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好きな声優さん第6期(その13):高橋美佳子~愛聴していた「美佳子@ぱよぱよ」が終わってしまうので

暗い日曜日

 天気が良かったので布団を干してみたら、その後はどんより曇り空。「暗い日曜日」という自殺ソングとも称される陰鬱な歌がありますが、ただでさえ日の短い晩秋の日曜日がこんなに曇っていると、まさに暗い日曜日と言うしかありません。ま、明るい月曜日と暗い日曜日のどっちが好き?と聞かれたら暗い日曜日の方なんですが。

高橋美佳子

 本日は「好きな声優さん」です。第6期も13人目ということで最後になります。最後といえば、ここ10年近く聞いていた長寿ラジオ番組「美佳子@ぱよぱよ」を近く終えることが発表されたので、高橋美佳子を紹介したいと思います。

高橋美佳子その2

 高橋美佳子は1980年5月29日生まれで千葉県出身。高校在学中にタレント事務所兼養成所ミューラスに第1期生として入校し、文化放送主催の「声優の卵オーディション」で優勝して同局の番組にも出演しています。同時期にアイドル育成番組「えびたい」に出演し、番組内で歌手デビューも果たしています。

高橋美佳子その3

 愛称はみったん。ミューラスにはかつてデビュー直後の杉田智和も所属しており、高橋美佳子は「同期」と呼んでいますが、杉田智和は自分の方が半年ほど後輩だということで「みかこんぐ先輩」(略してこんぐ先輩)と呼んでいます。仇名の名手にこんなニックネームを付けられたせいで、一部に大流行。


 同じミューラスの小林由美子とアニメ「へっぽこ実験アニメーション エクセル・サーガ」に登場したアニメオリジナルキャラクター「エクセルガールズ」を結成し、コスプレをして地方のイベントに出演するなどドブ板的営業活動を行っていました。小林エクセルとハイアット美佳子。

エクセルガールズ

 周囲からは黒歴史と言われていますが、高橋美佳子本人は黒歴史とは思っておらず、隠す気もありません。相方の小林由美子も2018年に二代目野原しんのすけ役となるなど、現在も活躍中。ミューラスが解散(2001年9月)した後は、アイムエンタープライズに所属しています。

大人AKB
始球式の高橋美佳子

 非常にアクティブな人で、高校時代はダンス部に所属し、野球部が夏の甲子園に出場した際、アルプススタンドでチアリーダーとして応援したほか、2014年には30代以上の女性をCM内でメンバーに起用する「大人AKBオーディション」に挑戦し、最終選考まで進んでいます。また大ファンの北海道日本ハムファイターズの二軍戦(鎌ケ谷スタジアム)で始球式も行っています。

関東高橋会

 女性声優の親睦会「関東高橋会」を結成しており、グッズ販売や公開イベントも行いました。メンバーは、井口裕香、日笠陽子、早見沙織、瀬戸麻沙美、高橋未奈美、日高里菜と錚々たる顔ぶれ。一番売れてないのがみかこんぐ先輩だったりして…

オトメロディー

 歌手としてはこれまでにシングル4枚、アルバム4枚をリリースしています。一番有名なのは2005年の「オトメロディー」でしょう。これは「おねがいマイメロディ」のOPで、MVには本人が出演しています。


 もう一つ、高橋美佳子の特徴は、ラジオ番組です。ネットラジオ「美佳子@ぱよぱよ」は2001年から20年以上続いており、インターネットラジオとしては異例の長寿番組です。

公録声優

 今年はコロナ禍で思うようになりませんでしたが、従来はほぼ毎月のように公開録音を行っていて、「公録声優」の異名を取ったりして。今年の3月に1000回配信(来年2月頃の予定)での番組の終了を発表しましたが、理由は金銭的問題だそうです。声優のラジオって、儲からないんでしょうか。

Simoun〜電波 DE リ・マージョン〜

 私がこの人を知ったのも、「シムーン」の番宣ラジオ「Simoun〜電波 DE リ・マージョン〜」を聞いたことが切っ掛けになっています。この番組、シムーンの主役であるネヴィリル役の高橋理恵子とダブル高橋でやっていたのですが、二人の掛け合いの面白さが受けて、テレビ放映終了後も本編アニメを見なかったリスナーが口コミで新たに聞き始めるなど、人気を博しました。実は私が聴いたのも2010年以降だったりします(笑)。

高橋美佳子その4

 2016年に結婚を公表し、2017年には男児を出産しています。8月4日生まれということでまさに「ぱよ」と言っていますが、ラジオ番組名が「ぱよぱよ」で、ラジオリスナーを「ぱよっこ」と呼び、ファンクラブ名は「ぱよまかせ」と名付けるなど、何かと「ぱよ」にこだわっているのですが、「ぱよ」って何なんでしょう。

竜崎桜乃

 「テニスの王子様」ではメインヒロイン(竜崎桜乃)を演じながら、あまりの出番のなさで同情を呼んだそうです。主役よりは脇役で光るタイプなのかも知れません。声質は「日本一の友達声」とも言われています。

クスハ・ミズハ

 それでは私が知っている高橋美佳子の演じたキャラです。例によってほぼ年代順。まずはいきなりゲームで恐縮ですが、「スーパーロボット大戦α」シリーズのクスハ・ミズハ。漢字表記では水羽楠葉。当初はリアルロボット系でしたが、いつの間にやらスーパーロボット系に転向。

クスハ・ミズハその2

 8人設定された主人公キャラクターの一人でしたが、2作目からは前作のメイン主人公という設定にされた「勝ち組」キャラです。やや気弱ながら正義感が強く、趣味は読書をしながらの長風呂と通信販売の健康器具集め、健康ドリンクの作成。

田沼ちさと

 「マリア様がみてる」の田沼ちさと。主人公である福沢祐巳と同学年で、一学年上の支倉令(ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン)の熱狂的ファンです。令は従姉妹の島津由乃(ロサ・フェティダ・アン・ブゥトンのプティ・スール)とレズレベルの百合関係ですが、新聞部のバレンタイン企画で令とデートすることに。

髪を切った田沼ちさと

 デートの最中、令に何度も由乃と呼び間違われたことで、二人の仲の深さを痛感することとなりましたが、恋愛感情を吹っ切って髪を切り、令の所属する剣道部へ入部しますが、その後剣道部に入部した由乃の指導係になることに。仕舞には剣道部長になるということで、恋愛感情を部活動に昇華させた好例とでもいいましょうか。なお翌年には由乃とデートしており、やたらと黄薔薇ファミリーに絡んでいます。

ロードレアモン

 「シムーン」のロードレアモン。古代の遺物である飛空艇「シムーン」に乗り込むエリート部隊「コール・テンペスト」の一員にして名家出身。周囲からは「お嬢様」と呼ばれています。おっとりとした臆病な性格ですが、毒舌にも似た直球な発言をしたりもします。

髪を切ったロードレアモン

 17歳にしては子供っぽい印象のキャラでしたが、戦後は大人びた姿を見せました。正直番宣ラジオをやるには脇役だなと思いましたが、高橋美佳子がラジオ達者で、かつ相方の高橋理恵子がラジオ不慣れだったということが抜擢の理由ではないかと。

小山柚子

 「ガールズ&パンツァー」の小山柚子。大洗女子学園の生徒会幹部で結成する「カメさんチーム」の一員で、生徒会副会長。戦車では操縦手を務めます。使用車輌は38(t)軽戦車から魔改造してヘッツァー軽駆逐戦車に。

小山柚子その2

 明るく穏やかな性格で、生徒会で唯一の常識人。しっかり者に見えてそそっかしい面があったり、話術が巧みでうまい具合に相手を言いくるめたりもします。なお、グラマラスな体型は全校生徒の憧れの的であったりもします。


 劇中、大洗女子学園チーム全員で「あんこう音頭」を踊るシーンがありますが、高橋美佳子も自身のラジを番組で踊っています。終了後は息が切れていますが、フルバージョンを踊りきりました。流石元エクセルガールズ…

白鳥詩織

 「ガールフレンド(仮)」の白鳥詩織。アニメにも登場しましたが、もっぱらゲームで見かけます。歌や音楽が好きだが、人前で目立つのは苦手なので合唱の道を選んだという合唱部の2年生。中の人とは正反対ですな。

有栖川小枝子と白鳥詩織

 なお合唱部部長の有栖川小枝子のCVは中原麻衣で、「美佳子@ぱよぱよ」に複数回出演する仲の良さですが、「まだやってたの?」とか「ぱよって何?」などツッコまれまくっていました。

エリカ(左)

 「坂本ですが?」のエリカ(画像左)。坂本と同じ1年2組のクラスメイト。委員長の藤田恵(CV中原麻衣)の友達で、まるでメスゴリラのような体格をしています。こう見えてトレンドに敏感。

榛名麻耶

 「風夏」の榛名麻耶。主人公榛名優の長姉で長女。優は長姉、次姉、末妹に挟まれています。東京の広告代理店で働いているOLで温厚な性格。

川本美香子

 「3月のライオン」の川本美香子。主人公桐山零と交流する川本家のママン。娘の三姉妹は本作におけるヒロインを務めています。気立てがよく働き者で、身勝手で無責任な夫と離婚後は女手一つで娘たちを育てていましたが、物語開始時点で既に故人です。

誠二郎

 余談ながらその浮気者の夫・誠二郎は実写映画で伊勢谷友介が演じました。最初は優しく真面目な人柄だったが、一度躓くと精神的に脆く、話を盛り続けることでそれが真実だと自分自身で思い込んでしまうような人物だそうです。それでクスリに手を…いやいや(笑)。

高橋美佳子その5

 40歳を超えてなおアクティブなみかこんぐ先輩。好物は鯵のなめろうとマルチョウ(牛の小腸)、そして天下一品のラーメン(当然こってり)。これが活力の源なんでしょうか。アニメ以外に韓流ドラマ・映画の吹き替えでも活躍しており、そうか、だからアニメであまり見ないのかなんて思ったり。また新しいラジオを始めて欲しいものです。

高橋美佳子その6
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記憶に残る一言(その131):古舘伊知郎のキャッチフレーズ(ワールドプロレスリング)

マラドーナ

 アルゼンチンの“神の子”ディエゴ・マラドーナが亡くなりました。享年60歳。アルゼンチンでは3日間の服喪ということで、日本で例えるならば王と長島を併せたくらいでしょうか、あるいはそれ以上でしょうか。サッカー選手としては間違いなく名選手だし、母国をワールドカップ優勝に導いているので英雄扱いも当然ですが、現役引退後は色々とやらかしていましたね。スポーツ選手のみならず、人間全般に言えることかもしれませんが、現役を退いた後の人生ってのをどう生きるかは結構重要な問題ですよね。個人的には河島英五の「時代おくれ」のように、目立たぬように、はしゃがぬようにで晩年を過ごしたいものです。隠居、隠者、世捨て人…憧れるなあ。

ワールドプロレスリング

 本日はスポーツつながりという訳でもないですが、ゴールデンタイムにプロレスの生中継が行われた時代の古舘伊知郎の名調子を紹介したいと思います。新日本プロレスの中継番組である「ワールドプロレスリング」が始まったのは、1973年4月。それから1986年9月まで、金曜午後8字に生中継が放映されていました。

ワールドプロレスリングその2

 猪木の「格闘技世界一決定戦」を始め、タイガーマスク、スタン・ハンセン、ハルク・ホーガン、藤波辰巳、長州力、前田日明、マシーン軍団などを輩出して人気を博しましたが、栄枯盛衰は人の世の常、20%を超えていた視聴率も低落し、今も続く「ミュージックステーション」の立ち上げに伴って月曜日に移動、さらにゴールデン枠を撤退し、夕方・深夜枠へ移されるという辛酸を嘗め、21世紀に入ると30分に短縮されてしまいました。BSでは今も金曜夜8時に1時間枠で放映されていますが…

ギブUPまで待てない
なんじゃこりゃぁ!

