2022年秋季アニメの感想(その2):SPY×FAMILY/後宮の烏/ぼっち・ざ・ろっく!

大晦日です。泣いても笑っても2022年は今日でおしまい。大晦日の過ごし方って皆さんどんなふうなんでしょうかね。年越しイベントに参加するとか、年末年始を旅行先で過ごすなんて人もいるんでしょうね。私は夜になったら酒浸りなのが常なのですが、見るものに困りますね。昔なら大晦日の夜はレコード大賞→紅白歌合戦→行く年来る年という黄金パターンがあったのですが、ここんところはテレビが本当につまらないので、YouTubeとか動画サイトを見ることになるのでしょう。

ちなみに今年の大晦日の酒は画像とは裏腹にウイスキー(サントリーローヤル)。さらにアマレットとベイリーズという強力リキュール陣も控えています。割り材のストックも万全。つまみも用意していますが、ブログのアップを終えたらスーパーに今年最後の買い物に行ってこなければ。そして元旦は終日外出しないぞ。


ということで秋季アニメの感想をちゃっちゃと始めて行きましょう。まずは「SPY×FAMILY」。分割2クールの後半でした。家族の一員として未来予知犬ボンドが加わり、また“黄昏”ロイドの同僚として暗号名“夜帳(とばり)”のフィオナ・フロストも登場するなど、キャラは一段と賑やかになってきました。

そういえば暗号名“東雲(しののめ)”という異名を持つスパイも登場してましたね。暗号名とかCV中村悠一というところからは強敵感しかありませんが、実はとんでもないポンコツでした。暗号名も自称だし。黄昏には敵うべくもなく任務に失敗して依頼主から解雇されていましたが、中村悠一を使い捨てるとは実に贅沢なキャスティングです。お金ありますね本作。

作風もキャスティングも安定しているので安心して見ていられます。スパイものなのに安心して見ているというのもどうかと思いますが、本作はコメディだからいんでしょう。内容に特に文句はありません。

文句ではありませんが、興味深かったのは、仮初めの夫婦となっている“黄昏”ロイドとヨルのCVが江口拓也と早見沙織であること。これは過去の人気作「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」(略称「俺ガイル」)の主人公比企谷八幡とメインヒロイン雪ノ下雪乃の組み合わせなんですよね。


そしてロイドにガチ恋している“夜帳”フィオナのCV佐倉綾音は「俺ガイル」では生徒会長一色いろは。いろはもメインヒロインの一人で、八幡にいろいろちょっかいを出していました。個人的妄想ですが、「俺ガイル」のキャラが異世界転生したのが「SPY×FAMILY」という気がしてしまいます。ロイドとヨルが相思相愛のところに、フィオナがロイドに熱狂的に恋しているあたり、実はいろはも八幡が大好きだったのか、なんて思ったり。

原作を読んでいないので今後の展開はわかりませんが、「俺ガイル」の負けヒロイン由比ヶ浜結衣のCV東山奈央が登場したら一色いろはどころじゃない三角関係になったりして。東山奈央の演じるキャラはいい子が多いのですが、恋愛では負けヒロインになることが多いような。「神のみぞ知るセカイ」の中川かのんとか「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」の古賀朋絵とかね。いい子であることはむしろ弱点なのか。


いつもは鈍そうなヨルがフィオナの気持ちにはいち早く気付いているのがまたなんとも。「いろはめ、この世界まで追ってきたか」とか思ってたりして。

一方ヨルを演じる早見沙織には勝ちヒロインのイメージがあります。勝ちまくっているわけではないのですが、「バクマン。」の亜豆美保とか「山田くんと7人の魔女」の白石うららの印象か。「魔法科高校の劣等生」の司馬深雪も勝ちヒロインでいいのでしょうかね。相手はお兄様だけど。

全然「SPY×FAMILY」と関係ない話になってしまいましたが、来年も続編が制作されるそうなので、楽しみにしています。ヨルの本業ネタとかももっとぶっ込んで欲しいですが…コメディじゃなくなってしまうのでしょうかね?

