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2023年冬季アニメ序盤の感想(その2):ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん/解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ/お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件/NieR:Automata Ver1.1a

おふろの防カビ
洗濯槽クリーナー

 本日浴室の燻蒸と洗濯機の槽洗浄を行いました。私は2か月に1度行っているんですが、みなさんはどんなペースでやってるんでしょうか。冬はカビもあまり出てこなさそうな気もしますが、定期的に行う習慣をつけておこうかと。まあ行うと言っても燻蒸は水入れて仕掛けるだけ、槽洗浄もクリーナーを入れてスイッチ入れるだけなので非常にお手軽です。やはり文明はこういう方向に進んでいかないと。

ツンデレ悪役令嬢序盤感想

 冬季アニメも新型コロナの影響か休止・延期作品が相次いでいるようです。「異世界おじさん」の最終回(13話)は一体いつ放映されるのでしょうか。それはともかく序盤感想の2回目を行ってみましょう。まずは「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」。3話まで視聴しました。タイトルの長さから判るとおり「なろう」系ですが、作者の恵の島すずは既に「なろう」を退会して別の小説投稿サイト(カクヨム)で番外編を連載しているようです。

リーゼロッテ序盤感想

 悪役令嬢ものは「なろう」系ではジャンル化しており、「はめふら」こと「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」はヒットしました。ガチの悪役令嬢ではなく、見かけが悪役令嬢風なだけで中身は全然違ってたり、悪役令嬢だったけど前世の記憶を取り戻したことにより人格が変貌したりするケースが多いようですが、本作のリーゼロッテも激しいツンデレぶりが周囲に理解されず悪役令嬢と認識されてしまっているという人です。

まじこい
破滅エンド

 実はリーゼロッテは乙女ゲーム「マジカルに恋して(まじこい)」の登場人物で、悪役にしてラスボス的存在です。どのルートを選んでも婚約者(ジーク王子)の寵愛を得られず、絶望した末に魔女に取り込まれて破滅を迎えてしまうという可哀想なキャラでもあります。

神の声を聞くジーク

 「まじこい」が大好きな小林さんは、外伝の「リーゼロッテの手記」を読んでからリーゼロッテの大ファンで、同じ部活の遠藤くんに布教かたがた一緒にプレイし、リーゼロッテの行動などにツッコミなどを入れていたところ、なぜかジーク王子に声が届くようになり、彼は“神の声”と認識するように。

このエンドを目指す

 そこで、リーゼロッテを救いたい二人はジークにリーゼロッテのツンデレぶりを説明し、彼女への誤解を解くことに。それによりツンデレの概念を理解し、リーゼロッテを可愛く感じるようになったジークと、それに照れまくるリーゼロッテの行動をニマニマしながら見守る二人。

野球少年だった遠藤くん
挫折

 一方、狂言回しをしている実況・解説コンビにも事情が。二人は高校の同級生にして放送部員ですが、遠藤くんはかつて野球部のピッチャーだったものの、肩の故障で野球の道を断念したという挫折者です。小林さんは遠藤くんの窮地を放送部に誘う形で救い、以後遠藤くんは小林さんに片想い状態。

こういう構造
実況解説付き

 それを知ってか知らずか小林さんは遠藤くんを自宅に誘ったりして「まじこい」を続けて行きます。「まじこい」にも不思議現象が起きていて、セーブが出来なかったり、二人揃わないと声が届かなかったりするので、リーゼロッテを救うためには二人で力を合わせなければなりませんが、魔女の力はなかなかに強力で…という展開になっています。

バル

 ゲーム世界的異世界というのはよくありますが、そこに外部から介入するという形は初めて見ました。二人はリーゼロッテを救うことに主眼を置いていますが、遠藤くんは生真面目で主人公キャラのフィーネを助けようと奮闘し過ぎるせいで死亡率が高いリーゼロッテの従兄弟のバルドゥールに自分自身を重ねていて、彼のことも救いたいと思っています。

フィーネとジーク

 ゲーム本来の主人公フィーネは平民なのに貴族しかつかえないはずの魔法が使えることで特例として王立魔導学園に入ることになった、「はめふら」のマリアによく似た境遇のキャラですが、どういう訳か最初からカンストレベルの実力を持っており、フィーネを育成・強化してラスボス戦に備えるというゲーム本来の趣旨から逸脱した状態になっています。ゲーム世界にプレイヤーの声が届くこともそうですが、もはや普通のゲームではなくなっている模様。

悪役ムーブのリーゼロッテ
デレるリーゼロッテ

 二人の声を聞くことでジーク王子はリーゼロッテを可愛く思うようになっているので、ジークの寵愛を得られない→絶望→魔女に取り込まれて破滅というルートは消えたようにも思えますが、なかなかに魔女の呪いは強力らしく、世界線が収束するようにリーゼロッテを破滅に誘っている模様。遠藤くんと小林さんは「まじこい」世界に、世界線を移動するほどの変革を与える必要があるようです。

遠藤くんと小林さん
神の声を送る

 本作は「まじこい」世界の変革と共に、遠藤くんと小林さんの関係性の変化も描くと見られ、今後は逆にゲーム世界から二人に変革を与えるようなイベントもあったりするのではないかと期待しています。小林さんのCVは花澤香菜で、今季もアニメ作品に出演島倉千代子です。当然ながらキャラによって演技が全然違うのが素晴らしい。小林さんは元気少女という感じで、「陰の実力者になりたくて!」のアレクシア王女は裏表のあるかなりひねくれた性格、そして「久保さんは僕を許さない」の久保さんはまさに天使というキャラです。

解雇された暗黒兵士序盤感想

 次は「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」。3話まで視聴しました。本作も「なろう」系で、悪役令嬢ものと共に「なろう」系の一ジャンルとなっている追放ものですね。

お前クビ
追放されるダリエル

 魔王軍四天王の一人グランバーザに育てられ、四天王補佐として仕事をしていた暗黒兵士のダリエルは、グランバーザ引退後に四天王に就任した息子のバシュバーザから解雇されてしまいます。

マリーカを助ける

 この世界においては、魔族と人間族は外見上ほとんど差異がなく、魔法が使えるのが魔族、使えないのが人間族という感じで、ダリエルは魔法が使えない(=魔族じゃない)ことが解雇理由に。仕方なく魔族の城を去って森を彷徨っていたダリエルは、モンスターに襲われる少女マリーカを助けたことで人間族の村へ行くことに。

オーラ斬りだ

 そこで判明した衝撃(むしろ笑劇)の事実は、ダリエルは魔族ではなくそもそも人間族だったこと。魔法が使えない時点で察しろという感じですが。魔法が使えない人間族はオーラで武器や防具を強化できるのですが、ダリエルはオーラ適性が極めて高く、あらゆる武器防具を使えることが判明。魔族としてはポンコツでも人間族としては超エリートということですね。オーラ力が強ければ聖戦士だ(ダンバイン懐かしい)。

ラブラブマリーカ

 ダリエルが行っていた四天王補佐の仕事というのは、渉外とか企画調整といった目立たないけど重要な業務で、彼がいなくなったことで魔王軍には重大な支障が発生します。このあたりはやはり「なろう」系の「真の仲間じゃないと勇者パーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(真の仲間)」に似ていますね。

おっぱいガン見

 で、「真の仲間」で勇者パーティーを追われたギデオンが元王女リーズリットと辺境でラブラブになったように、本作のダリエルもマリーカに好かれまくります。ダリエルは30代でマリーカは10代と年の差はありますが、とにかくマリーカが押しまくってくるので、まるでウマ娘とトレーナーの関係のようです。マリーカは凄まじいパワーを持っていて、大抵のモンスターは自力で倒せるためこれまで男に頼ったことがなかったということですが、窮地を救われるという初体験が恋心に変換した模様。30代のおっさんが10代の女の子を追い回したら極めてヤバい話なんですが、逆だと微笑ましい話になるのが不思議です。

理解者の四天王

 ダリエルのCVは杉田智和で、これが本作のウリの一つとなっています。少なくとも私は、他の声優が演じていたら本作を見ていなかった。また他の四天王もダリエルを見下していた中、CV中原麻衣の四天王だけダリエルの優秀さを認識していて、連れ戻すことを提案しているので、今後魔族からのアプローチとかもありそうです。一方バシュハーザがダリエルを追放したのは、父の愛情を取られたという嫉妬心もあるらしいので、憎しみを募らせて刺客を送ったり自ら殺しに来ると言うこともありそうな。追放ものはスローライフを謳っていても結局スローライフにならないことが多いんですよね。

天使様序盤感想

 続いて「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」。4話まで視聴しました。これも「なろう」系で今回は三連続「なろう」系。我ながら好きだなあ。略称は「お隣の天使様」。「なろう」系というよりはラノベ風な作風です。

人気の天使様

 高校で「天使様」と呼ばれる才色兼備・文武両道の完璧超人椎名真昼。周囲にちやほやされている中、クラスメートの主人公藤宮周は特に関心を示していませんでしたが、ある日公園で雨に濡れたまま動かない真昼を見かね、傘を押し付けて去ったところ、日頃の不摂生がたたって風邪をひいてしまいます。実は隣人同士だった真昼と周。真昼は周の汚部屋ぶりとあまりに不摂生な食生活に呆れ、掃除の手伝いやおかずの差し入れなどをするようになり、やがて周の部屋で夕食を作って食卓を共にするように。

雨の出会い

 恋愛関係じゃないと言いつつ、外見上は半同棲にも見える関係になる二人。学校では「天使様」でも素は結構辛辣な真昼と、自堕落で不摂生ながら実は結構紳士的な周は、徐々に打ち解けて、少しずつ惹かれ合っていくことに。

ラブコメ

 真昼はお金持ちの家のお嬢様らしいですが、親の愛情を知らずに育っているらしく、愛情の欠如とか渇望みたいなものがある様子。一人暮らしですが、多分自宅に居たとしても孤独だったんでしょう。

天使様の看病
もはや新妻

 一方周はなぜ一人暮らしをしているのか良く判りません。親が持つマンションなので貧乏な言えと言うことはなさそうですが。ママンが構いすぎるのがうざかったのか。

金元ママン
未来の嫁姑

 しかしこのママン、CV金元寿子というのが羨ましすぎる。でも声を聞いた時は日笠陽子だと思っていて、EDのキャストを見て驚きました。イカ娘などロリキャラで一世を風靡した金元さんがママを演じるようになるとは。聞き取れなかったこのリハクの耳をもってしても。

石見舞菜香

 「天使様」真昼のCVは石見舞菜香。「転生王女と天才令嬢の魔法革命」でユフィリアを演じており、今季のヒロインという感じです。個人的には「ウマ娘」のライスシャワーの印象が強いのですが、2016年のデビュー以降、アニメやゲームへの出演多数ですっかり売れっ子声優ですね。

恋人座り
膝枕
もう付き合ってるだろう

 ただ、タイトルほど真昼は天使様じゃないし、周は駄目人間になっている訳でもないので、ちょっとタイトル詐欺かも知れません。「高校聖夫婦」に改名しろ(そういうドラマが昔ありました)。天使といえば「久保さんは僕を許さない」の久保さんこそ天使なんですが…この作品についてはまた次回にでも。本作については意識しないバカップルぶりを見て「リア充爆発しろ」と叫びたくなるラブコメですね。いやそれでいいんですけど。ライバル登場とかはなさそうですが、家の事情(特に真昼の)とかが波紋を起こしそうな気がします。

ニーアオートマータ序盤感想

 最後に「NieR:Automata Ver1.1a 」「ニーア オートマタ」と読みます。3話まで視聴。原作はゲームですが、クズアニメを量産するスマホゲームではなく、コンシューマーゲームです。原作はアクションRPGで、周回を重ねることで見られる物語が変化するマルチエンディング方式となっていて、バッドエンドを含めると26種類もエンディングがあるとか。アニメでは全てのエンディングを描くのは困難なので、5種類あるという正規エンディングのどれかを描くのでしょうか。なおゲームは「ファミ通」のクロスレビューで40点満点中39点という高評価でプラチナ殿堂入りしています。

飛行ユニット
機動形態

 1話は何が何やら全く説明がないままバトルシーンの連続となりましたが、その描写や動きが素晴らしく、さすがA-1Picturesといった感じです。3DCGは本当に制作会社により当たり外れが激しく、当たりの制作会社を引けるかどうかはまるでガチャみたいですね。「なろう」系作家なんかは自作アニメ化の際、どの制作会社になるか祈るようにしているのでしょうね。

機械生命体

 2話から状況説明が入り、背景が判ってきました。西暦5012年にエイリアンの侵略を受けて地球を奪われた人類は月に退避し、衛星軌道上からアンドロイド兵士による大規模降下作戦を繰り返していますが、なお決定的打撃を与えることができず、戦況は数千年に渡り膠着状態とのこと。西暦5012年というだけでシビれます。光瀬龍の宇宙年代記で最も未来は「カナン5100年」とか「辺境5320年」あたりだったかと思いますが、その頃には宇宙開発は衰退しているんですよね。本作はそこから更に数千年未来となっていて、1話時点で西暦11945年ということに。

2B.jpg
9S.png

 戦闘は人間側のアンドロイドとエイリアン側の機械生命体の間で行われており、代理戦争のようになっています。膠着状態を打破するため、人間側は新型アンドロイド兵士「ヨルハ機体」を開発し、戦線へ投入。物語はヨルハ部隊の戦闘タイプである2B(CV石川由依)が主人公となり、スキャナータイプの9S(CV花江夏樹)が相棒格となっています。

2Bとポッド042

 相棒といえばそれぞれ随行支援するサポートユニット・ポッドを持っており、遠距離攻撃のほか助言やナビゲーションを行っています。2Bのポッド042はCV安元洋貴で9Sのポッド153のCVはあきやまかおる。女性型アンドロイドには男声ポッドが、男性型には女声ポッドがつくのか。

レジスタンス

 アンドロイドにはヨルハ部隊の他に昔から地上で戦っているレジスタンス部隊が存在しますが、見かけは人間そのもので自我や感情を持っています。破壊されても保存されている情報から全く同じ個体を作り出すことが可能で、1話で自爆攻撃により消滅した2Bと9Sは2話で何事も無かったかのように復活しています。

不思議行動をする機械生命体

 もっとも敵である機械生命体も各個体の情報がネットワークでつながっていて、破壊されてもほぼ同一個体として復活可能な模様。さらにヤバいのは、アンドロイドの親とも言える人間は実は既に絶滅しており、侵略者であるエイリアンも機械生命体によって滅ぼされているらしいです。ということで、それぞれの自律兵器であるアンドロイドと機械生命体は、目的を失った状態で必要ない戦闘を続けている状況。その事実はアンドロイド兵士達には伏せられていますが、今後真実に気付くことになるのか?