 その間には有名な「ギブUPまで待てない!!」という珍番組にリニューアルされたりもしました。当時私も松田優作ばりに「なんじゃこりゃ~!」と思ったものですが、プレレスラーや全国のプロレスファンも同様の気持ちだったらしく、半年足らずで終了しました。

若い頃の古舘伊知郎

 それはともかく、古舘伊知郎が実況を行っていたのは1977年7月から1987年3月。テレビ朝日にアナウンサーとして入社早々に実況担当となったんですね。数々の名フレーズを生み出した名調子は「古舘節」と呼ばれ、、新日本プロレスの黄金期を支えました。84年にフリーになってますが、なお3年実況をしていたんですね。古舘さんについては、プロレス実況者としては空前絶後の人だったという評価は今も変わらないですが、それ以降については…。「報道ステーション」なんかは全然見ませんでしたので、評価のしようがないですね。

実況席トリオ

 アントニオ猪木を「燃える闘魂」、長州力を「革命戦士」と呼んだのも古舘伊知郎で、レスラーのキャッチコピーの素晴らしさは他の追随を許さないものがあります。私は実況の中でアドリブで命名していたんだと思っていましたが、実はあらかじめ考え抜いた言葉を幾つも用意し、本番に臨んでいたそうです。やはり即興ではそんなに傑作を生むことはできませんかそうですか。

古舘本

 個人的に好きなのは高田延彦の「わがままな膝小僧」。「青春のエスペランサ(希望)」はちょっと綺麗すぎです。他には山崎一夫の「戦う青年将校」(見た目「2・26事件」とかで決起してそうでした)、越中詩郎の「戦う起き上がり小法師」(ただ笑ってしまう)、若松市政の「地獄のお茶の水博士」「悪の正太郎君」(マシーン軍団を操っていたところから。しかし正太郎君は鉄人28号を操縦していたけど、お茶の水博士はアトムを操縦してたの?)、ダイナマイト・キッドの「カミソリファイター」(技の切れと見た目から)、ブルーザー・ブロディの「インテリジェンス・モンスター」(元新聞記者ということで)あたりも好きです。

人間山脈

 でも特に印象的かつ数多くの異名を進呈していたのが「世界の大巨人」アンドレ・ザ・ジャイアント。フランス出身のプロレスラーで、公式プロフィールでは身長223cm、体重が236kg。

木こりのアンドレ

 かの巨匠・梶原一騎原作の「プロレススーパースター列伝」では「プロレスラーになる前にはきこりをしていた」なんて紹介していましたが、例によって眉唾もののエピソードです。18歳でプロレスラーとしてデビューし、70年代初めに北米に進出、73年にアンドレ・ザ・ジャイアントに改名しました。80年代中盤以降は膝痛や腰痛に悩まされ、93年に急性心不全で46歳の若さで逝去。長年にわたる過度の飲酒が原因とも言われています。

アンドレ・ザ・ジャイアント

 新日本プロレス登場は74年からで、猪木と死闘を繰り広げたほか、若手売り出し中だったスタン・ハンセンともスーパーヘビー級の抗争を繰り広げました。このアンドレを実況したのが古舘さん。「人間山脈」「ひとり民族大移動」「太平洋をひとまたぎ」「現代のガリバー旅行記」「動く大陸」「戦うギネスブック」「2階からのヘッドバット」などと表現していました。やはり目立つレスラーには表現も多彩になるようですね。

一人と呼ぶには大きすぎ、二人と呼ぶには人口の辻褄が合わない

 私が特に好きなのは「一人と呼ぶにはあまりにも大き過ぎ、二人と呼ぶには人口の辻褄が合わない」です。よく考えついたなこんな表現。さすが天才プロレス実況者。

アンドレと馬場
ホーガンを見下ろすアンドレ

 巨漢揃いのプロレスラーの中でもアンドレの大きさは際立っていました。これを例えるなら、Berryz工房の熊井友理奈でしょうか。

Berryz工房
一人民族大移動

  彼女の身長は181センチだそうです。そりゃあ小柄な人が多いアイドルの中ではアンドレ状態になるわ。某ジャニーズ事務所にも横に立ちたくない人が多数いそうです。

ジャイアントマシーン

 なおマシーン軍団が跋扈していた頃は、マスクを被って「ジャイアントマシーン」としても登場。だいたいマスクを被ると誰だかわからなくなるのですが、この人だけは正体がバレバレで「正体は公然の秘密」とか「世界一正体のわかるマスクマン」とか言われました。ネーミングからして隠す気がないですが。

安藤さん

 「グラップラー刃牙」にはアンドレ・ザ・ジャイアントをモデルにした安藤玲一が登場。飛騨の山小屋に暮らす山岳監視員で、勇次郎とは旧知の仲で、刃牙のこともよく知っています。2メートルを超す巨漢で、月の輪熊程度なら素手で倒せる実力を持っています。登場は幼年編でしたが、最凶死刑囚終盤にも登場し、柳の毒手で瀕死となった刃牙の治療を行いましたが、効果はありませんでした。

アンドレアス・リーガン

 そして最大トーナメント編に登場して刃牙の一回戦の相手となったアンドレアス・リーガンもモデルはアンドレ・ザ・ジャイアントでしょう。さすがアンドレ、モデルを一人にするにはあまりに大きすぎたか。身長2m40cm、体重310kgでアンドレよりも大きいアンドレアス。

デカァァァァいッ説明不要!!

 最大トーナメントの実況は「デカァァァいッ 説明不要!! 2m40!!! 310kg!!! アンドレアス・リーガンだ!!!」と紹介。幼い頃から「本気を出してはいけない」と言われ続け、鬱屈を重ねてきたそうですが、170㎝未満の刃牙に真っ正面からKOされてしまいます。巨漢が噛ませ犬扱いされるのは、鳥山明や車田正美のマンガではよくあることですが、板垣作品でもそうだったか。

実況者

 なお「最大トーナメント」や「中国大擂台賽」などで、試合を実況しているアナウンサーらしき人が名調子を聞かせてくれるのます。どこにもモデルについて言及されていませんが、個人的にはモデルは古舘さんなんじゃないかと思ったりして。

好きな声優さん第6期(その12):名塚佳織~“絶対女王”村上文緒といえばこの人

いえにいるのもたすけあい

 電車で“いえにいるのもたすけあい”なんて広告を見たので、この三連休はほぼ家にいました。この可愛いキャラはジャムから生まれたジャムムというそうです。

ジャムム

 左からブルーベリージャムムのブルール、ぴーなっつクリームムのナッチ(「モー娘。」にそういう愛称の人が)、リンゴジャムムのリタロウ、おれんじマーマレードムムのマーレ(それはナザリック大墳墓の…)、イチゴジャムムのイチカだそうです。

名塚佳織

 本日は半年ぶりに「好きな声優さん」です。第6期13人衆も大詰めになってきました。本日は年齢の割に経歴が非常に長い名塚佳織を紹介しましょう。

名塚佳織その2

 名塚佳織は1985年4月24日生まれで東京都出身。小学生の頃から子役としてミュージカルなどの舞台に出演しており、デビュー作はミュージカル「トラップ一家物語」の末っ子アガーテ役。これは映画「サウンド・オブ。ミュージック」に登場するあのトラップ一家ですね。

名塚佳織その3

 中学生の頃に出演していたミュージカルを見に来ていたアニメ監督の目に留まり、1999年に声優デビュー。その後は舞台出演と声優を掛け持ちしていますが、最近は声優として活動がメインになっているようです。

名塚佳織その4

 2011年2月21日付のブログで一般男性結婚したことを発表、翌年1月1日付のブログで女の子の出産を発表しています。25歳で結婚は、声優としては早いですね。20歳過ぎてから声優デビューした場合、人気が出てくる頃なのでなかなか結婚は難しいかも知れませんが、名塚佳織はなにしろデビューが早かったから。

名塚佳織その5

 事務所に所属しておらず、フリーランスで活動しています。以前はママンがマネージメントをしていたようですが、現在は全て自分で行なっています。ジャズダンス、タップダンス、水泳、スノーボードなどを特技とする多芸な人物として知られています。書籍編集者のお姉さんは、一度声優をやったこともあるそうです。

かもさん學園

 愛称は「かもさん」「かおりん」などで、インターネットラジオ番組「名塚佳織のかもさん學園」は、2003年から続いており、配信サイト「音泉」でも最長寿番組の一つとなっています。現在も使われている番組冒頭のタイトルコールは高校生時代に録られたものだそうで、人生のほぼ半分やっていることに。なお「かもさん」は、彼女が幼い頃にカモノハシの唄が好きだったことからパパンから名付けられたそうです。

ユンその1

 それでは私が知っている名塚佳織が演じたアニメキャラを紹介しましょう。だいたい年代順です。まず「シムーン」のユン。補充要員として途中参加。作中一番の美少女ですが、一人称は「オレ」。金髪碧眼のスラヴ系バレリーナをモデルにデザインされたそうです。

ユンその2

 この世界の人は全て少女として生まれ、一定の年齢で男女に分化していくのですが、ユンは永遠の少女でいることを望み、性別を選択する泉の番人となりました。「シムーン」は、とっくにブログで取り上げたと思っていたのですが、どうやらやっていないようです。いずれ語りたいのですが、放映が2006年で私が見たのは2010年頃なので、記憶が…

湯浅比呂美

 「true tears」の湯浅比呂美。同名の恋愛ADGから名前を継承していますが、内容は完全オリジナルでした。3人のメインヒロインの一人ですが、最終的に勝つのは彼女。というか、主人公は最初から彼女に片想いでした。「true tears」については当ブログで、2013年9月2日から同年10月15日まで7回にわたって取り上げているのでそちらをご覧頂ければと。昔は一作品をたっぷり語っていたんですねえ…(遠い目)。

湯浅比呂美その2

 両親が他界したため、主人公一家に引き取られています。彼女の両親と主人公の両親が親しかったからですが、その中で不倫があって自分は不義の子なのではないかという疑惑を吹き込まれてしまったころが、彼女の性格に影を落としています。まさにポアロがよく言う「過去の罪は長い影を引く」というやつですね。しかし実際は… 

絢辻詞

 「アマガミSS」の絢辻詞(つかさ)。2009年発売の恋愛SLG「アマガミ」のアニメ化で、当然ゲームでの絢辻詞も演じています。アニメはオムニバス形式になっていたので6人いるヒロイン候補全てにスポットライトが当たる形になっていますが、実は制作側によるメインヒロインはこの人らしいです。公式サイトでの人気投票では第5位だけどNE!

