
先週半ばから気候が一転してすっかり秋の雰囲気となりました。昨日は“露が冷気によって凍りそうになるころ”とされる寒露だった訳で、秋らしいのは当然といえば当然なんですが、今年の夏はとにかく暑くてやたら長くて、西日本では事実上10月になるまで夏が続いていたといっていいのではないでしょうか。しつこい夏がやっと去ったと思ったら、もう冬の気配が近づいているような。秋をもっと堪能させて欲しいのですが。
さて夏季アニメの感想も今回が最後。本来なら「異世界おじさん」も加えて3本あるはずでしたが、おじさんは異世界ならぬ時間転移して秋季アニメになってしまったので、2本だけです。しかしながら、両作とも傑作でした。まずは「メイドインアビス 烈日の黄金郷」。
底知れぬ巨大な縦穴「アビス」。最後の秘境と呼ばれ、奇怪な原住生物が闊歩し、超常の「遺物」が眠る、未知のロマン溢れるアビスの最奥には一体何があるのか。命を代価にアビス探検を行う探窟家達。その中にはアビスの深層を目指すリコとレグがいました。
一期で深界4層「巨人の盃」に到達して「成れ果て」のナナチを仲間に加え、劇場版で深界5層「なきがらの海」に設置された「前線基地(イドフロント)」において黎明卿ボンドルドと死闘を展開し、遂に深界6層「還らずの都」に到達しました。アビスを13000m以上降ったことになり、本来は最高位の探窟家で伝説的英雄と呼ばれる「白笛」のみが到達できる領域です。
リコはイドフロントで親友となったプルシュカが白笛の原材料となる「命を響く石(ユアワース)」になったことで、図らずも深界6層に到達することができました。アビスは、その下に深界7層「最果ての渦」が、さらにその下に深界極点「奈落の底」があるとされますが、詳細は全く不明となっています。訪れた探窟家がいる可能性はありますが、上昇負荷(アビスの呪い)は確実な死となっているので、もはや人間が生還できない世界です。
二期は二層構造となっており、深界6層を訪れたリコ一行と平行して、過去に黄金郷を目指してアビス深層を目指した探索隊「ガンジャ」の探検行が描かれます。普通なら「ええいガンジャ隊はいい!リコ達を映せ、リコ達の探検ぶりを。」とテム父さんになっちゃうところなんですが、このガンジャ隊の探検がまた面白くて。
深界6層の奥地には塔のような形状をした謎の村「イルぶる」があり、多くの「成れ果て」達が独自の社会を形成していました。この「成れ果て」達、後からやってきた探窟家なども加わっていますが、その起源は「ガンジャ」でした。
レグの口癖を借りれば「度しがたい」設定や展開が山盛りな本作ですが、「イルぶる」の出来るまでの話がとにかく度しがたい。深界6層の恐ろしい原生生物の襲撃もさることながら、やっと得た新鮮な水だと思ったら「水もどき」という寄生型の原生生物で、ガンジャ隊は全滅の危機に直面することに。
ガンジャ隊のリーダーであるワズキャンは、道案内として雇ったアビスの淵の先住民の少女イルミューイに、使用者の願いを叶えるという遺物「欲望の揺籃」を託します。これは特に子供に適したものだそうで、実際ワズキャンが自ら使ってみて失敗していました。
イルミューイは子供を産めない身体ということで家族に見捨てられてガンジャに加わったという経緯があったため、彼女の願いは子供を生むことだったようです。イルミューイは寿命の短い生物を無尽蔵に産み続ける肉体を得たものの、どんどん人の形を失っていき、ワズキャンはイルミューイの生んだ生物を料理してガンジャ隊の隊員達に食べさせたところ、「水もどき」による症状から回復することになりました。
イルミューイの願いは単に子供を生みたいというだけではなく、回復したいとか、ペットにしていた「ヤドネ」という原生生物(他の原生生物に喰われてしまう)を取り戻したいといった深層心理にある様々な願いが混じり合ったものだったようです。そのせいか生まれる子供達はヤドネに似た姿をしていました。
ワズキャンは二つ目の「欲望の揺籃」をイルミューイだったものに使用したところ、塔状の姿に変貌。その中に入ることでガンジャ隊は「成れ果て」となったものの、原生生物の脅威や上昇負荷に曝されることのない安住の地を得たのでした。これが「イルぶる」の成り立ち。なんと一人の少女が変貌した姿だったとは。
