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ことでん全線踏破計画(その1):長尾線を終点まで乗ると、すぐそこに長尾寺

秋のライトアップ

 恒例の栗林公園秋のライトアップ、今年は11月18日(金)~27日(日)の10日間だそうです。一見の価値はあるので、高松旅行を考えている人はぜひ。いつまであるか判らないサンライズ瀬戸を利用して、なんてオツかも知れませんね。

ことでんグループ

 秋は行楽シーズンなので、私も小さな旅をしているところですが、ふと思ったのは、「ことでん」を全線踏破してみようということです。ことでん、正式名称「高松琴平電気鉄道」は香川県唯一の私鉄で、キャッチフレーズは「うみ・まち・さと - 心でむすぶ」。

ことでん路線図

 現在3つの路線を持っており、そごうグループと提携したのが仇となって、そごうグループの経営破綻の余波を受けて21世紀早々に経営難に陥ったりもしましたが、なんとか再建を果たしています。

琴平線のカラーリング

 本線にあたる琴平線(高松築港駅-琴電琴平駅 32.9Km、23駅)は、昨春金刀比羅宮に行くのに利用して踏破を完了しているので、今回は残る長尾線(瓦町駅-長尾駅 14.6Km、16駅)と志度線(瓦町駅-琴電志度駅 12.5Km、16駅)のうち、まず長尾線を攻略します。

長尾線のカラーリング

 琴平線の電車はラインカラーが黄色ですが、長尾線は緑色。ことでんは軌間、すなわち線路の幅が1435mm。これは標準軌と呼ばれ、世界で最も普及している軌間です。JRだと新幹線だけがこれで、大半の路線は1067mm(狭軌)です。狭軌の方が曲がりやすいとか低コストといった特徴がありますが、1900年代以降に建設された私鉄は標準軌を採用する例が多いようです。ことでんの走る香川平野は急カーブもトンネルもないので、鉄道は敷きやすかったことでしょう。

瓦町FLAG


 路線は水田と民家が合い混ぜになった中を走り、電車が走るすぐそばに住宅があったりするあたり、江ノ電を彷彿とさせます。始発駅は高松築港駅ですが、瓦町駅まで琴平線を走ります。無人駅も多く、全列車に車掌が乗務しており、精算や車内補充券の発売、IC乗車カード(IruCa)へチャージ、無人駅での集札、車内放送などを行っており、大忙しな様子です。瓦町駅は駅ビル(瓦町FLAG)が建っており、JR高松駅よりもシティライクな雰囲気があります。
ことでん長尾駅

 終点長尾駅はまるで民家のような駅舎。個人的にはローカル線の終着駅的な味わいがあって嫌いじゃありません。ここには何があるのかと言えば、四国八十八箇所の長尾寺があります。開業当初は長尾寺への参拝路線という性格があったそうですが、今では郊外路線。

長尾寺

 それでは長尾寺に行ってみましょう。四国八十八箇所霊場の第八十七番札所ということで、ブービー賞な(?)寺です。

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 こちらが山門。仁王がいるべき場所になぜか巨大な草鞋がぶら下がっています。江戸時代前期の1670年建立で、三つ棟木という珍しい工法が使われており、Wikipediaには“日本三大名門の一つという。”との記述がありますが、こんな小さな門が?「あなたの感想ですよね」「なんかそういうデータあるんですか?」とツッコみたくなりますね。

南禅寺の三門

 日本三大門というと南禅寺(京都府・上画像)、東福寺(京都府)、久遠寺(山梨県)が挙げられていますが、日本三大名門というのはググっても出てきません。麻布・開成・武蔵といった私立男子御三家や、桜蔭、女子学院、雙葉といった女子御三家が出てきたりします。た、たしかに名門だが。

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 この山門の手前に出来損ないの石灯籠のようなものがあります。これは経幢(きょうどう)と呼ばれ、鎌倉時代のもので、左側(東側)が1286年、右側(西側)が1283年のもの。経幢は多角形の長い石柱に、尊勝陀羅尼経などを刻んだもので、中国の唐代に始まり、日本でも鎌倉中期頃から作られたそうです。長尾寺のものは屈指の古さということで、重要文化財に指定されていますが、凝灰岩製なので風化が激しいようです。

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 境内の巨木。クスノキで、樹高19m、胸高幹周5.45m、枝張り25×22.1m。香川の保存木となっています。

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 本堂。奈良時代の739年に有名な行基がこの地を訪れ、霊感を得て柳の木で聖観世音菩薩像を彫り、堂宇を建立して安置したのが始まりだそうです。

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 大師堂。大正時代に再建された者。四国八十八箇所霊場は弘法大師に縁のある寺なので、長尾寺も真言宗でしたが、江戸時代に天台宗に改宗されており、今も宗派は天台宗。ではここの大師とは弘法大師ではなく実は伝教大師だったりして(笑)。

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 薬師堂(上)と護摩堂(下)。

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 長尾天満自在天神宮。平安時代の長尾寺の住職と讃岐国司を務めた菅原道真は親交があったそうで、道真が太宰府へ左遷された際には互いに別れを惜しんだという古事があります。建立は江戸時代中期。

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 静御前剃髪塚。源義経の愛妾だった静御前については、吉野で義経と別れた後母の磯禅師と共に鎌倉に送られ、鶴岡八幡宮社前で白拍子の舞を命じられ「しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな」「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しきなどと歌って」などと義経を慕う歌を唄い、その後義経の子を産んだものの男子だったため由比ヶ浜に沈められてしまいました。

静御前

 その後北条政子や大姫(頼朝と政子の娘)に多くの重宝を与えられて母と共に京に帰され、それからの消息は不明となっていますが、各地に様々な伝承が残っています。ここ長尾寺には、母と共に母の故郷である讃岐に帰り、長尾寺で得度を受け、宥心尼と名を改めて信仰の日々を送った後、24歳で短い生涯を閉じたという伝承があります。小野小町もそうですが、美人だと各地に伝承が残りますね。

石原さとみ版静御前

 長尾寺は小さいお寺でしたが、拝観料を取られないのがいいですね。私が訪問した時は檀家らしき方々が境内の清掃を行っていました。八十八箇所巡礼をちゃんとした場合、次が最後の寺(大窪寺)なんですが、距離は15kmもあるという。

長尾線のルート
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2022年秋季アニメ序盤の感想(その2):恋愛フロップス/アキバ冥途戦争/後宮の烏

深まる秋

 扇風機仕舞いました。晩秋になってようやくかよとは我ながら思いますが、今年は10月になっても結構暑い日があったんですよね。なんか初夏→盛夏→スーパー盛夏→ハイパー盛夏→晩夏→晩秋と来たような記憶が。これで冬は結構寒いなんて予報がされているので、秋がなさ過ぎですね。一番好きな季節なのに。

打ち切り寸前

 それでは秋季アニメ序盤の感想の後半です。「4人はそれぞれウソをつく」はまだ2話しか放映されていないので、3話まで放映したら既に定評が確立している「SPY×FAMILY」と共に次回感想を上げたいと思います。「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」は、多分5話を見て視聴を打ち切ることになるのではないかと思いますが、打ち切らなかった場合は次回感想を上げます。「『艦これ』いつかあの海で」と「トニカクカワイイ-制服-」は11月の配信なので、序盤の感想はオミットするかも知れません。

恋愛フロップス序盤感想

 と、事務連絡が終わったところでまずは「恋愛フロップス」。これも放映開始が遅かったのでまだ3話までしか視聴していません。今期、放映開始が遅い作品が多いように思えますが、これもコロナのせいなんでしょうかね。本作は普通の男子高校生が、5人の少女たちとの恋愛模様に巻き込まれる姿を描いたオリジナルアニメ作品ということで、本年6月から漫画連載もされていますが、これが原作という訳ではないようです。

多国籍ヒロインズ

 舞台は近未来で、普通の男子高校生が、国籍も雑多な5人の少女たちとの恋愛模様に巻き込まれるという、昔のギャルゲーチックな展開となっています。中には「男の娘」もいるようですが、ボーイッシュだけど女の子なのか、やっぱり「男の娘」なのかはまだ不明です。

愛生
カリン

 どうやら主人公のパパンの差し金らしいのですが、パパンが何者なのか、5人がやたらと交際(ひいては結婚)を迫ってくる理由もまだ不明なので、そもそも主人公が本当に普通の高校生なのかも不明です。

モンファ

 ヒロイン達の国籍は、日本の他、アメリカ、中国、ドイツ、ブルガリア。ブルガリアっているのが意表を突いていますね。ブルガリアというと、私のイメージではヨーグルトとか新体操(昔強かったんです)なんですが、ヨーロッパ三大ブス国の一角と言った人もいました。他の2国はどこかと聞いたら、オランダとベルギーなんだそうです。三大美人国というのも聞いたんですが、フランスとポーランドとどこやらでした。今なら「あなたの感想ですよね?」「なんかそういうデータあるんですか?」とツッコむところなんでしょうが、まあ個人の見解なのかも知れません。「なんだろう、ウソつくのやめてもらっていいですか」とまでは言えない…

金元キャラが良い感じ

 閑話休題、伊藤美来(日本代表)、金元寿子(中国代表)、高野麻里佳(ドイツ代表)とこれまで「好きな声優さん」で取り上げた声優が3人もヒロインを務めているので、よっぽどダメダメでなければ視聴を継続する予定です。特に美人女教師を演じる金元寿子が非常に私好みの声の出し方をしているので、これを聞くためだけでも視聴する価値があるというもの。演技上仕方ないことですが、社畜さんとか「処刑少女」のモモはちょっと私の好みとはずれていたので。

アメリア
イリヤ

 本作は1話でやたら「ときメモ」を意識したような状況やセリフがあったので、もしや「ときメモ」をリメイクしたような作品なのかと思いましたが、2話以降は特に「ときメモ」色は出てこなくなりました。オリジナル作品なのでどういう展開なのか不明ですが、しばらくは各ヒロインに焦点を当てたエピソードが続く予感が。

問題の伊集院
伊集院レイ
早乙女好雄

 主人公の悪友兼情報源の伊集院好雄が案外色々知っているんじゃないかという気も。ときメモラーなら誰もがピンとくる「伊集院レイ」と「早乙女好雄」を2身合体させたとしか思えないこのキャラ名。そのままだと、実は大富豪伊集院家の跡取りにして高校の理事長の孫で、主人公の恋愛成就の手助けをしてくれてこの後ヒロイン候補になる妹(名前は優美)がいて、そして実は隠しヒロインというとんでもない正体が明らかになるはずなんですが…どんなもんでしょう?

アキバ冥途戦争序盤感想

 続いて「アキバ冥途戦争」。こちらもオリジナル作品。4話まで視聴。「プリコネR」や「ウマ娘」を遊ばせて貰っているCygamesと、名作アニメを何本も世に送っているP.A.WORKSがタッグを組んだ注目作です。

とんとことんの5人メイド

 Cygamesは一大ムーブメントを作り上げた「ウマ娘」がさすがにブームも落ち着いてきて、P.A.WORKSも最近の作品はちょっと外し気味な感がある(「白い砂のアクアトープ」はヒロインが好感を持てないタイプだったり、「パリピ孔明」は最初良かったけどラッパーが出てきたあたりから尻すぼみになった感があったり)ということで、何とか挽回して貰いたいところです。

ウマ娘一期

 なお、両者は2017年に「ウマ娘 プリティダービー」(第一期)でタッグを組んでいるので、初顔合わせではありません。諸事情によりゲームリリースはアニメ放映4年後となってしまい、実は私も視聴したのはゲームリリース後の昨年だったんですが、アニメ自体は良く出来ていたと思います。

クズ店長
ゆめち
しぃぽん

 P.A.WORKSというと「花咲くいろは」や「SHIROBAKO」といった「お仕事シリーズ(働く女の子シリーズ)」が有名ですが、本作もメイドに憧れて秋葉原にやってきた和平なごみを主人公にしたメイド喫茶でのお仕事奮闘記とも言え、「お仕事シリーズ」の一環と言えばそうなんですが…そうなのかなあ?

