記憶に残る一言(その30):コンバット越前のセリフ(デスクリムゾン)

997回目ですよ、こんばんは。今日の北海道はやたら暑く、帯広や釧路など道東では30度を超える地点もありました。本州でも30度超えしたそうですが、北海道で4月でって、これは異常気象ではないかいな。4月の真夏日は17年ぶり史上2回目だそうですが、釧路あたりは真夏でも「海風のクーラー」により25度超えることも滅多にないというのに。

札幌は25度だったのでそれほどではなかったですが、それにしても4月としては異常に暑いです。コート着て出勤している寒がりもまだいたというのに。“♪マクロの空を貫いて北海道を撃った真夏日は 我ら寒がりの道産子に目覚めてくれと放たれた♪”なんちゃって。

本日は30回目という節目の「記憶に残る一言」です。またもゲームからで、「デスクリムゾン」からコンバット越前のセリフを紹介しましょう。

「デスクリムゾン(DEATH CRIMSON)」は、エコールソフトウェアが1996年8月9日にセガサターン向けに発売したガンシューティングゲームです。セガが発売した「バーチャコップ」に続くガンコントローラー「バーチャガン」対応ソフトの第2弾として登場しました。クリムゾンとは、“「悔しい…でも感じちゃう!」ビクンビクン”の例の大手同人誌ではなく、ゲームで登場する主人公コンバット越前の使用する銃の名前です。

「クリムゾン」は持ち主の精神を蝕みながら進化していく銃であると設定されていて、射撃を確実に敵に当てていくことで、様々な付加能力が銃に加わっていくのが特徴となっていました。ここまでですとなかなか面白うそうなゲームに見えますね。

しかし元はCADを業務としていたエコールには、開発スタッフの人数や経験などが決定的に不足していたのです。にも関わらず無理矢理様々なアイデアを詰め込もうとした結果、オープニングデモに始まって演出・画面描画・操作性・ゲームバランスなど、ゲーム全体にわたって膨大な問題を抱えてしまいました。いわゆるツッコミどころ満載ってヤツですね。

当時の雑誌のレビューを見てみましょう。まずは名門「ファミ通」です。上から3、3、3、4の計13ポイント。結構得点もらってるじゃんと思いきや、ファミ通では最低点が3点なんだとか。「こりぁあ、キツイ!!」「『バーチャコップ』をマネてみたが何もかも及ばなかった」「成長する武器システムはいいけど、それを楽しむには邪魔が多すぎ」「レビューをやるなかで、ゲームに点数をつけるという行為に限界を感じた1本」など言いたい放題されています。

続いて「サタマガ」。こちらは3、2、4で9ポイント。「バーチャガンでも大変だわ」「これマジで出すんですか?」「消化不良のシステムが否!」とこちらも手厳しい批評ばかりです。

さらに「サタマガ」の読者レビュー。こちらは利害関係が絡んでいないせいでさらに厳しいです。なんと「サタマガ」でのゲームの平均点3.0のところ1.0909!10点満点で1点台です。「ついに出た空前絶後の1点台!!超要注意!!」って煽りがまた。コメントも「個人的には10点だが、客観的には1点」「どれを取っても最悪で、バーチャガンを持っていない俺にはただのゴミ」「違う意味で凄すぎる」ともはやウケ狙いに走っています。

そのクソゲー部分を列挙すると…

1.OP
メーカーロゴの不気味さに子供はマジ泣き。しかもスキップできない
ゲームオーバーになるとタイトル画面に戻され、そのたびメーカーロゴを見させられ、飛ばせない

2.合わせづらい照準
バーチャガンの照準調整画面が、一発撃つと終了してしまうため、本当に照準が合ったか確認できない
照準を合わせたつもりでも、なぜか左方向にずれる

3.画面など
「全編流れる美しい3DCGの世界」とのウリ文句とは裏腹に、バグかと思ってしまうほどに粗く汚い画面
進化する銃なのに、ステージクリアするたびに強化状態が初期に戻る
視点がさまざま切り替わるが、どう見ても空中を飛んでいるとしか思えない動きをする
ダメージを受けた後の無敵時間がコンマ1秒さえない
スタッフロールが「Stuff Roll」となっている(stuffには「ガラクタ」「クズ」などの意味がある)
日本語なのに何が書かれているのか理解できない説明書

しかし、独特の不条理さや不可解な台詞、ゲーム雑誌の読者評価ランキングで最下位の常連となったことなどがかえって注目を集め、インターネットを中心に口コミで話題を博することになります。そして「クソゲーの帝王」「最下位帝王」「デス様」などの異名を付けられてカルト的人気を博し、後にまさかの続編が発売されることになるなどエコールの看板ソフトとなっています。中古ショップでは定価前後のプレミア価格が付けられている所もあるとか。何事も極めればそれはそれで…

ストーリーは上画像のとおりです。傭兵だったコンバット越前(本名越前康介)が10年経ったら医者になっていたというのもなかなかに凄いですが。

そして問題のセリフがこれです。オープニング動画においてコンバット越前康介が叫びます。何がどう「せっかく」なのかが全く不明です。選ぶも何も扉はひとつしかありません。そしてそもそも扉は赤くありません(上に灯っているランプは赤いですが)。下記の動画を見て頂ければそのシュールさがお判りいただけるかと。
コンバット越前の声はやたら甲高く、しかも下手くそです。説明書やエンディングのスタッフロールに一切名前が掲載されていおらず、エコールの公式コメントは何と「忘れました」(笑)。

ちなみにOP画面の実写映像は和歌山県の友ヶ島です。実は島群の名称で、地ノ島、神島、沖ノ島、虎島が含まれます。沖ノ島には外国艦隊の大阪湾進入を防ぐために要塞施設が造られており、今も比較的良好な状態で残っています。映画や雑誌などのロケで使用されることもあり、「デス様」の聖地にも選ばれた訳ですね。

当然ながら、他のゲームでもパロられています。この「せっかくだから…」は汎用性が高いので、ぜひ機会があったら使ってみて下さい。全く「せっかくだから」感がないところで使うのがお約束です。

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