2022年春季アニメの感想(その2):RPG不動産/盾の勇者の成り上がり Season2/古見さんは、コミュ症です。第2期

栗林公園の睡蓮です。もうすぐ年パスが切れるので更新手続きに行ったら、昨年の入園停止期間分を延長するとのことで、有効期限が2ヶ月延びました。

それでは昨日に引き続き終了した2022年春季アニメの感想です。まずは「RPG不動産」。視聴予定でもリザーバーでもなかったのに最後まで視聴した「きらら」系作品です。

国立(王国だから王立なのか)の不動産屋であるRPG不動産。RPGはロールプレイングゲームの略ではなく、RENT・PLAN・GUIDEの略ですが、日本のRPGによくありそうな中世ヨーロッパ的世界を舞台としています。

不動産屋で働いたら職業OLとか宅地建物取引士などになると思いますが、この世界の人々はそれとは別に冒険時の職業も持っているようで、主人公の琴音は魔術師、不動産の先輩であるルフリアは僧侶、ラキラは戦士です。ファーは亜人種なので職業不詳。というかなんの亜人種なのかも不明ですが、それは次第明らかになっていくことに。

魔王と人間の戦いから15年が経過していますが、戦争の傷跡は完全に癒えてはおらず、また魔王に従った亜人種達への憎悪や偏見を持っている人々もかなりいます。亜人種と人間は基本的に言葉が通じず、不動産メンバーでは亜人種のファーだけが通訳可能となっています。

RPG不動産は亜人種への物件斡旋も行っているので、トラブルメーカーながらファーは必要不可欠な人材ですが、亜人種と人間の言葉を理解できるのは魔王だけだという話が登場してから、ファーの奇行が目に付くようになり、ファーは一体何者なのかという疑問が物語展開の背後にちらつき出します。

最終的にファーは人間達が魔王ラスティーレと呼び、ドラゴンからは神龍ファフニールと呼ばれた竜族の長の娘であることが判明しますが、どうやら彼女の中にはママンの魂が宿っているようです。

人間に恨みを持つらしい謎の少女(魔族?)の策謀により、ファーは暴走して琴音はあっさり命を落とすことになりますが、それまでに物件斡旋で知り合っていたネクロマンサーのおかげで魂を人形に留め、その間に肉体を復元して復活させていました。「きらら」系なのでほほんとした展開の中、終盤だけシリアスになっていましたが、やはりのほほんに回帰していったという。

ラストはファーの監視と王都から距離を置かせるために全員で火山島に配置換えになりました。ここでも不動産業を続けるそうですがそもそも客が来るのだろうか?


いかにもハッピーエンド風の絵面ですが、知らない子がしれっと混ざっています。これは2期への布石なのか。呪文でドラゴンを操っていた魔族らしい少女は放置されているので、2期があったら再び暗躍しそうですが、魔王の魂を宿すファーすら操れるのなら、もうお前が魔王だよと言いたくなります。

「盾の勇者の成り上がり Season2」。1期は2019年冬~春に2クールで放映されていました。3年経っての2期は1クールで終了。まだまだ続編は出来そうですが。

異世界召喚は「なろう」系ではごくありふれていますが、本作は主人公が勇者として召喚されたにも関わらず、理不尽な仕打ちを受け続けるという「迫害系」とでもいう点がユニークです。今では「迫害系」とか「追放系」というのはジャンルとしてすっかり確立しているようですが。

1期では迫害から名誉回復に至るまでが描かれたので、今では迫害されるということもなくなっていますが、今度は別の世界から敵が襲来するという。どうやら本作には多数の異世界が存在しており、四人の勇者もそれぞれ別の世界から召喚されていましたが、世界を破滅に導くとされる「波」という厄災が周期的に発生する世界とそうでない世界があるようです。その辺りがどのように区別されるのか、世界の実相が不明なのでよくわかりませんが、波の発生する世界においては、他の世界を滅ぼせば自分たちの世界は助かるという考えもあるようです。