オタ芸風殺戮の嵐
血まみれなごみ

 一言で言うと「“名状しがたき”アニメ」ですね。なんだその旧支配者みたいなフレーズはとツッコまれそうですが、本作におけるメイドは我々の世界のメイドとは違うんですよ。メイド達のルックスとか制服姿は我々の概念とは異なりませんが、各メイド喫茶はヤクザの二次団体、三次団体といった感じで、それらを束ねる大組織の傘下にあり、上納金とか対立グループとの抗争は日常茶飯事で、普通に殺人が横行しています。

なごみ

 主人公和平なごみは我々の世界のメイド観そのままにこの世界に飛び込んでしまっているので、もしかすると異世界転移でもしているのかも知れません。なごみが親しくなった別系列組織の可愛いメイド・ねるらによれば、「メイドに暴力はつきもの」だそうなので、この世界ではなごみの認識がどうかしているのでしょう。

嵐子

 なごみのルームメイトにして35歳のメイド・万年嵐子がメイド界の高倉健か菅原文太かと言った恐ろしい戦闘力の持ち主で、主にこの人の活動によりなごみはメイドというものの真実を知るという感じになっています。

ねるら

 舞台は1999年の秋葉原で、こんな頃からメイド喫茶あったかな?と疑問に思いましたが、異世界らしいのでまあいいでしょう。1話冒頭では1985年にメイド喫茶店長が若き日の嵐子の前で射殺されているので、この世界ではずっと前からメイド喫茶があった模様。

1話死亡コメント

 嵐子は敵対組織を容赦なく潰すだけでなく、現在のメイド界隈にも文句があるようで、「メイドカフェ とんとことん」に入ったのも、その上部組織である「ケダモノランドグループ」のドン・凪になにやら因縁があるからではないかと思われます。14年前に店長を射殺したヒットマンが凪なのか。

2話死亡コメント

 本作は毎回豪華ゲスト声優が登場するのがお約束で、1話で嵐子に潰された「チュキチュキつきちゃん」の店長が竹達彩奈、2話でイカサマをしていた「メイドカジノ」のディーラーが小松未可子。3話に登場した「アキバふわふわぁすい〜とくらぶ」(略称「アキバふぁいとくらぶ」)のオーナーが生田目仁美、4話で「とんとことん」に指導に来た「ケダモノランドグループ」の調教師が小林ゆう。これは毎回のゲスト声優を楽しみにする作品なのかも。なお、小林ゆうのキャラ以外は全員死亡(笑)で、小林ゆうのキャラも逃げ切れるかどうかは微妙。

3話死亡コメント

 メイド喫茶が組で、メイドがヤクザ、上部組織の構成員がオタクということならそれはそれでとも思いますが、別途ヤクザみたいな男達もいるので、そのあたりの混在ぶりがちょっと残念。ヤクザは全員メイドとか地下アイドルといった女の子達で統一しておけば良かったのに。

後宮の烏序盤感想

 今回最後は「後宮の烏」。4話まで視聴しました。中華風王朝の皇帝や後宮を描いた作品で、これこそ本家の中華アニメがやればいいのにという気もしますが、原作は白川紺子のラノベで、アニメ制作はバンダイナムコピクチャーズという、日本サイドで固めた作品です。

クーデター

 中華王朝が舞台というと、いつの時代よと考察したくなりますが、おそらく「中華風」なだけで特定の王朝をモデルにしたものではないような。むしろ「十二国記」風と言った方がいいのかも。

烏妃
宦官連れの皇帝

 皇太后が牛耳って専横を極めた某王朝で、先帝の息子ながら廃太子とされていた夏高峻が、臣下の支持を受けてクーデターを起こして皇帝位に就きます。皇位就任直後でもあり后妃はまだいませんが、後宮には「烏妃」と呼ばれる特別な妃がおり、皇帝と同衾しない代わりに様々なオカルト系業務を担っているということで、興味を持った皇帝はしばしば烏妃の下を訪れることに。暇か皇帝。

皇太后処刑

 1-2話は前後編で幽閉中の皇太后の処遇を決めるためのエピソードで、これにより皇帝は動かぬ証拠を握って皇太后を処刑し、権力を確固たるものにしました。その後は1話完結型ですが、先帝時代とか皇太后専横時代の悲しいエピソードが続いており、現皇帝としては“過去の清算”に近いような。

本当は白い髪の烏妃
先代の烏妃

 烏妃の名は柳寿雪で、白い髪を黒く染めたまだ若い女性ですが、白い髪は前王朝の王族の特徴らしく、王朝交代期に根絶やしにされた中の生き残りのようです。となると、現王朝もそんなに長いわけではなく、せいぜい3代目といった感じでしょうか。柳寿雪も烏妃としては少なくとも二代目で、先代は初老の女性として回想場面に登場していました。烏妃のような特殊な役職(?)が王朝が交代しても存続するのかどうかは不明ですが。

蓮の花で呪術

 柳寿雪は髪に挿した花を使って呪術を行使しており、髪に挿した花は二つだけなので、一時に行使できる呪術は最大二つということに。皇帝は頻繁に後宮に来ており、彼専用の場所なのでそれはいいのですが、護衛の男もついてきています。これはいいのかと思ったら、どうやら宦官のようです。中華王朝ならそういうことになるか。日本は古代中国の王朝から様々な文物を学びましたが、宦官と纏足は取り入れませんでしたね。他にもあるかも知れませんが、これは実に良い判断だったなあと思います。

雲花娘

 后妃はいないものの、後宮最上位の存在として雲花娘がいますが、この人は皇帝の幼なじみながら、恋人を亡くして行き場所のないので後宮に入れただけで、皇帝と関係はなさそう。CV上田麗奈なのにもったいない。今後皇帝と烏妃のラブロマンス化していくのか、後宮周辺で起きる怪事件を解決していく探偵譚になるのか、あるいはその両方なのか。基本女性向けかなと思われますが、おじさんが見ても悪くはないです。

2022年秋季アニメ序盤の感想(その1):ゴールデンカムイ第四期/ヤマノススメ Next Summit/陰の実力者になりたくて!/転生したら剣でした

花野

 今日は実に秋らしい陽気でした。先週だとまだ暑かったのですが、やはり季節は移ろっているのですね。

悪役令嬢ラスボス

 本日は秋季アニメ序盤の感想です。今季は視聴予定10本+リザーバー5本の構成ですが、「艦これ」、「トニカクカワイイ」はまだ放映開始されておらず、夏季から秋季に移動した「異世界おじさん」はいまだ前季の再放送状態。残りは12本ですが、まずは視聴打ち切り作品についてから。まず「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」は3話で打ち切りました。「はめふら」こと「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」は面白かったので期待していましたが、「ジャンルに貴賤なし、されどジャンル内に貴賤あり」という村松友視の名言の正しさが証明されてしまったような。「はめふら」がいかに“悪役令嬢もの”というジャンル内で出来のいい作品だったかを改めて痛感させられました。

農民関連

 それから「農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。」も3話で打ち切り。1話がテンプレ的に主人公「俺ツエー」にして「俺、なにかやっちゃいました?」だった反面、2話にして主人公が全く敵わないと感じる敵が登場してきて「お?」と思わせたのですが…3話でのその強敵(邪龍ウロボロス)の描きぶりが何ともグダグダにしてガバガバだったので完全に見る意欲を削がれてしまいました。これは原作のせいなのか演出のせいなのか脚本のせいなのか。YouTuberのレビュアーなら最後まで見て批評しまくるのでしょうが、私は苦痛を耐えてまで見たくないのでここで終了。ウソだと思ったら3話だけでも「見てみな、飛ぶぞ」。

ゴールデンカムイ第四期

 では感想に移りますが、まずは「ゴールデンカムイ 第四期」。3話(通算39話)まで視聴しました。アイヌの黄金をめぐる杉元一味、鶴見一派(陸軍第七師団)、土方一味の三つ巴の争いを描いていますが、相変わらず面白いですね。

杉元とアシリパ

 黄金を手に入れる動機としては、日露戦争で冷遇されたことから、戦友や戦死者遺族の窮状を救うため、自らが指導者となり北海道に軍事政権を実現させようとする鶴見中尉や、ロシアの南下に伴う日本侵略を防ぐため、北海道を「緩衝国」として独立させ、移民を募って多民族国家を築き北方の護りを委ねようと考える土方がかなり高尚なのに対し、杉元は幼なじみの治療費を手に入れるためというかなり下世話なものでしたが、杉元のパートナーにして黄金の在処の鍵を握る唯一の存在とされるアシリパは、父が黄金を自分に託した理由を知りたい強く願っているので、現在はアシリパのためというのがメインとなっています。

第七師団の精鋭?

 原作は完結しているので、原作を読んでる人はオチも知っていると思いますが、本作については結末よりも過程が面白いので、どういう結末になろうとそれはそれで「ヨシ!」(現場猫)だと思います。それよりも次から次に登場する北の奇人変人がともかく面白いですね。北海道や樺太はそんな人ばかりなのかと誤解されそう。特にアイヌの黄金の隠し場所に関する暗号が記された刺青を彫られた囚人達は凄い。今期も猛毒でロシアンルーレットをする関谷というのが凄かった。

土方

 物語のあらすじだけ見るとシリアスな展開なんですが、折々挟まる奇人変人達の奇怪な挙動やそれに振り回される杉元一味(誘い受けしている感じがないでもないですが)が展開するギャグが面白いので、あっという間に時間が経過してしまいます。

ヤマノススメ

 続いて「ヤマノススメ Next Summit」。3話まで視聴しました。今期が4期となります。1期が5分枠、2期と3期が15分枠で、今期ようやく30分枠となりました。

ヤマノススメ仮装

 しかし実はあまり語ることがないという。なぜかと言えば、4話までは過去シリーズの総集編だからです。新規追加のショートストーリーも入っていますが、見たことある展開ばかり。だからこれまで「ヤマノススメ」を見ていなかった人は、4期だけ見ればあらすじは全部見たも同然。

ゆるふわアウトドアアニメ

 ただ、総集編だとメインキャラ4人組のうち、青羽ここなの家の貧乏っぷりだとか、残る3人の家のブルジョワっぷりがあんまり出てこないのが残念っちゃあ残念です。本筋とはあまり関係はないのですが、ここなの貧乏暮らしについては過去にツッコんだ記事を書いてる(https://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-1698.html)ので、よかったらそっちも見てみて下さい。

陰の実力者になりたくて

 お次は「陰の実力者になりたくて!」。3話まで視聴。バリバリの「なろう」系作品です。物心ついたころから陰の実力者に憧れていた少年が事故死して恒例の異世界転生。転生先は念願叶ってずっと追い求めていた魔力のある世界ですが、陰の実力者指向は変わらず、実力を隠してモブ人生を送ろうとします。

ヤバい肉塊
美少女に変化

 討伐した盗賊団が持っていた怪物のような肉塊に魔力で様々な生体実験を行ったところ、エルフの美少女に変化。しかもどこからともなく仲間(しかもお約束の美少女ばかり)を連れてきて7人にまで膨れ上がります。主人公は彼女らと「魔人ディアボロスの復活を狙うディアボロス教団を討滅する組織」シャドーガーデンを設立しますが、それは彼の勝手な脳内妄想でした。しかし、実はディアボロス教団は実在しており、主人公だけが事態を把握しないまま教団とシャドーガーデンは闘争を展開していくことに。

使い捨て堀江由衣キャラ

 1話が前世編で、ヒロインかと思われたCV堀江由衣の美少女を使い捨てる豪胆な展開を見せました。メインキャラかとおもいきや…という展開は「無能なナナ」とか「処刑少女の生きる道」とか、最近結構ありますね。

七陰

 2話でシャドーガーデン結成。このまま行くかと思いきや、7人(七陰)は主人公の元を去り、主人公は王国魔剣士学園へ入学。貴族の子弟はみんなここに入るらしいです。陰の実力者指向のまま、モブとして地味に過ごそうとする主人公ですが、王女の彼氏になったり、王女が失踪したりと事件に巻き込まれまくっています。陰の実力者のままでいるというのも中々に大変な様子。

シド

 なんとなく展開に「オーバーロード」を彷彿とさせる部分もあります。主人公が適当なことを言っていると事実になり、七陰が「さすがは…」と感心あたり、モモンガと守護者達みたい。まだ3話までなので今後はわかりませんが、本人が陰の実力者になりたいと思い続けているのとは裏腹に、仲間や敵対者から見るととっくに陰の実力者になっているというギャップを楽しむ作品なのかも。

転生したら剣でした

 最後に「転生したら剣でした」。タイトルは短いですが、こちらも「なろう」系。4話まで視聴しました。「なろう」系恒例の交通事故死→異世界転生を遂げた主人公ですが、なんと剣になっていました。スライムや蜘蛛になったケースは知っていますが、とうとう無生物になるとは。

剣に転生

 ただし剣とは言っても知性を持ち、持ち主なしでも念動で動いて敵を倒すことも可能。最初は周囲の魔物を倒してスキルや特性を喰らっていましたが、魔力を吸収する特殊地帯に不用意に降りたために自力での脱出が不可能となってしまいました。

師匠との出会い

 そこに奴隷として酷使されていた黒猫族の少女フランが、魔物に襲撃されて逃げてきます。フランが抜いたことで本来の力を取り戻した剣は、フランのためにこの世界に来たと確信。フランを一流冒険者とすることを誓い、フランは剣を師匠と呼ぶように。

師匠の妄想

 剣(師匠)はCV三木眞一郎、フランはCV加隈亜衣ということで、見ていて非常に安定感のあるキャスティングです。「なろう」系恒例のレベルアップやスキル獲得をアナウンスする脳内ボイス(師匠は「アナウンスさん」と呼ぶ)もありますが、こちらはCV藤井ゆきよ。皆口裕子から思って喜んでたら違っていましたが、美人声優藤井ゆきよが皆口ボイスに近い声を出しているならそれも「ヨシ!」(現場猫)。

防具を装備したフラン

 「神眼」というエクストラスキルを持っている親切の鍛冶屋は、師匠が「知性ある武器(インテリジェンスウェポン)」と看破していました。ということは、この世界には師匠の他にもインテリジェンスウエポンが存在するのでしょう。

