記憶に残る一言(その160):キン肉マンスーパー・フェニックスのセリフ(キン肉マン)

まだ5月だというのにもう発生している非常に強い台風2号が、いやーなコースをたどっるみたいですね。強い地震は各地で起こるし。天災は忘れたころにやってくると言いますが、最近は忘れる間もなくやってくるので困りものです。

さて本日は久しぶりに「記憶に残る一言」です。今年一発目なのだから本当に久々ですね。本日はキン肉マンスーパー・フェニックスをセリフを紹介したいと思います。

スーパー・フェニックスは「キン肉マン」終盤の「キン肉星王位争奪編」に登場した、運命の5王子の一人です。キン肉星の王子といえばキン肉マンことキン肉スグルなのですが、彼が数々の戦いの中で「火事場のクソ力」を成長させ続けてきたことに脅威を感じた、超人界の神々の中でも邪な心を持つ5柱の神(邪悪五神)は、キン肉スグルが誕生した日に産院で起きた火災の混乱で子の取り違えがあった可能性を根拠に、同日同時刻に同じ病院で誕生していた5人の超人を王位継承候補者に仕立て上げました。

その中でもラスボス格のスーパー・フェニックスは、フェニックスマンに邪悪五神の一柱・知性の神が乗り移って変貌した姿です。生来の優秀な頭脳に加え、知性の神から与えられた超人強度1億パワーを駆使し闘う頭脳派ファイターで、知性チームを率いてキン肉星王位争奪戦に参戦することに。

この知性チーム、やたらに強い超人がそろっており、決勝戦でキン肉マンチームと対決するまで、一つも負けなしで勝ち上がってきました。まるで「孫子」の言うところの「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求める」を地で行くような。もっとも引き分けは3回ほどあったんですが…

対強力チーム戦でマンモスマンがキャノンボーラーとラリアットの相打ちでダブルKOとなったのは、フェニックスとビッグボディの大将戦を実現させるための演技だったのでまあいいのですが(マンモスマン対ビッグボディ戦も見てみたかったですが)。


対超人血盟軍戦ではサタンクロスがアシュラマンとダブルKOで引き分けとなり、プリズマンがブロッケンJr.とダブルKOとなっています。この二戦は明らかにガチだったので勝利とはとても言えません。フェニックスに言わせれば「引き分けは敗北にはならん」のだそうです。頭脳派ファイターというより屁理屈ファイターでは。

それはさておき、対強力チーム戦はフェニックスとマンモスマンの二人だけで、そして対超人血盟軍戦はこれにサタンクロスとプリズマンを加えて四人だけで戦った知性チーム。最後まで温存していたのがジ・オメガマンでした。「ウルトラマン」で最後に登場した怪獣がゼットンだったように、「キン肉マン」で最後に登場した超人なので、ギリシャ文字最後の文字であるオメガという名前を使ったのではないでしょうか。

サタンクロスがキン肉マンに敗れ、プリズマンがラーメンマンに敗れた直後に満を持して登場。ジェロニモを必殺技のΩカタストロフ・ドロップで葬ります。

その後、フェニックスと共にキン肉マン、ザ・サムライとタッグ対決。ザ・サムライの正体は完璧超人ネプチューンマンだったのでさすがに強く、またキン肉マンとの連携も冴えていたので圧倒することはできませんでした。

そこでフェニックスとオメガマンはΩメタモルフォーゼを使用。これはマスクから照射した光線を当てた物体に全身、もしくは体の部位を変身させる能力で、フェニックスとの連携により「キン肉マンが生涯で一番強いと思った超人」であるプリンス・カメハメに変身します。

カメハメはキン肉マンをわずか7秒で文字通り秒殺しており、キン肉マンが超人レスリング公式戦で初めて敗れた相手でもありました。師匠としてキン肉マンに「48の殺人技」を伝授したほか、「夢の超人タッグ編」ではタッグパートナー・キン肉マングレートとして宇宙超人タッグ・トーナメントに参加しました。途中でテリーマンを救うためにサンシャインの呪いのローラーに投げ込まれて瀕死の重傷を負い、その後、テリーマンにグレートのマスクを託して息を引き取りました。キン肉マンが師匠として尊敬し、唯一頭の上がらない超人です。

図らずもこの世に再臨したカメハメは、キン肉マンに伝授していなかった「52の関節技」を繰り出し痛めつけます。しかし、キン肉マンをKO寸前まで追い詰めたのになぜか技を解除するカメハメ。当然どういうことだオメガマンと怒るフェニックス。しかし、オメガマン曰く、カメハメの肉体が勝手にやったと。それはカメハメに変身したというより、オメガマンの肉体が乗っ取られているということでは(笑)。