絢辻詞その2

 「天下無敵の仮面優等生」の異名を取り、一見文武両道の絵に描いたような優等生ですが、これは猫かぶりで、色々不満を抱え込んでおり、誰にも理解されないことに苦しんでもいます。この人については2015年5月24日付の記事(https://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-1017.html)でも語っておりますので参照していただければ。

宮内一穂その1

 「のんのんびより」の宮内一穂。分校の教師でメインキャラ達の先生にして「にゃんぱすー」でおなじみの宮内れんげの姉です。通称「かず姉」ですが、れんげからは「ねえねえ」と呼ばれています。寝ても覚めても糸目が特徴の24歳。

宮内一穂その2

 基本寝てばかりでろくに授業もせず、マイペースすぎて頼りになりません。ただし家ではそれなりに姉らしいことをしているようです。実家が大地主で山や田んぼを所有しているのと、三人姉妹の長姉ということで、婿でも取って悠々自適という生活を狙っているのかも。でも農作業は結構大変なんじゃ。

村上文緒

 「ガールフレンド(仮)」の村上文緒。同名のスマホゲーを原作としており、当然ゲームでも村上先輩を担当。図書委員で口下手ながら優しい性格で、成績は良い反面運動は苦手。おしゃれにはあまり関心がないということですが、運動もしていないのにB86/W56/H86という抜群のプロポーションの持ち主です。

村上母娘

 あまたの美少女キャラが集う聖櫻学園において、マドンナ選抜総選挙では2014年から2020年まで7年連続1位という絶対女王ぶり。ゲームの顔にしてアニメでも主役を務めた椎名心実すらぶっちぎりの大人気です。心実も常に上位をキープしているんですが。先輩なのに先輩ぶらない優しさとか奥ゆかしさがいいんでしょうか。ママンも美人ですし。

西野彩音

 なお、名塚さんは吹奏楽部所属の西野彩音というキャラのCVも担当しています。本作は1キャラ1声優が原則で、2役演じているのは名塚さんだけだと思います。二人の人気には大きな格差がありますが(笑)。

木々・セイラン

 「赤毛の白雪姫」の木々・セイラン。クラリネス王国の第二王子ゼンの側近でセイラン伯爵家次期当主です。美人で近衛兵団唯一の女剣士なので、一部兵士に人気を博しています。

セイランとミツヒデ

 側近に臣下然とされるのが苦手だから敬語も敬称もいらないとゼンに言われたため、王子にため口を聞いています。同じく側近のミツヒデが好きなようです。

マーガレット・ミッチェル

 「文豪ストレイドッグス」のマーガレエット・ミッチェル。外敵「組合(ギルド)」の徒弟。本作の登場人物は古今東西の文豪の名を持つ者ばかりですが、この人も「風と共に去りぬ」の作者の名を持っています。

ホーソーンとミッチェル

 「組合」が拠点としていた豪華客船をナサニエル・ホーソーンと共に守っていましたが、ポートマフィアの梶井基次郎によって客船は爆破され、さらに芥川龍之介の強襲を受け、ホーソーンをかばって意識不明の重傷を負いました。一応死なないようですが…

有馬亜由美

 「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」の有馬亜由美。原作のADV版でのCVは井上喜久子でしたが、リメイク版では名塚さんがCVです。主人公たくやの義母ですが、夫の広大は恩師だったこともあり、まだうら若い女性です。

亜由美バッドエンド

 部下の豊富秀夫が彼女を狙っており、NTR的展開になったりもします。そうなるとバッドエンドに。でもバッドエンドも一通り見ないとクリアできないという鬼畜仕様になっています。彼女には実はあっと驚く正体があったりします。原作ゲームについては2012年11月24日付の記事で取り上げていますので興味のある方は(https://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-198.html)。

ジコ蟲その2

 「ド級編隊エグゼロス」のジコ蟲。本作の怪人(「○○蟲」)はなぜか豪華女性声優が起用されていますが、名塚佳織も名を連ねています。

ジコ蟲

 ハチ型のキセイ蟲で、主人公烈人達の高校を襲います。ヒロイン雲母のHネルギーを吸い取ろうとしますが、烈人の一撃を喰らい撃沈。

名塚佳織その6

 20世紀から活躍しているので大ベテランには違いないのですが、まだまだ35歳。これからもガンガン活躍して欲しいです。個人的には有馬亜由美のような色っぽい演技が増えるといいですね。

名塚佳織その7

好きなアニメキャラ(その122):アマーリエ(八男って、それはないでしょう!)

新型コロナ感染拡大続く

 東京では新型コロナウイルス感染者が500人を超える日が相次ぎ、筑波嶺のある茨城県でも増加傾向。南関東ほどではありませんが、北関東三県では一番。筑波嶺を含む県南部が東京への通勤圏であるということが大きいのでしょうか。もうこれは忘年会も新年会も中止でしょうかね。クリスマスも中止にすると陰キャ(ワシもじゃ、ワシもじゃみんな!!)は喜ぶかも知れませんが、経済にまで寒波が来てしまいそう。

八男って、それはないでしょう!

 本日は好きなアニメキャラなんですが、かなりの脇役です。なろう系アニメ「八男って、それはないでしょう!」から主人公の義姉アマーリエを紹介しましょう。本作は典型的な異世界転生ものですが、死ぬとかいった特段の理由もなく、また神様のような存在も登場せず、主人公(一宮信吾)がご飯が炊けるまでの間ちょっと居眠りしていたらいきなり転生していたという、「デスマーチから始まる異世界狂想曲」とか「Re:ゼロから始める異世界生活」に近い始まりをしています。「デスマーチ」は自分が開発に携わっていたゲームにそっくりの世界への15歳の姿での転生で、「リゼロ」は17歳の現世のままの姿での転移でしたが、「八男」は予備知識ゼロの異世界に5歳児ヴェンデリン(通称ヴェル)として転生しています。転生のシチュは「本好きの下剋上」に近いかも知れませんが、「本好き」では現世で死んでいるというところが違います。

居眠り信吾
五歳児に転生

 貧乏を極めた下級貴族の八男坊という、ほぼ門地家柄が意味をなさない状況でしたが、5歳で25歳の知識と経験を持ち、「なろう系」によくあるように優れた魔法の素質に目覚め、良い師と出会ってその才能を開花させ、ハーレムを作って無双していくことになります。

まさに結婚式

 ヴェルとして目覚めたのは、長兄クルトの結婚式の宴席でした。アマーリエはクルトの花嫁として登場。この時クルト25歳、アマーリエ18歳だったそうです。

パパン騎士爵

 ヴェルのパパンはバウマイスター騎士爵領の領主ということで、爵位は騎士爵。騎士はドイツなんかだと一応末端貴族と認められていたようですが、イギリスだと貴族には含められていません。アマーリエの実家もマインバッハ騎士爵家ということなので、身分的にはとんとんです。アマーリエは次女ということで、下級貧乏貴族とはいえ一応当主となるはずのクルトに嫁ぐのは悪い話ではなかったのかも知れません。

たくさんの兄達

 クルトの結婚により、次男以下は陪臣の家に婿入りするか、領地を出て自活の道を見つけることとなって各々家を出て行きましたが、ヴェルはまだ幼かったので放任されながらも12歳まで実家に残ることとなりました。

ヴェル君でいい?

 ちなみにヴェルという通称をくれたのは、結婚直後のアマーリエでした。ヴェルと仲が良く、兄弟中随一の聡明さを持つエーリッヒ(五男)によると、「父上は相手探しに苦労していたからね。こうして貴族の娘さんが嫁ぎに来てくれて一安心だろうな」とのことです。

美しいアマーリエ

 原作では“それほど美人ではないが、可愛らしいタイプ”“童顔で若く見える”と表現されていましたが、アニメだとどっこい、結構な美人さんとして描かれています。先々のことを考えると、アマーリエが美人な方が都合が良いのですが、その理由は後ほど。

豪華飯かと思ったが
いつもの食事

 転生直後の食事が豪華だったので、さすが貴族、食事はこれがデフォルトなのかと思ったヴェルですが、ごちそうは結婚式という例外中の例外だったからでした。いつもの食事はぼそぼその黒パンとほぼお湯のスープ。

粗食のアマーリエ

 しかしアマーリエも文句も言わずに食べているので、貧乏貴族の食事はどこでもこんなものなのかも知れませんね。

給仕するアマーリエ

 使用人もいないので、給仕も嫁の仕事。幼い義弟にも出してくれたのは、ほぼお湯のようなマテ茶。異世界にもマテ茶が普通にあるということはさておき、マテ茶はビタミンやミネラルの含有量が極めて高く、「飲むサラダ」とも言われており、野菜の栽培が困難な地域では重要な栄養摂取源の一つとなっているそうです。薄くてもこれで生き延びているのかも知れません。

豪華な食事に喜ぶアマーリエ

 ヴェルが山菜採りを名目に外出して魔法修行する傍ら、師匠はアリバイ作りに協力して山菜を採ってくれました。それが食卓を豊かにして喜ぶヴェルのママンとアマーリエ。「ヴェル君には山菜採りの才能があるようです」と素直に褒めています。

家を出るヴェル
見送るママンとアマーリエ

 12歳になって家を出るヴェルを見送るママンとアマーリエ。実母であるママンはともかく、アマーリエも寂しそうです。兄のクルトは何かと邪険にしていましたが、アマーリエはヴェルとは仲が良かったようです。こういう貧乏所帯だと、兄に倣って兄嫁も穀潰しの末弟に辛く当たっても不思議ではないんですが、本当に優しい人だったんですね。本好きという共通の趣味が二人の仲を良好なものにしていたのかも。仮初めにも貴族だというのにヴェルのパパンは字も読めませんし、バウマイスター家の家族もほぼ文盲の模様。字が読めるアマーリエの方が例外なんでしょうか。情けは人のためならず、と言いますが、本作もこの諺をなるほどと思わせる展開になっていきます。