やる気満々のフラン

 フランは小さい頃から奴隷にされていたせいか、十分な教育を受けておらず口数も少ないですが、師匠には全幅の信頼を置き、強くなることを心から願っている健気な子なので、見ていてとても可愛いですね。師匠とスキルを共有することで、二つのスキルを同時に発動したり、剣技と魔法を同時に使用できるので、幼いながら他者から見るととんでもない強者になっています。

師匠とフラン

 師匠も戦闘、戦闘補助の他、日常生活スキルも持っていて、剣のくせに魔法の手を使って料理が出来たりするという万能っぷり。こういう剣なら一本欲しいところですが、師匠は剣に転生した当初から美少女剣士に使ってもらうことを夢見ていたので、男は使用不可でしょう(。まあ私も剣になったらそうなりそうですが(笑)。

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 昔プレイした「テイルズ オブ デスティニー」にも意思を持つ剣「ソーディアン」が登場していました。主人公(♂)が持っていたソーディアンはディムロスという♂剣。う、ウホッ…。そしてヒロインのルーティーが持つソーディアンのアトワイトは♀剣。じゃあ持ち主と剣の性は一致がこの世界の常識なのかと思いきや、フィリアという女性キャラ(CV17歳)の持つソーディアンはクレメンテという老人の♂剣で、フィリアをマスターに選んだのも「ぴちぴちの若い娘」なのが理由というとんでもないスケベジジイでした。でもまあ、気持ちは判る。むしろ他の剣の気持ちがわからん(笑)。

フィリアとクレメンテ

謎の仏生山を行く:法然寺と平池

見返り秋猫

 値上げの秋と言われてますが、実際スーパーでもコンビニでもいろんな商品が微妙に値上げしていますね。所得は全然増えていないのでまいっちんぐです。ウクライナ問題や円安も影響しているのでしょうが、困ったものです。日本経済的には円安を利用した海外からの観光客の落とす金に期待といったところでしょうが、一緒にコロナウイルスを振り撒かなきゃいいですが。ジャパンマネーとかエコノミックアニマルといった言葉が本当に今は昔。

仏生山エリア

 本日も「どっきん四国」。今回は紛れもない四国ネタをやりましょう。といっても近すぎるんですが、高松市内です。地図を見ていて謎の地名「仏生山」を発見しました。仏が生まれる山?これはあれか、キリストの墓が青森にある的なオカルトネタで、釈迦が生まれたのは実は高松だったというヤツなのか?

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 仏生山はかつては香川郡仏生山町で、1956年に高松市と合併しました。この変わった名前の由来は、町内にある法然寺という寺に由来します。江戸時代初期、香川県の前身である讃岐国は生駒氏が所有していましたが、1640年にお家騒動により改易されてしまいます。その後、讃岐国は二分され、西讃は山崎氏、後を継いで京極氏が丸亀城を本城として治め(丸亀藩)、東讃は松平頼重が高松城を本城として治めることになりました(高松藩)。

松平頼重像

 この松平頼重、かの有名な徳川光圀の実兄(しかも同母兄)なのですが、将軍家光へのお目見えが遅れたために次男扱いされてしまいました。そもそもパパンの頼房が、頼重懐妊を聞いた際に、将軍家や尾張家・紀伊家にまだ嫡男が誕生していないことを憚り、堕胎を命じたそうで、家老の計らいで密かに出産・養育していたそうです。これは光圀も同様だったのですが、パパンへのお目見えが光圀の方が早くなってしまったことが、二人の運命を分けました。

養子に迎える

 兄を差し置いて水戸徳川家の世子となったことは、光圀に複雑な気持ちを持たせたとされ、彼は若い頃は派手な格好で不良仲間(旗本奴)と出歩いたり、かなりの狼藉を働いたりしたようです。後に光圀は自身の長男を頼重の養子とし、頼重の長男を自身の養子とします。この養子が早世してしまったので、光圀はさらに頼重の次男を養子に迎えています。つまり光圀直系の子孫は高松藩主となり、頼重直系の子孫が水戸藩主となったわけで、光圀としてはこれで“ねじれ”を解消したとの思いがあったのでしょう。

門前町

 で、高松入りした頼重は、1668年に松平家の菩提寺として法然寺を建立します。そこには鎌倉前期に建てられた生福寺という寺があったので、復興という形になりますが、その際、仏舎利が出てきたことから、山号を「仏生山」と名付けたということです。法然寺の正式名は、仏生山来仰院法然寺。その門前町となったので、町の名前も仏生山町になりました。

法然

 なお、法然寺の名前の由来ですが、浄土宗の開祖である法然にちなんでいます。専修念仏をモットーとする新興の浄土宗は、比叡山延暦寺など既存宗派と対立することとなり、後鳥羽上皇の命で讃岐に流罪となりました。その際、法然が立ち寄った場所に建てられたのが生福寺だったので、頼重が再興の際に法然寺と改名したそうです。

仏生山駅

 ことでん琴平線の仏生山駅を降りて南東に向かっていくと法然寺があります。

法然寺本堂

 本堂は1907(明治40)年再建。法然自作と言われる阿弥陀如来立像が本尊として祀られています。幔幕に三つ葉葵の紋が。

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 三仏堂は、釈迦涅槃像を安置されているので涅槃堂とも呼ばれます。

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 寺に行くと見ずにはいられない五重塔。法然寺のはやたら新しそうに見えますが、それもそのはず、2011(平成23)年完成という新品です。

前池
仏生山公園

 門前には前池という門前池があり、高松市により仏生山公園という総合公園として整備されています。
 
平池

 仏生山公園の西側にあるのが平池(へいけ)。香川県内に数多ある溜め池の一つで、平安末期の1150年頃に造られたとされます。古い溜め池ですが、県内には飛鳥時代の700年代に造られ、平安前期に空海が改修したという日本最大の溜め池・満濃池もあります。

平池の看板

 しかし平池には「いわざらこざら」という悲しい伝説があり、繰り返し堤防が決壊するのに困っていたところ、“明朝、ちきり(機織り道具)をもった娘が通る。その娘をとらえて人柱に立てれば、うまく治まるであろう”というお告げがあり、翌朝実際に一人の娘が通りかかり、人夫達が娘を取り囲んで何を持っているのかと尋ねたところ、素直に“ちきり”ですと答えたので、堤防に人柱として埋められてしまったといいます。む、惨い…

伝説の地

 その後はどんなに大雨が降っても堤防が切れることはありませんでしたが、堤防の岩の間から流れ出る水の音が、娘がすすりなくような悲しげな音で「いわざらこざら」と聞こえてくるようになったそうです。それは「いわざらましこざらまし」、つまり言わなければよかった来なければよかったという意味です。

乙女の像

 人柱にされてしまった娘の像。悲しそうに池を見つめています。

石灯籠

 また平池には石灯籠が立っています。ここにはもともと人柱にされた娘を祀るちきり神社があったそうですが、平池改修のため水没することになったために山の上に遷され、その記念に石灯篭を建立したのだそうです。本人は人柱にされ、その神社まで水没では踏んだり蹴ったり(いや、神社は遷されたからまあいいのですが)。

お告げをする坊さん

 「いわざらこざら」伝説にはバリエーションがありますが、私が参考にした香川県庁バージョンでは坊さんらしい人物がお告げをしたみたいなイラストが付いています。しかし仮にも仏門の僧が人柱を推奨してはいかんのではないでしょうか。夢に出てきたとかいうことならまあ仕方ないですが。

ちきり神社

 ちきり神社には「身代わり守」があります。人柱伝説というのは日本だけでなく世界中にあるそうですが、むごい話です。建造物を守るよりも怨霊化して破壊しそうな気がするのですが、そういうふうには考えなかったんですかね。

いわざら乙女身代わり守

山口線紀行(その2):おいでませ山口へ

キンモクセイ

 金木犀の香がどこからともなく漂ってきて秋真っ盛りという感じですが、今日は暑いですね。晩秋から初冬にかけての、暖かく穏やかな晴天を小春日和と言いますが、今日みたいな陽気は小夏日和とでも言いたくなります。もしやアンデッド化したのか夏。

益田駅

 さて昨日の続きで山口線の旅。一夜明けても雨は止まず、めいってしまいましたが、津和野に続く今回の目的地、山口に向かいます。益田は泊まったのみで観光は全くなし。というのもスーパーおきの発車時間が9時前と早く、これを逃すと1時まで特急が来ないとためです。山口線は幹線ではなく地方交通線(赤字路線)なので、仕方ないかも知れませんが、不便は不便ですね。

山口駅

 山口駅は山口市の中心部にありますが、山陽新幹線が停まる新山口駅からは10キロくらい離れています。横浜駅と新横浜駅、大阪駅と新大阪駅など、ターミナル駅と新幹線駅が離れているところなたくさんありますが、山口駅と新山口駅の離れっぷりはなかなかのものです。特急でもダイレクトではなく、間に一駅(湯田温泉駅)挟みますし。

クリスマス発祥の地 

 山口市は室町・戦国時代に山陽山陰・北九州の6カ国を実効支配した守護大名・大内氏の本拠地となり、日明貿易を行ったほか、乱を逃れてきた京の文化人を歓迎して「西の京」として栄えました。1552年に山口で布教活動をしていた宣教師が日本で初となるクリスマスの祝いを催したことから、日本のクリスマスの発祥の地ともされています。

萩の町並

 毛利氏が支配するようになってからも長門周防の政治的中心地であり続けましたが、関ヶ原の戦いの後、毛利氏は萩に居城を構えたため、約260年もの間政治の中心地ではなくなりましたが、幕末の1863年に山口に居城を移しています。関ヶ原の戦いに敗れて広島城を失った毛利輝元は、新たな居城候補地を山口としていたものの、幕府の指示により萩に築城したとか。萩も雰囲気のある良い街なんですが、山口の方が南北に海を抱える領内の統制がとりやすいのだそうです。

山口県庁

 県庁所在地ですが、人口は下関市の方が多く、市内総生産でも周南市・下関市に次ぐ県内3番目。さらに民間調査会社・ブランド総合研究所による主要都市の「認知度」調査(2018年)では、山口市は下関市や萩市を下回っており、47都道府県の県庁所在地の中で最下位だったそうです。県名と市名が同じなのになんたることだ。そのせいか明治半ばから戦後復興期にかけて度々県庁移転運動が起こっています。候補地は防府市とか下関市か。

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 山口駅から北西に延びる駅前通りを進むと、やがて道は北向きになり、パークロードと名前を変えます。道の両側は美術館や図書館、博物館が点在する亀山公園。さらに進むと山口県庁にぶつかります。

香山公園 

 一旦東に向きを変えて少し進み、北向きの小道に入ってしばらくすると見えてくるのが山口市を代表する観光名所の香山公園。桜や梅の名所であり、国宝の五重塔がある瑠璃光寺の他、様々な史跡が点在しています。

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 まず赴くのは当然五重塔。室町時代の1442年建立で、屋外にある五重塔としては日本で10番目に古く、大内文化の最高傑作と呼ばれています。当時は香積寺の五重塔でしたが、毛利氏が香積寺を萩に移転させたため、跡地に瑠璃光寺が移転してきました。

法隆寺五重塔

 瑠璃光寺の五重塔は日本三名塔の一つとされています。昨日も三大稲荷という話題がありましたが、日本人は本当に三大○○が好きですね。残りの二つはというと、法隆寺の五重塔と醍醐寺の五重塔だそうです。法隆寺はまあ、そりゃあそうでしょうとなりますね。一度焼失したとはいえ再建されたのも飛鳥時代で1300年以上の歴史を持っていますから。

醍醐寺五重塔

 豊臣秀吉が花見を開催したことで有名な醍醐寺の五重塔は平安時代の951年建立で、京都最古の木造建造物であると共に、京都に残る数少ない平安時代建築として貴重な存在。

室生寺五重塔

 この二つに比べると瑠璃光寺の五重塔はかなり新しいので、個人的には奈良時代に建立された薬師寺の三重塔(東塔)とか、日本で一番高い東寺の五重塔(江戸時代再建)、二番目に高い興福寺の五重塔(室町時代再建だけど、それでも瑠璃光寺の五重塔よりちょっとだけ古い)、法隆寺のものに次いで古い五重塔である室生寺五重塔(画像)、東山のランドマークである八坂の塔あたりが「ちょっと待ったコール」(古い!)をしてきそうに思えますが。

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 三大五重塔ということにして薬師寺の三重塔をはじき、江戸時代再建で新しいからということで東寺の五重塔をはじき、国宝じゃないからということで八坂の塔ははじくとしても、なお興福寺や室生寺の五重塔が残るし、他にも東北最古の羽黒山五重塔あたりが名乗りを挙げてきそう。「日本三名塔」については選者不明なので、「あなたの感想ですよね?」とか「なんかそういうデータあるんですか?」とツッコめないのが残念。

五重小塔

 個人的には意表を突いて海龍王寺の五重小塔なんかどうでしょうと言いたいですね。約4メートルと「模型か!」とツッコみたくなるコンパクトさですが、建造物として国宝指定されていますし、奈良時代のものだけど屋内に安置されていたので傷みも少ないし。

