2021年冬季アニメの感想(その2):無職転生 ~異世界行ったら本気だす~/天地創造デザイン部/弱キャラ友崎くん/怪物事変

関東で今年初の夏日となったということで、3月とは思えない、GW明けのような陽気です。これくらいなら特に問題はないのですが、この調子で気温が上がっていくと考えると夏はえらいことになりそうな。最近は毎年猛暑のような気がしますが、日本はそのうち常夏の国になってしまうのでしょうか。

さて今日は転出届けなどもろもろで会社をずる休みしたので、引っ越し前の最後の更新をしてしまいましょう。ただし、荷造りなど作業がまだ山積なのでごく手短に。まずは「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~。「なろう系」の最終兵器との呼び声も高い本作、とりあえず第一期は11話で終了しましたが、いずれ第二期以降が制作されるのでしょう。

絵といい動きと良い非常に良く、それに応えるように声優さん達も熱演していて、こういうのを好循環というのでしょうか。ただ、場面転換がいつも唐突なんですよね。

ロキシー登場と退場、シルフィと知り合って唐突の別れ、エリスの暴力に曝されてようやく良い関係になったら妙なところに吹っ飛ばされて。無職のおっさんが事故死して異世界転生したのも入れたらたった11話の間に4回も場面の大転換が行われています。次々に女を乗り換えているようにも見えますが、これは不可抗力ですね。

最初はロキシーが一番いいと思っていましたが、今ではエリスが良い味だしています。ほとんど再登場しないシルフィの影が薄い。初期はかなり濃厚だったちょいエロ路線がだんだん影を潜めてきたのは残念と言えば残念ですが、今季に関して言えば「俺だけ入れる隠しダンジョン」とか「回復術士のやり直し」など、他にもちょいエロ路線の作品があったのでまあこれはいいかなと(「回復術士」はちょいどことじゃないエロ路線ですが)。



圧倒的な魔力を持つ主人公ルディが無双するのかと思っていましたが、この世界では剣術はほぼ魔法に匹敵する強さなので、強敵相手だと協力しないと敵を倒せないようですね。チートスキルを持ちながら「オレまたなんかやっちゃいました?」にならない作品というのは「なろう系」では結構珍しいような。

ただ、なんで魔大陸に飛ばされたのか今のところ全然説明がないので、第2期以降でちゃんと説明して欲しいところです。それにしてもエリス…貴族の娘なのに「狼に育てられた少女」ばりの超凶暴な野生児ぶりにも驚きましたが、よくぞ「頭の良くない乱暴な女の子」レベルに変えられたものです。CV加隈亜衣が非常にマッチしていますが、素で演じているかのような印象も(笑)。しゃべっていないときでも色々動いているのが楽しいです。

続いて「天地創造デザイン部」。天地創造を行った神様が様々な生物を生み出すのが面倒臭くなって外注したという話で、実在する奇妙な生物の紹介とか、こういう生物はなぜいないかといった説明が面白楽しくされているのですが、面倒だから外注したというわりにオーダーでは無茶ぶりばかりする神様のせいで、「こういう無茶なオーダーを具現化したらこうなりました」という展開が本当のように見えてきます。


ただ、そんなに面倒ならそもそも天地創造とかやるなよと、抜本的な疑問を持ってしまうんですよね。だいたい聖書的には人間は最後に産み出されたはずなのに、デザイナー達は思い切り人間形なんですよね。最初から疑問なんですが、この人達は何者なんでしょう。孫がいる人とかもいるし。“天使に丸投げした”というならわからんでもないのですが、天使も登場するけどデザイナーは明らかに別モノなんですよね。

あと現存する生き物を産み出すエピソードがメインですが、三葉虫とかアンモナイトといった過去に絶滅した生物については誰がデザインしたんでしょうか。神様が頑張って中生代までは生物をデザインしてきたけど、満足の出来でなくて新生代から外注に出したとか、いろいろ上手くいかなくなって面倒臭くなってリセットしたのが大量絶滅だとかいうことにしたらどうでしょうかね。外注作品でもやはり神様がうんざりしてきたら「リセット」があるかも。「最近ちょっと人間がうざすぎるな」なんて…