再登場アマーリエ

 この後ヴェルは王都で過ごすのでしばらくアマーリエは登場しません。再登場は9話。ヴェルが古代遺跡探索中に死んだという誤報の手紙をクルトに伝えるアマーリエ。既にヴェルは古代骨竜(アンデット・ボーン・ドラゴン)やグレードグランド(老地竜)の討伐により、国王から実家と別に男爵位と莫大な財産を授かっていました。クルトはそれが自分の懐に転がり込むものとぬか喜びを見せましたが、アマーリエは悲報に驚き悲しんでいる様子しか見せませんでした。

狂っていくクルト

 その後元々性格が悪かったクルトは末弟への嫉妬に狂い、中央貴族の陰謀にも乗せられてヴェル暗殺を謀ることに。当然失敗して自滅していきますが、自分を嵌めた中央貴族も巻き添えにして滅んだことは最後の善行だったかも知れません。

二人の子供を持つアマーリエ

 この頃アマーリエは二人の子持ち。でも相変わらず綺麗ですね。ヴェルとは久々の再会ですが、やはり二人の仲は良好な様子。ヴェルには甥にあたる子供達も、「竜殺しの英雄」に尊敬のまなざしです。パパに似なくて良かったね。

ヴェルとはまだ仲が良い

 「私も年を取りました。考えるのはあの子たちのことばかり。兄弟仲良く生きてくれさえすれば…」というアマーリエ。しかしまだ30歳には届いていないはずなので、言葉とは裏腹に若く美しいままです。アニメでは描かれていませんが、原作によると、二人の子供を為した後はクルトは愛人に走っていたそうです。この世界では貴族たるもの、愛人の一人は二人は当然らしいのですが…ろくに食えなくてもやることはやるのね。奥さんこんなに綺麗なのに…とも思いますが、某アンジャッシュな人のように、どんなに嫁さんが美人でもヤル人はヤルもののようですね。

若々しいアマーリエ

 十代半ばのヴェルと並んでもさして違和感のない若さのアマーリエ。これが伏線というやつか…

厳しい顔のアマーリエ

 クルトのヴェル暗殺計画直前、アマーリエもこんな険しい表情を見せます。彼女もヴェルを裏切るつもりなのか?と思わせるような描写ですね。

甥っ子と遊ぶヴェル

 子供達を積極的にヴェルに近づけていることも、ヴェルの油断を誘ってのことかと思わせる描写でしたが…

母としての覚悟

 実際には心はとうに夫から離れていたアマーリエ。「私はあの子たちを守るためであれば誰にどう思われようが構いません。今も子どもたちをヴェル君に近付け、情に訴えることで貴族の地位を奪われないようにしている。狡猾だと言う人もいるでしょう。でもそれでいいんです。それが母として生きる私の覚悟ですから」とヴェルに告げます。

母の覚悟ですから

 クルト自滅後、アマーリエは子供達と共に二男ヘルマン(分家に婿入りして騎士爵家の従士長を務めていた。クルトの陰謀とは無関係)の家で匿われていました。

あの子達に与えるつもり
正妻と愛人の距離

 アニメでは最終回終盤、ヴェルは伯爵に陞爵し、クルトの自滅の巻き添えで死んだ中央貴族のうち、2席分の爵位任命権を授かります。ヴェルはアマーリエに、これを甥っ子達に与えるつもりですと言います。アニメはここで終わって、1話冒頭で描かれた、魔法による開拓生活に入る訳ですが…近い将来の正妻エリーゼと愛人となるアマーリエの立ち位置が興味深いですね。

子供のことだけ考えているアマーリエ

 原作では、ヴェルの口約束を確実なものにしたいというアマーリエの希望と、周囲(ヴェルのパパンとかバウマイスター家の「寄り親」であるブライヒレーダー辺境伯)の打算から、ヴェルの「あてがい女」となります。これは結婚前の貴族男子に「女」を教える役目ですが、シチュエーション的にはエロ漫画とかによくある兄の未亡人を寝取るという展開。ツボに嵌まる人は嵌まるでしょうね(ワシもry)。

これは愛人にしますわ

 ヴェルは「あてがい女」の話を聞いたとき、転生前の風俗体験などからとんでもないブスなBBAとかが来るんじゃないかとかなりビビっていましたが、それがアマーリエと聞いて、義姉であることにためらいを感じつつも受け入れていました。これまでの良好な関係とか相性の他、やはりアマーリエの性格や容姿も大きな要因だったに違いありません。肉体年齢は一回り離れていても、精神年齢的にはアマーリエ18歳の時に転生前の信吾は25歳だったし。

お似合いカップル

 なお余談ながら、アマーリエはあくまでヴェルの「筆下ろし」の相手であり、結婚までの一時的な関係だと考えていましたが、ヴェルにはごく普通に甘えられる相手として気に入られてしまい、結婚後も愛人関係は続くことになりました。ヴェルは正妻エリーゼの他、側室4人と同時に結婚しているくらいなので、今更愛人の一人や二人どうということない感じですが、週に5日も通ってくるということでよほどの寵愛ぶり。某チャールズのように年上好きだったのか(笑)。

あてがい女に

 肩書きはバウマイスター家のメイド長という使用人の地位でしたが、バウマイスター家も辺境伯(侯爵ないし公爵に相当)に陞爵しており、騎士爵家の次女としては悪い扱いではなく、しかも実態はヴェルの「専属メイド」という名の愛人でした。後にヴェルとの間に娘が生まれたことで、バウマイスター家内では側室の一人として扱われることに。「なろう系」にはハーレム展開は多々ありますが、ヴェルは正室・側室・愛人併せて20人近いという屈指のハーレム野郎になるのでした。

ゆかな

 CVはゆかな。以前は野上ゆかなと名乗っていましたが、21世紀になって改名。今に続くプリキュアシリーズの第一作「ふたりはプリキュア」の雪城ほのか(キュアホワイト)役で大いに知名度を上げました。

ゆかなその2

 90年代半ばから活躍しているベテランですが、個人的には格闘ゲーム「ADVANCED V.G.」のメインヒロイン武内優香とか、育成SLG「プリンセスメーカー ゆめみる妖精」の娘(主人公)とか、アニメにもなった恋愛SLG「アマガミ」の七咲逢とかが記憶に残っています。特に七咲逢は公式サイトでの人気投票でぶっちぎりで1位になっていました。私は2位の“ラブリー”森島はるか派でしたけどNE!

一緒に料理 

 ちなみにアマーリエの夫であるクルトのCVは杉田智和。この人に演じさせるにはもったいないような小物役にも思えましたが、二人はかつて一緒に番組で共演して料理を作っていたことがあり、その良好な関係から熱愛関係ではないかと噂されたこともあったとか。熱愛かどうかはともかく、杉田智和がゆかなを敬愛していることはラジオ(アニゲラ)などでの発言からも明らかなので、役柄上とはいえ夫婦役での共演は嬉しかったのではないかと。

記憶に残る一言(その130):吉備真備のセリフ(ツギハギ漂流作家)

小春日和というより小夏日和

 先週はそろそろストーブ出さないとな、なんて思っていたのですが、今週はやたら暖かかったですね。というよりもむしろ少し暑うくらいだったり。小春日和ならこの時期にふさわしいのですが、小夏日和といいたくなります。それなのにコートを着て汗をぬぐっている人達、天気予報はちゃんと見ましょうよ。

ツギハギ漂流作家

 さて前回の記事で「ジャンプ打ち切り四天王」という話題が出たので、その流れで今回も記憶に残る一言です。四天王の一角「ツギハギ漂流作家」から、主人公吉備真備のセリフを紹介したいと思います。

ツギハギ2巻

 「ツギハギ四天王」は「週刊少年ジャンプ」に2006年10号から30号まで連載された西公平の漫画です。ジャンル的にはバトルものになるそうです。最近は知りませんが、昔ジャンプには10週ルールというのがあって、人気が出ないと10週で打ち切られるという厳しい掟がありましたが、20週連載されたのならそこまでではないようにも思えますが…

ツギハギ3巻

 全出版物の95パーセントを「漂流録」という冒険譚が占める世界で、漂流作家編集者と共に世界中を旅し、未開の地の冒険を「漂流録」として書き著しています。本作は、「漂流録」の神様と言われるフジワラ・ノ・フヒトの弟子を自称する漂流作家・吉備真備が、秘境を旅する冒険活劇です。

 フジワラ・ノ・フヒト(=藤原不比等)、吉備真備って、日本史かよ。それ以外にも橘諸兄、物部守屋、大伴継人など、漂流作家や編集者は日本史の登場人物の名前を冠していることが多いようです。

本物の吉備真備

 史実の吉備真備は遣唐使留学生として18年間も唐で学び、帰国後は異例の昇進で従八位下から正二位右大臣にまで駆け上がるという、奈良時代の豊臣秀吉のような人物です。玄宗がその才を惜しんで帰国させなかったために唐に18年にいたとか、帰って来るときに九尾の狐も同船していたとか、兵法や陰陽道の祖であるとか、様々な伝説を持っています。

ツギハギ吉備真備

 本作の吉備真備は名前以外は特に史実と関わりがなく、ツギハギだらけの服を着ており(だからツギハギ漂流作家なのか)、武器は傘。漂流録にかけては雄弁で自身の考えを持っていますが、空気が読めない上に口が悪く、しばしば不謹慎な発言をする人物です。

ベロリ

 「どこかの海賊漫画みたいなキャラで、どこかの未開のものを追い求める漫画みたいな展開」「主人公を始め登場人物が不愉快」「不条理さと理不尽さが漫画全体を覆う」「キャラがパクり」などと評されるなど、評判は良くなく、単行本な全3巻ということなので堂々たる打ち切り作品です。

何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ

 ですが、最終話で吉備真備が放ったこのセリフだけは本作唯一にして最大の名台詞として評価されています。

どうして傷つけ合ってばっか

 これの前にはこういうことを言っています。

百の罵声をあびせるよりも

 不愉快な主人公という評判とは裏腹に、良いこと言っているじゃないかと思いますが、実はこれ、どういうシチュエーションで放たれたセリフなのかと言えば、猫嫌いと犬嫌いに分かれて本気で殺しあってる村人を止めるための叫びなのだそうです。なんだこれは…たまげたなぁ。どういう村だよ(笑)。

ルフィのコラ画像

 この吉備真備というキャラ、「ONE PIECE」の主人公モンキー・D・ルフィに似ているとかパクリとか言われてきました。容姿はそこまで似てないように思えますが、これを言い放ったコマの部分だけ切り取ると確かに似ていますね。

ルフィのコラその2

 そのためこのセリフをルフィに言わせるコラ画像が作られて流布し、本作の知名度の低さと相まって、本当にルフィが言った台詞と勘違いする人達が増えていきました。実は私もてっきりルフィが言ったセリフだと思っていました。いかにも言いそうな雰囲気ありますしね。