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 香山公園は瑠璃光寺の境内でもあるらしいので、瑠璃光寺の拝観料はなし。お寺なのに無料なんて素晴らしい。でも瑠璃光寺本体(?)は正直言って大したことなかったです(下の画像)。

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 ただ、香山公園内には色々と史跡があって、例えば毛利家の墓所となっている香山墓所。長州藩主の墓所は萩に3カ所あって、そのうち東光寺は見てきましたが、香山墓所は明治以降の当主の墓のようです。東光寺の壮大な廟所に比べると非常にこぢんまり。

枕流亭

 薩長連合結成の密議のため、西郷隆盛らが訪れて長州側と面談したという枕流亭。香山公園内には最近移築されたのだそうです。

露山堂

 幕末に倒幕の密議が行われていた茶室の露山堂。現在も茶室として茶会など開催されているそうです。

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 うぐいす張りの石畳。香山墓所手前の石段の前にある石畳は、強く踏みつけたり手を打ったりすると、「キュ」という音が返ってくるのでこう呼ばれています。音は周囲の地形や石段による音響効果のためなんだそうで、意図して作ったものではなく偶然の所産だと考えられています。城内や屋敷内のうぐいす張りの廊下なら、忍者などの侵入を察知するためのものなんて言われますが、墓所前の石畳をあえてうぐいす張りにする必然性は確かにありませんね。手を叩いてみましたが、残念ながらそういう音はしませんでした。

山口線紀行(その1):雨の小京都・津和野

秋の花野

 秋と言っても日中はそこそこ暑くなりますね。朝夕は結構冷えるので、一日の温度差が大きくて、体調を崩しやすい時季とも言えます。長くて暑かった夏のせいで、身体が夏仕様のままという人も多いことでしょう。トニックシャンプーやシーブリーズのボディーソープをいつ片付けたものか。

マリンライナー

 本日は「どっきん四国」で、先日旅した津和野と山口についてです。「どっきん四国」と言いつつ、ちょいちょい四国以外の場所を紹介していますが、四国発の旅で、マリンライナーを利用して瀬戸大橋を渡っているのでご了承下さい。なぜなら瀬戸大橋線の開業のキャッチコピーが「どっきん四国」だったので。

山口線

 今回は山口線の旅です。岡山から新山口までは恒例の新幹線で、新山口から山口線に乗り換え。山口線は新山口から島根の益田を結んでいます。鉄道路線には、高徳線や伯備線など始点と終点の両方の名前を使ったものと、高崎線とか福知山線といった片方だけの名前を使ったものがありますが、命名基準ってどうなってるんでしょうかね。始点と終点の街の規模がほぼ対等なら両方の名前を使って、違いすぎると片方だけなのか。

スーパーおき

 乗車したのはスーパーおき。特急だけど2両編成。鬼の哭く街・A立区には東武大師線という2両編成の電車が走っていましたが、まさか特急電車が2両編成とは。山陰本線を経て鳥取・米子に至る結構長距離を走る特急なのに。2両編成でなにがスーパーやねんと思ったら、従来特急おきと呼称していたものが、2001年に新型振り子式車両を投入したことで「スーパー」を冠したのだそうです。

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 訪れたのは「山陰の小京都」と言われる津和野。「小京都」と呼ばれる街は全国各地にありますが、代表格とされるのが津和野だそうです。亀井氏が治める津和野藩4万3千石の城下町で、津和野川沿いの小さな盆地に伝統的な建物が残っています。

亀井茲矩

 初代藩主は亀井政矩ですが、そのパパンの亀井茲矩は豊臣秀吉に仕え、出雲半国を約束されていましたが、毛利氏と講話したことで反古となってしまい、秀吉が代わりの希望を聞いたところ「琉球国を賜りたい」と答えたため、秀吉は「亀井琉球守殿」と書いた扇を茲矩に授けたという逸話があります。律令制にない官職名がユニークで、一度は琉球征伐も認めれらたそうですが、それも島津氏が行うこととなり、代わって台州守を称したとか。台州とは中国本土の台州市(浙江省)のことで、台州守なんてもちろん律令制にあるわけもありませんが、やたら東アジアへの関心が高かった人だったのでしょうか。

森鴎外旧宅

 小さい街ですが、文豪森鴎外や西洋哲学者西周らを輩出しており、歴史と伝統を感じさせます。そういえば某大学を受験した時、現国の出題が森鴎外の遺書からだったのですが、鴎外の本名が林太郎ということを失念していて、“石見の森林太郎として死にたい”云々という文面を見て、森・林太郎ではなく森林・太郎と呼んでなんだその名前は、ターザンかお前はとかツッコんだ記憶が。ええ、もちろん落ちましたともさ。

津和野町養老館

 森鴎外、西周らが学んだ津和野藩の藩校が養老館。武術教場と書庫が現存しており、島根県の指定史跡になっています。5万石もない小藩なのに大した物だと思いますが、藩政改革のための有能な人材を育成する目的などで、最盛期はほぼ全藩に設立されていたそうです。しかし学校とは似つかわしくない名前のような。

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 津和野では目当ての一つは津和野城跡だったのですが、なにしろ雨で、リフトに乗るのも徒歩で登るのも難渋しそうだったので断念。もう一つの目当ての太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)に向かいました。日本三大稲荷とか五大稲荷とかの一角とされます。島根県では出雲大社に次ぐ年間参拝客を数えるそうです。

太皷谷

 歴史はそんなに古くはなく、1773年に京都の伏見稲荷大社から勧請して津和野城の鬼門に当たる太皷谷の峰に創建されました。江戸時代は藩主以外の参拝は禁止されていましたが、明治以降は庶民も参拝できるようになりました。

伏見大社の千本鳥居

 だいたい「日本三大○○」とされるものは、三番目は諸説あるという場合が多いのですが、日本三大稲荷もそれで、総本宮である伏見稲荷大社は当然として、次は曹洞宗の寺院ですが愛知県の豊川稲荷が挙げられるケースが多く、三番目は諸説あるという状況ながら茨城県の笠間稲荷や佐賀県の祐徳稲荷が含まれるケースが多いとか。

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 太皷谷稲成神社自身は五大稲荷の一角と称しているようです。江戸期には時刻を知らせる太鼓が鳴り響いた谷間であったことから太鼓谷と呼ばれたそうで、「稲荷」ではなく「稲成」と表記するのは、願い事が叶うようにとの思いからとされるそうです。

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 表参道は263段の石段で、鳥居が約1000本建てられています。千本鳥居というと本家である伏見稲荷を連想しますが、あそこまで幻想的ではないものの、坂道に連なる鳥居はなかなか壮観ですね。

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 表参道の神門。1972年建立ということで築50年程度の新しいものです。入り口は三つありますが、中央は閉じているので左右の門から入ります。中央は新年、祭事のみ使用されるそうです。

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 拝殿・本殿。1969年建立。注連縄がかなり太いです。油揚げを供える習わしがあるそうで、さすがお稲荷さんだ。「それは私のおいなりさんだ」は神罰が当たりそうなので止めましょう(笑)。

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 元宮。拝殿・本殿が建立される前の社殿です。古いだけあってこちらの方が霊験あらたかな雰囲気があるように思えます。

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 境内から見た津和野市街。手前は駐車場で、来るまでここまで来るとあっという間に本殿に来られますが、やはり徒歩で表参道を登った方が霊験あらたかなような。もっとも、私は見物のみで参拝はしないのですが。

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 津和野駅前に展示されているD51形蒸気機関車。愛称は「デゴイチ」。日本で最も多く製造された機関車です。動態保存されているD51は新山口-津和野間で「SLやまぐち号」として走っていますが、これは残念ながら静態保存。

益田グリーンホテルモーリス

 実は津和野に泊まりたかったのですが、あんまりちゃんとしたホテルが見当たらなかったので、その山口線終着駅の益田まで行って、駅前にある「益田グリーンホテルモーリス」に泊まりました。グリーンホテルモーリスは中国地方を中心に展開しているホテルチェーンで、私の好きなドーミーインに匹敵するサービスと、ドーミーインより廉価な宿泊費が魅力です。

キヌヤ益田

 キヌヤ益田ショッピングセンターで酒と惣菜を買って、部屋で一人宴会(通称「カイジ豪遊ごっこ」)。そろそろ豪遊ごっこにも飽きてきましたね。というか、なんか妙に酒に弱くなったような。普段飲まないようにしているせいでしょうか。ストロング系は避けるようになっているのですが、さらに微アルコール路線に進んだ方がいいのでしょうか。

2022年夏季アニメの感想(その4):メイドインアビス 烈日の黄金郷/サマータイムレンダ

寒露猫

 先週半ばから気候が一転してすっかり秋の雰囲気となりました。昨日は“露が冷気によって凍りそうになるころ”とされる寒露だった訳で、秋らしいのは当然といえば当然なんですが、今年の夏はとにかく暑くてやたら長くて、西日本では事実上10月になるまで夏が続いていたといっていいのではないでしょうか。しつこい夏がやっと去ったと思ったら、もう冬の気配が近づいているような。秋をもっと堪能させて欲しいのですが。

烈日の黄金郷感想

 さて夏季アニメの感想も今回が最後。本来なら「異世界おじさん」も加えて3本あるはずでしたが、おじさんは異世界ならぬ時間転移して秋季アニメになってしまったので、2本だけです。しかしながら、両作とも傑作でした。まずは「メイドインアビス 烈日の黄金郷」。

アビス表層

 底知れぬ巨大な縦穴「アビス」。最後の秘境と呼ばれ、奇怪な原住生物が闊歩し、超常の「遺物」が眠る、未知のロマン溢れるアビスの最奥には一体何があるのか。命を代価にアビス探検を行う探窟家達。その中にはアビスの深層を目指すリコとレグがいました。

前線基地

 一期で深界4層「巨人の盃」に到達して「成れ果て」のナナチを仲間に加え、劇場版で深界5層「なきがらの海」に設置された「前線基地(イドフロント)」において黎明卿ボンドルドと死闘を展開し、遂に深界6層「還らずの都」に到達しました。アビスを13000m以上降ったことになり、本来は最高位の探窟家で伝説的英雄と呼ばれる「白笛」のみが到達できる領域です。

上昇負荷その1
上昇負荷その2

 リコはイドフロントで親友となったプルシュカが白笛の原材料となる「命を響く石(ユアワース)」になったことで、図らずも深界6層に到達することができました。アビスは、その下に深界7層「最果ての渦」が、さらにその下に深界極点「奈落の底」があるとされますが、詳細は全く不明となっています。訪れた探窟家がいる可能性はありますが、上昇負荷(アビスの呪い)は確実な死となっているので、もはや人間が生還できない世界です。

深界6層
ガンジャ隊

 二期は二層構造となっており、深界6層を訪れたリコ一行と平行して、過去に黄金郷を目指してアビス深層を目指した探索隊「ガンジャ」の探検行が描かれます。普通なら「ええいガンジャ隊はいい!リコ達を映せ、リコ達の探検ぶりを。」とテム父さんになっちゃうところなんですが、このガンジャ隊の探検がまた面白くて。

成れ果て達
呼び込み

 深界6層の奥地には塔のような形状をした謎の村「イルぶる」があり、多くの「成れ果て」達が独自の社会を形成していました。この「成れ果て」達、後からやってきた探窟家なども加わっていますが、その起源は「ガンジャ」でした。

水だと思ったのに

 レグの口癖を借りれば「度しがたい」設定や展開が山盛りな本作ですが、「イルぶる」の出来るまでの話がとにかく度しがたい。深界6層の恐ろしい原生生物の襲撃もさることながら、やっと得た新鮮な水だと思ったら「水もどき」という寄生型の原生生物で、ガンジャ隊は全滅の危機に直面することに。

欲望の揺籃
イルミューイの願いは?

