と呼ばれたルカ・ブライトの強さのことなのです。

ルカはハイランド王国の皇子で第一軍団長も兼ねています。圧倒的な強さと、己の思うがままに殺戮をほしいままにするという残虐な性格から「狂皇子」と呼ばれています。といって狂人という訳ではなく、カリスマ性もあいまって指揮能力は高く、知略にも長けています。

ルカのモデルは「楚漢戦争」の英雄・項羽と見られます。そう「項羽と劉邦」のあの項羽です。項羽自身には確かに平然と大量虐殺を行う残忍さもありましたが、反面部下を厚く慈しむような面もありました。項羽から美点をさっ引いたのがルカと言えましょうか。

何よりルカに際立っているのは圧倒的なまでの個人の武力です。ただ1人で敵軍の全部隊に痛手を負わせるなど、そのワンマンアーミーぶりは最早人外レベルで、「天が味方すれば世界すら平定できる」とまで評されています。

そのルカの残虐超人ぶりを端的に示したのが劇中でのこのセリフです。ルカ率いるハイランド軍は敵対する都市同盟側のある村を襲撃し、女子供もみさかいなく村人を虐殺しまくります。その際、命乞いをしてきた女性に対して使った言葉です。
命乞いする無力な女性に対し、ブタのマネをさせた上に「ブタは死ね!!」です。女性は「見逃してくれるなら何でもする」と言ったのであって、見逃す気がないのならせめてばっさり殺ってしまえということですよね。

ルカの悪逆非道さが際立つこのイベントにより、ルカ打倒には一切の容赦がなくなる訳ですが、実はルカはラスボスではなく、中盤に倒される「中ボス」なのです。ルカは「中ボス」としては至上最強クラスだと思います。なにしろルカの部隊に対し、総勢18人(6人パーティ×3)で挑むことになりますから。

と、主人公軍は言ったとか言わないとか(言いません)。2対1どころか18対1(本当はルカにも部下の兵士がいるのですが、大体瞬殺なので)じゃあ、むしろ「フクロにしな」(by「不良少女と呼ばれて」の伊藤麻衣子)状態です。

それでもルカは烈海王のごとくこう言ったとか言わないとか(言いません)。そこまでやっても、ルカを倒すのは並大抵のことではなく、ラスボスよりも難しいと言われる程です。しかもこれだけやっても更に主人公との一騎打ちがあり、この時点でルカは瀕死状態で体力も残り僅かになっているのですが、それでも油断すると主人公が死ぬという。
主人公が勝利すれば何とかルカを倒すことができるのですが、ここでもルカは「豚は死ね」に並ぶ名言を放ちます。
聞け(主人公)!!!
きさまらは千人でおれを殺したが、おれは一人で、その何倍も、きさまらの同胞を殺した!!!!
おれは!!!
おれが想うまま、おれが望むまま!!!!
邪悪であったぞ!!!!!!!!

どんだけ「!」を使うんだと突っ込みたくなりますが、右手を突き上げてまるでラオウのようです。この二つのセリフと生き様により、ルカは幻水史上最強にして最凶の悪役としての地位を確固としています。全RPGの中でも最高クラスという声もあったりして。

ではなぜ、こんなにも虐殺魔になったのかといえば、過去の事件が大きな影響を与えています。ハイランド王国はおよそ30年ほど前、隣国にあたるジョウストン都市同盟と戦争をしていました。およそ6年間の戦闘の末に休戦協定が結ばれますが、まさにそれはルカの出生した年でもありました。

そのルカが10歳頃の時、両親である国王と王妃とともに都市同盟での式典に参加します。休戦協定締結10周年とかそんなものでしょうか。その帰路、国王一家の隊列は謎の暴徒の襲撃を受けます。後にこれは都市同盟の盟主ダレルの差し金と判明しますが、この際アガレス国王は、妻子を置いて一人で逃亡してしまい、サラ王妃とルカ皇子は囚われの身になってしまったのでした。

本編ではルカはジョウイの身体を張ったを策謀でアガレス国王を暗殺するのですが、その際にルカは「俺と母が都市同盟の豚共の慰み者になっていた時に~」と言っています。更に、父の死を聞いて駆けつけた妹ジルに「なぜ泣くジル? その男は、貴様の父などではないのだぞ!! ふはははははははははははははは!!」と言っています。

つまり、アガレスに置き去りにされたサラはレイプされて妊娠、その時の子がジルということになるのでしょう。拉致されていた期間は結構長かったらしく、ルカ自身も慰み者になっていたようなので、もしかすると「ウホッ」「アッー」「お前ここ初めてか?力抜けよ」的なことがあったのかも。暴徒の中に阿部さんがいたのか。