ヨルハ司令部

 なお新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、4話以降の放映は延期となってしまいました。そのため春季に放映再開となった場合、視聴はしますが序盤の感想は省略します。作画が凄いので非常に残念ですが、仕方ありませんね。人類に栄光あれ(滅んでるけど)。
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天気の子:新海誠の名声を確立した作品

寒波襲来

 底は打ったようなことも言われていますが、寒さが続いています。平日は会社に行くから別段なんですが、休みの日の日中はエアコンを入れようか迷います。電力不足という話は聞かれなくなりましたが、みだりに使うと光熱費で家計が傾いてしまいます。電気料金値上げという話もあるし、オール電化にした人なんか戦々恐々かも知れませんね。厚手の部屋着と着る毛布で凌いでいますが、手先が冷たい(涙)。

天気の子

 本日は正月休みに視聴した新海誠作品「天気の子」の感想です。2016年に「君の名は。」が大ヒットして国民的アニメ監督の地位に昇った新海誠が、「一発屋」で終わるかポスト宮崎駿となるかの正念場ともいえるメジャー第二弾(通算7作目)作品が本作といえるでしょう。「君の名は。」公開の3年後の2019年7月19日公開。国内興業収入250億円超え、全世界で410億円を超えた怪物である「君の名は。」には及びませんでしたが、国内興業収入は140億円超え、全世界で250億円を超えており、第43回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、新海誠の名声を完全に確立させました。

天気の子その2

 2021年6月という、公開時期より2年後が舞台となっています。「君の名は。」におけるティアマト彗星の破片が糸守町に落下したのが2013年で、ラストシーンで瀧と三葉が再会したのが2022年春。なので、瀧と三葉が再会する前の話ということになります。なぜ前作の時期を気にするのかというと、「君の名は。」の登場人物が登場するからです。「君の名は。」にもその前作「言の葉の庭」のヒロイン雪野百香里が登場しましたが、今回は更に大量出演。

帆高

 伊豆諸島の神津島から、フェリーに乗って東京にやってきた森嶋帆高。高校生が衝動的に家出してきたようで、すぐに生活に困窮し出しますが、フェリーで出会った怪しいライター須賀を頼ったところ、零細編集プロダクションで住み込みで働けることに。食事付きではあるものの、月給5千円という超ブラック職場ですが、他にあてもないので仕方ありません。

ブラック帆高
二人をあしらう須賀

 須賀は主にオカルト系雑誌向けに胡散臭い記事を書いてますが、集めた都市伝説の中に「100%の晴れ女」というものが。その年、東京を含めた関東地方が異常な長雨が続いており、エンドレス梅雨状態でしたが、帆高は偶然「100%の晴れ女」天野陽菜と出会うことに。

晴れを見つめる陽菜

 陽菜も小学生の弟・凪と二人暮らしでバイトを首になって生活に困っているということで、晴れ女の能力で商売をすることを提案。何しろ陽菜が祈ると一時的とはいえ本当に晴れるので、順調に仕事を増やして行きますが、花火大会を晴れにする姿がテレビで報じられたことから依頼が殺到し、休業することに。

逃避行

 実は陽菜、帆高には18歳の年上と偽っていましたが、実のところはまだ中学生でした。また帆高も家出により捜索願が出ていました。つまり二人とも、警察なり児童相談所なりが介入する余地のある子供であり、しかも帆高は陽菜を助けるためとはいえ、拾った拳銃を発砲するところが防犯カメラに映っていたのでお尋ね者度はさらに上。警察が来たことで須賀から編集プロダクションを追われた帆高は、陽菜達姉弟と逃避行することに。

廃ビルに光が
廃ビルの神社
巫女になる

 陽菜が「100%の晴れ女」になったのは、母の死の間際、そこだけ陽が射していた代々木の廃ビル(モデルは代々木会館)屋上の神社を訪ねたことが原因のようです。

占いオババ
気象神社の神主

 ただし祈りの代償として身体が徐々に透明化するという現象に見舞われていました。須賀達はオカルト関係の取材で気象神社を訪れた際、人柱として犠牲になるという「天気の巫女」伝承を聞かされていました。また別途取材した「占いおババ」からも、「天の気のバランスが崩れると晴れ女が生まれやすい」「天候系の力を使いすぎると神隠しに会う」などの話を聞いていましたが、なにしろ怪しさ大爆発なキャラだったのでほぼ聞き流していました。

透ける陽菜
雷撃

 しかしそれらの伝承は真実だったらしく、陽菜はの身体は薄く透明になっていき、遂に消失してしまいました。警察に捕まりそうになった帆高を助けるために、付近の車両に落雷させるという荒技を使ったことも遠因でしょう。雷撃(バルヴォルト)はわずかな高位魔法使いにしか唱えられない呪文なんだぞ(バスタード違う)。

空の上の陽菜

 東京は夏なのに雪が降るという状況でしたが、陽菜の消失により「72日ぶりの快晴」となりました。帆高は警察に逮捕され、凪は児童相談所に送られ、世間一般からすると一件落着というところですが、二人はそれぞれ脱走。陽菜を救うために例の代々木の廃ビルに向かいます。行けばどうなるか全然わかりもしないのに、なぜかあらゆる犠牲を払って代々木に向かう帆高。そしてそれを支援してしまう関係者達。

拳銃が落ちてる東京
拳銃発射

 なんとか神社に辿り着いた帆高は、突如上空にワープ。積乱雲の上に囚われていた陽菜と再開し、救出に成功すると二人は神社に倒れていました。陽菜救出の代償か、再び降り出した雨はその後止むことはなく、東京の下町エリアは水没することに。2024年の春、帆高は大学進学のため再び東京を訪れ、陽菜と再会することになります。

必要な時に拳銃

 本作の主人公帆高は瀧に比べると短絡的というか衝動的というか。いきなり家出して伝手もなく上京したり、落ちていたピストルを撃ったり、警察署から脱走したり。正直3年足らずの保護観察処分で済んでいるのが信じられません。

ねじりん棒
パラシュート部隊

 やはりここは少年鑑別所に送られて「ねじりん棒」と「パラシュート部隊」という新入りリンチを受けた後、さらに野菊島の特等少年院に送られて欲しい…ってそれじゃ「あしたのジョー」になっちゃうけど。

包帯真島

 なお帆高に必要な時に必ずピストルが落ちているというのもご都合主義過ぎる気がしましたが、「リコリス・リコイル」に出てきたテロリスト真島(ブロッコリー頭)がばら撒いていたのかも知れません。帆高も「慌てることはねぇ。しっかりな」と言われたとか(言われてません)。

空から降りる陽菜

 図らずも「天気の巫女」になってしまった陽菜。代々の家系とか何かの代償として背負ったとかではなく、たまたま廃ビル屋上の神社を訪れたらなってしまったということで、魅入られた系とも言えるでしょうか。なので帆高が救い出すのも、その代わり東京が水浸しになるのもまあ仕方がないのかなとは思います。陽菜が救い出されなければ東京と関東地方は元の気象に戻ったままだったかも知れませんが、「私が人柱になります」とか立候補した訳ではないので。でも水害で酷い目に遭った人達の中には、この真相を知ったら「お前さえ余計なことをしなければ」と思う人も出てくるかも知れません。

晴れ間が

 「天気の子」はセカイ系だという説があります。セカイ系というのははっきりした定義があるわけではない漠然とした言葉なんですが、「美術手帳」によれば“主人公の少年と恋愛相手の小さく日常的な二者関係(「ぼく」と「きみ」)が、社会関係や国家関係のような中間領域を媒介することなく、「世界の危機」「世界の破滅」といった存在論的な大問題と直結するような物語構造を持つ。”とされ、代表作として高橋しんの「最終兵器彼女」や新海誠の商業作品第一作「ほしのこえ」などが挙げられています。

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 個人的には西谷史の「デジタル・デビル・ストーリー」なんかもセカイ系の代表例だと思います。ゲームとして有名な「女神転生」シリーズや「ペルソナ」シリーズなどの原典にあたる伝記SF小説ですが、主人公中島がヒロイン弓子に対し「五十億の人間より、ぼくは君一人を選ぶ!」と叫んでますから。

陽菜を助ける帆高 

 個人的には「天気の子」はセカイ系と言うにはちょっと微妙な気がします。確かに帆高は陽菜を助けるのにバーサーカーモードになっていますが(普段は温厚で律儀な性格ですが、陽菜が絡むと凶暴性を発揮する傾向があるような)、東京がどうなってもいいから陽菜を取り戻そうとか思って行動している訳ではありません。というか他の事態や状況は「そんなの関係ねえ!」で、只ひたすら陽菜を助け出したいと思っているだけで、そもそも廃ビル神社にいけば助けられるというのも単なる直感に過ぎなかった模様。とにかく東京とか関東と引き換えにしてでも陽菜を選ぶといった認識はなかったような。要するに家出と同じで短絡的なんですよね、帆高の行動は。ただ陽菜の救出に際してはそれが図星だったという。

瀧と帆高

 私は瀧は結構好きなんですが、帆高はそういう短絡性がどうにも好きになれないんですよね。この人はこの先も陽菜絡みでは凶暴性を発揮しそうな。言い寄ってきた男をぶん殴るとか。こいつと添い遂げるのはよくよく考えてからの方がいいぞと陽菜には忠告したいところですが、なにしろ命の恩人だから聞きやしないでしょうねえ(苦笑)。

観覧車

 ところで「君の名は。」キャラの出演についてですが、まず三葉の高校時代の同級生にしてティアマト彗星事件の際の共犯者(言い方悪いけど)である勅使河原克彦と名取早耶香が登場。お台場で観覧車デート中に、陽菜が天気を晴れにする様子を目撃し、「すーげぇ」と「わー、きれい」と感嘆の声を上げていました。「君の名は。」の方ではその後の2021年12月に東京で近々結婚するという話をしていたので、郷里を離れていた模様。いいのか勅使河原建設のことは。

瀧

 そして瀧。祖母の冨美がお盆に際して「晴れ女」サービスを利用した際に帆高・陽菜と出会いました。なんかすっかり落ち着いた感じになってましたが、まだ大学生のはず。就活で血眼になっていてもおかしくない時期ですが…あの事件で肝が据わったのでしょうか。帆高に陽菜への誕生日プレゼントを提案していました。

三葉

 その提案に乗った帆高が訪れたジュエリーショップの女性販売員が三葉。瀧よりも先に出会っていました。一生懸命安い指輪を選んでいた帆高に、それだけ一生懸命選んでくれたのならきっと喜ぶと励ましていました。「君の名は。」ではわからなかった三葉の職業がここで判明。

JK四葉
巫女の口噛み酒

 妹の四葉も登場。陽菜消失後、東京に晴天が戻ったシーンで、学校のベランダから級友2人と空を見上げていました。当時は小学生だった四葉も8年経って高校3年生に。昔三葉に提案していた“現役女子高生仕込み 巫女の口噛み酒”を自ら作れるチャンスだぞ(笑)。

アダルト商品 

 なお余談ながら某アマゾンではこんな商品が販売されていました。18禁のアダルト商品のようですが、いいのかこれ?“巫女の唾液の匂いと粘土を再現! 唾液と糖が混ざりあったような甘い香り。天然潤い成分配合、安心の日本製。容量120ml”だそうですが、“粘土”は多分“粘度”の誤字でしょう。

ジゴロの凪

 あとおかしかったのは、小学生にしてモテモテのホスト体質・凪の女性関係(笑)。元カノがアヤネ(CV佐倉綾音)で、今カノがカナ(CV花澤香菜)。豪華やのう。ユキちゃん先生、今回は出てこないと思ったら今度は小学生に転生してたのか。新海誠、花澤さんをかなり気に入ってますね。

アヤネ
カナ

 記帳時にアヤネは「花澤綾音」と記名していたので、ということはカナは佐倉香菜なのかと思いきや、小説版によると先にカナの方が「佐倉カナ」という偽名を使ったため、仕返しの意味でカナの名字である「花澤」を使用したのであって、本名は佐倉綾音だそうです。二人ともほぼ本名で登場かい。

佐々木巡査

 なお「水星の魔女」の主人公スレッタ役の市ノ瀬加那も凪を監視する佐々木巡査役で登場。しかしアヤネとカナの連係プレーに騙され、みすみす凪の逃亡を許すことに。

ダメでしょ
ミオリネさん

 良かったなガンダムエアリアルがなくて。もしあったら「ダメでしょ!」で凪がトマトになるところだった。そしてミオリネさんになっちゃうアヤネとカナ。

再会シーン

 ということで本筋よりもどうでもいいことの方が気になってしまう質なので余計なことをつらつら書き綴ってしまいました。ところでラストシーン、帆高と陽菜が再会する場面で、つかの間空が晴れ、帆高の視線の先には祈る陽菜がいましたが、お前あんなことがあってまだ祈ってんのかい。いや、この晴れ間が祈りのせいかは知りませんが。

再会した二人

 二人して「また『晴れ女』サービスで一儲けしようよ」「そうだね、もし消失しても代々木の廃ビルから助けにいけばいいし」とか言い合ってるんじゃないだろうな。それにしても謎なのはあの廃ビル神社ですよ。うち捨てられて誰にも顧みられていない神社でもおかしくないのですが、ちゃんとお供えとかされてるんですよね。何者かがちゃんと祀っていたようですが、帆高が非常階段とか壊してしまってからはどうなったのか。

二人の帰還

 あと、もし帆高が助けに行かなかった場合、陽菜は雲の上にずっといたのでしょうか?それとも何か龍神とかそういった類いの存在が出てきて陽菜を食べちゃうとか嫁にするとかしたのでしょうか。後者の場合、せっかくの生贄をかっさらった帆高に恨み骨髄でもおかしくないので、上京してきたのを契機に次々と帆高の周囲に怪異が巻き起こる心霊ホラー展開になったりして。「ああ!窓に!窓に!」なクトゥルフ的展開もいいぞ!