 ガンジャ隊のリーダーであるワズキャンは、道案内として雇ったアビスの淵の先住民の少女イルミューイに、使用者の願いを叶えるという遺物「欲望の揺籃」を託します。これは特に子供に適したものだそうで、実際ワズキャンが自ら使ってみて失敗していました。

ヴエコも食べた

 イルミューイは子供を産めない身体ということで家族に見捨てられてガンジャに加わったという経緯があったため、彼女の願いは子供を生むことだったようです。イルミューイは寿命の短い生物を無尽蔵に産み続ける肉体を得たものの、どんどん人の形を失っていき、ワズキャンはイルミューイの生んだ生物を料理してガンジャ隊の隊員達に食べさせたところ、「水もどき」による症状から回復することになりました。

イルミューイとペット
生まれた子供
人間でなくなるイルミューイ

 イルミューイの願いは単に子供を生みたいというだけではなく、回復したいとか、ペットにしていた「ヤドネ」という原生生物(他の原生生物に喰われてしまう)を取り戻したいといった深層心理にある様々な願いが混じり合ったものだったようです。そのせいか生まれる子供達はヤドネに似た姿をしていました。

イルぶる外観

 ワズキャンは二つ目の「欲望の揺籃」をイルミューイだったものに使用したところ、塔状の姿に変貌。その中に入ることでガンジャ隊は「成れ果て」となったものの、原生生物の脅威や上昇負荷に曝されることのない安住の地を得たのでした。これが「イルぶる」の成り立ち。なんと一人の少女が変貌した姿だったとは。

イルぶる中

 イルミューイ(だったもの)にとって、この状態は全く喜ばしいものではなかったらしく、自分に使われた2つの「欲望の揺籃」に加え、ワズキャンが自身に使っていた「欲望の揺籃」を合わせて最後の子供ファプタを産み落とし、ファプタは生まれながらに村人達によって食べられて死んでいった大勢の兄姉達の復讐と、村へと姿を変えさせられた母を解放すべく、「イルぶる」の村人を根絶やしにすることを生きる目的としていました。

なんもかんも忘れたレグ

 「イルぶる」の「成れ果て」達は村から出られませんが、ファプタは逆に村に入ることが出来ず(生まれた子供が母の胎内に戻れないように、なのか)、かつて地上を目指す前のレグと遭遇した際に自分を手伝って貰う約束を交わしましたが、戻って来たレグは全ての記憶を失っていました。これは地上直前でベニクチナワに襲われていたリコを助けるために火葬砲を撃ったためと思われます。全ての元凶リコ(笑)。

怒りのファプタ

 ただ結果的にレグが「イルぶる」内で火葬砲を撃ったことでファプタは村内へ侵入することが可能となり、望み通り村人達を血祭りに上げることができました。しかし同時にこれまで入れなかった他の原生生物達も侵入してきたので、三つ巴の戦いに。ファプタの強さは圧倒的でしたが、それより強い原生生物もいるのがアビスの恐ろしさ。特にリュウサザイさんの半端なさよ。

ヴエコ
成れ果てたヴエコ

 こうしてリコ達がほっと一息付けた「イルぶる」は崩壊しましたが、元プルシュカだったリコの「命を響く石」はここで完全に白笛に加工され、ファプタは宿命から解放されて自らの人生を生きられるようになりました。

ワズキャン成れ果てバージョン

 ガンジャ隊のリーダーで事実上「イルぶる」の作り主であるワズキャンは無念だったのかと言えば、実はそうではなく、彼はアビスの底にあるであろう本物の黄金郷への探求と冒険に再び挑むことを常に考えていました。本当ならアビスの果てに生きたがっているリコに「欲望の揺籃」を使ってみて、その結果を見たかったのでしょう。

ボンドルド

 多分ボンドルドとワズキャンは似たもの同士で、「目的のためなら手段を選ばない」タイプです。そしてリコも多分にその気があるので、今後先に行くにはナナチかレグ、または両方を犠牲にしなくてはならないという状況になったらあっさりそうしそうな雰囲気があります。今は両方とも旅に必要不可欠だから大事にしているけどNE!

リュウサザイ

 それでもワズキャンは黎明卿よりはましな人間性を持っているように思えます。黎明卿は子供達を騙してイドフロントに連れてきて有無を言わさず人体実験に使っていましたが、ガンジャ隊はなんらかの理由で故郷を捨てたあるいは失った者たちの寄せ集めで、黄金郷を目指すことはウソでも何でも無かったこと。「水もどき」で全滅しかかったガンジャ隊を救うためにイルミューイを犠牲にしたことはエグいですが、では他に何か方法があったのかと言われれば…。ワズキャンが外道な振る舞いをしなかったら全滅エンドであり、リコ達が「イルぶる」を訪れることもなかったし、そもそもファプタも生まれなかったことを考えると、結果主義と言われそうですがワズキャンの行動は評価せざるを得ません。「大丈夫!皆にも振る舞ったさ!」は度しがたいけど名言です。

ワズキャン

 余談ですがワズキャンのCV平田広明は、「ONE PIECE」で「麦わらの一味」のコック・サンジを演じており、仲間を救うためにド外道な料理を作ったことで「闇サンジ」と形容されたとか。

今は仲間にならないファプタ 

 宿命から解放されたファプタはリコ達から旅への同行を誘われますが、これを断ります。今後リコ達が絶体絶命の危機に陥ったあたりで颯爽と救出に来て「おまえはフェニックス一輝か」とツッコまれるような活躍をしそうではありますが、同行しないのは正解のように思えますね。ファプタが入ると一行が強くなりすぎるのと、結局のところリコにいいように使われそうだし。

先導卿と神秘卿

 原作は未読なんですが、この先はやはり深界7層を目指していくのでしょうか。白笛としては、リコのママンである殲滅卿ライザ(アビスの底にいるとかいないとか)、その師匠で深界2層の「監視基地(シーカーキャンプ)」に居る不動卿オーゼン、そして劇場版で大活躍の黎明卿ボンドルドが塔状していますが、その他にも神秘卿スラージョ、先導卿ワクナという白笛がアビスで行動中だとされているので、今後彼らと出会うのかも。

上から見たアビス

 それだけでなく、過去の白笛もアビスの底ではなお活動中の可能性が。というのも、アビス深層では時間の流れが地上とかなり違うようなので。「イルぶる」は成立して150年という話ですが、その当時のアビスの淵には現代のようなオースの街は影も形もなく、イルミューイが暮らしていた先住民の村がありました。ということは、ガンジャ隊の活動は1000年とかそれ以上の相当な過去の話ということになり得るので、地上では歴史的白笛とされている人々が深界7層とかさらにその下で健在ということは十分あり得そうです。

ガブールン
ガンジャ隊が出会った干渉器

 ここで本作の謎をいくつか。
 ① 干渉器:ファプタに付き従っていたガブールンなどのロボット。自らを「見て触れて知り集める干渉器」と呼称していました。ガンジャ隊も何体かの干渉器と遭遇して助力を得ていた描写があり、レグも仲間の一種らしいですが、一体誰が作ったのか。ガブールンも創造主につていは知らなかったようですが…。干渉器は生物ではないので上昇負荷の影響を全く受けないので、仲間にいると非常に便利ですが、レグはその最新モデルなのか。

遺物各種

 ② 遺物:アビス内部で発見される古代文明の遺産とされますが、大半が現在の水準を超えた技術で作られており、本来の用途とかなぜアビスに散らばっているのかは謎です。そもそも人間の所産なのかどうか。ガンジャ隊も「欲望の揺籃」を使っているので1000~2000年どころではない超過去の遺産とも思われますが、なんとなく今もアビスの底で何者かが生産していてアビス中にばら撒いているような気がします。そうだとすると遺物という名称は誤りになりますが…

上昇負荷の説明

 ③ 力場:アビス中に満ちる謎の力場。その影響で地上からアビス内部を観測することは困難で、時間の流れすらも異なっている様子です。またアビスを降下する際には問題になりませんが、上昇する際には「上昇負荷」、通称「アビスの呪い」と呼ばれる事象をもたらします。浅いところでは大した影響は出ませんが、深く降下すれば降下するほど影響は甚大になり、深界6層では人間性の喪失(=「成れ果て」化)を、深界7層以下では確実な死をもたらすようです。なぜこんなものがあるのか。

アビス地図

 ④ アビス:これらの謎を包括するアビス自体がどう考えても天然の所産とは思えず、何者かによる人口の縦穴のように思われます。一体誰が何のためにこんなものを?発見されたのは約2000年前だそうですが、あれだけ独自な生態系や遺物がある以上、作られたのが2000年前とはとても思えません。またアビスの浅い部分で大量に発見される「お祈り骸骨」など、むしろ世界の文明が2000年ごとに何らかの大災厄でリセットされているんではないかという気も。リコが旅立つ前にオース流行だしていた、幼い子が誕生日に死ぬという奇病はアビスと何か関連があるのか。

サマータイムレンダ感想

 最後に「サマータイムレンダ」。正確には春から連続2クールの作品ですが、これは傑作でした。個人的には夏季は「オーバーロードⅣ」「メイドインアビス 烈日の黄金郷」、そして本作で3強だったと思います。「異世界おじさん」が秋季に転移しなければ四天王だったのですが。

日都ヶ島遠景

 和歌山市沖に所在する日都ヶ島。人口700人程度の小島ですが、昔から「影」という存在が語り継がれています。「自分そっくりの『影』を見た者は死ぬ」。主人公網代慎平は2年前に調理師専門学校に通うために上京しましたが、幼馴染の小舟潮の訃報を聞き、葬儀参列のために帰って来ました。

潮の遺影

 潮は海で子供を助けて事故死したとされていますが、実は首を絞められた痕跡があり、他殺の可能性が浮上します。潮は死ぬ数日前に自分そっくりの「影」を見ていたということで、一気に伝説の「影」の存在がクローズアップされてきます。

目の色が違う慎平

 慎平は、島に向かうフェリーの中で居眠りしている夢の中で潮から貰った色の違う右目と、それに付随する自身の死をトリガーとするタイムリープ能力を駆使し、「影」の謎に立ち向かうことになりますが、敵は恐ろしく強大かつ狡猾で、慎平は劇中7回くらい死ぬハメに。

影が影を生む

 第1クールは誰が人間で誰が影なのか判然としない中、とにかく謎だらけの存在である「影」の能力とか特徴を探っていくというミステリー色が強い作りになっています。第2クールはタイムリープによる知識の蓄積とそれを仲間に伝えることが可能になったことで敵味方がはっきりしていき、慎平達と「影」勢力の全面対決という構図になり、アクションシーンが増えていきます。

後がないタイムリープ

 慎平のタイムリープは「Re:ゼロから始まる異世界生活」における“死に戻り”に似ていますが、リゼロの“死に戻り”がいわば“セーブポイント”に戻る性質を持っているのに対し、慎平のタイムリープは全く同じ時点には戻れず、徐々に前倒しになっています。また、過去に戻った場合、それ以前時間は戻ることが出来ない断崖のような状態となっているので、短時間で繰り返し死ぬと戻る時点がなくなってゲームオーバーとなってしまいます。

ハイネ

 またタイムリープによる知識の蓄積は慎平サイドだけの恩恵とはならず、「影」側も知識を蓄積していくので一方的に有利になるわけではありません。というのも慎平のタイムリープ能力の本来の持ち主は「影」の親玉であるハイネだったからです。

水着姿がデフォルトな潮

 ヒロインは潮。しかし本物の潮は死んでいるので潮が見た「影」の潮、つまり影潮となります。他の「影」と違って影である記憶を失っており、人間の小舟潮だと思い込んでいました。他の「影」からは出来損ないのように見られていましたが、実はハイネに対抗できる力がありました。というのは影潮の正体が…(ネタバレになるので伏せます)。

一緒にタイムリープ

 影潮は人間の潮そのままのパーソナリティで、フランス人の父譲りの美しい金髪を持ち、最初に出会った際に潮が水着姿だったためにデフォルトで水着姿となっています。そうではあるのですが、可愛いけど色っぽくはないんですよねえ(笑)。多分に当人のキャラのせいでしょう。

パンモロ澪
澪入浴シーン

 むしろ妹の澪の方が色っぽい。いきなりパンチラ(というかパンモロ)を披露するし、入浴シーンもあるし。澪は日本人である母譲りの容姿で、というかフランス人要素ゼロです。潮の容姿にコンプレックスを持っているようですが、女の子らしさという点では潮より遙かに上。慎平とは幼馴染で親友の菱形窓に恋心を持たれている他、その妹で澪の親友である朱鷺子からもガチ百合な思いを持たれています。モテモテなのもよく判りますが、当人は密かに慎平に恋をしています。

子供の頃から決まってた

 しかし、慎平は潮と昔から両思いでした。互いにそのことを伝えられないまま喧嘩別れし、直後に慎平が上京したまま潮は亡くなってしまうという結果になりましたが、潮そのままの影潮が登場し、共に死線をくぐり抜けていったことで二人の仲は誰にも分かちがたいものに。

慎平をスキャン

 「影」には人間の姿や記憶をスキャンしてコピーする能力があり、完全に元の人間に成りすますことが出来ます。また本体は地面に落ちた影なので、人間体が大きく損傷してもすぐに回復できる。また、平面に潜って高速移動するこが可能で、狭い隙間や壁を垂直に移動することも出来るほか、水面でも移動できます。さらにスキャンしてあれば別の人物に変身することも可能な上、別の影を生み出すことも可能。

澪と影澪

 こんな「影」の超常能力ばかりが目に付くので、第一クールではどうすれば対処できるんだと思うほどですが、徐々に味方を増やし、「影」の知識を蓄積する中で、弱点も判明していきます。「影」は人間体ではなくその影が本体で、そちらを攻撃するとダメージを受け、大打撃を受けると死にます。またスキャンしてコピーした人間が存命な場合、一週間以内にその人物を殺さなければ影自身が消えてしまいます。

包丁と影澪

 序盤は澪に成りすまそうとする影澪との戦いが展開されますが、この影澪は澪をスキャンしてコピーした割りに表情が少なく、冷徹で残忍な性格をしています。もしや澪の本性なのか?上の画像はなんですが、影澪はいつもは澪をスキャンしたときの服装であるセーラー服を着ています。影潮も水着姿がデフォルトでしたが、潮をスキャンした時は違う姿だったのになぜに?影澪は武器として包丁を常用していますが、澪は料理下手なのになぜに?

