2021年冬季アニメ序盤の感想(その3):弱キャラ友崎くん/蜘蛛ですが、なにか?/俺だけ入れる隠しダンジョン

この週末は天気が良く、布団干しや洗濯がはかどります。やはり週末はこうあって欲しいですね。1月も今日で終わり。2月になると立春が来て寒が明け、春はもうすぐという気にもなりますが、花粉症の足音も近づいてきたりして。

昨日に続いて冬季アニメ序盤の感想です。まずは「弱キャラ友崎くん」。4話まで視聴しました。ライトノベルが原作で、コミカライズもされています。人生を「クソゲー」と呪う陰キャの友崎文也は、「神ゲー」と呼ぶ“アタファミ”こと「アタックファミリーズ」に人生のほとんど全てをかけてのめり込んでいます。その成果は日本1位をキープし続けるほどで、どんな分野であれ日本1にはなかなかなれません。

そして日本2位の好敵手からオフ会で会うことを提案され、行ってみたらなんとそれは同じクラスの「学園のパーフェクトヒロイン」日南葵でした。葵は尊敬するプレイヤーがクラスの陰キャだったことにがっかりして辛辣な言葉を投げますが、「人生はクソゲー」と主張する友崎に対し、葵は人生はアタファミ同様の「神ゲー」であり、様々な努力によって全てを変えていくことができると言い張ります。

自分が心血を注ぐアタファミを持ち出されると逃げるに逃げられず、葵のアドバイスに基づいて「人生」という「ゲーム」に本気で向き合うことになった友崎。「リア充」になることを目標に、葵から与えられる小さな目標や課題を日々こなしていくことになります。

葵は「学園のパーフェクトキャラ」にして、アタファミまで友崎に迫る日本2位なんだから、アタファミに全振りで日本1位の友崎としては「キャラ差」という名の初期性能差を持ち出すしかないのですが、葵によればそれは全て努力の賜物であるという。あらゆることでトップを目指し、勉強やスポーツで日々地味な努力を積み重ね、さらに見た目の印象を良くするために表情や姿勢に至るまで努力を怠らないという。こうまでしなければ人生というゲームでは「強キャラ」になれないというのなら、私なんかはもう弱キャラのままでいいやと思ってしまいますが。

葵による見た目を変え、姿勢を正し、積極的に女の子に話しかける陰キャにはハードな修行も、例えにアタファミを持ち出されるとホイホイ乗ってしまう友崎。実は友崎もアタファミにおいては恐ろしいほどの努力を積み重ねてきた人間だったので、ゲームに例えられるとついつい納得してしまうという。

「弱キャラ」が発想の転換と努力により「強キャラ」となり、人生という名のゲームを楽しくプレイしていく…展開的には非常に前向きでいいのですが、いわゆる「陰キャ」には、友崎のように努力すれば抜け出せるタイプとそうはいかないタイプがいるので、後者には怒りと恨みを買ってしまう作品かも知れません。

個人的には自分が高校生時代に戻っても「強キャラ」にはなれないだろうなと思いますが、作品自体は面白く見ています。金元寿子演じる葵がいい人過ぎるので、もう彼女と付き合ったら良いんじゃないかと思いますが、他の女の子も可愛い子ばかりなので、ギャルゲーなら目移りしちゃうところですね。ゲームなら片っ端から攻略していけばいいのですが、人生というゲームはセーブデータをロードしてコンティニューという訳にはいきませんから。

なおアタファミはスマブラこと「大乱闘スマッシュブラザーズ」がモデルになっていると思われます。私はやったことがないのですが、そこまでのめり込めるものなんでしょうか。格闘ゲームは昔から苦手で、「ストⅡ」で昇龍拳を出すのも大変だった私は、ザンギエフのスクリューパイルドライバーなんか一生出せないだろうと思っていました。ま、そこまで時代を遡ると「ハイスコアガール」の世界になっちゃいますが。

葵から攻略対象に指定(?)された菊池風香は、誤解からとはいえ最初から友崎に好意的だったし、女の子らしくて可愛いのでもう彼女でいいんじゃないかと思ってしまいますが。奥手で読書好きなあたり、「ガールフレンド(仮)」の絶対女王・村上文緒に似ている感じがします。CV茅野愛衣は反則だよなあ…

個人的には“みみみ”こと七海みなみが明るくて気さくなので好きですね。葵や花火との“百合”シーンを横から見てるのもなかなか…

続いて「蜘蛛ですが、なにか?」。4話まで視聴しました。タイトルは短めですが、「なろう」系です。一言で言えば「ありふれた職業で世界最強」と「転生したらスライムだった件」を足して二で割ったような内容と言えましょうか。


ある高校の先生を含むクラス全員がなぜか異世界に転生。全員が前世の記憶を持ったままで、大半は人間に転生しますが、性別が変わる者や魔族になる者も出ます。そして人でも魔族でもなく、本来なら知性を持たないはずの「魔物」に転生してしまった者も数人…。主人公はダンジョンの中で蜘蛛の魔物に転生してしまい、卵から孵化するという最弱の状況から物語が始まります。

主人公の通称「蜘蛛子」はCV悠木碧。彼女の視点とモノローグで綴られる蜘蛛サイドと、人間に転生したクラスメートらの人間サイドが描かれますが、正直人間サイドはどうでもいいので、蜘蛛サイドをやって欲しいです。実際原作でも序盤は蜘蛛サイドが大半なんだそうだし、コミカライズ版では蜘蛛サイドオンリーだそうなので、ぜひコミカライズ版準拠でお願いしたい。