窓に窓に

2023年冬季アニメ序盤の感想(その1):転生少女と天才令嬢の魔法革命/スパイ教室/お兄ちゃんはおしまい!/異世界のんびり農家

元気です

 昨年不倫報道により長年続けていたラジオ番組が終わってしまった大人気声優櫻○孝○さん。年が明けて復帰していくのかと思いきや新たな不倫報道が。番組タイトルの“元気です”って、下半身のことだったのか(笑)。そんなアピールされても「そ、そうですか…」としか返しようがないですが。一昨年には鈴○達○さんも不倫報道で活動休止に追い込まれていましたが、もはや声優さんも俳優と同レベルの報道対象になったということですね。杉田智和が以前「キャラはキャラ、声優は声優」と言っていて、キャライコール声優じゃないということを強調していました。確かにそのとおりで、特に櫻○さんはこれまで築いてきた実績がハンパじゃないので、演技は引き続き頑張って欲しいなと思いますが、自身がパーソナリティとなるラジオ番組とかは厳しいでしょうね。「元気になりました」とか「復活です」とか言えば「下半身が?」とかツッコまれそうで。信用回復は自らの行動で示していくほかないでしょう。

冬アニメ一覧

 さて早々に切った作品もありますが、それでも数えたら13本も見ている冬季アニメ。まだ多いのであと1~2本は切るかもですが、とりあえず3話視聴したものから感想をば綴って行きたいと思います。現在一時的なんでしょうがブログネタが貯まっているんですが、週末ブロガー生活になじんでしまうと平日更新はちょっと無理ですね。自分の事ながらほぼ毎日更新していた昔が信じられません。

転天序盤感想

 まずは「転生王女と天才令嬢の魔法革命」。3話まで視聴しました。舞台は王侯貴族だけが魔力を持ち魔法が使えるパレッティア王国。

アニムスフィア
キテレツ王女

 第一王女というれっきとした王族なのに、魔力を持たず、魔法が使えない王女アニスフィアは転生者であることを思い出し、魔法科学という新たな技術体系を編み出します。その奇行ぶりに周囲からはキテレツ王女と呼ばれます。

ユフィリア

 一方、宰相を務めるマゼンタ公爵令嬢ユフィリアは、アニスフィアの弟で王太子のアルガルドの婚約者でしたが、夜会において一方的に婚約破棄されることに。飛行魔道具「魔女箒」のテスト中に夜会会場に不時着したユフィリアは現場に遭遇し、ユフィリアを連れ帰り助手とすることに。かねてアニスフィアは魔法のみならず、勉学、政治、武芸に至るまで完璧な天才美少女であるユフィリアに目を付けていた模様。

婚約破棄だ

 ということで女の子二人の百合百合した魔法科学研究生活が綴られていけばいいのですが、アルガルド王太子が婚約破棄したのは、魔法科学の普及に危機感を持つ保守派の教唆によるもののようです。見たくはないんですが、今後も出てくるんでしょうねえ。

王様と宰相

 国王や宰相はアニスフィアのキテレツぶりにあきれながらも魔法科学については評価しており、国内に普及すれば国民の生活が一変すると考えており、改革派と言えます。根底に改革派と保守派の権力闘争があるというのはありだと思いますが、婚約とか古い!自分の伴侶は自分で決めると主張する王太子が保守派に担がれ、王族としての使命云々と考えている国王や宰相が改革派というのはなんとも不思議。普通逆でしょう。

百合百合

 アルガルドには魔法科学で目覚ましい成果を挙げる姉アニスに劣等感を持っているらしく、アニスが研究に専念する代わりに王位継承権を放棄したことも気に入らない様子。しかしこの人、ルックス以外に誇れるものがなさそうな(笑)。ユフィリアの夫にふさわしいのかというとそれもないです。ユフィリアが優秀すぎるので結婚したらさらに劣等感に苛まれそう。だから婚約破棄は結果的に正しい選択かも。

イリア
ティルティ

 ともあれ、ユフィリアのCVが「ウマ娘」でライスシャワーを演じる石見舞菜香だったり、アニスフィア専属侍女イリアのCVが大人ボイスを出す加隈亜衣だったり、アニスフィアの共同研究者である侯爵令嬢ティルティのCVが「ウマ娘」でカレンチャンを演じる篠原侑だったりというキャスティングは非常に良いです。正直野郎共は出さなくて良く、国王と宰相の会話の中で(粛清したとか始末したとか)済ませて欲しい。

テムパパン

 「ええい、権力闘争はいい!百合を映せ、アニスとユフィリアの百合ップルぶりを。そうそうそうだ」とテムパパンになってしまいます。まあそればっかりでは済まないのでしょうが、割合はしっかり考えて百合重視でやって下さい。「蜘蛛ですが、なにか」みたいに妙にバランス取ろうとすると却って作品をダメにすると思います。こっちは気持ちいい百合を見たいんじゃ。

スパイ教室序盤感想

 次は「スパイ教室」。3話まで視聴しました。ライトノベルの原作は大人気で、それを反映して今季の覇権ではないかとの声もありました。世界大戦の終結後、損害のあまりの多さに各国は「戦争はコスパが悪い」と認識、従来の軍事力による戦争に変わって、スパイたちによる情報戦「影の戦争」が繰り広げられるようになった時代。ディン共和国ではスパイ養成機関を落ちこぼれた少女達が集められ、成功率1割未満、死亡率9割とされる“不可能任務”に挑むことに。

クラウス

 かつて共和国最強と謳われたスパイチーム「焔」の生き残りであるクラウスが教官となり、落ちこぼれの少女たちのスパイチーム「灯」を結成。ガルガド帝国に奪われた凶悪な生物兵器サンプルの奪還に挑むことに。

リリィ愚人

 この当初の任務は3話にして終了。「焔」壊滅はクラウスの師匠であった最強スパイギードの裏切りによるもので、今回の任務でも強敵としてはだかりますが、最初からそれを読んでいたクラウスの作戦で任務を完遂することが出来ました。「灯」の拠点である陽炎パレス(かつては「焔」の拠点)が盗聴されていることを逆手に取り、8人組を7人組と誤認させるトリックを使って出し抜きました。

愛娘夢語

 しかし…そのトリック、いわゆる叙述トリックで、8人目の少女は視聴者にも見せないようにしていましたが、トリックがありますよということも示さなかったので、突如出てきても視聴者もポカーンです。小説とかの叙述トリックは、実際に画面を見せるテレビでは表現が難しいのはわかりますが、表現そのものを放棄するというのは新しいのか(笑)。

百鬼忘我

 声優陣はとっても豪華で、そのまま実写版が作れそうなキャスティングになっていますが、出来の方は…うーん。作画は悪くないのですが。取りあえず教官役のクラウスと「灯」リーダーのリリィ以外はキャラが良く判りません。各キャラをもう少し掘り下げてから不可能任務に挑むのかと思ったら、原作通りなのかも知れませんが3話で決行・終了してしまいました。1~3話のサブタイトルはリリィのコードネーム《花園》で、4話のサブタイトルはグレーテのコードネーム《愛娘》となっているので、ミッション毎に当番を変えてキャラを掘り下げるのかも知れません。

氷刃草原

 今後の展開に期待したいところですが、どうなるでしょうか。あとタイトルと言い、教官が教え子に「僕を倒せ」と実戦形式の訓練を施すあたり、「暗殺教室」を連想してしまうんですよね。パクリではないのでしょうが、影響を全く受けていないとも言いがたい感じです。

おにまい序盤感想

 続いて「お兄ちゃんはおしまい!」。3話まで視聴しました。引きニートのまひろは、飛び級で大学に進んだ天才少女の妹みはりに飲まされた薬のせいで中学生くらいの女の子に変身してしまいます。不本意ながら女の子としての生活を始めるまひろが遭遇する、今まで知らなかった数々の“未知”に当惑島倉千代子な日々が描かれます。

まひろ

 某コナンみたいに子供になっちゃう薬があるなら性転換する薬があってもおかしくあるまい…とはいえ、なぜ年齢まで変わるのか。さらに薬の影響はメンタルにまで及んだようで、今まで忌避していたBL(まあだいたいのオノコは忌避しますが)が「お気に」になってしまた模様。

みはり

 「君の名は。」も一時的とはいえ心が入れ替わって性転換する状況が描かれましたが、本作はさらにもう一歩踏み込んでいて、2話でまひろは「生理」を体験。女性の大変さを痛感することに。直接的な描写はしていませんでしたが、踏み込んだなあとは思いました。「君の名は。」だって瀧が三葉の“その日”に遭遇する可能性はあったはずですが、その辺は一切描かれませんでした。

可愛くなったまひろ
赤飯だ

 ということは、まひろは妊娠・出産する可能性も。薬の効果で女体化しているだけなのか、性転換したらそのままなのかはまだ判然としませんが、1か月以上変化していないので、まさに「お兄ちゃんはおしまい」なのかも知れません。みはりの妹にクラスチェンジして過ごすのか。

かえで

 まひろにすると、みはりは妹気質なのでお姉ちゃん感がなく、3話に登場したみはりの友人で妹がいるかえでにお姉ちゃん感を感じているようです。かえでいいですね。見た目はギャルだけど、料理が得意で面倒見もいいし。「その着せ替え人形は恋をする」の海夢(まりん)もそうでしたが、“性格の良いギャル”というのが流行っているのでしょうか。かえではCV金元寿子だし、これは素晴らしいお姉ちゃん。

お姉ちゃん気質のかえで

 公式HP見てると、どうも今後はまひろはリアルJCとなってかえでの妹と同級生になる展開のような。野暮なようですが戸籍とか大丈夫なのだろうか。

高野麻里佳

 まひろのCVは「ウマ娘」のサイレンススズカを演じる美人声優高野麻里佳。昨年後半に適応障害になって治療優先のため活動を制限すると発表されていましたが、大丈夫でしょうか。昨今の声優は歌手としてソロデビューしたり、キャラに扮して歌い踊ったりしなければならないから大変ですよね。当面は演技だけに専念して貰えればと思います。男言葉を使う元男の役柄というのは意外な感じですが、既に5年前のドラマCDで同じ役を演じているんですね。声優変更が当たり前のように起こる中、本作のメインキャラはドラマCDと同じキャストなんですね。

異世界のんびり農家序盤感想

 最後は「異世界のんびり農家」。3話まで視聴しました。タイトルは短めですが「異世界」の単語でおわかりのように「なろう」系です。ブラック企業勤めにより若くして死亡した主人公。死後に出会ったイケボの神(CV速水奨)によれば、ミスにより過酷な人生になってしまっていたのだとか。

イケボ神

 償いとして若返った姿で異世界に転移し、あらゆる農具に変形するチートアイテムを貰って、農業がしたいという希望を叶えてもらいましたが、転移場所はまたもミスにより、強力な魔物が跋扈する「死の森」でした。

吸血鬼と農作業

 チート農具を使用している間は疲労もしないということで、“一人「ダッシュ村」”的生活を始める主人公。ダッシュ村…懐かしいなあ。面白かったですよね。東日本大震災さえなければ(涙)。チート農具は植えたい野菜を念じて耕すだけで種がなくても発芽・育成させるという優れものですが、一人じゃいろいろ大変。

インフェルノウルフ

 そんな中、弱った犬(実はインフェルノウルフという狼の魔獣)を保護したことで孤独から抜け出し、さらにインフェルノウルフが大きい蜘蛛(イリーガルデーモンスパイダー)を紹介してくれ、服飾類を製造して貰えることに。名前はザブトン。