イルミューイ(だったもの)にとって、この状態は全く喜ばしいものではなかったらしく、自分に使われた2つの「欲望の揺籃」に加え、ワズキャンが自身に使っていた「欲望の揺籃」を合わせて最後の子供ファプタを産み落とし、ファプタは生まれながらに村人達によって食べられて死んでいった大勢の兄姉達の復讐と、村へと姿を変えさせられた母を解放すべく、「イルぶる」の村人を根絶やしにすることを生きる目的としていました。
「イルぶる」の「成れ果て」達は村から出られませんが、ファプタは逆に村に入ることが出来ず(生まれた子供が母の胎内に戻れないように、なのか)、かつて地上を目指す前のレグと遭遇した際に自分を手伝って貰う約束を交わしましたが、戻って来たレグは全ての記憶を失っていました。これは地上直前でベニクチナワに襲われていたリコを助けるために火葬砲を撃ったためと思われます。全ての元凶リコ(笑)。
ただ結果的にレグが「イルぶる」内で火葬砲を撃ったことでファプタは村内へ侵入することが可能となり、望み通り村人達を血祭りに上げることができました。しかし同時にこれまで入れなかった他の原生生物達も侵入してきたので、三つ巴の戦いに。ファプタの強さは圧倒的でしたが、それより強い原生生物もいるのがアビスの恐ろしさ。特にリュウサザイさんの半端なさよ。
こうしてリコ達がほっと一息付けた「イルぶる」は崩壊しましたが、元プルシュカだったリコの「命を響く石」はここで完全に白笛に加工され、ファプタは宿命から解放されて自らの人生を生きられるようになりました。
ガンジャ隊のリーダーで事実上「イルぶる」の作り主であるワズキャンは無念だったのかと言えば、実はそうではなく、彼はアビスの底にあるであろう本物の黄金郷への探求と冒険に再び挑むことを常に考えていました。本当ならアビスの果てに生きたがっているリコに「欲望の揺籃」を使ってみて、その結果を見たかったのでしょう。
多分ボンドルドとワズキャンは似たもの同士で、「目的のためなら手段を選ばない」タイプです。そしてリコも多分にその気があるので、今後先に行くにはナナチかレグ、または両方を犠牲にしなくてはならないという状況になったらあっさりそうしそうな雰囲気があります。今は両方とも旅に必要不可欠だから大事にしているけどNE!
それでもワズキャンは黎明卿よりはましな人間性を持っているように思えます。黎明卿は子供達を騙してイドフロントに連れてきて有無を言わさず人体実験に使っていましたが、ガンジャ隊はなんらかの理由で故郷を捨てたあるいは失った者たちの寄せ集めで、黄金郷を目指すことはウソでも何でも無かったこと。「水もどき」で全滅しかかったガンジャ隊を救うためにイルミューイを犠牲にしたことはエグいですが、では他に何か方法があったのかと言われれば…。ワズキャンが外道な振る舞いをしなかったら全滅エンドであり、リコ達が「イルぶる」を訪れることもなかったし、そもそもファプタも生まれなかったことを考えると、結果主義と言われそうですがワズキャンの行動は評価せざるを得ません。「大丈夫!皆にも振る舞ったさ!」は度しがたいけど名言です。
余談ですがワズキャンのCV平田広明は、「ONE PIECE」で「麦わらの一味」のコック・サンジを演じており、仲間を救うためにド外道な料理を作ったことで「闇サンジ」と形容されたとか。
宿命から解放されたファプタはリコ達から旅への同行を誘われますが、これを断ります。今後リコ達が絶体絶命の危機に陥ったあたりで颯爽と救出に来て「おまえはフェニックス一輝か」とツッコまれるような活躍をしそうではありますが、同行しないのは正解のように思えますね。ファプタが入ると一行が強くなりすぎるのと、結局のところリコにいいように使われそうだし。
