2023年冬季アニメ序盤の感想(その2):ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん/解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ/お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件/NieR:Automata Ver1.1a


本日浴室の燻蒸と洗濯機の槽洗浄を行いました。私は2か月に1度行っているんですが、みなさんはどんなペースでやってるんでしょうか。冬はカビもあまり出てこなさそうな気もしますが、定期的に行う習慣をつけておこうかと。まあ行うと言っても燻蒸は水入れて仕掛けるだけ、槽洗浄もクリーナーを入れてスイッチ入れるだけなので非常にお手軽です。やはり文明はこういう方向に進んでいかないと。

冬季アニメも新型コロナの影響か休止・延期作品が相次いでいるようです。「異世界おじさん」の最終回(13話)は一体いつ放映されるのでしょうか。それはともかく序盤感想の2回目を行ってみましょう。まずは「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」。3話まで視聴しました。タイトルの長さから判るとおり「なろう」系ですが、作者の恵の島すずは既に「なろう」を退会して別の小説投稿サイト(カクヨム)で番外編を連載しているようです。

悪役令嬢ものは「なろう」系ではジャンル化しており、「はめふら」こと「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」はヒットしました。ガチの悪役令嬢ではなく、見かけが悪役令嬢風なだけで中身は全然違ってたり、悪役令嬢だったけど前世の記憶を取り戻したことにより人格が変貌したりするケースが多いようですが、本作のリーゼロッテも激しいツンデレぶりが周囲に理解されず悪役令嬢と認識されてしまっているという人です。


実はリーゼロッテは乙女ゲーム「マジカルに恋して(まじこい)」の登場人物で、悪役にしてラスボス的存在です。どのルートを選んでも婚約者(ジーク王子)の寵愛を得られず、絶望した末に魔女に取り込まれて破滅を迎えてしまうという可哀想なキャラでもあります。

「まじこい」が大好きな小林さんは、外伝の「リーゼロッテの手記」を読んでからリーゼロッテの大ファンで、同じ部活の遠藤くんに布教かたがた一緒にプレイし、リーゼロッテの行動などにツッコミなどを入れていたところ、なぜかジーク王子に声が届くようになり、彼は“神の声”と認識するように。

そこで、リーゼロッテを救いたい二人はジークにリーゼロッテのツンデレぶりを説明し、彼女への誤解を解くことに。それによりツンデレの概念を理解し、リーゼロッテを可愛く感じるようになったジークと、それに照れまくるリーゼロッテの行動をニマニマしながら見守る二人。


一方、狂言回しをしている実況・解説コンビにも事情が。二人は高校の同級生にして放送部員ですが、遠藤くんはかつて野球部のピッチャーだったものの、肩の故障で野球の道を断念したという挫折者です。小林さんは遠藤くんの窮地を放送部に誘う形で救い、以後遠藤くんは小林さんに片想い状態。


それを知ってか知らずか小林さんは遠藤くんを自宅に誘ったりして「まじこい」を続けて行きます。「まじこい」にも不思議現象が起きていて、セーブが出来なかったり、二人揃わないと声が届かなかったりするので、リーゼロッテを救うためには二人で力を合わせなければなりませんが、魔女の力はなかなかに強力で…という展開になっています。

ゲーム世界的異世界というのはよくありますが、そこに外部から介入するという形は初めて見ました。二人はリーゼロッテを救うことに主眼を置いていますが、遠藤くんは生真面目で主人公キャラのフィーネを助けようと奮闘し過ぎるせいで死亡率が高いリーゼロッテの従兄弟のバルドゥールに自分自身を重ねていて、彼のことも救いたいと思っています。

ゲーム本来の主人公フィーネは平民なのに貴族しかつかえないはずの魔法が使えることで特例として王立魔導学園に入ることになった、「はめふら」のマリアによく似た境遇のキャラですが、どういう訳か最初からカンストレベルの実力を持っており、フィーネを育成・強化してラスボス戦に備えるというゲーム本来の趣旨から逸脱した状態になっています。ゲーム世界にプレイヤーの声が届くこともそうですが、もはや普通のゲームではなくなっている模様。


二人の声を聞くことでジーク王子はリーゼロッテを可愛く思うようになっているので、ジークの寵愛を得られない→絶望→魔女に取り込まれて破滅というルートは消えたようにも思えますが、なかなかに魔女の呪いは強力らしく、世界線が収束するようにリーゼロッテを破滅に誘っている模様。遠藤くんと小林さんは「まじこい」世界に、世界線を移動するほどの変革を与える必要があるようです。