ルー

 2話でインフェルノウルフ達にボコられていた吸血鬼のルーを助けて嫁さんに。主人公は神から貰った能力により、いくら血を吸われても平気なようです。3話ではやはりインフェルノウルフ達にボコられていた天使族のティアを助けてやはり嫁に。ルーが頼み込むようにしていましたが、どうも主人公の“夜の生活”は非常にハードらしく、一人では身体が持たないとか。その辺りはアニメでは全く描かれていませんが、主人公は櫻○孝○さんに演じて貰ったら良かったような。

ティア

 さらにティアが死の森で放浪生活をしていたハイエルフ一行を連れてきたので一気に賑やかになりました。人間形キャラは全員女性というハーレム展開はなんとも「なろう」だなあと思いますが。この人達も定住したら“繁殖”とか言っていたので主人公の側室みたいになるんでしょうか。7人もいるのでハーレム化してきたような。

ハイエルフ達

 なお移住者達は全員インフェルノウルフとイリーガルデーモンスパイダーを見て怯えまくるのがお約束。どっちも見た目そんなに怖くないのですが、実は「死の森」にあっても四強に数えられる強力な魔物のようです。吸血鬼や天使をボコっていたインフェルノウルフはともかく、ザブトンは凶暴さのかけらもないのですが。

ザブトン

 今のところ主人公以外に人間が登場せず、吸血鬼と天使とエルフ以外は魔獣だけ。チート農具が武器としても非常に強力なため、自分が恐ろしい場所に暮らしているということさえ気付かない主人公。このままのんびり暮らすのもいいですが、“やればできる”は世の習いなので、今後は子供とかも生まれていくのでは。吸血鬼と人間のハーフはダンピールですが、天使と人間のハーフは?旧約聖書ではネフィリムという巨人でしたが…

嫁二人

君の名は。:新海誠をメジャーに押し上げた傑作

大寒

 昨日は大寒で、まさに寒中真っ盛りな訳ですが、来週は“過去数年で類を見ない最大級の寒気”が日本を襲うようです。温暖な高松でも最低気温は氷点下以下最高気温も一桁前半台になるようです。寒いだけならともかく、大雪に見舞われる予報の地方は要警戒です。雪は降ってる時は綺麗だけどその後が問題なんですよね。アイスバーンの恐怖は2年の札幌生活で身に沁みました。

君の名は。

 さて本日は正月休みに見た新海誠監督の「君の名は。」の感想です。2016年公開で、新海誠6作目の劇場用アニメーション映画です。当ブログも当初は「秒速5センチメートル」一辺倒だった時期があるように、私は長らく「秒速」を始めとするマイナー時代の新海作品のファンだったのですが、メジャー化した新海作品は今回初めて見ました。もっと詳しく言うと1作目「ほしのこえ」、2作目「雲のむこう、約束の場所」、3作目「秒速5センチメートル」、5作目「言の葉の庭」を見ていて、あまり評判が良くなかった4作目「星を追う子ども」は見ていませんでした。この休みには7作目「天気の子」と共に「星を追う子ども」も見ましたので、後日感想を綴りたいと思います。

瀧版

 さて以前から知る人ぞ知るというマイナー界の巨匠だった新海誠ですが、「君の名は。」以降は一気にメジャーなアニメ監督になりました。今やレジェンド級の宮崎駿に続く存在となったと言えるでしょう。二人の間には庵野秀明という人もいるのですが、この人は実写映画もヒットさせてるのでアニメ監督の枠でくくりきれないところがあります。メジャー界ではもっと早くから期待されていた細田守がもう一つ伸び悩む中、後進の新海誠が軽やかに差し切ったという感じでしょうか(あくまで個人の感想です)。

三葉版

 どうしてこの作品を今まで見なかったのかと言うと、私の「秒速」好きを知る友人達から「見ない方がいいよ」と言われていたということもありますが、メインはあれです。マイナーなアイドルを応援していて、メジャーになれるといいねと本気で願っていたのに、いざブレイクしたら遠くに行ってしまったような寂しさを感じるというやつ。マイナーなままだったらお前の側にいるのかとツッコまれれば、別にそんなことはないんですが、あくまで心情的な問題ですね。

三葉と瀧

 しかし新海誠作品は本作以降も「天気の子」「すずめの戸締まり」と興行収入100億円以上のビッグヒットを続けており、もはやメジャーとしての地位は確立したと言って良いでしょう。全て見た上で「俺はマイナーな頃の新海作品が好きでね」とか言うのはマニアックでいいっちゃいいのですが、もはやメジャー作品を見もしないでマイナーの頃はなんて言うわけには行きません。ということで「君の名は。」を見たんですが、率直な感想を一言で言うと…「ええやん」(なぜに関西弁)でした。

転校生

 男女の高校生の心が入れ替わるという話は以前から知っていて、大林宣彦監督の有名な尾道三部作の第一弾「転校生」みたいだとは思っていたのですが、本作は①原因が不明、②継続的ではなく断続的な入れ替わり、③場所的にも時間的にも離れている二人だった、という点で「転校生」とは大きく異なっていました。

混乱する二人

 東京の男子高校生・立花瀧と飛騨地方の糸守町の女子高校生・宮水三葉。見ず知らずの二人の心がある朝いきなり入れ替わることから巻き起こるドタバタ劇。一度ならず繰り返し起きることから次第に互いの生活や境遇を知ることになり、興味を引き合います。

入れ替わって遊ぶ

 しかし唐突に入れ替わりは起きなくなり、瀧は飛騨を訪問することに。すると判明した衝撃の事実。糸守町は、3年前に彗星から分裂した核の破片の直撃を受けて消滅しており、三葉は家族、友人ら住民500人以上と共に死亡していたのでした。

三葉を知らない瀧
髪を切る三葉

 実は三葉も東京を訪問しており、瀧にも遭遇したのですが、それは中学生の瀧であり、当然三葉の事を知るよしもありませんでした。三葉はショックのまま帰郷し、髪を切っていましたが、それが祭りの前日でした。そして祭りの当日がまさに彗星の核が分裂し、“天墜ちる日”。

三葉の組紐
瀧の組紐
組紐が結ぶ縁

 縁もゆかりもないはずの二人でしたが、中学生の瀧は三葉が落とした組紐をミサンガのように手に巻いており、それは高校生になっても変わらなかったので、二人を繋ぐ縁としてはそれがあるのかなと思います。それと三葉が神社の娘で、巫女をしているということも要因でしょうか。

糸守町ラフスケッチ

 実は糸守町には1200年前にも隕石が落ちて大きな湖が出来ており、作中では明言されていませんが、おそらく今回と同じ彗星の核だったのではないかと思います。三葉が巫女を務める宮水神社は1200年前の事件に由来するらしいので、ある意味彗星を祀っていると言ってもいいのですが、伝承は風化していて人々からはほぼ忘れ去られています。

御神体
御神体アップ

 三葉は口噛み酒を宮水神社の御神体へ奉納しており、それは自分の半身と同じという話を記憶していた瀧は、3年前に奉納された三葉の口噛み酒を飲み、三年前の彗星落下当日の朝の三葉の身体に転移。そこから三葉と人々を救うための瀧の奮闘が始まります。

三葉死亡後の世界の糸守

 二人の間には東京と飛騨という距離の差があるだけでなく、3年というタイムラグまであります。さらに三葉には死すべき定めまで。深海作品の中でも最も厳しい壁を乗り越えて二人は再会することができるのか。

大人っぽい三葉

 詳しい話は見ていない人に悪いのでここから先は詳しく語りませんが、三葉は生き残ります。さすがそうでないとオカルト世界にずっぽりになってしまうし(それならそれでもいいのですが、メジャー化は厳しいかな)。しかし、その代償のように二人は共に相手のことを名前まで忘れてしまいます。ただ漠然と誰かを探しているという、切実な思いだけを残して。

遂に遭遇

 さあラスト付近になって急に「秒速」の気配が漂ってきます。あれから5年後(彗星衝突から8年後)、大学生となった瀧は就職活動真っ最中。三葉も上京していますが、互いに出くわすことはなく。

新宿と千駄ヶ谷

 そして春のある日(さあ来たぞ!)、並走する電車の車窓からお互いを見つけた2人。それぞれ次の駅で下車しますが、瀧が降りたのは新宿駅で、三葉が降りたのは千駄ヶ谷駅。直線距離なら1キロ程度ですが、そこは大東京なので近くて遠い。

すれ違う二人

 ようやく住宅地の神社の階段で再会した二人。しかし二人とも相手の記憶がありません。言葉もなくすれ違う二人。私はここで深海誠は本当はこのままバッドエンドにしたかったんじゃないかと邪推してしまいました。そのまま離れて振り向く瀧。しかし三葉の姿はもうなかった、なんて。

貴樹と明里

 この場面、どうしても「秒速」のこのシーンを彷彿とさせます。新海誠は絶対狙っていると思います。昔からのファンに向けて「ほらほら、ああなっちゃいそうだよ」と煽ってたりして。

プリキュアがんばれー

 実は劇場版プリキュアみたいに上映館でミラクルライトを配ってて、この場面でオールドファン達が「瀧がんばれー」とか叫んで盛大に振ってたとか。

三葉と瀧その2

 しかし、プロデューサーから「メジャーになりたかったら絶対ハッピーエンドな」と釘を刺されていたのか(私の邪推)、深海誠がメジャーと寝たのか(私の妄想)、瀧と三葉は同時に振り向き、涙を流しながら互いに尋ねるのです。「君の名は?」と。「秒速」の呪縛が解けた瞬間。個人的には「雪の一夜」ぐらいでは世界線は超えられなかったが、本作では身体入れ替わりや変電所爆破事件まであって、ようやく世界線を超えられたのではないかと。

君の名は?

 三葉と瀧は互いに同学年と思っていましたが、実際には三年のタイムラグがありました。つまり三葉は瀧より3歳年上。今時3歳年上の姉さん女房なんて珍しくもないかもですが、三葉はよく一人でいたなあ。ラストシーンで三葉の左手薬指に指輪が光っていたなんてことになるとエラいことになるんですが、やはり二人の体験は未曾有なもので、余人の立ち入る余地はなかったのか。

STEINS;GATE
世界線ゲージ

 なにしろ三葉の死すべき運命を変えていますからね。「STEINS;GATE」で言えば世界線を変えるほどのビッグイベントを起こさなければ同じ結果に収束されてしまうのですが、今回二人はそれを成し遂げたということに。三葉のパパンが町長をしていたという事実が大きいですが。

宮水_二葉

 このパパン、当初はまるで悪人のように描かれていますが、宮水神社の巫女だった二葉(三葉と妹の四葉のママンでCV大原さやかというのが素敵)と出会って婿入りして神職になったほどの人なので、別に悪人でもなんでもありません。二葉が若くして亡くなったことで信仰を失ったという感じでしょうか。三葉は祖母で神社の跡取りである一葉の影響でパパンに良い感情を持っていませんでしたが、最愛の人をどうか救って下さいと心から願っても無駄だったのであれば信仰から離れたとしても仕方ないかなあと思います。

パパン町長

 その後やさぐれて悪の道に堕ちるというならともかく、町長となっているのだから、信仰の道から俗世に戻っても自分なりに世のため人のために尽くしていると言えるでしょう。もちろん政治の世界だから反対派もいるし、綺麗事だけではやっていけない部分もあるでしょうが。

邪龍ティアマト

 それにしても遙かに時間を超えて同じ場所に落下してくる彗星が恐怖であることよ。名前はティアマト。実在する彗星の名前をみるに、こんな物騒な名前を付けた例を私は知りません。女神転生シリーズなら高レベルの最上位邪龍(以前は妖獣だったり怪獣だったりしたこともありますが、やはり最上位でした)、FGOなら人類悪のビーストⅡですよ。

人類悪ティアマト

 ティアマトはメソポタミア神話における創世の女神で、ギリシャ神話のガイア、中国神話の盤古のような存在でしょうか。子供である神々を愛していましたが、神々は生みの母にまで刃を向けたので対決することに。激しい戦いの後、神々はティアマトの死体を二つに裂いて天と地を造り、これを人界創世の儀式としたそうです。

彗星落下

 実は1200年前に堕ちたティアマト彗星の分裂した核(の一部)が宮水神社のご神体になっていて、今回の二度目の核の分裂・落下もそれに惹かれたものではないかと妄想したりして。1200年周期で核の一部が落下してきて、遙かな未来に全ての核が糸守の地に揃い、何かが目覚める…!なんて。

怪彗星ツイフォン

 「ウルトラマン」第25話「怪彗星ツイフォン」に登場する彗星ツイフォンは強力な宇宙線を放っており、地球に接近した際には水爆を爆発させる可能性があるという物騒なものでした。幸い地球に衝突することはありませんでしたが…

彗星怪獣ドラコ

 代わりというわけではないでしょうが、ツイフォンからは彗星怪獣ドラコが来襲。地球の怪獣である冷凍怪獣ギガスとどくろ怪獣レッドキングと戦いました。ギガス戦は優勢だったものの、「ウルトラマン」に登場する地球怪獣の代表格であるレッドキングには敵わず、倒されてしまいました。

彗星戦神ツイフォン

 なおツイフォン彗星については、劇中岩本博士が3026年に再び地球に接近し、その際は地球と衝突する可能性が極めて高い述べていました。これに基づいて「ウルトラマン超闘士激伝(OVA版)」にてその正体(彗星戦神ツイフォン)を表すことに。ドラコはその眷属に過ぎなかったのです。このノリで行けば、ティアマト彗星の正体も実は何らかの生物だったりして。そして落下しているのは彗星の核ではなく卵のようなものだとか。

三葉の口噛み酒

 三葉と四葉が神事として行っていて口噛み酒、そういうものがあるという話は知っていましたが、実際劇中で見たのは今回が初。ですが、似たものはずいぶん昔に見たことがあります。「はじめ人間ギャートルズ」で。主人公ゴンの父ちゃんの好物、猿酒です。

ギャートルズ
猿酒

 猿酒はサルに果実を食わせて吐き戻させる作り方のため、口噛み酒に近い酒だと思われます。個人的にはどちらも敬遠したいけど、どうしても飲めと言われたら美人の口噛み酒の方がいいでしょうかね。猿のはさすがに…。かつてラオス南部からカンボジア東部に位置した真臘という国では、女性が醸すことから「美人酒」と呼ばれていたとか。

葡萄踏み

 口噛み酒とは違いますが、ワインを醸造する一過程で葡萄の実を潰すというのがありますね。現代では機械で圧搾していますが、昔は大きな桶に入れた葡萄の実を素足で踏んで潰していました。きちんと潰れさえすれば男が踏もうが女が踏もうが関係ないようなものですが、絵面的には若い女性が踏んでいる方がいいですね。民族印象とか着ているとさらに良し。

ワインのラベル
葡萄踏みイレィナ

 「魔女の旅々」では“絶世の美少女”(自称)イレィナが葡萄踏みするエピソードがありました。ワインのラベルに葡萄踏みする女性を使ったら売れ行きが変わったとか。まったく男ってヤツは…(笑)。しかし、「美少女の踏んだのとおっさんが踏んだのがありますが、どっちにしますか?」と言われたらそりゃあ、ね。So it goes.