今期は当初、本来波から世界を守る役目の霊亀の暴走という事態への対処から、霊亀を操っていた異世界人キョウの打倒へと目標が変わっていきました。しかし本作、主人公に煽り耐性がないということもありますが、とにかく敵対する相手の性格がひどい。

1期で主人公を陥れたマインも、なぜそこまでするのか意味不明なほどに悪辣なことをしていましたが、今期の悪役・キョウも、そこまでする理由はないのにとんでもなく性格と口の悪い存在として登場しました。本作は昔のプロレスのように、まず悪玉が徹底的に暴れ、堪忍袋の緒が切れた善玉が鉄槌を下すことで観客をスカッとさせるという構造のようですが、それがあまりにも極端なので、今のプロレスはそういうものではなくなっているぞと言いたくなります(いや、プロレスじゃないけど)。

こういう形でしか物語を展開できないということなら、作者の手法に重大な問題が潜んでいるような気がします。互いに納得のいく理由があって争うという形だと、どちらが勝ってもモヤモヤが残るということはありますが、それを回避するために絶対悪みたいなものを作るというともちょっと…。こういう展開の連続なら、3期はもう見ないかも知れません。

最後に「古見さんは、コミュ症です。第2期」。1期は2021年秋季アニメで、半年しての2期はかなりいいペースです。2期かけて、伊旦高校1年生の1年間が描かれました。なので春から夏へという季節に秋から冬のエピソードが続いていましたが、まあそれはそれで。ちょっと気になったのは、冬に修学旅行に出かけていたことですが。1年生の冬に修学旅行というのはかなり変だと思いますが、伊旦(異端)高校だからいいのか。

コミュ症の古見さんは相変わらずでしたが、それでも1年経過して少しは変わったのか、わずかに声が出てくる場面もあり、声優さんも少しはやりがいがあったのでは。コミュ症→ぼっち→便所飯なんて悲惨な学生生活の話も聞くところ、古見さんはコミュ症なのに一貫してクラスのマドンナ的扱いを受けており、こんなならコミュ症でもいいじゃんと思ってしまいますね。実際はそんな生やさしいモノではないとおもいますが。

「友達100人できるかな?」プロジェクトはなんだかんだと進展していて、修学旅行ではそれまで全く接点のなかった人と知り合って親しくなっており、また癖の強い新キャラも続々登場。2学期半場まで登校できなかったコミュ症の片居誠はともかく、ナルシシストの成瀬詩守斗はそれまで一体どこに居たんだろう?

只野君と古見さんの関係はどのように進展していくのだろうと思ったら、1年生の後半頃には既にクラス内公然の秘密となっていたようで、知らぬは当事者ばかりとなっていました。ルックスはさえないけど、とにかく優しいから。当初は古見さんのと親密さを嫉妬されて迫害される節もありましたが、2期では全くそういうこともなく。

ヤンデレ気質の山井さんとか中二病の中々さんも、古見さんに関してはキチガイじみた行動をするのですが、只野君は見逃されている模様。1期の時は命の危険すらあったというのに。時間こそは最高の妙薬ということか。山井さんのCV日高里菜は、あざというロリボイスよりこういうヤバいキャラを演じている時の声の方が好きです。

2年生になっても只野・古見組みは引き続き同じクラスのようで、また、長名なじみもいるので賑やかにやっていけそうな。せっかく親しくなった女子は大半別のクラスになったようですが、新たな友達を作らないと100人には届きませんから。神(作者)の配慮ということでしょう。

クラスで最もいい人は尾根峰さんですが、個人的に好きなのは彼女と親しい尾鶏さん。二人遭わせて尾尾(ビビ)っとコンビと呼ばれているとか。

あと、2期終盤に突如出現した左藤さん。自主的に毎朝ひとりで教室の掃除を行っており、人の頼み事を全て引き受けるという人の良さ。いい人だけど、古見さんが見かねたほどなのでやはり行きすぎていたようで。
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