拝んで死ね

 この影澪に慎平は何度か殺されており、序盤最大の敵といった感じでしたが、中盤で何とか捕獲に成功し、影潮の能力で親であるハイネとの絆を断ち切ったことで味方になります。それでも影澪に殺されたことがトラウマになっている慎平は及び腰でしたが(笑)。影澪は当然ながら澪の慎平への恋心を知っている上、途中で朱鷺子にも変身していたので朱鷺子の澪へのガチ百合な恋心も把握しています。

もう殺さない影澪

 それでちょいちょい慎平に対してぐずぐずしている澪にクールかつ辛辣な指摘を行っていますが、このダブル澪状態、窓や朱鷺子にとっては夢のようではなかったか。影澪でもいいから付き合いたかったりして。個人的には本作で影澪が一番好きでした。サービスシーンもしっかりあるし。

偽慎平

 しかし「影」も然るものひっかく者で、ハイネは物語開始早々に慎平をスキャンしていたので影慎平になって他の登場人物たちを欺いて罠にかけたり、慎平独自の思考法である「俯瞰」を行って慎平の思考を予測して先手を打ってきます。慎平が自分との戦いにどうやって勝利するのかも見所と言えましょう。

シデ
お食事中のシデ

 「影」陣営では、ボスであるハイネは実はかなり衰弱した状態にあり、最大の敵はハイネの側近のシデという四本腕の影となっています。シデが影を纏った人間であることは中盤で明らかになりますが、正体については後半まで持ち越され、演じる声優まで伏せられていました。というのも声優が判ると「あ、あいつじゃん」ということになるため。こいつの強さやいやらしさはハイネの比ではなく、作中のラスボスとして君臨していました。

Ever17.jpg

 物語は全25話でしたが、24話で全ての決着はつき、25話は1話まるまるエンディング回でした。しかし、2クールあっただけあってその手法は正解だったなあと思います。個人的には「Ever17 -the out of infinity-」という恋愛アドベンチャーゲームをプレイした時のようやくトゥルーエンドに辿り着いた際の気持ちを思い出しました。エンディングが結構長いのですが、それまでの苦労とか登場キャラの悲惨な運命などを思うと、皆が笑っている姿がなんとも尊くて。

ハイネとシオリ

 最終的には過去に遡って「影」の存在そのもののをなかったことにしたので、南方ひずるも弟の竜之介も存命で、竜之介の娘はハイネという名前で小早川しおりと仲良くしており(もうここだけでもらい泣きしそう)、潮も当然死ぬことなく存命。もっと遡れば慎平の両親の死も「影」の仕業だったため、両親も存命。

全員生存

 潮と澪のママンも生きて欲しかったところですが、これは「影」と無関係だったので故人のままでした。でも影になって慎平達と殺し合った人々がごく普通に暮らし、「影」に人生を狂わされた根津や菱形院長も穏やかに暮らしているのは、自分がした訳ではないけど苦労の甲斐がいあったなあと感じてしまいます。

殿中でござる

 残念なところがあるとすれば、影澪とのちゃんとした別れが描かれなかったところですかね。個人的に気に入っていたというだけでなく、後半は慎平側にとって強力な戦力だったし、冷静かつ的確な判断力は非常に心強かったので。影である以上消えてしまうのは仕方ないとして、慎平が影澪にお礼とお別れを言う場面があったら良かったのにと思いました。

ハッピーエンド

 潮役の永瀬アンナと澪役の白砂沙帆はおそらく若手新人声優だと思いますが、影側も含めて非常に好演だったと思います。今後の活躍に要注目ですね。ハイネ役の久野美咲は、夏季はメイドインアビスのイルミューイ/ファプタ、リコリス・リコイルのクルミ、プリマドールの千代とまさに八面六臂でした。でもやっぱり可愛いロリ役がいいなあ。

2022年夏季アニメの感想(その3):異世界薬局/ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇/オーバーロードⅣ

涼波邂逅

 一応完遂した「艦これ」初秋イベントですが、未邂逅の艦娘がいるので資源の消費に悩みながら連合艦隊を組んでE5-4で掘りを行っていたところ、涼波がドロップしました。夕雲型駆逐艦の10番艦。これで現在実装されている夕雲型はコンプリートです。

涼波

 2021年5月実装なので、1年半近く経っての邂逅となりました。これにて個人的に今回のイベントは終了です。今回実装された米戦艦マサチューセッツと米軽巡ブルックリンとは邂逅できませんでしたが、きっと次回イベント以降にもチャンスはあるでしょう。実装されて1年以上出会えないと「来ない艦娘」に進化するんですが、その前に来て欲しいものです。

藤波早波と涼波

 なお涼波は32駆逐隊所属で、32駆には藤波、早波、玉波、浜波が所属していましたが、上画像のように藤波、早波にしか言及していません。涼波の時報ボイスでは「まだ、玉の奴が来てないかなぁ。」「浜波?ああうん、ゴメン。前はね、会えてないんだ。」と述べており、涼波実装時に玉波は未実装だったのと、浜波は涼波戦没後に編入されたので顔見知りではないことを反映しています。玉波は放置時セリフで「涼、藤波さん、浜波さん、早波さんも、みんなとまた逢えて良かった。とても嬉しい。」と言っているので、ニュアンス的に涼波と玉波は気安い仲の模様。

涼波水着モード

 ルックスはおでこちゃんで性格は元気娘でサバサバ系。自称サバサバ系は結構ヤバい人も多いみたいですが客観的に見てサバサバなのでOK。「涼波ハルヒの憂鬱」なんちゃって…って、節子それ涼波とちがう、涼宮や!

異世界薬局感想 

 さて秋季アニメも続々と放映開始されているので、夏季アニメの感想をちゃっちゃと綴って行きましょう。次回で終わるかな?まずは「異世界薬局」。「なろう」系ですがタイトルが短く、医学薬学を取り扱っている異例の作品です。

転生前の主人公
夭逝した妹

 主人公は薬学の准教授で、かつて幼い妹を脳腫瘍で亡くしたことから人生を薬学に捧げて研究に没頭していましたが、志半ばで過労死することに。すると恒例異世界転生して、ある貴族の子供ファルマとなることに。パパンであるその貴族は帝国の宮廷薬師で、公爵より上になる尊爵の位を持っていましたが、その世界の医学水準は中世レベルでした。主人公は生前の薬学の知識を活かすことを決意し、結核で死の間際だった皇帝を救ったことで宮廷薬師として認められ、勅許を得て「異世界薬局」を開業することになります。

ショタに転生

 転生にあたっては神などの超越者との面談とかはありませんでしたが、ファルマは10歳で雷に打たれたことで転生の記憶を有するようになっているので、「本好きの下剋上」のように異世界の子供の身体を乗っ取った形なのかも。あらゆる物質を左手で生成、右手で消去でき、無尽蔵の魔力を持つなど、「なろう系」恒例のチート能力はしっかり持っています。

異端審問官
即座に平服

 異端審問官に目を付けられたりもしたものの、わりとあっさり薬神の生まれ変わりと認められて心酔されたりしており、その辺りの展開の早さはさすが「なろう系」です。それはまあいいのですが、主人公が薬学准教授で薬学知識を駆使して人々を救っていこうとするのは当然として、なんでこの世界は医師と薬師が完全分離していてむしろ薬師の方が優越的なのかは謎です。

皇帝陛下
ほぼ医者

 現代はともかく、薬剤師という職業がなかった時代は、医師が生薬による処方、調剤、調合、治療を行っていました。薬師という言葉がありますが、これは医師の古称とでもいうべきもので、薬師が医師と薬剤師の2つに分割され、医薬分業となったもいえるのでは。なので、中世レベルの医学水準世界であれば、薬学専攻の主人公がバリバリの薬師になるのは当然として、宮廷薬師とは別に宮廷医師がいるのが解せません。実際宮廷医師、CV速水奨なのに全くといっていいほど出番がなく、ほぼ空気状態です。そりゃあ薬師が治療を全部やっちゃうんだから当然なんですが、せめて外科的処置を専門にやればと思いきや、なんと主人公がそれもやっちゃいました。

遠藤綾のママン 

 という訳で、医薬未分離のレベルの世界なのに、無理に医師と薬師を分けて存在させていることが本作の大きな違和感となっています。なのでタイトルは「異世界薬師」とでもして、医薬を共に扱う職業とすれば良かったのにと思います。あとはファルマのママンのCVがせっかく遠藤綾だったので、もっともっと登場させて欲しかった(個人的願望)。

ダンまちⅣ感想

 続いて「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇」。放映開始が遅くて10月に入っても続けるのかと思いきやなんと11話で終了。分割2クールで後半は来年冬季放映のようですが、1クール未満やん。

ベルの一党

 タイトルのとおり人気シリーズの4期目なんですが、私はもう後半は見ないんじゃないかと思います。原作は「小説家になろう」連載作ではないんですが、「Arcadia」という小説投稿サイトに投稿されたものなので、広義の「なろう系」とは言えると思います。それは別にいいのですが、物語の展開ぶりに嫌気が差してきました。

ザ悪役ジュラ
胡散臭いターク

 物語を進めるため、そして主人公ベルやパーティー一行の成長のため、やたらベタな悪役を登場させる上、必要以上にイキらせる。最後は悲惨な末路となるんですが、その繰り返しにちょっとうんざりしてきました。今期で言えばジュラとターク一味ですが、黒幕的動きをしていたジュラはさておき、パッと胡散臭いタークを主張を信じる間抜けな冒険者達、怪しいと感づきながら結局彼の行動を止められないヘスティアファミリアといった辺りにベタベタな感じを持たずにはいられません。

都合の良い人魚さん

 あともの凄い強敵が現れ、死闘の中で傷ついて絶体絶命になったりするも、なぜか応急処置中には襲ってこなかったり、たまたま仲の良くなったキャラ(ダンジョンの“異端者”の人魚)がもの凄い治癒能力を持っていて切断された腕さえつなげてしまったり。いいんですけどね、「なろう系」ならば。私が「なろう系」に飽きてきただけなのかも知れません。ともあれ「ダンまち」はもう卒業でいいなあと感じてしまいました。11話なんか見るのも苦痛だったんですが、最後まで見ないと感想を書けないので無理して見ました。

カサンドラコンプレックス

 本作では神々も地上に降りてきて人々(デミヒューマンを含む)と共存していますが、そんな中で予知夢を見るカサンドラという女性キャラがいますが、彼女は何に由来した予知をしているのか。名前の由来となったカッサンドラはアポロンに予言能力を授かり、その結果アポロンに捨てられる未来が見えたのでアポロンの愛を拒絶し、結果憤慨したアポロンから「カッサンドラーの予言を誰も信じないように」という呪いを受けてしまうと言う悲劇の予言者です。カサンドラも名前の由来からわかるとおり予知夢を信じて貰えないのですが、それは内容がはなはだしく不明瞭で、多分に解釈力を要するところ、彼女に十分な解釈能力がないせいではないかと思われます。が、ノストラダムスの四行詩なみにわかりにくい予知夢(映像とナレーション付き)は一体誰が見せているのかなあ。神様由来ではないようですが。「○○したら××になるから△△するのがいい」といったわかりやすいナレーションが付いた予言なら良かったんですが、これも“ストーリー展開の都合で”感が山盛りで(笑)。

オーバーロードⅣ感想

 最後に「オーバーロードⅣ」。原作は「なろう系」ですが、私は「なろう系」屈指の傑作作品だと思います。タイトルどおりアニメ第4期となります。

成長したシャルティア

 終了間際のゲームにログインしていたら、ゲームキャラとして、ゲームでの拠点ナザリック地下大墳墓やNPC諸共に異世界に転移してしまった主人公モモンガ。NPC達は自分の意思を持って行動を始めますが、すべからくモモンガを「至高の御方」として神の如く崇拝し、不用意に口にしてしまった「世界征服」を実現するために動き出します。モモンガはそれに戸惑いながらも、NPC達には友の忘れ形見のような愛情を持っており、彼らを失望させまいとして、至高の存在を演じていくことに。

アウラと魔獣軍団

 格差社会の極限みたいな世界でブラック企業務めをし、唯一の趣味がゲームだった彼は、異世界転移しても特に元の世界に戻りたいとは思っていませんが、異世界においては自分達が圧倒的強者であるにも関わらず、まだ見ぬ強者、未知の技術の可能性を疑っており、様々な証拠により示唆される別のプレイヤーの存在や痕跡もあるため、慎重な姿勢を崩さずにいます。

王国滅亡

 ナザリック地下大墳墓周辺には王国、帝国、法国といった人間種の国家がありますが、この世界においては身体能力や知性面が他種族に比べ劣るため、全体的に「劣等種族」に置かれることが多いようです。にも関わらず存続し得ているのは、過去に降臨したプレイヤー集団とみられる「六大神」や「八欲王」の行動によるところが大きいようです。ナザリックも最盛期のままで転移したとそれば、41人ものプレイヤーで構成された、ゲーム世界屈指の強力ギルドだったはずですが、ゲーム終了直前の転移だったため、プレイヤーはモモンガ一人だけです。