気色ばむフェニックスに、もっともらしい言い訳をするカメハメ。そのキリッとした態度に圧倒されたフェニックスが放った言葉が今回の記憶に残る一言です。

「ま…まああんたほどの実力者がそういうのなら………」。手もなく丸め込まれてしまうフェニックス。本当に頭脳派なんですかあんたは。

その非情な攻めは、弟子であるキン肉マンにすら疑われるほどでしたが、カメハメの真意は実戦稽古による「52の関節技」の伝授でした。「48の殺人技」に「52の関節技」を併せて「カメハメ殺法100手」であるところ、キン肉マンには「48の殺人技」しか伝授していなかったことがカメハメの心残りだったのです。

結果、キン肉マンは「カメハメ殺法100手」をマスターした最強の超人となり、オメガマンはキン肉マンに地獄卍固めからのマッスル・スパークを掛けられ、あっさり絶命することとなってしまいました。

それにしても知性チームの超人強度は物語終盤とはいえインフレが極まっています。神の力を得たフェニックスが1億パワーなのはさておき、先鋒サタンクロスが4100万パワー。次鋒プリズマンが5200万パワー。最強超人候補にしばしば名前が挙がるマンモスマンが7800万パワー。オメガマンに到っては8600万パワーです。

対するキン肉マンチームは、完璧超人であるネプチューンマンが2800万パワーなのはいいとして、キン肉マンが95万パワー(ただし「火事場の馬鹿力」は7000万パワー)。ウォーズマンが100万パワー。ラーメンマンが97万パワー。ロビンマスクが96万パワー。テリーマンが95万パワー。ジェロニモが83万パワー。ミート君が50万パワー。「ドラゴンボール」ほどではないにしても、連載初期からのキャラと後半登場のキャラの格差が浮き彫りになります。それはさておき、キン肉マンチーム、妙に数が多いですね。他のチームはきっちり5人なのに延べ8人がメンバーになっている。フェニックスも頭脳派ならここにツッコめば戦う前に反則負けを取れたんじゃ…

それよりも凄いのは、これのどの格差を乗り越えて古いキャラが勝ってしまうこと。ロビンマスクなんて1億パワーのマリポーサを倒してしまっていますからね。むしろ超人強度とは一体なんなのだろうかということです。「ドラゴンボール」に登場するスカウターは戦闘力を数値化して表示していましたが、超人強度をスカウターで計測したらどのような数値が出てくるのか。

余談ですが、「キン肉マン」の人気の頂点は準決勝の知性チーム対超人血盟軍の頃で、決勝のキン肉マンチーム対知性チームの頃は人気がかなり落ちていたらしいです。よって決着後に連載も終了。まあ超人血盟軍のメンバーがやたら豪華でしたからね。個人的には原作では対決しなかった飛翔チーム対技巧チームとか、真・残虐チーム対強力チーム(最弱チーム決定戦?)とかを見てみたいですね。

それでは「ま…まああんたほどの実力者がそういうのなら………」と言いたくなるコメントその1。ゴルシことゴールドシップのセリフ。GⅠ6勝という押しも押されもしない名馬には違いなく、能力の高さにも定評がありますが、それらを帳消しにするヤンキーぶり・ネタ馬ぶりエピソードが凄まじい。「ウマ娘」のゴルシもこれを思い切り反映しています。特に有名なのが三連覇のかかった2015年の宝塚記念で、ダントツの1番人気だったのに、スタート直前にゲートで立ち上がって大きく出遅れ、15着と大敗して約120億円の馬券を一瞬にして紙屑に変えた通称「120億円事件」。シンボリルドルフは競馬にも「絶対」があるのだと教えてくれたそうですが、ゴールドシップは競馬が「絶対のない“ギャンブル”」であることを教えてくれたのだそうです。

その2。「水星の魔女」の主人公スレッタにアドバイスするアムロ・レイ。ま…まああんたほどの実力者がそういうのなら………でもどうやって?

その3。高橋留美子先生の箴言。「体験が多いほうがいいなんていうのは、凡人の思い上がりじゃないのかな(笑)。体験しなきゃ傑作が描けない人は、才能がないんだって(笑)。ま…まああんたほどの実力者がそういうのなら………。大ヒット作を連発する「本物の天才」にこれを言われたら誰も言い返せないですね。

出来ないという人はこうやってディスられるという。
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