Jスターズビクトリーバーサス

 2014年に発売されたPS3用アクションゲーム「ジェイスターズ ビクトリーバーサス」は、歴代のジャンプヒーローが登場して闘いますが、当然ルフィも登場。

思いっきりボイスになってる

 それはいいのですが、このゲーム中でなんとルフィがこのセリフを発してしまうという事態が。コラだと知っていてわざとやったのか、コラ画像を本物と勘違いしたものか。



 その後のアップデートで即刻削除されたそうですが、証拠はこのとおり残っています。CV田中真弓は妙だと思ったりしなかったんでしょうかね。やはりルフィなら言いそうと思って流したとか。

フリーザコラ編

 さらにコラは拡大しており、こちらはフリーザ編。ぶち切れてるフリーザ様ですが、フリーザはこんなこと言わないでしょう。

遊戯王コラ編

 こちらは遊戯王編。闇遊戯なら相手をディスりながら言いそうな気も。

某新書の一節

 ルフィのセリフと誤解したまま、こんな文章を書く人も。このセリフが好きでも嫌いでもどっちでもいいのですが、出展はしっかり確認しておきましょう。「ONE PIECE」作者にとっては熱い風評被害だ(笑)。

〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。

  河出書房新社の「レンタルなんもしない人」というペンネームの人が書いた「〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。」という新書の一節だそうですが、Amazonのレビューでもしっかり指摘されています。そりゃそうだ。

誰なんだこれ 

記憶に残る一言(その129):白川渚のセリフ(タカヤ -閃武学園激闘伝-)

晴れの日に

 久々に「ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜」をほぼ全話見直したのですが、やはり面白いですよこの作品。吹奏楽部アニメというと「響け!ユーフォニアム」が圧倒的な知名度の高さですが、本作はほぼ吹奏楽部の態をなしていない状態のたった5人の弱小吹奏楽部が、1年半で26人にまで増えて、地区大会、県大会を突破して東海大会に出場するまでになるという“成り上がり”ぶりの凄まじさ。

カエサエ 

 正直吹奏楽部の練習パートは少なめで、「日常の謎」を解く推理部分が多いのですが、原作が青春ミステリだから仕方がありません。私のようにミステリー好きで吹奏楽部に特段の思い入れのない人なら、ハルチカの方が面白いのではないかと思います。部員同士のギスギスぶりなんて別に見たくないんじゃ。脇役だけどアニメオリジナルキャラの朝比奈姉妹は良い味出してましたね。ぜひ2期を作って全国大会での勇姿を見せて欲しいですが。実写映画?知らない子ですね。

白川渚

 それは本日の本題です。すっかり本ブログのメインコンテンツになってしまった「記憶に残る一言」です。元々はネタがないときの埋め草だったんですが…もうネタが枯渇したということなんでしょうか。本日は坂本裕次郎の「タカヤ -閃武学園激闘伝-」からヒロイン白川渚のセリフを紹介します。

タカヤ1巻

 「タカヤ -閃武学園激闘伝-」は週刊少年ジャンプの2005年25号から2006年26号まで連載された作品で、単行本は全6巻。これだけ連載したのなら打ち切りとも言えないような気がしますが、一説にはジャンプの「打ち切り四天王」の一角にも取り上げられています。その理由については後述しましょう。

とうさんの会社がとうさん

 中学浪人が決定した火叢(ほむら)タカヤは、翌朝、父親の会社が倒産したと告げられます。呆然とするタカヤですが、お隣の日本屈指の大金持ち・白川家から100億円貰ったから大丈夫だと。しかし交換条件があり、タカヤは白川家が経営する私立閃武学園へ強制入学させられることに。どうせ中学浪人になるところだったので、渡りに船という気もしますが。ですが閃武学園、そこは力の強い者が生き残り、弱い者は淘汰されていくというとんでもない学校でした。どこの男塾だよ。さてタカヤの運命やいかに?という作品です。

子を売る親

 金で子供を売ったひどい親…といえばそのとおりですが、100億円ともなればなあ。別に殺すとかいうわけではないので、この額なら売り渡す親は星の数ほどいそうです。一昔前なら雀の涙ほどの金で娘を売っていたという話もあった訳ですし。

ド外道親

 いや前言撤回。やっぱド外道親だったこいつら(笑)。金は人を変えるのか、それとも本性を炙り出すのか。その辺をぜひ知りたいので誰か私に100億円を下さい。大負けに負けて9割引きの10億でもいいぞ!

ツンデレ渚

 で、こうなった理由は白川家のご令嬢白川渚がタカヤのことが大好きだったから。これには幼少期の出来事が大きく影響しているのですが、大金持ちの巨乳美少女に惚れられるなんてたまらんシチュですよ。

白川渚絶望顔

 この渚、弱肉強食の閃武学園でも屈指の実力者ですが、7才の時に両親から貰ったリボンを何よりも大切にしており、これを奪われると手も足も出なくなるという弱点が。別に死別した訳でもないようなんですが。上の画像はリボンを取られたときの顔。これほどの絶望顔の理由がそれかよとツッコミたくなってしまいます。

あててんのよパート2

 色々あって一件落着した後のシーン。殴られた拍子に渚の胸を触ってしまったこと(ラッキースケベという奴ですな)を思い出したタカヤに、渚が背後からスリーパーホールド。息も絶え絶えに「…ま…また胸があたってるんですけど…」というタカヤへの渚の返し「…あててんのよっ」が今回の記憶に残る一言です。

あててんのよ その2

 本作はもともと第1回金未来杯グランプリ作で、読み切りだった「タカヤ-おとなりさんパニック!!-」(2004年35号掲載)がベースになっており、第一話はほぼ読み切りをなぞった形です。そちらにも「あててんのよ」は既に存在していました。

あててんのよ

 実は同シチュの絵が二種類あってどういうことなんだってばよと思ってしまいますが、絵の上手さ(というか渚の可愛さ)から見てこっちが書き直し版かなと。このセリフは読者に大きなインパクトを与えました。

タカヤシリーズ 

 こちら単行本。どうして6巻に数字表記がないのかと不思議に思ったあなた、鋭いです。実は本作は2006年13号から突如としてタカヤと渚以外の登場人物を一新した異世界漫画になってしまうのです。サブタイトルも「閃武学園激闘伝」から「夜明けの炎刃王」に変わります。便宜上「学園編」と「異世界編」と呼称しましょう。

最大トーナメントパクリその1最大トーナメントパクリその2
最大トーナメントパクリその3最大トーナメントパクリその4

 学園編では「閃新会」という格闘大会が開催され、タカヤもこれに出場しました。その出場選手紹介シーンが、完全に「グラップラー刃牙」の最大トーナメントの全選手入場をパクっています。なんだこれは…たまげたなぁ。

夜明けの炎刃王

 そんなわけでタカヤは「閃新会」で見事優勝を勝ち取ったにも関わらず、人気は低迷していた模様。それを打開するための秘策がまさかの「なろう系」だったとは。それが上手く言ったかどうか、は「異世界編」が1巻で終わっているあたりで察して下さい。

よっしゃあああTHEEND

 最終回末尾の見開きでの「THE ENDォオ!! よっしゃあああッッ」はインパクトがありますね。打ち切りなので「よっしゃ」じゃねえよと思いますが、もしかすると担当編集に引きずり回されていやいや異世界編をやって、ようやく終わったのでほっとしたという作者の心の叫びなのかも知れません。なんとも言えないやけくそ感がたまりませんね。

大泥棒ポルタツギハギ漂流作家斬

 なお「打ち切り四天王」の一角というからには他に三作あるのでは?というもっともな疑問があると思います。四天王どころか七武会ではないかと言われるほどジャンプで打ち切りが横行した時代があったそうですが、私が見たサイトではこの「タカヤ」の他、「大泥棒ポルタ」「ツギハギ漂流作家」「斬」を四天王の構成作に挙げていました。四天王最弱はどれか知りませんが、最強は「斬」だそうです。“作者は小学生”“夏休みの自由研究”と言われるほどの神漫画だったとか。読んでみたいような読みたくないような(笑)。

アフロダイAのあててんのよ

 ここからは「あててんのよ」ネタです。まずはマジンガーZ版。アフロダイAのおっぱいミサイルを背中に受けているZ。正式名称は光子力ミサイルなんだそうで、威力はZのミサイルパンチより上なんだとか。左右の2発しかありませんでしたが、後に連射可能になったとか(どうやって?)。

高木さんのあててんのよ

 「からかい上手の高木さん」版。西片へのからかいがエスカレートしたら、普通にこれくらいやってきそうな高木さんではありますね。高木さんのからかいに耐性が付いたのか、この程度の動揺で済んでいる西片は流石ですね。そのうち悟りが開けるかも知れない。

八尺様のあててんのよ

 boketeより「八尺様」版。都市伝説の怪異、八尺様。身長が八尺(240㎝)もあるということのほか、容姿は若い女性だったり老婆だったりと様々です。八尺様に魅入られた少年は、数日の間に取り殺されてしまうとか。この「あててんのよ」はとんでもなく羨ましくないですね。

道下君のあててんのよ

 「くそみそテクニック」版。何と道下君が攻めに?ナニがドコにあたってるんですかねえ。もっともこのシーン、オリジナルのセリフの方がえげつなくて、実はこっちの方が遙かにマイルドになっているという。しかし考えてみれば百戦錬磨の阿部さんがアヘ顔っぽくなっているのはこのシーンくらいですね。阿部顔とアヘ顔…いやいや。

萩旅行記②:松陰神社と東光寺

丹陽

 「艦これ」に中華民国の駆逐艦丹陽(たんやん)登場。……といっても雪風を改装した姿ですが。太平洋戦争の激闘を生き延びた奇跡の駆逐艦・雪風は、復員船の役目を終えた後に賠償艦として中華民国に引き渡され、丹陽としてなりました。就役しました。乗組員たちが最後まで入念に点検、整備を行っていた雪風は、艦の状態が非常に良く、「敗戦国の軍艦でもかくも見事に整備された艦を見た事が無い。まさに驚異である」と、立ち会った各国の高級軍人から高い評価を得たそうです。国共内戦に敗れた蒋介石総統が台湾に逃れる際に乗艦したとか、故宮博物院の財宝を輸送したとされますが、それも雪風時代の強運ぶりにあやかったんでしょうか。

雪風改二

 実はさらに「雪風改二」に改装可能なんですが、丹陽にするのにも使った改装設計図をさらに2枚も必要とするので、当面改装は無理です。もうすぐイベント開催なので資源を浪費できないし、おそらくは来年になってしまうと…。でも丹陽も可愛いので、もう一隻雪風を育てようかしらん。

丹陽と雪風改二

 それは本題の萩旅行記の続きです。ホテル選びの際に大浴場かバイキングで大浴場を選択したので、朝食はおにぎり二個の軽食風。でもおにぎりは「おかわりもいいぞ!」なので食べようと思えばがっつり食べられます。でもおかずがね…。