次は「後宮の烏」。中華風ファンタジーです。あくまで“中華風”であって中国の時代劇という訳ではありません。「十二国記」に近いかも知れません。

いつの時代かわかりませんが、白髪を持つ一族の王朝が倒れ、現王朝になって数代。廃太子がクーデターを起こして専横を極めていた皇太后を打倒して新皇帝に就任します。皇帝は後宮にあって夜伽をすることのない「烏妃」と呼ばれる特別な妃の下に、ある依頼のために訪れることになります。次第に明らかになる「烏妃」の正体とは…という物語です。

「烏妃」は不思議な術を使い、幽鬼となった死霊をあの世に送ったりできますが、歴代の「烏妃」には“烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)”と呼ばれる鳥形の神仙が潜んでおり、それが不思議な力の源泉となっている他、本来なら裏の皇帝ともいうべき「冬の王」(祭祀担当)でもあり、表の皇帝「夏の王」(政治担当)とは表裏一体の関係にあるそうです。ですが、「冬の王」は共同統治ではなく、後宮の奥深くに幽閉されるように留まることを選択することに。

基本後宮を中心に宮中で発生した怪事件を「烏妃」が解決するというミステリー仕立てな展開でしたが、現「烏妃」柳寿雪は前王朝の血筋であることが明らかになったり、OPにも登場する烏漣娘娘は新月のたびに寿雪の身体から抜け出して飛び回り、その都度寿雪は激しい痛みに苛まれていることを知り、皇帝夏高峻はなんとか寿雪を救いたいと考えますが…

終盤、烏漣娘娘の兄と名乗る封宵月(梟の神仙)が登場、寿雪の命を狙います。寿雪が憎いからではなく、烏漣娘娘を解放することが目的なようです。封宵月によれば、烏漣娘娘は神仙界(幽宮)で罪を犯してこちらの世界に追放されており、それを初代「烏妃」が身体に閉じ込めて代を重ねているのだとか。

神仙界を追放したのならその後のことは放っておけとも思いますが、兄である封宵月は妹の置かれた状況を見かねたのでしょう、妹を楽にするために殺そうとします。直接こちらにはこれないらしくてアバターを使っての介入となっており、今回は退けられましたが、本体は無傷なのでその気になれば何度でもやって来られると思われます。ただし、神仙界には神仙界なりの秩序や掟があるはずで、無闇にこちらの世界に介入することは許さないようにも思われるので、あまり派手な活動はできないような。

ただ、封宵月の言い分というのは理にかなっている(CV石田彰だからか)ようにも見え、いっそひと思いに烏漣娘娘共々殺された方が寿雪も楽になれるかもなんて思ったりもしました。まあそれじゃあ話が終わってしまいますが。

印象としては暇か皇帝という(笑)。いや後宮は皇帝以外の男は宦官しか入れないし、そもそも皇帝専用の場所なのでしばしば後宮に赴くのはいいのですが、夜ではなく昼に後宮に来るからなあこの人。官僚機構がちゃんとしてれば皇帝なんか昼行灯でもいいのかも知れませんが、クーデターを起こして権力を奪取した直後なので、色々と後始末もあろうに。

あと宦官がねえ。キャラとしてはちゃんとした人物ばかりなんですが、どうやって宦官になるのかとか知っているだけに見る度に複雑な気持ちに。古代日本は中国の先進的な制度を積極的に取り入れましたが、宦官と纏足は取り入れませんでした。これはナイス判断だと思いますが、本作は宦官はいるけど纏足は登場しませんね。Wikipediaによると纏足は唐末からということなので、本作の舞台は時代的に唐以前なのか。


「なろう」系では中世ヨーロッパ風異世界というのが定番なので、中華風異世界というのは新鮮でいいのですが、用語や人名が難しくて、登場人物の会話を漢字変換するのに困難を覚えます。それでリタイヤした人も結構いるのでは。さりげなく字幕サービスをしてくれればいいのですが。

最後に「ぼっち・ざ・ろっく!」。視聴予定作品ではなく、リザーバーにもエントリーされていませんでしたが、ネットの評判を聞きつけて視聴しました。はまじあきが「まんがタイムきららMAX」で連載する4コマ漫画が原作で、「きらら」系ということになります。略称は「ぼざろ」で、キャッチコピーは「陰キャならロックをやれ!」。

極度の人見知りでコミュ障の後藤ひとり(名前が!)は、バンド活動や文化祭ライブに憧れつつも友達すら作れないまま中学を卒業し、高校でもぼっち道まっしぐら。でも一人で練習したギターの腕はかなりのもので、動画投稿サイトでは「ギターヒーロー」の名で活動しており、好評を得ていました。