属国になります

 4期は物語が大きく動き、ナザリックと同盟関係だった帝国が属国となり、王国は滅亡させることとなります。帝国の属国化についてはモモンガの思いつきの行動の結果ですが、なまじ頭の良い皇帝がモモンガのことを自分以上の知謀の持ち主と思い込んでいるが故の勘違いの連続で、そこが面白いところです。モモンガについてはNPCきっての鬼謀の持ち主であるデミウルゴスも自分など及びも付かない深謀遠慮の持ち主と誤解しており、他のNPC達も全員「モモンガ様がおっしゃるならそうなんだ」と確信しています。それを裏切れなくて事実をカミングアウトできない鈴木悟さん(モモンガの本名)。

人間の頃のラナー
悪魔になったラナー
 
 で、実は王国の滅亡はナザリックの陰謀というよりは、王国のラナー王女の計画によるものでした。作戦の9割方、絵図面の書いたのはラナーだったそうです。“黄金の姫”と呼ばれる美貌と頭の回転を持つ彼女は、実は「精神的異形種」と形容されるほど人間とかけ離れた精神構造を持っており、孤児を拾って自分付きの騎士としたクライムと永遠に睦み合うことだけを目指していました。最終的に王国を滅ぼして悪魔に転生し、その夢は叶いますが、人口900万人の王国を滅ぼす程度で夢が叶ったことはありがたいことだと思っています。

アルベドとラナー
ラナー歓喜の舞

 性自認が身体の性別と一致していない人をトランスジェンダーと言いますが、ラナーの場合は悪魔の心が人間の身体に宿っていたようなものなのでしょう。悪魔の身体を得て心身が一致したことは彼女にとって幸福の極み。ナザリックとしてもデミウルゴスやアルベドに匹敵する頭脳が加わったことは、内政や外征などで利用できて便利ではないかと思われます。

ドワーフとモモンガ

 3期と4期の間には「聖王国編」というのがあり、劇場版になるらしく飛ばされていましたが、テレビで放映がはばかられる残虐シーンがあるのだとか。劇場公開終了後はAmazonプライムでオナシャス。

フロストドラゴン
クワゴア

 2期はリザードマン編が冗長だったとか、3期は王国兵虐殺シーンがあんまりだったと不評部分もありましたが、4期は総じて好評でした。帝国属国化、王国滅亡の狭間にはドワーフ王国との接触やフロストドラゴン及びクアゴア征服も描かれていましたが、さくさくと進んでテンポが良く、またシャルティアを始めとするNPC達の活躍もあり、見応えがありました。

一般メイド

 今回は戦闘メイドプレアデスの活躍の場がなかったのは残念でしたが、序盤に一般メイドが存在感を発揮していたのは良かったですね。戦闘の役には立ちませんが、やはり至高の41人に創造されただけあって、忠誠心はプレアデスに全く劣っていませんでした。

お父さん
パンドラズアクター面白シーン

 そしてモモンガが自ら創造し、しばしばモモンガの影武者を務めるパンドラズ・アクターも大活躍。モモンガの中二病設定てんこ盛りなせいで奇人ぶりが目立ちますが、設定上ナザリックトップクラスの頭脳と知略を有し、戦闘力もトップクラス、さらに「至高の41人」全員の外装をコピーし、その能力の八割程を行使できるというチートっぷり。唯一残った至高の御方であるモモンガの「真の息子」であることはパンドラズ・アクターにとってもの凄い優越感をもたらしていると思われますが、おそらくこれを表に出したら他のNPCから嫉妬の嵐を喰らいかねないので、おくびにも出さないのがいいですね。

強敵ツァー

2022年夏季アニメの感想(その2):シャドーハウス 2nd Season/リコリス・リコイル/黒の召喚士

夕暮れ猫

 10月に入っても相変わらず日中はアツゥイ!ですね。昨日は北海道で観測史上初の真夏日を観測したとか。これも地球温暖化の影響なのか。しかし、過去の地球の歴史においてはもっと暑い時代も当然あったでしょうから、温暖化が問題なのはあくまで人間の都合ですよね。地球を救え的な言い回しは手前勝手過ぎるように思います。そもそも地球にとって地表の生物なんか人間にとっての顔ダニみたいなものだったりして。

シャドーハウス2ndSeason感想

 それでは終了した夏季アニメの感想の続きです。まずは「シャドーハウス 2nd Season」。巨大な洋館「シャドーハウス」で繰り広げられる、顔のない一族「シャドー」と、それに仕える「生き人形」たちの不思議な暮らしを描く作品の第二期です。

一体化失敗

 「生き人形」は記憶を消された近在の村の子供達で、シャドーはモーフという妖精の一種が人格を得た存在だということが判明していましたが、今期でシャドーの最終段階は「生き人形」と一体化すること、つまり人間の身体を乗っ取ることであることが判明。そうなると「生き人形」は自我を失い、事実上死んでしまうことになりますが、それを何とも思わず平然としているシャドーもいれば(大人のシャドーは全員そうだということになりますが)、パートナーの死を受け入れられず自ら死を選んだシャドーもいたようです。

ローブ様

 大半のシャドーはモーフであったころの記憶はない(「生き人形」が村で暮らしてころの記憶を失っているのと好対照ですね)ようですが、主人公のケイトと今回シャドーハウスを騒がせた亡霊騒ぎの張本人であったマリーローズは例外的にモーフの頃の記憶を保持していました。

マリーローズとローズマリー
恋人同士のよう

 マリーローズは自身の「生き人形」であるローズマリーとの一体化(=大人のシャドーになること)を拒否して脱出を模索していましたが、今回高所から渓谷に身を投げることに。二人の生死は不明ですが、後に再び登場するような予感がします。マリーローズもローズマリーも「中の人」は中原麻衣ですが、宝塚の男役のようなマリーローズといかにも女性らしいローズマリーはまるで恋人同士のようで、愛に殉じて心中したような雰囲気でした。ローズマリーは好きなキャラだったので、生きていたとしても当面登場しないかと思うと残念です。

クリストファーとアンソニー

 で、かつて最優と評されたシャドーのクリストファーが一体化の真実を知ってこれを拒否して自害し、それがマリーローズやバーバラ達後輩のシャドーに大きな影響を与えましたが、クリストファーの「生き人形」だったアンソニーはどうやってかシャドーハウスの中で暮らしている模様。そもそもクリストファーが自害したという話はアンソニーの供述なので、真実かどうかも疑わしい気がします。「生き人形」は主を失ったり、怪我などで有用でなくなったと認定されると完全に記憶を消されてシャドーハウスの下働きの「顔のない人形」として再利用されるようですが、アンソニーはどうやってそれを逃れたのか。それとも普段は「顔のない人形」を装っているのか。彼にも反乱の意思があるようですが、ケイトは信じ切れず共闘には踏み切れない様子です。

ケイトとエミリコ
スーパー生き人形エミリコ

 エミリコは珈琲を断ったことで過去の記憶が少しずつ戻っているようで、何者だったのかもそのうち判明するのかも。誰にでも友好的で天真爛漫な性格というだけでなく、やたら身のこなしが軽いので、ただの農民の娘という感じではないような。

シャドーと生き人形コンビ

 今期は登場しませんでしたが、シャドーハウスの頂点に立つ「偉大なるおじい様」のCVは土師孝也。かつて「北斗の拳」でトキを演じていましたが、それよりもトキのパチもんのアミバの演技が強く印象に残っています。なので物語の終盤には「ん?間違ったかな…」とか「ん~?何の事かな。フフフ…」などと言って欲しい。「ケイト、一体化はいいぞ!」とかね。もちろん死ぬ時の断末魔の悲鳴は「うわらば」。

リコリコ感想

 続いて「リコリス・リコイル」。やたら評判の良い作品で方々で賞賛されていますが、私はそこまでは…。異端かもしれませんが、なぜ賞賛できないかについて述べたいと思います。

汚物は消毒だ

 情報統制が徹底されたディストピアのような日本。世界一の治安の良さを誇っていますが、その実態は、治安維持組織「DA(Direct Attack)」が、犯罪を未然に防ぐべく、犯行容疑者(予定者)を犯行前に極秘裏に抹殺することで保っているものでした。DAが擁する、孤児を養成して殺人技術を身に着けさせた少女暗殺者は「リコリス(ヒガンバナ)」と呼ばれ、普段は女子高生に偽装した姿で市中に潜伏しています。

喫茶リコリコ

 都内の街角にある「喫茶リコリコ」はDAの支部でもあり、歴代最強と称されたリコリス・錦木千束(ちさと)が所属しています。そこにDA本部から命令違反者として左遷された井ノ上たきなが異動してきます。当初はDA本部復帰を熱望していたたきなですが、千束との交流の中で次第に変わっていくことに。

千束とたきな

 千束は心臓に先天的な疾患を抱えていて余命は長くありませんでしたが、「優れた才能は世界に届けられなければならない」という持論の謎の組織「アラン機関」の吉松から「殺しの天才」と認定されたことで人工心臓の提供を受けて生きながらえることが出来ましたが、才能を発揮する(つまり人を殺しまくる)ことを期待した吉松の意図に反し、千束は命の恩人に報いるために不殺を徹底するようになってしまいました。なんとして千束に才能を発揮させたい吉松は、テロリストやハッカーを駆使してまで千束を殺人に駆り立てようとしますが…

無能司令部

 原作のないオリジナルアニメということで興味深く視聴していましたが、世界観の設定がかなり杜撰で、ちょっと没入できないものになっていました。まず情報操作をあっさり信じている日本人がチョロすぎ。世界ではいろいろ事件が起きており、鎖国をしている訳でもないのになぜ某半島国のように「公式声明」を信じ込んでいるのか。

リリベル
リリベル隊

 それからDAのリコリス。孤児を育成して、というのはまあいいです。女性部隊のリコリスの他に男性部隊のリリベル(スズラン)が存在しているのも当然といえば当然。しかし、治安維持の一助として使用するのはいいのですが、何から何までリコリスにやらせすぎでは。DAの上には当然政府機関が存在しているはずで、そうなら他にも治安維持組織はあるはずでしょう。犯罪を予防的に阻止する攻性組織がDA(この辺、議論がある人もいると思いますが、そういう世界設定なら個人的には別にいいです)だとしても、テロリストの犯罪活動に関する情報の把握とか鎮圧は、また別の組織が担当するはずだと思うんですよね。なぜいつも拳銃一丁持っただけのリコリスが対処しなければならないのか。

攻殻機動隊

 「攻殻機動隊(士郎正宗の漫画)」の世界だと、少佐こと草薙素子の所属する公安9課が、犯罪の芽を事前に探し出し、これを除去するという攻性な任務を果たしていましたが、警察に属するらしい公安1課、外務省に所属する公安6課なども登場していました。おそらく公安1~8課までは存在していて、更に新規に立ち上がったのが公安9課なのでしょう。そんなにたくさん必要なのかは設定された世界観によりますが、リコリスとリリベルしかないディストピア世界というのはちょっと設定が甘過ぎやしませんか。

たきな機関銃装備

 拳銃といえば、町中で暗殺作戦を実行中のリコリスならば、目立たないように拳銃+サイレンサー程度の武装になるのは致し方ないと思いますが、テロリスト殲滅戦のような大きな戦いの時まで拳銃だけというのはなぜなのか。一話でたきなが機関銃(あれは鹵獲品か?)を使用していたので他の武器がないわけではないと思われますが、以後拳銃しか使われていません。ヤクザのヒットマンじゃあるまいし、テロ鎮圧ならサブマシンガンとか最低マシンピストルぐらいは携行しないと。

ガンスリンガー・ガール

 子供を使ってテロ鎮圧というと、どうしても「ガンスリンガー・ガール」を思い出すのですが、ガンスリは余命幾ばくも無い少女を利用しているのに対して、リコリスは孤児というだけで、別に寿命が短い訳ではない。作成中に殉職する数は相当数に上るのでしょうが、それでも少女時代を過ぎるリコリスは結構いるんじゃないかなあ。リコリコで働く飲んだくれのミズキもそうらしいし、DAの司令官達首脳部もリコリスOGなのかも知れないけど、その他は?別組織でよろしく働いているということもあり得るかもですが、元DAで某ガーシーみたいになる者も出てきたりして。

ブロッコリー真島

 ブロッコリー頭のテロリスト真島も結構おかしくて、海外で活動していたから日本が変であることを認識しているのはいいとして、単独犯ではなくかなりの人員・物資を擁する組織を仕切っているのですが、あいつらは一体何者なのだろうか。あの頭数を飼っておくだけでも結構金がかかる上、それなりにテロリストとしての訓練もしなければならないところ、それがDAに把握されていないのも奇妙です。全員海外で訓練して極秘かつ五月雨的に入国してきたのだろうか?だとするとかなりの巨大組織がバックにいると思われますが…もしやこの世界の日本に敵対する国家あたり?「カイジ」の黒服並にみんな制服着ているし、もしや帝愛グループの皆さんなのか。

テロリストのみなさん

 この真島、超有能ハッカーのロボ太を仲間にするのはいいとして、その居場所の把握とかどうやって?アラン機関が教えている可能性もありますが、それなら吉松の車の居場所の把握はどうやってなんだろう。あと、それだけ有能ならば、作中登場直後に行おうとしていた地下鉄無差別テロの情報がDAにバレていたのはなぜなのか。この時DAは真島というテトリストは把握していなかったようなのに。