朝食

 チェックアウト後に向かうは松陰神社。ぶらぶら歩いて行けます。一日目は線路(山陰本線)の西側、本日は東側を攻めていきます。

松陰神社大鳥居

 松陰神社は明治40(1907)年に創建された、吉田松陰を祭神とする神社。学問の神として厚く信仰を集めているとか。でも松陰の故事から考えて、留学とかのお願いは叶わなそうな(笑)。

松下村塾

 境内には松下村塾があります。幕末から明治期に、日本を主導した人材を多く輩出したことで知られる有名な私塾ですが、松陰がここで指導したのは2年足らず。ただ、松下村塾自体は叔父の玉木文之進が1842(天保13)年に開設し、松陰死後も再開されて1892(明治25)年に弊塾されています。

村塾内部

 神社内の松下村塾は幕末当時の塾舎で、木造瓦葺き平屋建てで、当初からあった八畳と、熟成が増えて手狭になったので増築した十畳半の部分から成っています。2015年には世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の一つとして登録されています。

吉田松陰幽囚の旧宅

 その側には「吉田松陰幽囚ノ旧宅」もあります。黒船密航が叶わず野山獄に入れら、出獄後に幽閉処分となった際の松陰の実家の杉家の旧宅です。8畳3室、6畳3室、4畳、3畳7分、3畳半・3畳および2畳各1室ほか、板間・物置・土間を有する大きい建物ですが、こんなに広いのに松陰は東側にある3畳半の一室で2年近く謹慎生活を送っていたそうです。

謹慎していた部屋

 ここが謹慎室。松陰はここで読書と著述に専念しましたが、家族からの薦めもあって孟子や武教全書などを講じ、次第に多くの若者が参加するようになったことで、松下村塾で指導するようになりました。

松陰神社

 松陰神社本殿。1955(昭和30)年に完成したもので、ご神体として松陰愛用の赤間硯と父叔兄宛に書いた文書が遺言によって収められているそうです。

松門神社

 本殿完成以前の旧社殿は、松陰の塾生・門下生を祭神として松門神社となっています。

花月楼

 直接松陰とは関係ありませんが、萩藩7代藩主 毛利重就が、1776(安永5)年(1776)に三田尻(防府市)の別邸宅に建築した茶室「花月楼」も移築されています。

伊藤博文旧宅

 神社周辺には松陰の墓や誕生の地もあるということで、やはりぶらぶら歩いて行ってみます。すぐそばに伊藤博文旧宅もあったのですが、改修中で全面ネットを被っていました。そうでなければ画像のような家が見られたはずなんですが。

玉木文之進旧宅

 その先にある玉木文之進の旧宅。松下村塾の創立者で、吉田松陰の叔父にあたる人です。1876(明治9)年発生の「萩の乱」の際、反対したにも関わらず養嗣子を始め多数の門弟が参加したことから「自己の教育責任を、一死以ってこれを償ふ」と言い残して自刃したという、謹厳、剛直の人です。

東光寺総門

 さらに進むと大きなお寺が。長州藩の殿様・毛利氏の菩提寺である東光寺です。江戸時代に伝えられた新しい禅宗・黄檗宗の寺院で、1691(元禄4)に3代藩主毛利吉就が建立しました。総門は重要文化財に指定されています。

三門

 拝観料300円払って入ると巨大な三門。これも重要文化財ですが、総門は元禄時代のもので、三門は19世紀の文化時代のもの。

大雄宝殿

 本堂。黄檗宗では大雄宝殿と呼びます。元禄時代の建築でこれも重要文化財。本尊は釈迦如来です。明~清代の中国風建築で、障子の桟が日本と逆に外側にあるんだとか。

木魚の原型

 木魚の原型とされる魚板があります。巨大な魚型で、腹の辺りを叩くと音がします。まさに木魚という名前にぴったりの形ですが、このままでは大きすぎて坊さんの傍らに置くというわけにはいきませんね。魚の形をしているのは、魚は日夜を問わず目を閉じないことから、寝る間を惜しんで修行に精進しなさいという意味なんがそうで、口にくわえた丸いものは煩悩を表し、魚の背をたたくことで煩悩を吐き出させる、という意味合いが有るのだとか。ポータブルな現代の木魚では、そういった由来もよく判らないような形になってしまっていますね。

毛利氏廟所

 そして東光寺の白眉ではないかと思われる、毛利氏廟所。3,5,7,9,11代の奇数代の藩主とその夫人の墓が並び、その他に側室など近親者20余基があります。重臣諸家の献上したという石灯籠500基がずらりと並び、まるで殿とそばに控える群臣一同といった雰囲気です。

藩主と夫人の墓

 なお初代秀就と偶数代の藩主の廟所は萩市の大照院にあるそうです。そちらには行きませんでしたが、地面の傾斜が急で、藩主の墓の形は五輪塔状なんだそうです。東光寺の墓の形は四角柱というかいわゆる通常形です(大きいけど)。

吉田松陰の墓

 東光寺の巨大な境内に沿うようにある「維新ロード」を登っていくと、吉田松陰の墓が。極めて質素という印象ですが、当時、松陰は幕府から第一級の大罪人とされていたのでやむを得なかったかと。そもそも松陰自身がそんな大仰な墓を喜ぶとも思えませんし。周囲には一族の墓のほか、吉田稔麿、久坂玄瑞、高杉晋作など門人の墓もあります。

吉田松陰誕生地 

 その先にある吉田松陰誕生地。萩市内を一望できる「団子岩」とよばれる高台にあります。今は間取りを示す敷石が残るばかりですが、それにしても小さい家だったようです。元々あった杉家が大火で焼失し、松陰の父が俳人の別荘(樹々亭)を買ったのだとか。松陰神社境内の「吉田松陰幽囚ノ旧宅」に一家が引っ越すまで、松陰もここで過ごしたそうです。

郡司鋳造所遺構広場

 ということで、萩二日目はほぼ吉田松陰の旧跡を訪ねることになってしまいました。当初の計画では萩反射炉とか恵美須ヶ鼻造船所跡(どちらも世界遺産)、さらに池なのに海水魚が棲むという謎の明神池などにも行く予定だったのですが、松陰神社と東光寺で時間を使いすぎました。代わりにといってはなんですが、松陰神社近くにあった「郡司鋳造所遺構広場」に行きました。

大砲もあるよ

 ここでは西洋式大砲を鋳造していたということで、一番深いところで4.5mもある石組大砲鋳造遺構が復元されています。そばの大砲はここで作ったものということなのでしょう。

萩旅行記①:関東からは遙かに遠い萩へ

小春日和だ

 晩秋から初冬にかけての、暖かく穏やかな晴天を「小春日和」と言いますが、今日辺りは大春日和とでもいいたくなるような暖かさ。まさか夏将軍が戻ってくるんじゃないでしょうね。急に寒くなるのも困るのですが、この時期に20度を越えるというのも季節外れ過ぎて嫌ですね。

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 さて今日は先日の山口・萩訪問について語りたいと思います。元々は大阪居住時代に計画していたんですが、諸事情により実現できませんでした。それをここに来てようやく決行ということにしたのですが、関東から山口は正直遠かったです。大阪発に2時間半+αを足さなければなりませんから。筑波嶺は東京から決行遠いのじゃ。

台湾風ルーロー飯弁当

 晩秋でもあり、日もまだ昇らない時間に起きて、薄暗いうちに出発。博多行きの新幹線で新山口まで向かいます。朝食は駅弁屋祭で「台湾風ルーロー飯弁当」(950円)を買いました。久々に「牛肉どまん中」(1250円)にしようかとも思ってちょっと迷ったのですが、安さで選択(笑)。

Ambitious Japan

 実は新山口まではそんなに遠くありません。新幹線に乗ってるだけで到着しますし。ですが、萩となるとやけに遠い。JRだと、こだまに乗り換えて厚狭まで行って、美祢線に乗り換えて長門市まで。さらに山陰本線に乗り換えてようやく萩。乗り換えが多くて本数の少なさによる待ち時間の長さもあって、3時間くらいかかってしまいます。東海道新幹線に乗ると流れる「Ambitious Japan!」、山口メンバーのあれやこれやで変更されないか心配していましたが、いつもの模様に流れて一安心。故筒美京平の後期の傑作だと思うんですよね。曲に罪はないので、ずっと変えないで欲しいです。

スーパーはぎ号

 最速で行くなら高速バス一択。「スーパーはぎ号」に乗ると1時間で萩に行けます。ただ、直前に時刻表を再チェックしなかったことが、この後の悲劇を生むことになるのであった…

デンスケ

 なにはともあれ昼食だぜ、ということで萩バスセンター近くにある「デンスケ」という洋食屋へ。カレー&ハンバーグセットと生ビールで1600円。

セットメニュー カレー&ハンバーグ

 この店は昭和感というか、とってもノスタルジックな雰囲気に満ち満ちていて、観光客というよりは地元の人のためのお店という感じでした。

唐樋札場跡 

 近くには「唐樋札場跡」が。萩と防府三田尻を結ぶ、萩往還の起点ということで、幕府や藩からの「御触書」が掲げられた高札が立っていたそうです。

明倫学舎

 そして「萩観光の起点」とされる明倫学舎へ。萩藩の藩校明倫館の跡地に建てられ、2014(平成26)年3月まで明倫小学校として使われていた校舎が、明倫学舎として生まれ変わったものです。

明倫小学校の新校舎

 明倫小学校はどこに行ったのかといえば、すぐそばに新校舎が建っていました。まだまだ新しい校舎のはずですが、デザインはとってもレトロ風です。藩校を起源に持つ小学校というのも珍しいですね。児童達は誇りを持って通えるんじゃないでしょうか。

おれは直角

 小山ゆうのデビュー作「おれは直角」の舞台となっていたのが明倫館でしたね。何かと騒ぎを起こす直角に、城代家老なんかが「天下の名門・萩明倫館が~」と嘆いていたような記憶があります。よく考えると小山ゆうはデビュー時から絵が上手かったんですね。

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 300円払って2号館の「世界遺産ビジターセンター」と「幕末ミュージアム」を見学。2015(平成27)年に「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産登録されましたが、萩は登録された8つのエリアの一つで、
「萩反射炉」「恵美須ヶ鼻造船所跡」「大板山たたら製鉄遺跡」「萩城下町」「松下村塾」が資産としてエントリーされています。

萩城下町

 じっくり見てから、「萩城下町」へ。といっても明倫学舎からは遠くありません。山陽道・山陰道の8か国に112万石を領有していた大大名の毛利氏は、広島を本拠としていましたが、関ヶ原の戦いの後で、領地を周防・長門の2国30万石に削減されて以降は、萩に藩庁を置いていました。