ある日、ギターを持っているところ(ギターを持っていれば話しかけられるかもと期待していた)を、ギタリストを探していた伊地知虹夏に見つけられたひとりは、バンドメンバーに加えられてライブハウスで演奏することに。人見知りもコミュ障も克服されないまま、「結束バンド」のギタリストとなったひとりのロックですっとこどっこいな青春模様が描かれます。



後藤ひとり(ニックネームは「ぼっちちゃん」)は「古見さんは、コミュ症です。」の主人公古見硝子とタメを張れるコミュ障で、只野君がそばにいない古見さんという感じ。ぱっと見は結構可愛い部類なんですが、何かあるとすぐにゴミ箱や段ボール箱の中などに隠れるので、古見さん以上かも知れません。

「結束バンド」のリーダーでドラムの伊地知虹夏は陽キャで、ベースの山田リョウは陰キャの部類ですが、ひとりに言わせると「コミュ障ではなく1人でいるのが好きな人」なんだそうです。この二人は別の高校で、ボーカル兼ギターの喜多郁代が唯一ひとりと同じ高校です。


この人がまた陽キャ中の陽キャなのですが、ギターが弾けないのに「結束バンド」に加わり、土壇場で逃亡したことで、結果的にひとりが参加する契機を作りました。後にひとりの指導でギターが弾けるようになり、「私がぼっちちゃんをフォローする」と、古見さんにとっての只野君的ポジションになるかの決意表明をしましたが、ズバズバはっきりと物を言うので、山田リョウからは「ナチュラルに鬼畜」と指摘されています。これは只野君にはなれない(笑)。

古見家はママン以外コミュ障的な人ばかりでしたが、後藤家は皆普通の人達で、ひとりだけがなぜかコミュ障になっているという。コミュ障は遺伝ではなく環境が原因だと指摘しているサイトもありますが…個人的には遺伝的要素ゼロとも思えません。まあ医学的知見はないのでその辺りははっきりしませんが。

精神的にも脆く、逃げちゃ駄目な時にも思い切り逃げてしまったり、一度落ち込むと戻ってくるのに長い時間がかかったりします。強い承認欲求は抱えていますが、自分から動けず、他人からの働きかけを待っているだけという。コミュ障はそんなものかも知れませんが。


終盤のメインイベントは文化祭ライブ。ギターのトラブルに見舞われるもなんとか凌ぎますが、コメントを求められて切羽詰まったあげく観客席にダイブするというロックな奇行を見せてしまいます。人気バンドのライブだとファン達が受け止めてくれますが、普通に皆に避けられてそのまま床に落下してました。これがロックか…!コミュ障というべきか奇行種というべきか。

後藤ひとりのCVは青山吉能(よしの)。7人組の声優ユニット「Wake Up, Girls!」のリーダーでした。「Wake Up, Girls!」のメンバーは田中美海以外はいまいちブレイクし切れていないという印象がありましたが、これを契機に出演作が増えるといいですね。

バンドはライブする度にチケットを売らないと持ち出しになるとか世知辛く、そのためひとりはコミュ障なのにライブハウスでバイトをすることに。アマチュアゆえにバンド活動をすればするほど金がかかり、苦手なバイトから抜け出せなくなります。実は動画投稿サイトではかなり再生数を稼いでおり、思わぬ臨時収入となって新しいギターを買うことができ、バイトをしなくても大丈夫じゃないかということになりましたが、コミュ障なのでやめると言い出せないという(笑)。

バンド活動はさておき、バイトはコミュ障克服のためにも継続した方がいいと思いますが、本人はよっぽど苦手なんでしょうね。これが良薬口苦しということか。のたうち回りながらも苦手なものと対峙することはきっとロックなんだ!(たぶん)

…ということで、残る秋季アニメの感想は来年に持ち越しとなりましたが、「異世界おじさん」とか「艦これ」などまだ終わっていない作品もあるので仕方がありませんね。年を越すとはロックだなあ(よくわからない)。おかげでひとり変顔集が続いたじゃないか。人の心とかないんか?(笑)

さて皆さん。今年も大変お世話になりました。非常にニッチかつマイナーな内容ですが、よろしければ来年も当ブログをご覧頂ければ幸いです。よいお年をお迎え下さい。
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