原作は未読なんですが、この先はやはり深界7層を目指していくのでしょうか。白笛としては、リコのママンである殲滅卿ライザ(アビスの底にいるとかいないとか)、その師匠で深界2層の「監視基地(シーカーキャンプ)」に居る不動卿オーゼン、そして劇場版で大活躍の黎明卿ボンドルドが塔状していますが、その他にも神秘卿スラージョ、先導卿ワクナという白笛がアビスで行動中だとされているので、今後彼らと出会うのかも。
それだけでなく、過去の白笛もアビスの底ではなお活動中の可能性が。というのも、アビス深層では時間の流れが地上とかなり違うようなので。「イルぶる」は成立して150年という話ですが、その当時のアビスの淵には現代のようなオースの街は影も形もなく、イルミューイが暮らしていた先住民の村がありました。ということは、ガンジャ隊の活動は1000年とかそれ以上の相当な過去の話ということになり得るので、地上では歴史的白笛とされている人々が深界7層とかさらにその下で健在ということは十分あり得そうです。
ここで本作の謎をいくつか。
① 干渉器:ファプタに付き従っていたガブールンなどのロボット。自らを「見て触れて知り集める干渉器」と呼称していました。ガンジャ隊も何体かの干渉器と遭遇して助力を得ていた描写があり、レグも仲間の一種らしいですが、一体誰が作ったのか。ガブールンも創造主につていは知らなかったようですが…。干渉器は生物ではないので上昇負荷の影響を全く受けないので、仲間にいると非常に便利ですが、レグはその最新モデルなのか。
② 遺物:アビス内部で発見される古代文明の遺産とされますが、大半が現在の水準を超えた技術で作られており、本来の用途とかなぜアビスに散らばっているのかは謎です。そもそも人間の所産なのかどうか。ガンジャ隊も「欲望の揺籃」を使っているので1000~2000年どころではない超過去の遺産とも思われますが、なんとなく今もアビスの底で何者かが生産していてアビス中にばら撒いているような気がします。そうだとすると遺物という名称は誤りになりますが…
③ 力場:アビス中に満ちる謎の力場。その影響で地上からアビス内部を観測することは困難で、時間の流れすらも異なっている様子です。またアビスを降下する際には問題になりませんが、上昇する際には「上昇負荷」、通称「アビスの呪い」と呼ばれる事象をもたらします。浅いところでは大した影響は出ませんが、深く降下すれば降下するほど影響は甚大になり、深界6層では人間性の喪失(=「成れ果て」化)を、深界7層以下では確実な死をもたらすようです。なぜこんなものがあるのか。
④ アビス:これらの謎を包括するアビス自体がどう考えても天然の所産とは思えず、何者かによる人口の縦穴のように思われます。一体誰が何のためにこんなものを?発見されたのは約2000年前だそうですが、あれだけ独自な生態系や遺物がある以上、作られたのが2000年前とはとても思えません。またアビスの浅い部分で大量に発見される「お祈り骸骨」など、むしろ世界の文明が2000年ごとに何らかの大災厄でリセットされているんではないかという気も。リコが旅立つ前にオース流行だしていた、幼い子が誕生日に死ぬという奇病はアビスと何か関連があるのか。
最後に「サマータイムレンダ」。正確には春から連続2クールの作品ですが、これは傑作でした。個人的には夏季は「オーバーロードⅣ」「メイドインアビス 烈日の黄金郷」、そして本作で3強だったと思います。「異世界おじさん」が秋季に転移しなければ四天王だったのですが。
和歌山市沖に所在する日都ヶ島。人口700人程度の小島ですが、昔から「影」という存在が語り継がれています。「自分そっくりの『影』を見た者は死ぬ」。主人公網代慎平は2年前に調理師専門学校に通うために上京しましたが、幼馴染の小舟潮の訃報を聞き、葬儀参列のために帰って来ました。
潮は海で子供を助けて事故死したとされていますが、実は首を絞められた痕跡があり、他殺の可能性が浮上します。潮は死ぬ数日前に自分そっくりの「影」を見ていたということで、一気に伝説の「影」の存在がクローズアップされてきます。
慎平は、島に向かうフェリーの中で居眠りしている夢の中で潮から貰った色の違う右目と、それに付随する自身の死をトリガーとするタイムリープ能力を駆使し、「影」の謎に立ち向かうことになりますが、敵は恐ろしく強大かつ狡猾で、慎平は劇中7回くらい死ぬハメに。