本作は「まじこい」世界の変革と共に、遠藤くんと小林さんの関係性の変化も描くと見られ、今後は逆にゲーム世界から二人に変革を与えるようなイベントもあったりするのではないかと期待しています。小林さんのCVは花澤香菜で、今季もアニメ作品に出演島倉千代子です。当然ながらキャラによって演技が全然違うのが素晴らしい。小林さんは元気少女という感じで、「陰の実力者になりたくて!」のアレクシア王女は裏表のあるかなりひねくれた性格、そして「久保さんは僕を許さない」の久保さんはまさに天使というキャラです。

次は「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」。3話まで視聴しました。本作も「なろう」系で、悪役令嬢ものと共に「なろう」系の一ジャンルとなっている追放ものですね。


魔王軍四天王の一人グランバーザに育てられ、四天王補佐として仕事をしていた暗黒兵士のダリエルは、グランバーザ引退後に四天王に就任した息子のバシュバーザから解雇されてしまいます。

この世界においては、魔族と人間族は外見上ほとんど差異がなく、魔法が使えるのが魔族、使えないのが人間族という感じで、ダリエルは魔法が使えない(=魔族じゃない)ことが解雇理由に。仕方なく魔族の城を去って森を彷徨っていたダリエルは、モンスターに襲われる少女マリーカを助けたことで人間族の村へ行くことに。

そこで判明した衝撃(むしろ笑劇)の事実は、ダリエルは魔族ではなくそもそも人間族だったこと。魔法が使えない時点で察しろという感じですが。魔法が使えない人間族はオーラで武器や防具を強化できるのですが、ダリエルはオーラ適性が極めて高く、あらゆる武器防具を使えることが判明。魔族としてはポンコツでも人間族としては超エリートということですね。オーラ力が強ければ聖戦士だ(ダンバイン懐かしい)。

ダリエルが行っていた四天王補佐の仕事というのは、渉外とか企画調整といった目立たないけど重要な業務で、彼がいなくなったことで魔王軍には重大な支障が発生します。このあたりはやはり「なろう」系の「真の仲間じゃないと勇者パーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(真の仲間)」に似ていますね。

で、「真の仲間」で勇者パーティーを追われたギデオンが元王女リーズリットと辺境でラブラブになったように、本作のダリエルもマリーカに好かれまくります。ダリエルは30代でマリーカは10代と年の差はありますが、とにかくマリーカが押しまくってくるので、まるでウマ娘とトレーナーの関係のようです。マリーカは凄まじいパワーを持っていて、大抵のモンスターは自力で倒せるためこれまで男に頼ったことがなかったということですが、窮地を救われるという初体験が恋心に変換した模様。30代のおっさんが10代の女の子を追い回したら極めてヤバい話なんですが、逆だと微笑ましい話になるのが不思議です。

ダリエルのCVは杉田智和で、これが本作のウリの一つとなっています。少なくとも私は、他の声優が演じていたら本作を見ていなかった。また他の四天王もダリエルを見下していた中、CV中原麻衣の四天王だけダリエルの優秀さを認識していて、連れ戻すことを提案しているので、今後魔族からのアプローチとかもありそうです。一方バシュハーザがダリエルを追放したのは、父の愛情を取られたという嫉妬心もあるらしいので、憎しみを募らせて刺客を送ったり自ら殺しに来ると言うこともありそうな。追放ものはスローライフを謳っていても結局スローライフにならないことが多いんですよね。

続いて「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」。4話まで視聴しました。これも「なろう」系で今回は三連続「なろう」系。我ながら好きだなあ。略称は「お隣の天使様」。「なろう」系というよりはラノベ風な作風です。

高校で「天使様」と呼ばれる才色兼備・文武両道の完璧超人椎名真昼。周囲にちやほやされている中、クラスメートの主人公藤宮周は特に関心を示していませんでしたが、ある日公園で雨に濡れたまま動かない真昼を見かね、傘を押し付けて去ったところ、日頃の不摂生がたたって風邪をひいてしまいます。実は隣人同士だった真昼と周。真昼は周の汚部屋ぶりとあまりに不摂生な食生活に呆れ、掃除の手伝いやおかずの差し入れなどをするようになり、やがて周の部屋で夕食を作って食卓を共にするように。

恋愛関係じゃないと言いつつ、外見上は半同棲にも見える関係になる二人。学校では「天使様」でも素は結構辛辣な真昼と、自堕落で不摂生ながら実は結構紳士的な周は、徐々に打ち解けて、少しずつ惹かれ合っていくことに。

真昼はお金持ちの家のお嬢様らしいですが、親の愛情を知らずに育っているらしく、愛情の欠如とか渇望みたいなものがある様子。一人暮らしですが、多分自宅に居たとしても孤独だったんでしょう。