萩城下町2

 街路や水路、武家建築、町家建築、寺社建築などの建築物が今なお多く残り、萩藩御用達の旧家や幕末に活躍した“維新の志士”達の侍屋敷等の面影も残っています。

高杉晋作誕生地
木戸孝允旧宅

 当日は雨。晩秋の雨降る城下町というのも風情があってそれはそれでいいのですが、やはり観光には雨が降らない方がいいですね。木戸孝允誕生の旧宅、高杉晋作誕生地を訪ねました。他にも第26代首相田中義一誕生地、日本屈指の蘭学医・青木周弼旧宅などもありました。木戸邸は実際に入れるんですが、高杉邸は狭いということで入れず、外から眺めるだけ。

サンリブ萩

 ショッピングモールのサンリブ萩で惣菜と酒を買い込み、向かうは松本川を越えたすぐ先にある東萩駅前の萩ロイヤルインテリジェントホテル。晩秋ということもあり、大浴場があることが選択基準となりました。

萩ロイヤルインテリジェントホテル
大浴場
露天風呂

 大浴場のみならず、露天風呂もあります。三つ並んだ円形の湯船には、キンモクセイ、日本酒などの入浴剤が入っており、私は日本酒風呂ばかり攻めてしまいました。

ボンルージュプラスカシス

 いつもはチューハイでカイジ豪遊ごっこなんですが、秋も深くなると醸造酒が飲みたくなりますね。萩の地酒でも選びたいところですが、地下帝国の豪遊が本当に豪遊になってはいけないので、メルシャンのボン・ルージュプラスカシスという全国どこでも買える酒を選んじゃったりして。アルコール分8%と比較的軽く、カシスとブルーベリーが入っていて飲みやすい赤ワインです。

男梅サワー追いレモン

 あと男梅サワーにレモンを加えた「男梅サワー追いレモン」というのも見つけたので買ってしまいました。アルコール分9%のストロング系はあまり好きではないのですが、これは5%と身体に優しそうだったので。それにしてもたまに酒を飲むとやたら爆睡してしまいますね。次回2日目です。

2020年秋季アニメ序盤の感想(その4):魔法科高校の劣等生 来訪者編/ご注文はうさぎですか? /無能なナナ

2020立冬

 本日立冬。所謂“暦の上ではもう冬”ということになるんでしょうが、個人的認識では11月は晩秋なので、いつものように12月になるまでは秋だと言い張っていきます。朝夕はめっきり肌寒くなりましたが、晴れの日は冷房の入らなくなったオフィスが案外暑くなって、扇風機を仕舞えない状況が続いています。自宅の扇風機はとっくに仕舞ったんですけどね。

来訪者編序盤感想

 さてこれが最後の秋季アニメの感想です。やはり14本は多いですね。しかも視聴打ち切りが出ていないという。あ、「呪術廻戦」は1話しか見ていませんが、これは視聴打ち切りではなくお試し視聴でしたので。ということでまずは「魔法科高校の劣等生 来訪者編」です。5話まで視聴しているのでもはや中盤に入っていますが。

司馬兄妹

 第一期が2クールで2014年の春夏アニメでしたから、なんと6年が経過してからの第二期です。こちらはもうおっさんなんで、特に大騒ぎすることもないのですが、小学一年生が中学一年生になるくらいの時間が経過していると考えると、子供達にはもの凄い時間経過だなと思います。昔、「宇宙戦艦ヤマト」がテレビ放送で人気が出ないままに3クールの予定が2クールで打ち切られ(裏番組が「アルプスの少女ハイジ」だったので仕方ないですが)、その後再放送で人気が出て2年後に再編集が中心の劇場版が制作されたのですが、当時は「え?今更?」と感じたものです。大人となったら「割と早い対応じゃん」なんて思いますが、この辺が大人と子供の時間感覚の差なんでしょう。

達也とリーナ

 閑話休題。司波達也・深雪兄妹が国立魔法大学付属第一高校に入学した時点からスタートした「魔法か高校の劣等生」ですが、様々な事件を描いた2クール放映後の「来訪者編」で、彼らはなお1年生のままです。どんだけ大事件が連続しているんだとツッコみたくなりますが、それを言ったら「某金田一少年」とか「某コナン」なんかも凄まじいばかりの凶悪事件の連続ですね。

振袖リーナ

 ということで卒業も入学もまだないままなので、主要登場人物は全員揃っていますが、北山雫が交換留学生として渡米(この世界ではUSNAという名称ですが)し、代わってアンジェリーナ・クドウ・シールズ(通称リーナ)が来日しました。日系人のはずですが、見た目は完全に金髪碧眼の白人です。実は交換留学生とは名目で、実はUSNA最強の魔法師としてある事件の追跡のために来たものです。その全米最強魔法師を相手に互角以上に戦う達也・深雪の恐ろしさよ。

リーナ登場

 「来訪者編」の来訪者とは、一面では来日したアンジェリーナのことでもありますが、実験によって異次元から来訪した「パラサイト」を指します。従来妖魔、悪霊、デーモンなどと呼ばれてきた存在で、精神生命体とか情報生命体とか推測されています。

深雪

 パラサイトが来訪する発端となった実験を行ったのがUSNAで、そこからパラサイトに憑依された「吸血鬼」が引き起こした一連の事件を追ってやって来たのがリーナですが、使命を明かしていないので、独自に吸血鬼事件を探索する達也達と衝突することに。

泉美・香澄姉妹
桜井水波

 リーナは、実は以前プレイしていた「魔法科高校の劣等生 LOST ZERO」というスマホゲームにはとっくに登場していたので、全く新顔感がありませんでした。ゲーム自体は収益が悪かったのか(すまぬ、無課金プレイヤーでした)、2019年10月24日に終了しましたが、5年以上続いたのでスマホゲームとしてはそんなに短命だったという訳でもないでしょう。七草泉美・香澄(真由美の双子の妹)、桜井水波(四葉家のメイドで、達也・深雪の従姉妹という体裁)、綿摘未九亜(劇場版「星を呼ぶ少女」登場のキャラ)も登場していましたが、彼女らは達也・深雪の後輩なので、2年生に進級しないと登場してこない=来訪者編では登場しないでしょう。結構良い味出していて好きだったんですけどね。

灼熱のハロウィン

 未知の戦略級魔法による「灼熱のハロウィン」事件により、世界が新たな戦略級魔法師の登場に震撼する中、最強国家USNAは特に危機感を募らせ、秘密裏に未知の戦略級魔法と、その魔法を使用した魔法師の正体を暴こうと躍起になっていました。まあここでいう未知の戦略級魔法とは、第一期ラストの「横浜騒乱編」で達也が使った「質量爆散(マテリアル・バースト)」のことなので、既にリーナは知らないままに目的を達しているようなものなんですが。

灼熱のハロウィンその2

 本作では通常兵器より魔法の方が戦力として優越しているので、魔法師の量と質が国力の重要なバロメーターとなっていますが、日本は魔法師集団「十師族」を擁し、列強各国に互した国家となっています。何しろ「十師族」の一つである四葉家だけで国を一つ事実上滅ぼしているので。相変わらず「さすおに」的無双を展開する達也ですが、第一期に比べると人間らしさが増してきたような気がします。一年足らずで大きく変わる、これが若さか。

ごちうさBLOOM序盤感想

 続いて「ご注文はうさぎですか? BLOOM」。4話まで視聴しました。第一期は2014年春アニメ、第二期は2015年秋アニメでしたが、第三期はなんと5年も経ってからということで、「魔法科高校の劣等生」に近いぐらい間隔が開いてしまっています。もっと頻繁にやってくれないと「ごちうさ難民」が路頭に迷いますよ。

かわいいが花盛り

 これぞ「きらら系」の王道と言うべき作品で、制作会社は変わっているものの、監督以下メインスタッフ・キャストは続投しているので安定の「ごちうさ」クオリティです。こちらも劇中時間は経過していますが、まだ1年半程度。主人公ココアが高校入学を機に引っ越してきたところからスタートした物語は、2年生の秋を迎えています。

オクトーバーフェス風4人組

 来年はチノが高校入学となり、ココアと同じ高校に通うことが予想されますが、そうなると一年上級生のリゼはJKを卒業してしまいますね。ラビットハウスでのアルバイトを継続するならば、JDになってもあんまり変わらないかもしれませんが。

ココアのクラスメート

 可愛い女の子達のきゃっきゃうふふを見て和むというのが本作の正しい鑑賞だと思うので、作風が変わらない以上はこれ以上あまり言うことはなくて、その調子で続けて行って欲しいの一言に尽きます。あともっと頻繁にやってと。

タカヒロ
ココアママン

 変化といえば、今回はココアの同級生らが大量に登場してきて、その中にはしれっと大西沙織とか日笠陽子といった「大物」も加わっていました。欲を言えば、速水奨演じるタカヒロ(チノのパパン)を、オチ以外の本編にもっと登場させて欲しいですね。あと皆口裕子演じるココアのママンも再登場させて下さい。OPに出ているので可能性はあると思いますが…

無能なナナ序盤感想

 最後に第一話ラストで今季最もインパクトを受けた「無能なナナ」。5話まで視聴しました。2015年夏季アニメ「がっこうぐらし!」以来のインパクトでしたね。原作は「月刊少年ガンガン」連載中の漫画作品なので、知っている人は知っていると思いますが、正直あまりメジャーじゃない(失礼)雑誌なので知らなかった人が多いのではないでしょうか。

人類の敵のイメージ

 “人類の敵”と呼ばれる怪物と戦うため、孤島の学園に集められた、様々な特殊能力を持った少年少女。そんな中、無能と呼ばれ孤立していたナナオの生活は、「心の声が聞こえる」能力を持つ柊ナナがやって来たことで大きく変わっていくことに。

ナナオ

 ナナオの能力は「能力の無効化」で、それを公表して一躍リーダーとして認められることになったナナオは、なぜか柊ナナに崖から突き落とされることに。主人公だと思っていたナナオは実は一話限りのゲストキャラで、本当の主人公は柊ナナだったのです。

ここからの
これ

 ナナは、能力を持っている振りをしているだけの無能力者で、その目的は「能力者たちの抹殺」でした。“人類の敵”とは、怪物などではなく、能力者達自身だったのです。ナナは、優れた洞察力と推理力を駆使して「心の声が聞こえる」能力を持っているように装いつつ、毎回能力者を殺戮していきますが、なぜそんな重大任務が彼女一人にに任せられているのかはまだ不明です。ただ、能力者に対する憎悪は本物なので、過去に何かあったと思われます。

大久保瑠美

 CV大久保瑠美の出演作品と私の視聴作品の相性が悪く、彼女のキャラとしては真っ先に「Fate/Apocrypha」の“黒のライダー”アストルフォ(FGOにも登場)が思い浮かぶのですが、明るく脳天気なアストルフォのようなナナの「表向きの顔」と、冷静かつ冷酷な「裏の顔」の使い分けが非常に上手く、さすが抜擢されるだけあるなと関心してしまいます。