お次は「弱キャラ友崎くん」。ゲームにしか関心がなく、人生を無理ゲーだと思って無気力に生きていた男子高校生が、人生は神ゲーだと主張する女子高生によって変わっていく物語です。

日々ミッションや課題を出されてそれをクリアしていくというのはそもそもゲームみたいなので、人生を攻略すべきゲームとして捉えるというのも一つのやり方なのかと素直に感心してしまいました。

しかし、それもこれも主人公友崎が弱キャラとか言いつつも潜在的なポテンシャルを持っていたり、これだけは誰にも負けないというものを持っていたりしたからなので、主人公が「無職転生」のおっさんだったとして、同じ事が出来るのかと言えばそれは…。人生は「神ゲー」と呼べる人もいる、程度の認識が正しいのではないでしょうか。

多分メインヒロインの完璧超人日南葵はあんまり人気なくて、明るく元気な「みみみ」こと七海みなみや天使のような文学少女菊池風香の方が人気あるんでしょうが、私は葵がかなり好き。CV金元寿子がとてもマッチしているということもありますが、何事にも突出した才能を見せるくせに「本当にやりたいことなどない」と断言するあたりに闇を感じます。才能がありすぎるせいなんでしょうか。


しかし「本当にやりたいこと」に出会った人の方が少ないんじゃないでしょうかね。私なんかは「そういうものはあるのかも知れないが、それを探している余力はないので、今の形で何とか口を糊してます」といった感じてここまで来てしまいました。ニートは「本当にやりたいこと」に出会っていないのでしょうが、「本当にやりたいこと」に出会った人だけが働いているということではないんですよね。

なので、友崎の言っていることの方が綺麗事過ぎて、おじさんちょっと辟易という感じもします。女の子は闇というか秘密を持っているくらいの方が魅力的だし、あそこまで指導してくれるというのは普通できないし。原作は完結していませんが、最後は「葵END」なんじゃないかな、なんて。

最後に「怪物事変」。第1期はプロローグに過ぎず、本筋は第2期以降始まるという感じで終了しました。そんなに期待していなかったのですが、これは面白かったです。特に主人公夏羽(かばね)があまり人間らしくない性格をしていて、感情を排して合理的な手段を取りがちなところが、半妖らしさを出していたような。しかし他の半妖や怪物はそういう性格ではなく、もっと人間くさいので、これは半妖だからとかではなく、彼自身の個性のせいなのか。

怪物(けもの)に関わる事件を扱う探偵事務所に集まった怪物や半妖(怪物と人間のハーフ)の物語ですが、怪物と半妖の差って結局なんなんでしょう?“♪中にイコール書いてちょっぷりオトナさ”という感じにしか見えないのですが。

そもそも怪物は殺せず、首をもいで行動不能にするしかない的な説明が序盤にあったはずなんですが、中盤以降は普通に倒していたような。逆に半妖のはずの夏羽がほぼ不死身なのがちょっと理屈に合わないような。


そういう細かい疑問はあるのですが、全般的なストーリー展開は非常に面白かったです。母が“蜘蛛(アラクネ)”という半妖の蓼丸識というキャラがいますが、識の人間の叔父(父の弟)が、母を利用しておぞましい生体実験を行っていたという話が、少年漫画にこれはヤバイだろう的なエグさで凄かったですね。


まあ“蜘蛛(アラクネ)”は人間じゃないから、という理屈はわからんではないのですが、見かけは普通の人間なんでよくやるよなあと思います。「蜘蛛ですが、なにか?」の蜘蛛子であれば、外見はただの蜘蛛の怪物なので、いろいろ実験するとしてもわからなくはないのですが。

日本の昔話とか民話には、妖怪・魔物と人間が子をなすという話は結構あるので、日本ではそんなに珍しいことではないと思われていたんですかね?それともあれか!ヨーロッパで女子修道院なのに修道女が妊娠・出産すると「夢魔のせいだ」ということにしていたように、日本では未婚の子や不義の子が出来た時に「妖怪のせいなのねそうなのね」ということにしていたんでしょうか。


まだ視聴アニメはあるんですが、なお未完だったり見ていなかったりしているので、また引っ越してネットが開通したらやりたいと思います。みなさんお元気で。またお会いしましょう。

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