蜘蛛サイドは蜘蛛子とダンジョンの怪物達の“生存競争”が展開されているので、基本悠木碧劇場で、たまに間の手的にお姉ちゃんの“天の声”(レベルアップやスキルアップ、クラスチェンジの案内など)が入る程度なんですが、悠木碧は芸達者なので全然問題ありません(本人は疲れるでしょうが)。

クラス全員で異世界転生というあたりが「ありふれた職業で世界最強」、主人公が最弱クラスの魔物に転生というあたりが「転生したらスライムだった件」に近い感じです。「なろう」系には、主人公に状況を説明してくれる「転スラ」で言うところの“大賢者”スキルが付与されていることがよくあり、「転スラ」ではなぜそのスキルを持っているのかがちゃんと説明されていましたが、他作品では理由もなく付与されている不思議。異世界じゃなく、現世で欲しいな大賢者スキル。完全犯罪でカンニング島倉千代子ですよ。

ただし蜘蛛子の持つ“天の声”は、最弱モンスターというステータスに比例してか性能が良くなく、わからないことが非常に多く説明も少ないので、それなりにしか蜘蛛子を支援してくれません。それにしても蜘蛛子のまずいまずいとゲロを吐きながら獲物をむさぼるバイタリティーはどこに由来するものなのか。現世ではいじめられっ子の陰キャだったようなんですが。


エルロー大迷宮という名の広大なダンジョン内でひたすら生き残るための戦いを続ける蜘蛛子と、人間に転生してしかも王族貴族という恵まれた身分を手に入れているクラスメート達。対比としては対照的でいいのですが、この二つの線が出会うのは相当先なんじゃないかと思われるので、先ほど述べたとおり、蜘蛛子の戦いを中心に描いて欲しいなと思います。それにしてもダンジョン内に蛙、蛇、蟷螂、蜂などがいるのはともかく、猿まで群れなしているという。猿なのに蟻か蜂のような群体性で、群れのためなら自ら命を投げ出しても目的を果たそうとする強敵でしたが、レベルアップに伴う完全復元に助けられたとはいえ、たった一人で全滅させた蜘蛛子は凄い。もしや異能生存体?蜘蛛子はキリコだったんだよ!な…なんだってー!?(MMRか)

最期に「俺だけ入れる隠しダンジョン」。4話まで視聴。これも「なろう」系ですが、「蜘蛛」に比べるとかなりアイタタな出来で、「無職転生」とは比べるのも無作法というもの。レベル的には既に視聴を打ち切った「例えばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」(タイトル的にはどう見て「なろう」系だけど、実は違うという不思議。でも出来は悪い方の「なろう」系そのもの)に近く、ネットでは酷評が相次いでいるようです。なぜまだ見ているのは自分でも不思議。

「なろう」系だけど異世界転生ではなく、異世界の貧乏貴族の三男坊ノルが、誰も知らない隠しダンジョンを見つけ、中で封印されていた伝説の冒険者・オリヴィアと出会い、彼女から超強力なユニークスキルを譲り受けてチートに無双していくであろう物語です。

ノルは元々レアなユニークスキル「大賢者」を持っていましたが、これを使うと質問の難易度に比例した群発頭痛が襲い掛かり、ノルに言わせると「死んだ方がまし」というレベルの苦痛だそうで、事実上封印されていました。しかし幼なじみのエマが大賢者のデメリットを打ち消す方法を発見(異性とキスすると軽減されるという何とも都合のいい方法)したため、大賢者を使って隠しダンジョンを発見しました。

オリヴィアから貰ったスキルは創造、付与、編集、LP変換で、要するに新たなスキルを作り出したり、自他に与えたり、自他の既存のスキルを書き換えて強化したり弱点を解除したりするというもので、それをするために必要なのがLPという謎のポイントです。ゲームによくあるHPやMPだと上限がありますが、LPにはなさそうなことと、基本エッチなことをすると貯まるという不思議仕様なので、エマを始め周囲の異性とエロいことをしたりラッキースケベしたりすると自然に貯まっていくという。


しかもノルは幼なじみのエマや妹のアリスからモテモテであるほか、次々と美少女キャラと知り合っては好意を持たれていく様子。異世界転生していないというだけで、「なろう」王道のハーレム展開ですな。毎回喘いでいるようなエマのCVは富田美憂。まだ若いですが、「異世界レビュアーズ」で完全に吹っ切ったような。いいと思います。起用側から使い勝手が良いとキャスティングが増えそう。

ただ、内定していた司書の仕事を上級貴族に奪われる→就職に困らないとされる「英雄学校」入学を目指す→高額の入学金が必要→冒険者となって入学金を稼ぐ→晴れて入学という流れなんですが、駆け出しの冒険者になって高額の金を稼げるなら、もうそのまま冒険者をやっていればいいんじゃないかという素朴な疑問が。「英雄学校」へ行く意味は何なんでしょうか。それこそレベルアップやスキルアップは「隠しダンジョン」でやればいい訳だし。

大体この英雄学校、卒業すれば就職先に困らないらしいですが、なぜか入学してくるのは貴族の子女ばっかり。ちゃんと入学試験があるのに平民が見当たらないのはどういう訳か。貧乏貴族の三男坊であるノルはともかく、上級貴族はそもそも就職とかする必要があるんかい?

エマにディープなキスをズボズボにしているのにただの幼なじみと言い張るノル、ノルが将来有望な冒険者になり得るというだけで惚れまくるギルドの受付嬢ローラ(これが即堕ちというやつか…)、ノル以外の異性に全く興味を示さない妹のアリスなど、キャラ設定とか世界設定、ストーリー展開にもの凄い突っ込みどころがある作品なんですが、まだ見ているのは女性キャラがエロいからなんでしょうか(笑)。でも今後打ち切るかも知れません。

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