委員会の命令

 ナナは能力者暗殺を命じた「委員会」(どういう委員会なんだ?)から、能力者たちの調査時の能力と推定殺害人数が記録された端末を支給されており、それによるとナナオは能力者の統率者となり得る最重要危険人物で、推定殺害人数は百万人以上でした。これまで「時間遡行者」「未来予知者」といった手強そうな相手を暗殺してきました。

疑惑のキョウヤ

 しかし、ナナに不審を抱く小野寺キョウヤという能力者が登場。まさに夜神月とLのような関係になっています。当然ナナはキョウヤ暗殺も試みましたが、まさかの「不老不死」能力に現状お手上げ状態です。ナナは彼の疑惑をかいくぐりつつ、他の能力者の暗殺を行うという流れになりつつあります。

ナナ登場
ナナ裏の顔

 「能力者」と「無能力者」の戦いというと、思い浮かぶのは「新世界より」。物語の前史として能力者と無能力者の戦いとその後の暗黒時代の存在が語られ、1000年を経て人間は能力者ばかりになっていましたが、無能力者がいなくなった訳ではなく、別の生物(バケネズミ)に変えられていたという衝撃の展開でした。

ミチルちゃん
ミチルに迫る影

 次の暗殺対象者は、ヒーリング能力を持つミチルか、という引きで5話が終了。根っから善人風のミチルを本当に殺ってしまうのか。しかしミチルのCV中原麻衣というのが若干気になります。突如「嘘だッ!!」と叫んだり狂気の笑いを発したり驚異的な戦闘力を発揮したりしないかと(笑)。

ナナの正体

2020年秋季アニメ序盤の感想(その3):ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ/トニカクカワイイ/魔女の旅々

ハロウィンのイメージ

 今年も一番好きな11月がやってきました。昨日は毎年渋谷が大騒ぎになるハロウィンでしたが、今年は流石にかなり静かだったようですね。古代ケルトの祭が起源というハロウィンを、遙か遠い日本で盛大にやっているのというのは、ニューヨークあたりで「盆踊り」と称して若者達が狂ったように踊ったり暴れていたりしているかのごとき違和感を感じます。まあクリスマスすらほぼ宗教色を抜いて、ケーキやチキンを食べたりデートする日と捉えている日本人ですからね、ハロウィンぐらい赤子の手を捻るようなものなんでしょうか。

ダンまちⅢ序盤感想 

 それでは2020年秋季アニメ序盤の感想を続けましょう。まずは「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ」。5話まで視聴しました。神々が肉体を持って降臨し、眷属を率いてダンジョンを探索し、モンスターを討伐するというファンタジー物語の3期目です。原作でも第三部に相当する部分のアニメ化ですが、原作は第四部に入ってなお継続中なので、人気がある限りアニメ化も続けられそうです。

ダンジョンのベル一行

 3期目は、そもそもダンジョンから湧くように出現し、冒険者を襲うモンスターとは何者なのかという世界の根本に関わるような謎の解明が行われるようです。もっと言えばダンジョンって何だということでもあります。神々が人間を鍛えるために作った…といったものかと思っていましたが、全然違うようです。破壊されても自動的に修復され、モンスターを際限なく生み出すというその性質は、何者かの意志の介在を感じますが…。

異端児達

 倒すと魔石を残して消滅するという、ドラクエとかのRPGに登場するモンスター的な性質もよく考えれば謎ですが、今回は理性と知性を持った異端児と呼ばれるモンスターが登場しました。外伝の「ソード・オラトリア」には怪人という人間とモンスターの混合種が登場しましたが、あれとも違って自然発生的なようです。冒険者からは狩られ、モンスターからも敵視されて安住の地がない彼らですが、ギルドの主神であるウラノスが密かに庇護していました。

ウィーネ

 異端児の一人であるウィーネが主人公ベルと出会ったことから物語が始まりますが、モンスターは問答無用で倒すというのが冒険者の、いや神と人との“常識”である中、どのようにして受け入れられるようにするのか、という難題に取り組むことになりますが、ベルがそもそも只者ではなく、祖父はかつて最強を誇ったファミリアの主神であったゼウスらしいです。古今東西の神々が混在している本作ですが、やはりゼウスの名は…ねえ。

モンスター絶対殺すウーマン

 ベルの憧れの人であり、モンスター絶対殺すウーマンであるアイズとベルの絡みがどうなるのかが期待です。一度本気で殺し合うくらいがあってもいいと思いますが、アイズの闇墜ちとか悪落ちがあるならば、もっとワクワクします。

トニカクカワイイ序盤感想

 続いて「トニカクカワイイ」。5話まで視聴しました。サブタイトルは「FLY ME TO THE MOON」。畑健二郎の漫画が原作ですが、連載開始直前に声優の浅野真澄と結婚しているので、本人の惚気全開の話なのかと思ったり。主題歌「恋のうた(feat.由崎司)」がとっても面白い曲です。これをカラオケで歌うのは至難の業だと思いますが…

司に一目惚れのナサ

 高校受験を控えた由崎星空(ナサ)は、トラックに轢かれた際に自らを犠牲にして助けてくれた月読司に告白したところ、なんと司は「結婚してくれるなら付き合う」と。ナサは即答で承諾し、直後に気を失います。司との再会を夢見て過ごした3年後、司は約束通りナサのもとに現れ、二人は結婚。それから新婚生活という名のお付き合いが始まっていきます。

月と司

 司はナサの代わりにトラックとぶつかってもほぼ無傷だったことや、ナサが司にかぐや姫を重ねていること、結婚前まで司が暮らしていた鍵ノ寺家にNASAから借りている月の石が保管されていること、旧姓が「月読」であること、サブタイトルの「FLY ME TO THE MOON」などから、只者ではないというか、地球の人間ではない感が漂います。

 やってきた司

 司は16才ということになっていますが、ずっと前から容姿が変わっていないらしく、実際ナサと出会った時と3年後で全く姿が変わっていません。CVは今一番売れっ子の鬼頭明里で、自然体で演技しているような雰囲気を強く感じます。

 ひたすらラブラブ

 ナサの方は、「星空」と書いて「ナサ」と読むキラキラネームへのコンプレックスから、NASAよりすごい人間(良く判りませんが)になろうと勉強に打ち込み、「NASAより早く光速になる男(意味不明)」を口癖としてきましたが、学力以外の知識が絶望的なため「勉強はできる子なのに」と周囲から残念がられてきた変人です。

これが初夜
これも初夜

 1話が「結婚」で実際結婚し、2話が「初夜」だったので、「NASAより早く光速になる男」だけに早速「やる」のかと思いきや流石にそういう展開はありませんでした。そもそも今季のエロ枠じゃないですしね。司には色々謎めいた部分があるものの、知識とかは常識的で、ナサの変人ぶりの方が目につきますが、司が初々しくていいので、大事にしてくれるならいいかなとも。

サブヒロインの皆さん 
やるときはやるナサ

 ナサが何かにつけて主張するように司はかわいい。けど、ナサの中学時代の同級生の有栖川綾がCV江坂すみれ、その妹の要がCV芹澤優、司を「姉様」と呼んで慕うナサのライバル(?)鍵ノ寺千歳がCV小原好美と「揃えてきてる」感を強く感じます。ちなみに原作者の嫁浅野真澄もナサのママンとして出演。これはきっとオーディションじゃないんでしょうね(笑)。

魔女の旅々序盤感想

 最後に「魔女の旅々」。5話まで視聴しました。魔法が普通に存在する世界で、若くして最高位の「魔女」となった18才のイレイナが、世界を旅する物語です。この世界では魔道士→魔女見習い→魔女の順で偉いらしいので、「男の魔女」というのがいるのか、魔女はすべからく女性なのか興味がありますね。魔女じゃなくてもほうきに乗って空を飛ぶくらいは結構沢山の人ができるようです。

魔女と旅に憧れるチビイレイナ

 子供の頃から「ニケの冒険譚」を読み、魔女になって旅をする夢を抱いていたイレイナは、「星屑の魔女」フランの下で修業して魔女となり、念願の旅を始めます。二つ名は「灰の魔女」。フラン命名ですが、髪の色が灰色だかららしいです。「灰色の魔女」だと「ロードス島戦記」になっちゃうところでした。

イレイナのママンとパパン

 どう考えてもニケ=イレイナのママンで、ニケ→フラン→イレイナという師匠-弟子関係なのですが、他のことではやたら勘の鋭いイレイナなのに、何故かこれには気がつかないという不思議。これが「傍目八目」ということなんでしょうか。

イレイナとフラン

 物語の展開は「キノの旅」そっくりで、イレイナが旅の途中で訪れた様々な国や人々のことが描かれていきます。イレイナは好奇心が強く、噂や評判を聞いては次に訪れる国を極めたりしていますが、どこでも自分が「旅人」であるという意識から、直接自分が関わっている事以外については強く干渉することはなく、悪い状況を目にしても手出しせずに去るなど冷淡とも解されるような対応をすることが多いです。

クマ娘ユナ

 このあたり、「くまクマ熊ベアー」の主人公である異世界転移者のユナがかなりお人好しで、小さな子を中心に積極的に弱者を救おうとしてるのと好対照ですが、ユナが冒険には行くけど、基本クリモニアの街にとどまって暮らしている定住者であるのに対し、イレイナは「旅人」で定住していないこと、ママンや師匠から自身の身を守ることを最優先するよう言われていることが影響しているのではないかと。イレイナはユナほどのチート能力は持っていないことや、ユナの能力が全面的に付与されたものなのに対し、イレイナの能力(魔法)は自得したものだということも関係あるのかも知れません。良くも悪くもイレイナは木枯らし紋次郎的な感じがします。

彼女は実は…
ニノ見殺し?

 二編が詰め込まれた3話がいずれも結構ダークな話で、前編「花のように可憐な彼女」はイレイナが街に訪れる災厄を知りながら放置して去ったようにも見えること、後編「瓶詰めの幸せ」もイレイナが近い将来に訪れるらしい悲劇を傍観して去ったように見えることから、一部の視聴者からは「クズ」呼ばわりされていますが、行く先々で必要以上に干渉しないのが旅人というものなんじゃないでしょうかね。もしするのならばそこに定住する覚悟で、というのが旅人の「無責任」ないし「責任」なのかなあ、なんて。木枯らし紋次郎の決めセリフは「あっしには関わりのないことでござんす」でした。

リテラチュラ

 上田麗奈が歌うOP「リテラチュラ」がとても素敵です。イレイナを演じる本渡楓も絶賛していましたが、本業は声優なのになぜ本編に出演していないのだ(笑)。

自称絶世の美少女イレイナ
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