百合コンビ

 最終回で弱い方の味方みたいなことをほざいていましたが、無差別テロをやろうというヤツの言うセリフか。本気で言っているのなら、「お前は“灰色の魔女”か」とツッコんでおきましょう。「ロードス島戦記」、懐かしいなあ。

ウホッコンビ
愛の決着

 ツッコミどころはたくさんあって、上記は一部なんですが、際限なくなりそうなのでこの辺で。あとツッコミじゃないけどリコリコ店長のミカって、吉松と過去に「ウホッ」「アッー!」な関係だったんですね。最終回でミカが吉松を殺したような描写があったけど、吉松の秘書も殺していないみたいだし、実は殺してないんじゃないかなと邪推しています。

対テロ戦闘も拳銃一丁

 そういう訳で、ああいうディストピア世界を設定するのは別にいいんですが、せっかくならおじさんも納得するぐらいの緻密さが欲しかったなと。リコリスもいつまでも全員同じ制服だと、女子高生の殺し屋がいるという都市伝説ぐらい生まれるぞ。

ラストシーン

 千束とたきなの百合を楽しめばいいという意見もあるでしょうし、それは否定しませんが、それならあそこまで変な設定を作らなくてもできそうな気がするんですよね。シティーハンター女性版的な感じでやれば良かったような。

黒の召喚士感想

 最後に「黒の召喚士」。タイトルは短いですがバリバリの「なろう」系。恒例異世界転生ものですが、レアスキル獲得と引き換えで前世の記憶を失っているので、転生前に何を考えていたのかを本人も知らないというのがちょっと新しいです。

女神降臨

 異世界の女神・メルフィーナまで配下にしているのは、「このすば」のカズマみたいですが、どうしてそうなったのかも不明。なぜかメルフィーナも教えてくれないし。ただ、アクアと違ってそのままでは下界に降臨できなかったらしく、相当デチューンして中盤から登場しました。

恒例異世界転生

 主人公にはバトルジャンキーという設定があり、生来強敵が現れるとゾクゾクするタイプのようです。なので異世界バトル願ったり叶ったりなのはいいのですが、記憶を失っているわりに「日本人なら風呂」とか「白米食べたい」とか言っているのはなぜなんだろう(笑)。

エフィル
セラ

 女神メルフィーナの他、ハーフエルフのエフィル(声がライスシャワーだ)、魔王の娘のセラ(声がアグネスデジタルだ)、勇者召喚で呼び出したリオンがパーティーに居るのでハーレムみたいですが、一応スライムとか亡霊騎士もいるのでセーフ(なにが)。あと美人母娘を屋敷のメイドとして雇っています。パーティーの経験値共有化により屋敷の警備ができるくらいにはレベルアップさせている模様。戦闘メイドだと「オーバーロード」になってしまう。

ケルヴィン一行

 制作サイドには悪いですが、本気で見るほどの作品ではありません。しかし気楽にながら見するには適当だったなと思います。この世界には強い連中が揃う国があり、その尖兵の転生者と戦ったところで一期終了となりましたが、二期が制作されても敵には困らないという感じでしょうか。しかし冒険者って国と戦うものなの?「オーバーロード」だと国家間の紛争には介入しないとかいうことになってましたが。

メイド母娘

 個人的には上田麗奈が綺麗な声で女神様を演じて「あなた様♡」と言ってくれるだけで耳が幸せです。芸達者なのでクレイジーサイコパス役とかもできますが、お清楚美人役が好きですね。

一期ラスボス

2022年夏季アニメの感想(その1):異世界迷宮でハーレムを/プリマドール/よふかしのうた

秋猫さん

 今日から10月に入って、今年も既に3/4が終了しているという事実に改めて愕然とします。季節的には10月11月頃が一番好きで、物思う秋というやつを堪能したいところなんですが…今年はまだ暑くて秋らしさが足らないような。さすがに冷房は入れませんが、扇風機は生涯現役の勢いで使い倒してます。朝夕がひんやりしてきたのが救いですね。

六代目円楽猪木

 そういえば昨日は六代目三遊亭円楽、今日はアントニオ猪木とビッグネームの訃報が相次いでいます。昔から慣れ親しんでいた人達の逝去は心に来るものがありますね。円楽亡き後の笑点は見る気にならないし、猪木の「プロレスこそ全ての格闘技の頂点」という主張には一時期影響を受けました。今となってはシャアばりに「認めたくないものだな……自分自身の、若さ故の過ちというものを」と自嘲したくなりますが、まあ黒歴史とまでは思いません。「キン肉マン」並にツッコミどころ満載だけど愛される、遠くで見ている分には面白いけど一緒に仕事とかはしたくないキャラでした。御両所のご冥福をお祈りいたします。

異世界迷宮でハーレムを感想

 さて本題ですが、9月が過ぎて夏季アニメの大半が終了しましたのでしばらくは感想シリーズとなります。本日は第一弾。視聴を打ち切った作品と、改めて放映し直す「異世界おじさん」を除いてとなりますが、まずは「異世界迷宮でハーレムを」。「なろう」系で原題は「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」でしたが、“奴隷”という単語の刺激を懸念してか書籍化の際に改題されています。ですが主人公は奴隷を買ってハーレムを作ろうとしているので内容に変更なし。

夕べはお楽しみでしたね
やっと出た二人目

 ただ、タイトル詐欺だなあと思ったのは、全12話の大半で主人公のお相手をしているのはロクサーヌだけで、二人目のセリーを手に入れたのは11話。残りの3人は最終話終盤で“同じようにダンジョンで稼いだ金で次々とゲットしました”的に雪崩のように描いてしました。いやこれからだろうハーレムは、とツッコみたくなりますがここで終了。キャスティングされた声優さん的にはぜひ2期をやってもらわねばと思っているでしょうけど、どうなるんでしょうか。

ロクサーヌの濡れ場 

 まあ正直なところ“濡れ場”以外は特に見るべき所はないというか。「TV放送ver.」で視聴した場合、一番良いところで絵は見られない声も聞けないというヘレン・ケラー状態になるので、視聴するなら規制のない「超ハーレムver.」しかないと思います。宿屋で毎晩「夕べは大楽しみでしたね」状態だったのを、一軒家を買って引っ越したのはナイスアイディアでしたが、余計心置きなくお楽しみに専念してしまうという。

色魔の主人公

 主人公は恒例の異世界転移をしていてチート武器も持っていますが、世界最強というほどのアドバンテージはなく、また異世界での使命とかもないので、欲望のまま楽しく生きる手段として迷宮を攻略して女奴隷を買って仲間にしているという感じでした。

こんな画像でいいのか

 異世界なんだから奴隷制度があろうがそこで奴隷を買おうが別にいいのですが、主人公は現世での価値観とか倫理観を引きずっているみたいなので、そうであれば奴隷を買った後で解放して愛と信頼で仲間関係を築けばいいのにとか思ってしまいますが。

全員揃うのは最終回

 購入した奴隷は全て人間に近いけど人間ではない、狼人とかドワーフとかいった亜人種というべき種族となっていますが、奴隷の中には絶対人間もいるはずなのに、人間の女奴隷は仲間にしないというあたりに作者の危機回避的な意思を感じてしまいますね。なんとなれば「全員人間じゃないですから」と言い逃れようという(笑)。取りあえず“濡れ場”の大半を引き受けたロクサーヌのCV三上枝織には「とりあえず、お疲れ」と言いたいです。「ガールフレンド(仮)」の清純巫女・森崎芽以のCVでもあるかと思うとちょっと泣けてきますが(笑)、声優がいろんな役を演じるのは当たり前!

プリマドール感想

 続いて「プリマドール」。「泣きゲー」で一世を風靡したKeyが作った「泣かせアニメ」と言いましょうか。ゲームは来年発売のようですが…売れるのだろうか。

オートマタ達

 まるで人間そっくりに作られた自律人形(オートマタ)。他のロボット達を指揮命令できる能力を買われ、戦争に投入されて激戦をくぐり抜けるという悲しい過去がありました。戦後、ロボット達は兵器として恐れられて排除される機運が高まる中、人間そっくりなオートマタ達は喫茶・黒猫亭で働いていますが、戦争の傷跡はなお深く、また再度戦争を考えている勢力も健在で…といった世界観です。

歌って踊るオートマタ

 オートマタはロボットなのに揃いも揃って美少女型で、普通に飲食して眠ったりもします。強いて例えるなら「ファイブスター物語」のファティマに近いのですが、なんだそのスーパーテクノロジーは。天才が作り出したということにしても、基礎となる科学技術レベルがそれなりにないと無理があるんですが、世界は第二次大戦以前といった雰囲気の文明レベルなので、オートマタのハイテクぶりが突出しすぎています。

黒猫亭
泣くに泣けない

 皆が傑作と褒め称える「ヴァイオレット・エバーガーデン」でも、私はヴァイオレットの義手のハイテクぶりが気になって物語に没入出来なかったのですが、本作のオートマタは凄すぎるので違和感バリバリで。しかも「さあ泣け今泣けすぐ泣け」とばかりの展開なのですが、尺が足りな過ぎるのでこれでは皆泣くに泣けないでしょう。泣かせるならキャラにそれなりの思い入れとかを持つ時間が必要なんですが…「泣きゲー」を作っていたKeyにそれが判らなくなっているのかと思うと悲しいですね。

風呂にも入るオートマタ

 懐かしの名作「サクラ大戦」をロボット少女達にやらせてみましたといった印象も受けました。やたらオートマタに歌わせるし。絵も綺麗だしキャラも可愛いんですが、制作側のやりたいことと、実際に表現されたものへの違和感のギャップに戸惑うばかりという感じで。いっそ脚本に「魔法少女まどか☆マギカ」の虚淵玄とか「メイドインアビス」のつくしあきひとあたりを加えたらそれはそれは鬱な泣きアニメが出来たんじゃないかと思います。

戦争中のオートマタ
箒星号泣

 私のお気に入りのオートマタは箒星。戦争の後遺症で声が出せませんでしたが、主人公灰桜の活躍により声が出るようになりました。これは作中で灰桜最大の成果ではないかと。料理が上手なので、家に一台というなら箒星が一番。

よふかしのうた 感想

 本日最後は「よふかしのうた」。原作は「だがしかし」のコトヤマで、現在も少年サンデーで連載中。「だがしかし」は面白かったので期待しましたが、あれに比べるとかなり堕ちますかね。「だがしかし」の主人公は高校生で、本作の主人公は中学生。たった数歳の差ですが、この時期の少年にとってはかなり大きい差だと思います。高校生にしてたらだいぶ印象が変わったかも。

結構うざいコウ

 人の心がわからない中二の主人公(まさしく中二病じゃないのか)が、何もかもが嫌になって不登校になった挙げ句、不眠症に悩まされて深夜の街を徘徊していたところで吸血鬼に出会って…という展開です。母子家庭で母親は水商売のため夜は留守にしているらしく、主人公の状態を把握しているかどうかも不明。存在感はテーブルに置いてあるお金だけ。

空を自由に飛びたいな

 他の吸血鬼に遭ったり、不登校になったのを心配している友達に会ったりと夜に様々な経験を積み重ねていく主人公ですが、はっきり言って言動が中坊じゃないんですよね。一体何がしたいのか自分でもよく判らないわりに、他人には結構口出ししたりして。見ていてかなりうざいキャラになってしまった印象です。

吸血鬼の皆さん

 原作が連載中ということもあり、特にオチもないままに一期終了となりましたが、終盤登場した探偵にして吸血鬼ハンター(?)の鶯餡子(あなたはもしや「プリコネR」のラビリスタなのでは)が面白いキャラだったので、これとの絡みをしっかり終えるぐらいまで描ければまた違った印象になったかと思います。

鶯餡子

 夜の描写が美しく、こんなに夜が綺麗ならそりゃあ夜更かしもしたくなるよな、とは思いますが、現実の夜はただ暗いだけだからなあ。とりあえず義務教育の中坊は学校に行けやとツッコみたくなります。不登校になった理由はわかったけど、夜更かしの中でそんなもんどうでも良くなるくらいの経験して成長できたんでは?

コスプレした雨宮天

 女性ばかりの吸血鬼(「男の娘」もいるけど)のCVは結構豪華キャストなのに、原作のタッチのせいか、どいつもこいつもあまり魅力的じゃないんですよね。雨宮天とか戸松遥なんかはかなりもったいない使い方になっていて、もっと艶っぽい声を聞きたかったですね。“中の人”のほうが綺麗って。せめて「だがしかし」のほたるぐらいの魅力があったなら。あと、とりあえず“俺の嫁”声優伊藤静のキャラはもっと登場させて欲しかった。静御前の色っぽい声が聞きたかったんじゃあ。

吸血シーン

 ということで、本日の三作は二期制作となっても見かどうかは微妙ですね。「異世界迷宮」はエロ目当てで…という可能性はありますが、どうせやるなら「異世界レビュアーズ」ぐらい突き抜けて欲しいものです。

美しい夜
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