このあたりもう少し考察すると、ルカって27歳にもなって独身なんですよ。いや、我々パンピーであれば別段どうこういうことはないのですが、王族は血統重視、つまり子孫を残していくこと大事なわけで、ファンタジーとはいえ中世的世界である「幻水」ワールドであればやや奇異に見えます。というか、ルカは女性に興味がないようで、そこが男女平等虐殺にも繋がっているような。

すなわち、ママンのサラは当然下卑た男達の慰み者になったとして、ルカの方は暴徒の中にいた女達の慰み者になったのではないかと。本編では女性への無関心程度にしか表現されていませんが、本当は女性を憎んでいたんではなか。それが、わざわざブタの真似のさせたあげくの惨殺に示唆されているのではないでしょうか。

いや~…このサラ王妃&ルカ皇子拉致の状況はエロエロに書いてみたいですね。団鬼六風とかに。小賢しく卑怯卑劣な暴徒のリーダーは、あなたの言いなりになどならないという意思で、きっとにらみつける気高く美しい王妃にきっとこう囁くんですよ。

「俺達に征服されるくらいなら舌を噛んで死ぬってか?いいぜ…死んでも。でもね、王妃陛下。あんたが死んだ後、あのガキが…おっとっと、あの皇子殿下がどうなるかってことを考えておられますか?教えてあげましょう。あんたが死んだら、皇子は一寸刻み五分試しで、あらゆる拷問を行って、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて死ぬようにして差し上げます。それを承知の上でしたら、どうぞご自由に…くっくっく…」ゲスい!けしからん!もっとやれ!

実際、王妃が抵抗を試みたらルカの爪の一枚も剥がしたりしたのではないでしょうか。また、ルカの方も女達へ淫らな奉仕を強制され、抵抗したりすると王妃が鞭で打たれたりして。こうして互いを互いの人質にされると、愛が深いほど言いなりにならざるを得ない訳です。そして猿轡をかませるなどして声を出せない状況にして、ルカに調教される王妃の姿を見せたりして。王妃はルカのために言いなりになっているんですが、そんなこととは知らないルカが涙を流して歯を食いしばっているところへ、醜い女が「ふふっ…王妃も一皮剥けば淫らなメスなんだねえ…ご覧よあの淫らな腰の使い様を。あれがお前の愛するママンの正体さ」みたいなことを言って言葉責めにしたりして。いいですなあ、こういうの。二人の首には犬の首輪がはめられて、王妃は淫らな娼婦の衣装の着用を強制されたりして。レイプの合間合間には色んな調教されるんでしょうね。そう例えば……

……くっ、このままではダーク・ユースフになってしまう……静まれ俺の右手!妄想を鎮めるんだッ!でもついついこういう妄想をしてしまうのは、リアル「鬼の哭く街」A立区育ちだから仕方ないよね……と、なぜか上崎裡沙になってしまうのでした(笑)。

ということで、こういう過去のトラウマがあったとすると、ルカの都市同盟への憎悪も理解できるような気がします。もちろんだからといって賛同は出来かねますが。そして、サラ王妃はだいぶ以前に亡くなっているようですが、ルカがジルをどう思っているかについては、外伝にこのようなセリフがあります。

「ジル、おまえのこの髪、この瞳、この唇。全てに、母の面影が残っていなければ、この両手でおまえをくびり殺しているところだ。」誰とも知れない憎い暴徒の子・ジル。しかしジルの容姿は愛するママンそっくりなようです。これではルカといえども手が出せなかったのでしょう。生まれたのがもし弟だったら…

個人で戦局すら変えうるという圧倒的な強さのルカでしたが、暴走しがちな狂気と残虐性によって次第に部下からも疎まれ、危険視されるようになっていきます。ジョウイの口車に乗り、父を暗殺して国王となったものの、そのジョウイにも裏切られてしまいます。まあジョウイは最初からルカを倒して自分がハイランドの国王になって平和を実現しようとしていたのですが。

そのためにジョウイはジルとの結婚を提案し、ルカも国王暗殺の手段としてこれを認めたのですが、ジョウイ×ジルは必ずしも打算だけではなかったようで、二人の間には愛があった模様です。

最後にどうでもいいことですが、不可解なのはハイランド王国の女性名。サラとかジルとか王家にしては単純すぎませんか?“Every Jack has his Jill”なんて英語の諺がありますが、ジャックとジルは男の子と女子を代表する名前で、言うなれば太郎と花子のようなものです。諺の意味は「はどんな人にもぴったりな恋人になる異性がいる」ということですが、幻水Ⅱではさしずめ“Joey has his Jill”ですかな。

他にも不思議な点とか紋章の話もしたいのですが、尺が長くなったのでまた改めて……

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