売れるか?

 作中、妹の四葉が生写真付きでJK仕込み口噛み酒を売るという提案をしていましたが、酒税法云々と言う話は抜きにしても売れるかなあ。あれか、写真目当てに買って酒は捨てるというヤツ(笑)。

四葉の口噛み酒

 その筋の方々向けに四葉が作ったロリ仕込み口噛み酒も一緒に売るといいぞ。私はどっちもいらないけど。その点、猿が醸した酒でも美味けりゃいいと達観してがぶ飲みしているゴンの父ちゃんは大物なのかも知れないですね。

ユキちゃん先生

 なお、三葉が通う高校での古文の授業のシーンで、ユキちゃん先生が「かたわれ時」について説明しています。これは終盤の重要なキーワードなのですが、この先生、明らかに前作「言の葉の庭」のヒロイン、雪野百香里ですよね。CVも花澤さんだし。あなたは確かあの後四国の高校に転任したはずでは。なにゆえ飛騨に?
仮説①世界線が違うのでこちらの世界では四国ではなく飛騨に転任した
仮説②四国から飛騨に再転任した
仮説③最初が飛騨で、ティアマト彗星のせいで東京に転任して「言の葉の庭」の後、四国に転任した

ユキちゃん先生その2

 「言の葉の庭」は具体的年代が明示されていないので、仮説③もありかと思います。なんかちょっと若く見えるし。仮説②の場合、四国でも妙な事件に巻き込まれてた、なんてことがなければいいですが。事件後、ユキちゃん先生も当然助かってますよね。というか、瀧と三葉の活躍がなかった場合、三年前の死亡者リストに載ってたりして。ともあれ、伊藤宗一郎みたいな変な同僚にはもう引っかからないでね(私は事件の黒幕だと今でも確信しています)。

小説君の名は。

 新海誠は例によって小説版を書いていますが、私は読んでいないので、小説を読むといろいろ判明するのかも知れませんね。とりあえず「秒速」感を色濃く出しながら最後はハッピーエンドにした本作、「秒速病」患者には良い薬だったのではないでしょうか。

ウマ娘プリティーダービー(その6):晩秋~年明けに邂逅したウマ娘達紹介

雪曇り

 予報では天気が回復するはずだったのですが、雨が長引いて今日も曇天。雪曇りの空とでもいいましょうか。四国だから滅多なことでは雪は降りませんが、札幌時代をちょっと思い出します。地面に雪がないってなんて楽なんでしょう。

ウマ娘舞台化

 本日は今日から舞台化もされるという「ウマ娘プリティーダービー」の話。昨年11月27日に(その5)をやって以来2か月も経っていませんが、年末年始のイベントもあって6人のウマ娘と邂逅しました。

邂逅メイショウドトウ

 まずはメイショウドトウ。確かウオッカとダイワスカーレットの新衣装(クリスマス)のピックアップガチャを引いてすり抜けで来たウマ娘です。すり抜けでも持っていないキャラはありがたいです。

ドトウ一コマ

 自分に自信がまったく持てない、弱気な垂れ耳ウマ娘で、典型的なドジっ子です。何をやってもうまくいきませんが、それでも「自分を変えたい」「諦めたくない」と願い、未来が上向きになるきっかけを探しています。

押さえつけられるドトウ
 
 アニメSeason2では裏方作業をしていたところ、チームカノープスに制圧されるなど不憫な目に遭っています。結果的にトウカイテイオーが引退を撤回し、最終回での有馬記念の奇跡的勝利を導くので許してやってつかあさい。

救いはないのですか~

 また占いをするマチカネフクキタルの助手もやっていて、この時はけっこう辛らつなことを言っていました。「救いはないのですか~」はドトウの名言。

メイショウドトウ

 高等部で身長164㎝。スリーサイズはB99W61H89。バストの大きさはヒシアケボノと並んで一位ですが、ヒシアケボノは身長180㎝と大型なので、バランス的にはドトウが一番グラマーではないかと。時速60キロ以上で走って大丈夫なんでしょうか。肉離れとかしないか心配。

邂逅エイシンフラッシュ

 エイシンフラッシュ。ずっと欲しかったのですが来てくれず、レジェンドレース落ちしているのに気付いて、毎日コツコツとレースで勝ってようやく入手しました。同じ方式でサイレンススズカやスペシャルウィークも入手しており、近日フジキセキも入手できる見込みです。

エイシンフラッシュ

 黒髪なので日本人に見えますが、ドイツ出身の真面目で几帳面な留学生です。勝負服はドイツの民族衣装であるディアンドル。実家はケーキ屋で本人もお菓子作りが趣味。ケーキやお菓子作りはレシピ厳守が必要なので、彼女の性格もそこから育まれた模様。反面、想定外のハプニングには弱い面もあります。

エイシンフラッシュSSRカード

 寮ではウマ娘アイドル(略してウマドル)スマートファルコンと同室。ファル子が恋愛弱者なのに対し、フラッシュはトレーナーをいきなり両親と会わせたり、ドイツに連れていったりする恋愛強者として知られていて好対照。サポートカードでは朝5時に目覚ましより早く起きるフラッシュと、ウマドルらしからぬ油断しきった寝顔を見せるファルコが見られます。

勝利のポーズ

 高等部で身長160㎝。スリーサイズはB88W58H86。充分グラマーな上、勝負服のディアンドルがやたら胸を強調するデザインで、しかも勝利時にはこれでもかと見せつけてくるフラッシュさん。こういうところが恋愛強者と言われる所以なんでしょう。

ファル子の一コマ
フラッシュの一コマ

 1コマでは互いに出演しているフラッシュとファル子。性格は正反対ですが、相性は結構いいのかも知れません。

邂逅イナリワン

 イナリワン。ゼンノロブロイのピックアップガチャのすり抜けで邂逅しました。平成初頭に活躍し、オグリキャップ、スーパークリークと並んで平成三強と呼ばれました。大井競馬でデビューし、その後中央競馬に移籍したので、江戸っ子キャラとなっています。

イナリワン

 下町でおっちゃんたちと丁々発止やりあい、駄菓子やベーゴマにまみれて育ったそうで、腕白で曲がったことは大嫌い。口癖は「てやんでい!」。昭和の頃は結構いたかもですが、今もいたら無形文化財レベルでは。

イナリワン1コマ

 高等部で身長139㎝(ちっちゃ!)。スリーサイズはB85W51H74。この身長でB85って嘘でしょ。いや、確かにあるなあ。トランジスタグラマーというやつか。ちっちゃくても高等部なので、中等部のグラスワンダーにしっかり配慮しています。グラスは落ち着いているから中等部と高等部は逆に見えますが、グラスは信頼しているようです。

イナリワンとツインターボ

 寮の同室はなんとツインターボ。どうしていまだに未実装なんだダブルジェット師匠。マチカネタンホイザ同様星2で登場させて欲しいです。というかチームカノープスは全員星2でいいんじゃ。そして南坂トレーナーもサブキャラで登場させましょう。

邂逅キタサンブラック新衣装

 年末年始のイベントで邂逅した新衣装キタサンブラック。年末年始は無料10連ガチャがあって引きやすい環境でしたが、キタサンブラックとサトノダイヤモンドの仲良しコンビのダブルピックアップでした。私はキタちゃんとは相性が良いらしく、なんと3枚も来てくれました。

ダブルピックアップ

 アニメSeason2でのチビウマ娘の印象が強く、ボーイッシュな感じなのかと思っていましたが、案外に重い感情を抱えてたりして。快活で困っている人を見捨てておけない“お助け大将”ですが、一つ間違えるとヤンデレ化したりして。

キタサン新衣装

 なお、元ネタの馬のオーナーは北島三郎御大。そのため父親が弟子を多数持つ演歌歌手という設定になっています。

キタサン1コマ1

 中等部で身長162㎝。スリーサイズはB85W56H88。ちょっと前まであんなに可愛いチビウマ娘だったのに、突如急成長。これが“本格化”という奴か。

キタサン1コマ2

 キタサンブラックのブルードメアサイアー(母方の祖父)はサクラバクシンオー。競馬界では父馬、母馬、ブルードメアサイアーが競走馬の能力に強く影響を及ぼすと言われていますが、キタちゃんが長距離が得意なステイヤーなのに対しバクシンオーは純然たるスプリンター。なので一緒に走るとこういうことに。

邂逅サトノダイヤモンド

 同じく新衣装サトノダイヤモンド。キタちゃんばかり来るので諦めかけてましたが、最後の無料10連で遂に来てくれました。

サトノダイヤモンド新衣装

 名門サトノ家の令嬢。ウマ娘界きっての名門であるメジロ家に比べると新興ですが、資産ではむしろ優っている模様。元ネタの馬のオーナーがセガサミー会長だったせいで、やたらセガのゲームを推してきます。異世界おじさんと気が合いそうです。

チビウマ娘時代

 アニメSeason2dではキタサンブラックと共にチビウマ娘として登場。同時にトレセン学園に入学しているのでてっきり同級生かと思っていましたが、ゲームでは元ネタの馬と同様キタちゃんより一学年下という設定のようです。

ダイヤ1コマ1

 世間知らずなお嬢様ですが、見かけによらずぐいぐい押してくるタイプで、キタサンブラックと真逆な印象。ネットでは恋愛強者扱いというよりはネタキャラ化しつつあるような。ダイヤちゃんが尊敬して止まないメジロマックイーンと同じ道を辿るのか。

ダイヤ1コマ2

 中等部で身長158㎝(おお、ヒロイン黄金身長)。スリーサイズはB87W54H84。キタちゃんを上回る胸部装甲をお持ちで、本当に中等部かと疑いたくなります。

邂逅ホッコータルマエ

 最後にホッコータルマエ。最新ピックアップガチャで来てくれました。苫小牧からやって来たローカルアイドルウマ娘です。ワンダーアキュートのストーリーに登場してきて、そのスタイルやルックスの良さから注目していました。

ホッコータルマエ

 なによりうっかり読んでしまったストーリーが…。生真面目かつ真摯なゆえの迷走。これはなんとかしてあげたいという気持ちになって課金を決意し、1万数千円で来てくれました。

とまチョップと共演

 固有スキルがほとんど苫小牧PR動画。苫小牧市の公式キャラである「とまチョップ」と共演しています。もちろんちゃんと許可を取ってのことらしく、苫小牧観光協会もこれにはニッコリ。

とまチョップ

 ちなみにとまチョップ、苫小牧の名物である白鳥、花菖蒲、ホッキ貝、ハスカップが合体したゆるキャラだそうです。ハスカップといえば「いろはす」の北海道限定商品にハスカップ味があります。新千歳空港を出て札幌行きのエアポートライナーに乗るときにこれを買うのが個人的お約束でした。ハスカップの味は北海道の味。

苫小牧の観光案内所にあるタルマエ
苫小牧も大騒ぎ

 元ネタの馬が「とまこまい観光大使」になっていることから、ウマ娘も激しく苫小牧推し。駒大苫小牧高出身の田中将大もホッコータルマエを引いたらしいです。あと「ウマ娘」をPCでプレイする場合はDMM版になるんですが、DMMの偉い人も苫小牧出身らしいので、それも影響しているんではないかと(個人的見解です)。

ホッキ貝とタルマエ

 中等部で身長162㎝。スリーサイズはB86W56H85。だから本当に中等部かと(笑)。「したっけ」「だべ」などと方言を使っていますが、あくまでロコドルらしさの演出らしく、素ではほぼ標準語です。

タルマエ私服

 私服のダサさはネットでも評判。私服というより制服の上着を脱いだだけに見えます。帽子は標準装備。なんとなれば温泉にも帽子かぶったまま入ります(確認済み)。

メジロアルダン 私服

 ぜひ若奥様然とした気品溢れるメジロアルダンの私服を見習って下さい。いや、私がメジロアルダンを欲しいだけなんですけど。物欲センサーに引っかかってるらしく全然来てくれませんが、2周年の星3確定チケットでなんとか…