一方周はなぜ一人暮らしをしているのか良く判りません。親が持つマンションなので貧乏な言えと言うことはなさそうですが。ママンが構いすぎるのがうざかったのか。


しかしこのママン、CV金元寿子というのが羨ましすぎる。でも声を聞いた時は日笠陽子だと思っていて、EDのキャストを見て驚きました。イカ娘などロリキャラで一世を風靡した金元さんがママを演じるようになるとは。聞き取れなかったこのリハクの耳をもってしても。

「天使様」真昼のCVは石見舞菜香。「転生王女と天才令嬢の魔法革命」でユフィリアを演じており、今季のヒロインという感じです。個人的には「ウマ娘」のライスシャワーの印象が強いのですが、2016年のデビュー以降、アニメやゲームへの出演多数ですっかり売れっ子声優ですね。



ただ、タイトルほど真昼は天使様じゃないし、周は駄目人間になっている訳でもないので、ちょっとタイトル詐欺かも知れません。「高校聖夫婦」に改名しろ(そういうドラマが昔ありました)。天使といえば「久保さんは僕を許さない」の久保さんこそ天使なんですが…この作品についてはまた次回にでも。本作については意識しないバカップルぶりを見て「リア充爆発しろ」と叫びたくなるラブコメですね。いやそれでいいんですけど。ライバル登場とかはなさそうですが、家の事情(特に真昼の)とかが波紋を起こしそうな気がします。

最後に「NieR:Automata Ver1.1a 」「ニーア オートマタ」と読みます。3話まで視聴。原作はゲームですが、クズアニメを量産するスマホゲームではなく、コンシューマーゲームです。原作はアクションRPGで、周回を重ねることで見られる物語が変化するマルチエンディング方式となっていて、バッドエンドを含めると26種類もエンディングがあるとか。アニメでは全てのエンディングを描くのは困難なので、5種類あるという正規エンディングのどれかを描くのでしょうか。なおゲームは「ファミ通」のクロスレビューで40点満点中39点という高評価でプラチナ殿堂入りしています。


1話は何が何やら全く説明がないままバトルシーンの連続となりましたが、その描写や動きが素晴らしく、さすがA-1Picturesといった感じです。3DCGは本当に制作会社により当たり外れが激しく、当たりの制作会社を引けるかどうかはまるでガチャみたいですね。「なろう」系作家なんかは自作アニメ化の際、どの制作会社になるか祈るようにしているのでしょうね。

2話から状況説明が入り、背景が判ってきました。西暦5012年にエイリアンの侵略を受けて地球を奪われた人類は月に退避し、衛星軌道上からアンドロイド兵士による大規模降下作戦を繰り返していますが、なお決定的打撃を与えることができず、戦況は数千年に渡り膠着状態とのこと。西暦5012年というだけでシビれます。光瀬龍の宇宙年代記で最も未来は「カナン5100年」とか「辺境5320年」あたりだったかと思いますが、その頃には宇宙開発は衰退しているんですよね。本作はそこから更に数千年未来となっていて、1話時点で西暦11945年ということに。


戦闘は人間側のアンドロイドとエイリアン側の機械生命体の間で行われており、代理戦争のようになっています。膠着状態を打破するため、人間側は新型アンドロイド兵士「ヨルハ機体」を開発し、戦線へ投入。物語はヨルハ部隊の戦闘タイプである2B(CV石川由依)が主人公となり、スキャナータイプの9S(CV花江夏樹)が相棒格となっています。

相棒といえばそれぞれ随行支援するサポートユニット・ポッドを持っており、遠距離攻撃のほか助言やナビゲーションを行っています。2Bのポッド042はCV安元洋貴で9Sのポッド153のCVはあきやまかおる。女性型アンドロイドには男声ポッドが、男性型には女声ポッドがつくのか。

アンドロイドにはヨルハ部隊の他に昔から地上で戦っているレジスタンス部隊が存在しますが、見かけは人間そのもので自我や感情を持っています。破壊されても保存されている情報から全く同じ個体を作り出すことが可能で、1話で自爆攻撃により消滅した2Bと9Sは2話で何事も無かったかのように復活しています。

もっとも敵である機械生命体も各個体の情報がネットワークでつながっていて、破壊されてもほぼ同一個体として復活可能な模様。さらにヤバいのは、アンドロイドの親とも言える人間は実は既に絶滅しており、侵略者であるエイリアンも機械生命体によって滅ぼされているらしいです。ということで、それぞれの自律兵器であるアンドロイドと機械生命体は、目的を失った状態で必要ない戦闘を続けている状況。その事実はアンドロイド兵士達には伏せられていますが、今後真実に気付くことになるのか?

なお新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、4話以降の放映は延期となってしまいました。そのため春季に放映再開となった場合、視聴はしますが序盤の感想は省略します。作画が凄いので非常に残念ですが、仕方ありませんね。人類に栄光あれ(滅んでるけど)。
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