第1クールは誰が人間で誰が影なのか判然としない中、とにかく謎だらけの存在である「影」の能力とか特徴を探っていくというミステリー色が強い作りになっています。第2クールはタイムリープによる知識の蓄積とそれを仲間に伝えることが可能になったことで敵味方がはっきりしていき、慎平達と「影」勢力の全面対決という構図になり、アクションシーンが増えていきます。
慎平のタイムリープは「Re:ゼロから始まる異世界生活」における“死に戻り”に似ていますが、リゼロの“死に戻り”がいわば“セーブポイント”に戻る性質を持っているのに対し、慎平のタイムリープは全く同じ時点には戻れず、徐々に前倒しになっています。また、過去に戻った場合、それ以前時間は戻ることが出来ない断崖のような状態となっているので、短時間で繰り返し死ぬと戻る時点がなくなってゲームオーバーとなってしまいます。
またタイムリープによる知識の蓄積は慎平サイドだけの恩恵とはならず、「影」側も知識を蓄積していくので一方的に有利になるわけではありません。というのも慎平のタイムリープ能力の本来の持ち主は「影」の親玉であるハイネだったからです。
ヒロインは潮。しかし本物の潮は死んでいるので潮が見た「影」の潮、つまり影潮となります。他の「影」と違って影である記憶を失っており、人間の小舟潮だと思い込んでいました。他の「影」からは出来損ないのように見られていましたが、実はハイネに対抗できる力がありました。というのは影潮の正体が…(ネタバレになるので伏せます)。
影潮は人間の潮そのままのパーソナリティで、フランス人の父譲りの美しい金髪を持ち、最初に出会った際に潮が水着姿だったためにデフォルトで水着姿となっています。そうではあるのですが、可愛いけど色っぽくはないんですよねえ(笑)。多分に当人のキャラのせいでしょう。
むしろ妹の澪の方が色っぽい。いきなりパンチラ(というかパンモロ)を披露するし、入浴シーンもあるし。澪は日本人である母譲りの容姿で、というかフランス人要素ゼロです。潮の容姿にコンプレックスを持っているようですが、女の子らしさという点では潮より遙かに上。慎平とは幼馴染で親友の菱形窓に恋心を持たれている他、その妹で澪の親友である朱鷺子からもガチ百合な思いを持たれています。モテモテなのもよく判りますが、当人は密かに慎平に恋をしています。
しかし、慎平は潮と昔から両思いでした。互いにそのことを伝えられないまま喧嘩別れし、直後に慎平が上京したまま潮は亡くなってしまうという結果になりましたが、潮そのままの影潮が登場し、共に死線をくぐり抜けていったことで二人の仲は誰にも分かちがたいものに。
「影」には人間の姿や記憶をスキャンしてコピーする能力があり、完全に元の人間に成りすますことが出来ます。また本体は地面に落ちた影なので、人間体が大きく損傷してもすぐに回復できる。また、平面に潜って高速移動するこが可能で、狭い隙間や壁を垂直に移動することも出来るほか、水面でも移動できます。さらにスキャンしてあれば別の人物に変身することも可能な上、別の影を生み出すことも可能。
こんな「影」の超常能力ばかりが目に付くので、第一クールではどうすれば対処できるんだと思うほどですが、徐々に味方を増やし、「影」の知識を蓄積する中で、弱点も判明していきます。「影」は人間体ではなくその影が本体で、そちらを攻撃するとダメージを受け、大打撃を受けると死にます。またスキャンしてコピーした人間が存命な場合、一週間以内にその人物を殺さなければ影自身が消えてしまいます。
序盤は澪に成りすまそうとする影澪との戦いが展開されますが、この影澪は澪をスキャンしてコピーした割りに表情が少なく、冷徹で残忍な性格をしています。もしや澪の本性なのか?上の画像はなんですが、影澪はいつもは澪をスキャンしたときの服装であるセーラー服を着ています。影潮も水着姿がデフォルトでしたが、潮をスキャンした時は違う姿だったのになぜに?影澪は武器として包丁を常用していますが、澪は料理下手なのになぜに?