シン・ウルトラマン(その2):個性的な宇宙人と最終兵器ゼットン

冬の雨

 クリスマス前の寒さが嘘のように最近は暖かく、コートなしでも平気なほど。今日なんかは春が来そうな気配すらします。さすがにまだ春にならなくてもいいのですが、この後寒さがぶり返したら辛くなりますね。布団が干せないから休みの日の雨はヤメれと言いたいのですが、空気が乾燥していたからありがたいと言えばありがたいのでちょっと複雑。

シン・ウルトラマン映画

 さて年末に見た「シン・ウルトラマン」の感想二回目です。かつての怪獣好きとしてはどうしてもオリジナルとの比較などで話が長くなってしまいますが、これで終わりにしましょう。かのマリーアントワネットが「怪獣がいなければ宇宙人と戦えばいいじゃない」言ったように(言ってません)、後半は宇宙人の話です。毎回のように地球侵略を目論む宇宙人が登場した「ウルトラセブン」と違い、「ウルトラマン」は基本地球産の怪獣との戦いがメインでしたが、もちろん宇宙人も登場しました。「シン・ウルトラマン」ではザラブ星人とメフィラス星人が登場。

バルタン星人

 ただ、「ウルトラマン」シリーズの宇宙人と言えば真っ先に名前が出てくるであろうバルタン星人は登場しませんでした。庵野秀明は「諸般の事情から本作に登場させるのが非常に難しく、残念ながら最初から選択枠に入れることが出来ませんでした。」と語っているとのことで、尺の都合の他、バルタン星人の生みの親に当たる人への配慮とか諸説あるようです。

バルタン星人の円盤

 個人的にはウルトラマンが攻撃してきたバルタン星人を倒しただけでなく、ミクロ化したバルタン星人20億3,000万人が乗った宇宙船をスペシウム光線で爆破するという“大量虐殺”を行ってしまった“黒歴史”にも理由があるような。僅かに生き延びたバルタン星人はその後も繰り返し地球に襲来しますが、デザイン的に人気があるからというメタな理由はさておき、同胞を殺したウルトラマンやその一族への復讐に燃えてのことだったようも思われます。

エンダーのゲーム
バガーの女王

 そもそもバルタン星人は侵略目的で地球に来たのではなく、宇宙船の修理と補給のために偶然立ち寄っただけだったんですよね。その後地球が居住可能だとして移住を強行しようとしたのは罪といえば罪ですが、交渉役のバルタン星人の独断だったのか宇宙船内の指導者層の指示だったのかは不明です。地球人が持つ生命の概念を理解できなかったとか、昆虫(特に蝉)に似た顔からして、バルタン星人はオースン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」に登場した昆虫型異星人バガーのように女王を中心とする群体が集団知性(Hive Mind)を持っている異星人だったのかも知れません。

宇宙忍者バルタン星人

 だから一見、ウルトラマンは20億3,000万人ものバルタン星人を殺戮したように思われますが、実は一個の群体生物を殺しただけなのかも知れません。群体であれば、戦ったバルタン星人の意思=群体の意思なので、群体を全滅させないと駆逐したことにならないし。そして案の定生き残りが出て復讐のために繰り返し襲来するようになったと。多分女王(の後継者)も取り逃がしたんでしょう。

三面怪人ダダ
ゼットン星人

 まあ上記は単なる私の個人的妄想なのですが、とにかく超有名なバルタン星人は登場しませんでした。「ウルトラマン」には他に三面怪人ダダ(なぜか“星人”が付かない)がいましたが、こいつは弱かったので登場させる必要もありませんでした。後はゼットンを操るケムール人に似たゼットン星人がいましたが、ウルトラマンと戦っていないのと、後述の理由で登場するとはありませんでした。

ミラレコならぬザラブです
ミラレコ

 で、登場したザラブ星人ですが、「シン・ウルトラマン」では「外星人第2号ザラブ」として登場します。ちなみに外星人第1号はウルトラマンです。やたらにイケボで、「こう見えてドライブレコーダーです」とか言い出しそうですが、それもそのはずでCVはミラレコと同じ津田健次郎。

ザラブ星人

 高度な科学力を見せつけて日本との友好条約締結を迫ってきますが、その真意は国家同士を争わせて人類を殲滅させるというもの。さらに変身前のウルトラマン=神永を拉致監禁し、ウルトラマンに化けて破壊行為を行ってウルトラマンの抹殺を提案します。

オリジナルザラブ星人

 「ウルトラマン」では18話「遊星から来た兄弟」に登場。二つ名は「凶悪宇宙人」。ザラブという名前は“ブラザー(brother)”を逆に読んだというものです。やはり一見友好的な素振りで登場しますが、その実地球を滅ぼす事を目的としており、にせウルトラマンに化けて暴れるのも一緒。

にせウルトラマン

 にせウルトラマンは目が赤みを帯びて吊り上がっており、単に外見を真似ただけなので光線技が出せず、力も本物には及ばなかったため、本物登場で逃亡を図りますが、スペシウム光線を撃ち込まれて変身が解け、ザラブ星人としても格闘の末にスペシウム光線で倒されてしまいます。

令和のにせウルトラマン

 外星人第2号ザラブが化けたにせウルトラマンは光学偽装でしたが、なぜか眼の形状だけは六角形に変わっていました。ご自慢の科学力でそっくりに化けろよ(笑)。ただ、ザラブとしての戦闘力はオリジナルより高く、自身の光線でスペシウム光線を凌いだりと激しい空中戦を展開しました。

伝説のQBK

 最後はウルトラマンが不意に放った八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)によって真っ二つにされてしまいました。後に「急に光輪が来たので」(QKK)と言い訳して宇宙人界隈で非難囂々だったとか(嘘)。でもオリジナルよりは強かった印象です。

ブリタイ
キュウべえ

 なお、ザラブ星人は他の星の文明や人々の命を滅ぼすことを目的として活動しており、地球以外にも工作員が送り込まれていると思われます。光の国とかメフィラス星といった明らかに自分より強そうな星にも行っている(そして返り討ちに遭う)のかは不明ですが、単なる侵略ではなく滅亡させるのが目的というのは非常にユニークです。思うに他星の文明を脅威に感じていたある異星人が作った攻撃用の人工生命なんではないかと。「マクロス」シリーズに登場する、「プロトカルチャー」が戦闘を行わせるべく遺伝子操作で造り出した戦闘用バイオノイド・ゼントラーディ人のような。或いは目的は異なりますが、「魔法少女まどか☆マギカ」のキュゥべえみたいな。

山本メフィラス

 そしてメフィラス星人。「シン・ウルトラマン」では外星人第1号であるウルトラマンよりも先に地球に降り立っていたと言う、自称外星人第0号。正体は山本耕史(笑)。いや好演でしたよ山本さん。さすが堀北真希の旦那さんだ。

メフィラス星人

 彼によれば、それまでに登場した禍威獣は地球に放置されていた生体兵器を目覚めさせたもので、ザラブも現地調達したとか言っているので、近傍を通りかかったザラブをさりげなく地球に誘導したのかも。

巨大浅見弘子
巨大フジ隊員

 禍特対の浅見弘子を巨大化して操ったのは「ウルトラマン」でフジ隊員を巨大化させて暴れさせたエピソードのオマージュですね。

メフィラスバルタン
メフィラスザラブ
メフィラスケムール

 「ウルトラマン」ではさらに巨大バルタン星人、ザラブ星人、ケムール人を出現させ、自分の配下であり、「その気になれば地球征服など簡単」と力を誇示していました。ただ、彼らは出現しただけで暴れたりせずにすぐ消えているので、光学偽装などによる虚像だったのではないかという気もします。そもそもケムール人の登場は「ウルトラQ」であり、「ウルトラマン」には登場していないという。

メフィラス星人との対話
居酒屋で一杯

 人間体のままで神永とブランコを漕いで話したり、居酒屋で飲食したりとかなり平和的。ただし割り勘で奢ってくれない(笑)。交際費で落とせよそれくらい。実はメフィラス星の財政事情は厳しいのかも知れません。

メフィラスの名刺

 人類は巨大化させると強力な兵器とすることが可能で、さらに高い増殖率があるので有望な資源であるとして独占管理を狙っています。しかし人類は過去にウルトラマンの母星である光の星が作った生物兵器(その後政策が変わったのか放置状態)らしいので、光の星が黙っていない。なのでウルトラマンを抱きこもうとしましたが失敗。

オリジナルメフィラス星人

 戦闘モードになったウルトラマンにやむを得ず巨大化して対峙するメフィラス星人。オリジナルのメフィラス星人は一見紳士的ながら子供を相手に顔真っ赤状態で乱暴になるという粗暴な面もありました。CV加藤精三(「巨人の星」の星一徹役で有名)だったので、卓袱台ひっくり返しを連想してしまいしたが、山本メフィラスは最後の最後まで紳士面のままでした。

メフィラス全身図

 オリジナルと比べると無駄のないすっきりしたデザインで、格闘家の体型を意識したもののようです。やたら語彙が豊富で、諺や四字熟語などを引用し、「私の好きな言葉です」とか「私の苦手な言葉です」と付け加える、いわゆる“メフィラス構文”は一時期流行しました。

メフィラス対ウルトラマン

 神永との融合により戦闘力が低下し、活動時間に制限があるとはいえ、ウルトラマンと互角以上に渡り合い、八つ裂き光輪を易々と弾き、スペシウム光線もグリップビームで押し返し、むしろ勝利目前と言った感じでしたが…

ゾーフィ

 ウルトラマンの背後にもう一人のウルトラマン・ゾーフィを見たメフィラス星人は急に戦闘を止めます。光の星の本格介入を知り、地球の命運は尽きたと悟ったメフィラスはあっさり撤退。

ゼットンの卵
最終兵器ゼットン

 そしてゾーフィはウルトラマン(リピアー)が神永と一体化するという禁忌を破ったことで人類が生物兵器に転用できることが宇宙中に知れ渡ったとし、人類の殲滅を決定。光の星の天体制圧用最終兵器ゼットンを出現させます。

ゾフィー兄さん

 「ウルトラマン」ではゼットンに敗れたウルトラマンの下に救援に駆けつけた光の国の宇宙警備隊長でしたが、本作ではゼットンの使用者に。しかしこれも元ネタがあります。ゼットンを操るゼットン星人は、元々名称不詳で、円谷プロが放送直後に配布した文字資料ではゾフィーを「ゼットンを操る宇宙人」と記載していたため、60年代の書籍・雑誌ではゼットン星人と混同され、「謎の宇宙人ゾーフィ」と表記されり、「ゼットンを操っている悪の宇宙人」と記述されていたのでした。いや本編見ろよ編集者(笑)。

ヤバい記述

 ゾフィーは「ウルトラマンA」以降しばしば登場するようになったので、今ではウルトラ兄弟の長兄として認知されていますが、かつてはゼットン星人と混同されていたという黒歴史が。しかしそこを上手く使ったのが本作と言えるでしょう。

ゼットン

 ということでゼットンは光の星の最終兵器として登場。もはや禍威獣のスケールを超えた生物兵器で、有名な1兆度の熱球を発射します。その熱球らしきものは「ウルトラマン」でも発射していますが、科特隊本部ビルに穴を開ける程度の威力でした。空想科学うんたらの人がツッコんだとおり、そんなもの発射したら地球消滅では済まない威力ですが、本作では太陽系ごと滅却するとしています。

ゼットンファイナルビーム

 ま、オリジナルのゼットンの場合、一兆度の熱球というのは白髪三千丈的表現だったのかも知れません。ゼットン星人は中華系異星人だったとか。そもそもウルトラマンを倒すのには使われていません。一兆度かどうは知りませんが、白い光弾はかわされました。ゼットンはバリヤー(ゼットンシャッター)で八つ裂き光輪を弾き、スペシウム光線も受け止め、波状光線を撃ち返してウルトラマンを倒しました。空想科学うんたらの人によれば一兆度の熱球を放てばゼットンも消滅するそうなので、ゼットンに本当にその武器があったとしても滅多には使えないかも。勝ち目のない相手にだけ使う相打ち覚悟の最後の武器なのかも知れませんね。

ゼットンシャッター

 個人的にはゼットンの二つ名「宇宙恐竜」にシビれました。他の怪獣の二つ名は大体「○○怪獣」なんですが、ただ一人「恐竜」。まさしく“恐るべき竜”という意味のネーミングなんでしょう。モチーフはカミキリムシ(ゴマダラカミキリ)と「顔のない甲冑」だそうです。

ゼットン対ウルトラマン

 本作のゼットンは強力なだけに展開に時間がかかり、展開途中にウルトラマンが攻撃を試みますが、電磁光波防壁(ゼットンシャッターだ)で攻撃を阻み、防衛システムがウルトラマンを撃墜していました。

ゼットンの防衛システム

 圧倒的なゼットンを前にウルトラマンと人類はどうなるのか?それはぜひ本編をご覧頂きたいと思います。全39話の「ウルトラマン」を2時間弱に圧縮した感のある本作ですが、まあよくここまで作り上げたなと感心しました。海外では「シン・ゴジラ」の方が評価が高いようですが、それは「ウルトラマン」を知らないからでしょう。「ウルトラマン」を見て知っている側からすると、よくぞここまでリブートしてくれたと思います。今度は是非「シン・ウルトラセブン」を。

シン・ウルトラマン(その1):怪獣ならぬ“禍威獣”総進撃

成人式といえば振袖

 三連休中日の日曜日というのは心に余裕があって実にいいですね。なんで三連休になっているのか全然考慮の埒外でした(笑)が、9日は成人の日だそうで。昨年、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたところ、じゃあ18歳で晴れ着なのかと思いきや、高松では「二十歳のつどい」と称して従来通り20歳の人を対象にしている模様。まあ成人したといっても18歳では酒を飲めませんし、妥当な判断でしょうか。成人の日は9日だけど式典実施は8日。翌日のことを考えるとこれも無難なんですが、だったら成人の日は必ず日曜にぶつけて翌日は振休ということにしたらいいのでは?なんて無粋なツッコミをしたりして。

メフィラスさん何言っているんすか

 何はともあれ三連休、私の好きな言葉です。土日出勤、私の苦手な言葉です。などと山本耕史、いやメフィラス星人独特な言い回しを使ったことでおわかりのように、本日は年末に見た「シン・ウルトラマン」の感想を綴りたいと思います。

ウルトラシリーズいろいろ

 1966年から始まり、中断を挟みつつも以後50年以上にわたって継続している円谷プロダクション制作の「ウルトラシリーズ」。その嚆矢が第一作「ウルトラマン」(1966~67年)ですが、「シン・ウルトラマン」は「ウルトラマン」を現在の時代に置き換えた「リブート」映画だそうです。庵野秀明作品としては(今回は監督ではありませんが)、「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」に続く「シン」シリーズということになるでしょうか。なかなか終わらせることができずにある意味宿痾のようになっていたエヴァンゲリオンを見事に終わらせた「シン」シリーズ、いいですね。

シン・ウルトラマン広告

 なぜか日本にだけ出現しだした巨大不明生物。「禍威獣(カイジュウ)」と名付けられたそれらに対処するために禍威獣特設対策室(略称:禍特対)が設立されます。しかしネロンガと命名された禍威獣第7号は手強く、従来の兵器では撃退困難と思われたところ、突如飛来した謎の巨人が退治しました。

シン・ウルトラマン

 そう、彼こそはウルトラン。ウルトラマンが飛来した際に子供を庇って死亡した禍特対の神永新二の自己犠牲に興味を覚えた彼は、神永と一体化し、禍特対の一員なり、禍威獣や外星人と戦うことになります。

スペシウム光線発射態勢
初登場時のウルトラマン

 ウルトラマン(本名はリピアー)は当初銀色の身体に銀色のラインで、おなじみスペシウム交戦も無茶苦茶な威力を発揮していましたが、神永と一体化した後はラインが赤くなって我々が知るウルトラマンの姿に近くなりました。この変化は、「地球人との融合に伴うスペシウムエネルギーの損耗によるもの」なんだそうです。スペシウムエネルギーはウルトラマンの活動エネルギーそのもので、スペシウム光線や飛行等にも応用されているそうで、要するに人間と一体化したことで相当弱体化してしまったようです。実際、スペシウム光線も最初のような高出力ではなくなりました。

カラータイマーなし

 ウルトラマンといえばつきもののカラータイマーはありません。これはウルトラマンを手掛けたデザイナーの成田亨のオリジナルデザインのとおりです。カラータイマーはウルトラマンが弱っていることを子供にもわかりやすくするために追加されたものですが、成田亨は大変嫌っていたそうで、本作ではCG技術も向上したので、エネルギーの損耗は体表のラインが赤から緑に変色し、活動限界に達すると消滅してしまうという形で表現されることになりました。

M87.png
M87.jpg

 ウルトラマンの故郷といえばM78星雲にある光の国ですが、本作ではM87にある光の星となっています。これは当初M87星雲としていたものが誤記されてしまったのが定着してしまったものだそうで、確かにM78星雲はオリオン座にある散光星雲として実在しますが、明るい以外にこれといった特徴のない星雲です。一方M87は巨大な楕円銀河で、中心に超大質量ブラックホールを持ち、そこから宇宙ジェットが延びていることが知られています。

M87のブラックホール

 2019年には国際協力プロジェクトでM87中心部にある超大質量ブラックホールの撮像が公開されるのなど、M87は天文学的にも極めて重要な天体なので、ウルトラマンの故郷とするにはこちらの方が適当でしょう。そのため米津玄師が歌う主題歌も「M八七」となっています。

M78星雲

 M78は地球から1600光年ほど離れた銀河系内の星雲なのに対し、M87は5500万光年も離れた大銀河で、おとめ座銀河団の中核です。さらに言えばおとめ座銀河団は、銀河系やアンドロメダ銀河なども含まれるおとめ座超銀河団の中核なので、要するにこの辺りの宇宙の中心的存在といっても良いかと。

メフィラス星人との対話

 後半のメフィラス星人の発言から示唆されるのは、ウルトラマンは人類の保護者であり監視者という立場で、人類というのは光の星が撒いた種による発展途上の未熟な生物兵器らしいです。人類の進化の先にウルトラマンがいて、基本的に人類とウルトラマンは同種なので、融合が可能らしいです。弱い禍威獣の出現は放置していましたが、人類では対処しきれない禍威獣の登場により、人類保護のために降臨してきた模様。

なんだってー

 禍威獣は太古の昔に地球に封印、あるいは遺棄された星間戦争用の生物兵器のようです。このあたり、クトゥルー神話的色彩も感じますね。「禍威獣とは旧支配者だったんだよ!」「な、なんだってー!!」みたいな。

暴れるネロンガ

 そして禍威獣1号ゴメスから同6号パゴスまでは、威力偵察や戦術分析(要するに囮)のために生み出された生物だったため、人類の科学力と兵器で討伐が可能だったのですが、禍威獣7号ネロンガや禍威獣8号ガボラは局地制圧用の次世代型で強力な攻撃・防御手段を持っており、人類では対処困難となっていました。

着ぐるみ使い回し

 ネロンガやガボラは頭部以外は禍威獣6号であるパゴスそっくりでしたが、これも禍威獣が一種の「工業製品」で、設計を使い回して規格化されていたからだという。実際「ウルトラマン」に登場する透明怪獣ネロンガの着ぐるみはウルトラQに登場したパゴスの着ぐるみを改造したもので、ウラン怪獣ガボラはさらにネロンガの着ぐるみを改造したものだったそうです。着ぐるみの製作は高価らしく、当時はこうしてやりくりしていたんですね。そもそもは「フランケンシュタイン対地底怪獣」に登場したバラゴンに始まり、パゴス→ネロンガ→ガボラ→マグマと使い回したという。コスパの高い着ぐるみかも知れませんが。

変身する神永

 冷徹に人類を監視し、援助するにしても必要最低限に留めていたウルトラマンは、子供を庇って死んだ神永の自己犠牲の精神に興味を抱き、光の星の掟を破って神永と融合してしまいます。その結果、当初朴念仁そのものだったウルトラマンは次第に人類を理解していくことに。しかし、光の星の掟を破った代償はあまりに大きなものでした…

ゴメス

 この先は次回に回すとして、登場した禍威獣についてひとくさり。人類が(というか自衛隊や米軍が)倒した禍威獣達は「ウルトラマン」の前番組である「ウルトラQ」に登場した怪獣達でした。禍威獣1号ゴメス(巨大不明生物ゴメス)は「ウルトラQ」第1話「ゴメスを倒せ!」に登場した古代怪獣。

ゴメスとリトラ

 トンネル工事で目覚めて暴れますが、同時期に目覚めた原始怪鳥リトラと戦って相打ちになります。ゴジラの着ぐるみを改造したそうで、その後再びゴジラに戻った後、今度はえりまき怪獣ジラースに改造されてウルトラマンと戦うという。

マンモスフラワー

 禍威獣2号(巨大不明生物第2号)マンモスフラワーは第4話「マンモスフラワー」に登場した吸血植物ジュラン。

ジュラン

 中生代ジュラ紀に生息していた植物ということからジュランという名前になったそうですが、本編ではマンモスフラワーとだけ呼称されました。「ウルトラQ」劇中でもマンモスフラワーとだけ呼ばれていたそうです。

ペギラ

 禍威獣3号(巨大不明生物3号)ペギラは第5話「ペギラが来た!」と第14話「東京氷河期」に登場した冷凍怪獣ペギラ。核実験の放射能の影響でペンギンが突然変異したとか、アザラシに近い海棲哺乳類の変異体ではないかといわれています。口からマイナス130度に達する冷凍光線を放射し、周囲に反重力現象まで引き起こし、更には空も飛べるという強敵ですが、南極大陸に生育する苔の成分から抽出した物質・ペギミンHが弱点と判明したことで撃退に成功しますが、「ウルトラQ」では死亡していません。「シン・ウルトラマン」では女性生物学者(おそらく禍特対の船縁由美)が弱点を発見して駆除に成功しています。

ペギラとチャンドラー

 ペギラの着ぐるみは「ウルトラマン」第8話「怪獣無法地帯」に登場する有翼海獣チャンドラーへ改造されましたが、ほぼ本人(笑)。冷凍光線が出せなくなった分、弱体化してたりして。ウルトラマンと戦うまでもなくレッドキングに負けて逃走しました。その後の消息は不明ですが、再度出現しても科特隊で対処可能だったと思われます。

ラルゲユウス

 禍威獣4号(飛翔禍威獣)ラルゲユウスは第12話「鳥を見た」に登場した古代怪鳥ラルゲユウス。第三氷河期(いつやねん)以前に棲息した鳥の祖先で、通常は文鳥に似た姿をしていますが、空腹になると巨大化して暴れます。

ウルトラQのラルゲユウス

 劇中では倒されることなく飛び去りましたが、「シン・ウルトラマン」でも取り逃がしたまま消息不明となっています。

カイゲル

 禍威獣5号(溶解禍威獣)カイゲルは第24話「ゴーガの像」に登場した貝獣ゴーガ。サザエのような貝殻とカタツムリのような体を持ち、目から溶解光線を出します。

ゴーガ

 自衛隊の一斉攻撃で倒されますが、「シン・ウルトラマン」でも初出動した禍特対と自衛隊の連携攻撃によって駆除されました。なぜゴーガの名前を使わなかったのかは不明です。

パゴス

 禍威獣6号(放射性物質捕食禍威獣)パゴスは第18話「虹の卵」に登場した地底怪獣パゴス。中生代の生物が、ウランをエネルギー源としたことで怪獣化したということで、ウランを常食にしています。高速で地中を掘り進み、金色の虹のように見える分子構造破壊光線を放射します。原子力発電所に迫りますが、ネオニュートロン液を搭載したミサイルを撃ち込まれ、全身の体細胞が風化して粉砕されました。

悪そうなパゴス

 「シン・ウルトラマン」では放射性物質を含んだ光線(「激ヤバ光線」)を放射し、放射性物質が撒き散らされた結果、広範囲に被害が及んだらしく、政府関係者の間では「パゴス事案」と呼ばれ、トラウマになるレベルの事件となったようです。カイゲル同様、禍特対と自衛隊の連携作戦で駆除しました。オリジナルとはかなりデザインが変わっていて、ネロンガやガボラのプロトタイプという位置づけになっています。

地底怪獣パゴス

 なおパゴスは「ウルトラマン」第9話「電光石火作戦」に登場予定でしたがガボラに変更されました。またウルトラセブンの3番目のカプセル怪獣として登場する予定もあったそうですが、実現しませんでした。パゴスはアギラより強そうですが、「ウルトラQ」時代とはいえ、地球で暴れた怪獣をウルトラセブンが使役するというはちょっとね(笑)。

ネロンガ-1

 禍威獣7号(透明禍威獣)ネロンガはウルトラマン第3話「科特隊出撃せよ」に登場した透明怪獣ネロンガ。普段は透明ですがエネルギー源である電気を充分に吸収すると姿を見せます。電撃が武器ですが人間にショックを与える程度の威力しかなく、ウルトラマンには全く効きませんでした。

ウルトラマン対ネロンガ

 「シン・ウルトラマン」では電気を求めて首都圏郊外に出現。電撃は大幅に強化されて誘導弾を全て撃ち落としたり周辺を壊滅させるなどしましたが、やはりウルトラマンには全く効かず、スペシウム光線で瞬殺されました。この時のウルトラマンのスペシウム光線は凄まじい威力で、射線上の山の斜面を抉り取り、大気をプラズマ化させるほどで、明らかにオーバーキル状態でした。その後はかなり威力が弱まりましたが、人間と一体化したせいなのか、加減を覚えたためなのか。

シン・ガボラ

 禍威獣8号(地底禍威獣)ガボラは第9話「電光石火作戦」に登場したウラン怪獣がボラ。首の周囲にある6枚の赤いヒレを閉じて頭部を防護すると共に、尖った頭部で地底を掘り進みます。口から青い放射能光線を吐き、ウランを1日に1万トン食べ、食べる際には周囲に放射能を放つという激ヤバ怪獣です。

オリジナルガボラ

  ウルトラマンは飛び蹴り→ヒレむしり→連続パンチ→首投げと肉弾戦のみで倒しましたが、爆発させて放射能が飛び散ることを懸念してか。

ドリルガボラ

 「シン・ウルトラマン」ではパゴスの同種とされ、首回りのヒレを閉じてドリルのように回転させることが出来るようになりました。また尻尾もドリル化。パゴスの発展強化型であることを印象づけています。米軍のB-2が放った大型地中貫通爆弾も全く効かなかったので、防御力はシン・ゴジラ以上ということになります。