この影澪に慎平は何度か殺されており、序盤最大の敵といった感じでしたが、中盤で何とか捕獲に成功し、影潮の能力で親であるハイネとの絆を断ち切ったことで味方になります。それでも影澪に殺されたことがトラウマになっている慎平は及び腰でしたが(笑)。影澪は当然ながら澪の慎平への恋心を知っている上、途中で朱鷺子にも変身していたので朱鷺子の澪へのガチ百合な恋心も把握しています。
それでちょいちょい慎平に対してぐずぐずしている澪にクールかつ辛辣な指摘を行っていますが、このダブル澪状態、窓や朱鷺子にとっては夢のようではなかったか。影澪でもいいから付き合いたかったりして。個人的には本作で影澪が一番好きでした。サービスシーンもしっかりあるし。
しかし「影」も然るものひっかく者で、ハイネは物語開始早々に慎平をスキャンしていたので影慎平になって他の登場人物たちを欺いて罠にかけたり、慎平独自の思考法である「俯瞰」を行って慎平の思考を予測して先手を打ってきます。慎平が自分との戦いにどうやって勝利するのかも見所と言えましょう。
「影」陣営では、ボスであるハイネは実はかなり衰弱した状態にあり、最大の敵はハイネの側近のシデという四本腕の影となっています。シデが影を纏った人間であることは中盤で明らかになりますが、正体については後半まで持ち越され、演じる声優まで伏せられていました。というのも声優が判ると「あ、あいつじゃん」ということになるため。こいつの強さやいやらしさはハイネの比ではなく、作中のラスボスとして君臨していました。
物語は全25話でしたが、24話で全ての決着はつき、25話は1話まるまるエンディング回でした。しかし、2クールあっただけあってその手法は正解だったなあと思います。個人的には「Ever17 -the out of infinity-」という恋愛アドベンチャーゲームをプレイした時のようやくトゥルーエンドに辿り着いた際の気持ちを思い出しました。エンディングが結構長いのですが、それまでの苦労とか登場キャラの悲惨な運命などを思うと、皆が笑っている姿がなんとも尊くて。
最終的には過去に遡って「影」の存在そのもののをなかったことにしたので、南方ひずるも弟の竜之介も存命で、竜之介の娘はハイネという名前で小早川しおりと仲良くしており(もうここだけでもらい泣きしそう)、潮も当然死ぬことなく存命。もっと遡れば慎平の両親の死も「影」の仕業だったため、両親も存命。
潮と澪のママンも生きて欲しかったところですが、これは「影」と無関係だったので故人のままでした。でも影になって慎平達と殺し合った人々がごく普通に暮らし、「影」に人生を狂わされた根津や菱形院長も穏やかに暮らしているのは、自分がした訳ではないけど苦労の甲斐がいあったなあと感じてしまいます。
残念なところがあるとすれば、影澪とのちゃんとした別れが描かれなかったところですかね。個人的に気に入っていたというだけでなく、後半は慎平側にとって強力な戦力だったし、冷静かつ的確な判断力は非常に心強かったので。影である以上消えてしまうのは仕方ないとして、慎平が影澪にお礼とお別れを言う場面があったら良かったのにと思いました。
潮役の永瀬アンナと澪役の白砂沙帆はおそらく若手新人声優だと思いますが、影側も含めて非常に好演だったと思います。今後の活躍に要注目ですね。ハイネ役の久野美咲は、夏季はメイドインアビスのイルミューイ/ファプタ、リコリス・リコイルのクルミ、プリマドールの千代とまさに八面六臂でした。でもやっぱり可愛いロリ役がいいなあ。