パンチ一発

   しかし頭部への攻撃には弱く、ウルトラマンのパンチ一発で絶命しました。光線技で倒されなかったところは原典どおりということに。死体はウルトラマンが持ち去ったので、おそらく大気圏外で安全に処理したのでしょう。怪獣墓場へ…というのはさすがに「リブート」の趣旨から外れるのでしょうね。

2022年秋季アニメの感想(その3):4人はそれぞれウソをつく/恋愛フロップス/異世界おじさん

謹賀新年

 おくればせながら、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。正月ぼけの中仕事も始まったわけですが、3日出勤した後の3連休というのは我々社畜にとってはなかなかに慈悲のあるローテーションですね。

ハート様

 次週は4日出勤で次々週以降5日出勤と漸増的なのもまるで笑顔のハート様。社畜的に本音を言えばずっと週3日出勤ならいいのにと思うのですが、現実はキビシーのであります。

艦これ

 本日は昨年秋季アニメ感想の最終回です。コロナを言い訳(?)にして未だ完結していない作品もありますが、いつまでも去年を引きずってはいられません。8話予定にも関わらず5話までで中断してしまった「艦これ いつかあの海で」はもう視聴打ち切ります。ゲームは相変わらずプレイしているのですが、アニメは流石に駄目すぎです。制作会社って、事前に選べないものなんでしょうかね。

4人はそれぞれウソをつく感想

 まずは「4人はそれぞれウソをつく」。橿原まどかが別冊少年マガジンに連載する漫画が原作です。女子中学生仲良し4人組がそれぞれ人に言えない秘密を抱えているという学園コメディ作品で、最初は“?”と思ったりもしましたが、尻上がりに面白くなっていったような。

4人の正体

 秘密とは宇宙人であること(リッカ)、超能力者であること(関根)、忍者(抜け忍)であること(千代)と、ここまでなら涼宮ハルヒがまっしぐらに突撃してきそうなアツい秘密なんですが、最後の一人は女装男子であること(翼)で、こいつだけ秘密の質がかなり違います。当初はそれで上手くいくのかと思いましたが、見続けると以外にかみ合って面白かったですね。

リッカ

 一番天然で天真爛漫に見えるリッカが、実は乗機が不時着した銀河革命軍の大佐で、乗機の円盤は学園の校舎に思いっきり突き刺さっているのに誰も気にしていないという。それはオーバーテクノロジーで生徒達学園関係者に認識阻害とか記憶改竄を行っているためで、見よう見まねで女子中学生のふりをしているので制服とかも微妙にデザインが異なっていたり。素のリッカは軍人らしくかなり理知的でクールな性格です。

千代

 見かけはお嬢様そのものの千代は抜け忍で、追っては実の弟ですが、桁違いの実力差で常に返り討ちにしています。忍者としては超一流ですが、かけ算九九も満足にできないなど頭はかなり悪く、進級を本気で心配されているほど。しかし義務教育の中学校だと、ちゃんと学校に登校していたら進級できないなんてことはないような。いや、不登校でも卒業できたりして…

関根嬢

 そんな二人の秘密を知っているのは超能力者の関根。なぜかこの人だけ名前ではなく姓で呼ばれ、下の名前は不明のままでした。「SPY×FAMILY」のアーニャのように人の心が読めますが、なぜか女性限定。なので女装男子である翼の心は読めず、不思議に思っています。学校の成績は良いようですが、それがどういうことなのか理解していないあたり、クソボケ体質なのかも知れません。

翼

 女装男子翼は実は双子の弟の剛で、姉の翼が人気アイドルの通う男子中学に行きたがったあおりを喰らって女子校に行かされることに。体育、特に水泳の授業とかどうするんだと思いますが、変声期前の中学生だったのでなんとかなっていた模様。しかし終盤にはとうとう声変わりに起きて…

誰も気付かない
なぜ気付かない

 とうとう女装が持たなくなった翼(剛)がカミングアウトして関係は崩壊するのかと思われましたが、先にリッカ大佐が宇宙に戻ることを決意することで、4人のドタバタコメディは終焉を迎えることに。最後はギャグ作品らしく時間が入学時点に遡って、再び一から始めるという展開でしたが、他の3人はともかく、リッカ大佐はそれでいいのか(笑)。今後ずっと中学一年生の一年間を“エンドレスエイト”したりして。はたまた“ビューティフル・ドリーマー”すると言った方がいいのかな。

仲良し4人組
楽しい4人組

 作品としては綺麗に終わっているのでこれはこれでいいのですが、二期作るとかいう話になったらどうするんでしょうか。「のんのんびより」方式で行くのでしょうか。まあ本作は無理に登場人物に年を取らせなくてもいいような気もします。女子高版とか作るとしたらさすがに翼(剛)が保たないでしょう。リッカに秘密を打ち明けたら女体化とかしてくれそうな気もしますが、お前はそれで本当にいいのかという。

恋愛フロップス感想

 続いて「恋愛フロップス」。普通の男子高校生が、5人の女性達との恋愛模様に巻き込まれ、同居までしてしまうというハーレム系ラブコメ展開でしたが、7話にしてぶっ飛び展開になりました。

全員AIだった

 いや、それまでも奇想天外な展開が多く、男装女子がいたりエージェントがいたり魔法少女がいたり。近未来版「4人はそれぞれウソをつく」かと思いきや、全ては仮想現実空間での出来事で、5人の女性達は全てAIでした。

井澤愛

 そして現実に引き戻されて知る真実。主人公の幼なじみにして初恋の人・井澤愛とは、同じ高校に通うことを誓い合っていましたが、愛は病魔に倒れ故人に。しかし愛のパパンはAI研究の権威で、死んだ愛娘をベースに汎用型AIを完成させ、それはあっという間に世界中で使われるようになっていました。

女性キャラ達

 そして主人公が知り合った5人は、それぞれ愛をベースに日米中独勃(ブルガリア)の各国が作り上げたAIでした。AI達は当初人間との接し方を知らなかったのでかなり素っ頓狂な言動を行っていましたが、主人公とのやりとりの中で人間らしさや恋愛感情を知っていくことに。

なぜか生身を持つ

 ハーレム系ラブコメでは、「なぜさえない主人公がモテモテになるのか?」という疑問がついて回りますが、本作では初恋の相手だった愛が各AIのベースとなっており、記憶の一部を共有していた、とかなり説得力のある説明がなされていました。後半は泣きゲー的感動展開となっていますが、駆け足なので泣けるかといえば…。2クールかけて丁寧に作れば傑作になったかも知れませんが。

伊集院好雄

 今の若い人達はいざ知らず、個人的にはやたら昔の恋愛SLG(主に「ときめきメモリアル」)をネタに仕込んでいるのが楽しかったです。主人公の悪友(実は研究者のアバター)の名前が伊集院好雄(伊集院レイ+早乙女好雄)だったり伝説の樹(本作では桜)がどうしたとか。
 
金月真美ママン

 個人的に一番エモかったのは、8話にだけ登場した主人公のママン。なんとCV金月真美。「ときメモ」難攻不落のメインヒロイン藤崎詩織のCVを務めた人ではないですか。お懐かしい。私にはこのキャスティングだけでもう充分でした。

実写版ときメモのキャスト

 豆知識ですが、実写映画版「ときめきメモリアル」(1997年公開)というのもあって、藤崎詩織役は後に福山雅治と結婚する吹石一恵(画像左端)が務めていました。他にも(画像右から)矢田亜希子、中山エミリ、榎本加奈子、山口沙也加と当時の美少女タレントを結集していましたが、藤崎詩織以外はゲームに登場しないキャラでした。

大人キャラモンちゃん

 内容的にはかなりお下劣な展開もあり、正直若い人にとってはさほど面白いものではなかったかも知れませんが、90年代恋愛ゲームプレイヤーには色々と刺さる作品で、一体視聴層をどこに想定していたのかと(笑)。個人的には中華AI白 夢華(バイ モンファ)がお気に入り。かつてはイカ娘とか琴浦さんなどロリキャラで一世を風靡した金元寿子ですが、大人ボイスも色っぽくて非常にいいです。

茜ヶ崎空

 AIで身体があるのは仮想空間だけであったはずの各女性キャラは、最終回で現実の身体を手に入れてましたが、これはあれか、傑作恋愛ADV「Ever17 -the out of infinity-」に登場したAI「茜ヶ崎空」がハッピートゥルーエンドで実体を得ていたことのオマージュなのか。

言えなかった好きという言葉も

 きちんと好意を伝えることも、お別れすることもできなかった幼なじみ(井澤愛)を引きずり続けていた主人公が、仮想現実の中で再会し、悲しいながらもけじめつけられたことで、先に進めるようになったという展開自体は悪くないので、かえすがえすも尺の少なさが惜しまれます。

異世界おじさん感想

 最後に「異世界おじさん」。視聴したのは12話までで、最終話となる13話はいつ放映されるか未定のままですが、もう評価は完全に決まったのでここで取り上げてしまいます。原作はKADOKAWAの「WebComicアパンダ」で「殆ど死んでいる」(ペンネームです)が連載する漫画です。略称「いせおじ」。

魔法を使うおじさん

 交通事故に遭って17年間昏睡状態だった叔父が目覚めたら、その間異世界「グランバハマル」で冒険していたと語ります。「叔父さん…酸素欠乏症にかかって」とツッコんだ(嘘)甥のたかふみでしたが、叔父さんが実際に魔法を使って見せたことで評価は一転。同居してYouTuberとして生計を立てることを勧めることに。そして再会した幼なじみの藤宮さんと共に、折々叔父さんが映像で見せてくれる異世界冒険譚の奇想天外ぶりにツッコミを入れまくることに。

便利な記憶再生
冒険譚鑑賞会
おじさんの活躍にあきれる二人

 既に終了した冒険譚を拡大縮小巻き戻し早送り付きのVTRのように眺められ、おまけに本人の解説まであるという親切設計。「なろう」系とかRPG好きなら「ああこれは!」という展開が随所に出てくるのに、いわゆる“お約束”や“フラグ”を全て無視したりぶち壊したりして進んでいく叔父さんの勇姿(笑)。

確かにキモいが

 異世界転移した際、おじさんは弱冠17歳で、既にマイナー化していたSEGA好きでしかもSTGやアクションゲームばかりをプレイしていたという異端者(笑)でした。おまけに当時はツンデレという言葉もなく…。ツンデレという言葉はなくてもそういう傾向のキャラなどはちゃんと存在していたのですが、AVGやSLG、RPGをほとんどプレイしてこなかったらしい叔父さんには認識が全くなかったんですね。もし知っていれば異世界で結構ウハウハだったのに。だがそれがいい。

たかひみの闇

 そして叔父さんの17年間の昏睡状態というのは家族にも深刻な影を落としており、甥のたかふみは一家離散の憂き目に遭っている模様。一見常識人ながらしばしば物騒な発言が飛び出して藤宮さんを驚かせます。

子安武人 

 叔父さんのCVは子安武人。最近は「なろう」系アニメを中心にラスボスとか中ボスを演じることが多い印象だったので、主人公役というのは新鮮。しかしイケメン美女ばかりの異世界では「オークの亜種」と間違えられるほどのブサメンで、初めての町や村では魔物の襲撃と勘違いした住民に囲まれるのが日常だったという悲惨ぶり。

メイベル
へっぽこ勇者アリシア

 異世界では古代魔導具の探索・回収を行っているエルフの王族の姫君であるエルフさん、先祖が日本からの転生者だった「氷の一族」の末裔メイベル、ビギナー冒険者なのに様々な思惑に翻弄されて勇者にされてしまった童顔巨乳のアリシアらと知り合いますが、この人達の向ける好意に全く気付かず、せっかく立てたフラグは片っ端から壊されてしまいます。

エルフさん
ヤンデレエルフさん

 エルフさんに関しては、性格がツンデレで照れ隠しに「オーク顔」などと罵詈雑言を浴びせるので、ツンデレの概念を知らない叔父さんから嫌われるのもむべなるかな、というところはありますが、しばらく付き合っていれば大体どういう人かわかりそうなものなんですが…当時17歳で内向的なオタク気質の叔父さんには無理だった(笑)。しまいにはヤンデレに進化してしまった…

いつも魔物あつかい
狩られるおじさん

 まあ会う人会う人にオークなどに誤認されて殺されかけたりしていれば仕方ないよなとは思います。そういう場面はあんまり映像化されていませんでしたが、多分全部見たら鬱になることでしょう。

少年たかふみ
たかふみ

 そんな叔父さんの朴念仁ぶりにツッコミを入れるたまふみですが、本人も藤宮さんの好意には全く気付いておらず、逆に叔父さんはそれに気付いているという逆転現象が起きたりも。

藤宮さん
藤宮さんの変わりっぷり

 この藤宮さん、今は美人女子大生ですが、小学生時代はまさにリアルオーク顔で、どうしてここまで変貌したのか不思議なほど。

昔の千秋
これで小四

 弟の千秋が幼い頃は可愛らしかったのに、小学四年生の今は小学生とは到底思えない大柄な体格かつリアルオーク顔なので、二人の間に呪いの転移でもあったのかと疑ってしまいます。

おじさんとエルフさん

 本名は非常に長いエルフさんと藤宮さんについては近日「好きなアニメキャラ」で取り上げる予定です。もしかするとメイベル(悠木碧さん演技して下さいというツッコミに笑った)とアリシアも取り上げるかも。つまりはとにかく面白い作品だったと言うことです。制作会社を変えてぜひ2期を制作して欲しいです。あと井口裕香が歌うED「一番星ソノリティ」はとてもいい歌です。エルフさんの気持ちを歌っている?

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